公開番号2024169928 公報種別公開特許公報(A) 公開日2024-12-06 出願番号2023086797 出願日2023-05-26 発明の名称固体電解質粒子 出願人トヨタ自動車株式会社 代理人弁理士法人深見特許事務所 主分類H01B 1/06 20060101AFI20241129BHJP(基本的電気素子) 要約【課題】耐酸化性の改善。 【解決手段】固体電解質粒子は、Li、Ge、PおよびSを含む。固体電解質粒子は、「0.20≦IB/IA≦0.35」かつ「0.30≦IC/IA≦0.45」の関係を満たす。IA、IBおよびICは、それぞれ、CuKα線をX線源として測定されるX線回折スペクトルにおける、ピーク高さを示す。IAは、29.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。IBは、41.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。ICは、47.3±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。 【選択図】図1 特許請求の範囲【請求項1】 Li、Ge、PおよびSを含み、 式(1)かつ式(2): 0.20≦I B /I A ≦0.35 …(1) 0.30≦I C /I A ≦0.45 …(2) の関係を満たし、 前記式(1)および前記式(2)中、I A 、I B およびI C は、それぞれ、CuKα線をX線源として測定されるX線回折スペクトルにおける、ピーク高さを示し、 I A は、29.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示し、 I B は、41.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示し、かつ I C は、47.3±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す、 固体電解質粒子。 続きを表示(約 730 文字)【請求項2】 前記X線回折スペクトルにおいて、 29.4±0.5°の回折角におけるピークは、0.15°以下の半値全幅を有する、 請求項1に記載の固体電解質粒子。 【請求項3】 式(3): 1.20≦I E /I D …(3) の関係をさらに満たし、 前記式(3)中、I D およびI E は、それぞれ、ラマンスペクトルにおけるピーク高さを示し、 I D は、420±10cm -1 のラマンシフトにおけるピーク高さを示し、 I E は、360±10cm -1 のラマンシフトにおけるピーク高さを示し、かつ 前記ラマンスペクトルは、388±3cm -1 のラマンシフトにショルダーピークを有する、 請求項1または請求項2に記載の固体電解質粒子。 【請求項4】 コア部およびシェル部を含み、 前記シェル部は、前記コア部の周囲を覆っており、 前記コア部は、LGPS型結晶相を含み、 前記シェル部は、非晶質相を含み、 前記コア部は、10×10 -3 S/cm以上のイオン伝導度を有し、かつ 前記シェル部は、1×10 -3 S/cm以下のイオン伝導度を有する、 請求項1または請求項2に記載の固体電解質粒子。 【請求項5】 前記シェル部は、100nm以下の厚さを有する、 請求項4に記載の固体電解質粒子。
発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、固体電解質粒子に関する。 続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】 【0002】 国際公開第2017/155119号は、硫化物固体電解質を開示する。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 国際公開第2017/155119号 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 固体電解質は、全固体電池のキーマテリアルである。従来、Li、PおよびSを含む硫化物固体電解質が開発されている。硫化物固体電解質は、10 -3 S/cmオーダーの高いイオン伝導度を有し得る。しかし硫化物固体電解質は、低い耐酸化性を有する傾向がある。硫化物固体電解質が酸化分解すると、ポリスルフィドが形成され得る。ポリスルフィドの形成により、イオン伝導度が低下し得る。 【0005】 正極は高電位を有する。正極内において、硫化物固体電解質が酸化分解することにより、例えば、正極活物質と硫化物固体電解質との界面に抵抗層(ポリスルフィド)が形成される可能性がある。抵抗層は、10 -10 S/cm以下のイオン伝導度を有し得る。抵抗層の形成により、全固体電池の性能劣化が促進される可能性がある。 【0006】 本開示の目的は、耐酸化性の改善にある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 1.本開示の一局面における固体電解質粒子は、次の構成を含む。固体電解質粒子は、Li、Ge、PおよびSを含む。固体電解質粒子は、下記式(1)かつ式(2)の関係を満たす。 0.20≦I B /I A ≦0.35 …(1) 0.30≦I C /I A ≦0.45 …(2) 上記式(1)および式(2)中、I A 、I B およびI C は、それぞれ、CuKα線をX線源として測定されるX線回折スペクトルにおける、ピーク高さを示す。I A は、29.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。I B は、41.4±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。I C は、47.3±0.5°の回折角におけるピーク高さを示す。 【0008】 固体電解質粒子のX線回折(X-Ray Diffraction,XRD)スペクトルにおいて、回折角(2θ)=29.4±0.5°、41.4±0.5°、47.3±0.5°に出現するピーク群は、LGPS型結晶相に帰属すると考えられる。LGPS型結晶相は、高いイオン伝導度を有し得る。ピーク高さ比(I B /I A 、I C /I A )は、結晶性の指標である。ピーク高さ比(I B /I A 、I C /I A )が小さい程、結晶性が低いことを示す。本開示の新知見によると、適度に結晶性が低いことにより、耐酸化性の改善が期待される。ただし、結晶性が過度に低下すると、かえって耐酸化性が低下する可能性がある。すなわち、上記式(1)かつ式(2)の関係が満たされる時、耐酸化性の改善が期待される。 【0009】 2.上記「1」に記載の固体電解質粒子は、次の構成を含んでいてもよい。X線回折スペクトルにおいて、29.4±0.5°の回折角におけるピークは、0.15°以下の半値全幅を有する。 【0010】 29.4±0.5°の回折角におけるピークが0.15°以下の半値全幅(Full Width at Half Maximum,FWHM)を有する時、高いイオン伝導度と、耐酸化性との両立が期待される。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する