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公開番号2024169605
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2024162659,2020142968
出願日2024-09-19,2020-08-26
発明の名称冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋及び冷気貯留槽を用いる建屋の冷・暖房方法
出願人株式会社から屋
代理人個人
主分類E04B 1/76 20060101AFI20241128BHJP(建築物)
要約【課題】重力換気による冷気・暖気の自然対流に冷気貯留槽を用いることにより、建屋内の冷気と暖気の環流を無動力で行い、湿度調整型自然排気口を用いることで送風ファンと送風ダクトの設置を不要にすることで、空調費、設備費及び管理費を不要にすることを目的とする。
【解決手段】気密構造の建屋1の床下空間7から屋根裏空間16を連通する通気路19、20が設けてある。屋根裏空間16に冷却用機器23を備えた冷気貯留槽22を設置し、床下空間7に暖房用機器26が設置してある。屋根部5に湿度調整型自然排気口25が設けてあり、床下空間7に外気を浄化して供給する給気ファン24が建屋1内に設置してある。夏季には暖房用機器26の稼働を停止し、冷気貯留槽22に蓄えた冷気を通気路20を介して自然流下させて建屋1内を冷房し、冬季には冷却用機器23の稼働を停止し、屋内の湿度に応じて湿度調整型自然排気口25を作動させて重力換気の量を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
床下空間と屋根裏空間を有し、該床下空間から屋根裏空間を連通する通気路を設けてある気密構造の建屋において、前記屋根裏空間に冷却用機器を備えた上方が開放した冷気貯留槽を設置し、前記床下空間に暖房用機器を設置し、前記建屋内に該床下空間に外気を浄化して供給する給気ファンを設置し、夏季には前記暖房用機器の稼働を停止し、前記冷却用機器により生成して前記冷気貯留槽に蓄えた冷気を前記通気路を介して自然流下させることにより前記建屋内を冷房し、冬季には前記冷却用機器の稼働を停止し、前記暖房用機器を稼働して前記床下空間の暖気を前記通気路を介して自然上昇させることにより前記建屋内を暖房するようにしてなる冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記建屋を構成する屋根部は、断熱性を有していることを特徴とする請求項1記載の冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋。
【請求項3】
前記屋根裏空間は、隔壁を設けない開放空間に形成してあることを特徴とする請求項1記載の冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋。
【請求項4】
前記建屋に屋内の湿度に応じて開口量が大小可変の湿度調整型自然排気口を設け、前記給気ファンは外気温度の低下に応じて稼働を自動停止する機能を持たせた構成とし、外気温度の低下に応じて前記給気ファンの稼働を停止して開放状態とし、屋内の湿度上昇に応じて前記湿度調整型自然排気口の開口量を拡大することで、重力換気により前記給気ファンから流入する外気を屋内に循環させて前記湿度調整型自然排気口から屋外に放出し、屋内の湿度下降に応じて該湿度調整型自然排気口の開口量が縮小されることにより重力換気による外気導入を抑制するようにしてある請求項1記載の冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋。
【請求項5】
床下空間と屋根裏空間を有する建屋を気密構造に構成し、該屋根裏空間と床下空間を通気路で連通し、前記屋根裏空間に冷却用機器を備えた上方が開放した冷気貯留槽を設置し、前記床下空間に暖房用機器を設置し、給気ファンにより該床下空間に外気を浄化して供給し、冬季には前記冷却用機器の稼働を停止して前記暖房用機器を稼働し、重力換気により前記床下空間の暖気を前記通気路を介して自然上昇させることにより前記建屋内を暖房し、夏季には前記暖房用機器の稼働を停止し、前記冷却用機器により生成して前記冷気貯留槽に蓄える冷気を前記通気路を介して自然流下させることにより前記建屋内を冷房するようにしてなる冷気貯留槽を用いる建屋の冷・暖房方法。
【請求項6】
前記建屋に屋内の湿度に応じて開口量が大小可変の湿度調整型自然排気口を設け、前記給気ファンは外気温度の低下に応じて稼働を自動停止する機能を持たせてあり、外気温度が低下するのに応じて前記給気ファンは稼働を停止して開放状態とし、屋内の湿度上昇に応じて前記湿度調整型自然排気口の開口量を拡大することで、重力換気により前記給気ファンから流入する外気を屋内に循環させて前記湿度調整型自然排気口から屋外に放出し、屋内の湿度下降に応じて該湿度調整型自然排気口の開口量が縮小されることにより重力換気による外気導入を抑制するようにしてある請求項5記載の冷気貯留槽を用いる建屋の冷・暖房方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷気は重く、暖気は軽いという冷気と暖気の温度差による重力換気の自然対流を活用することにより、建屋内の冷房と暖房の温調を円滑に実現し、また冷暖房費を最小限に抑制する冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋及び冷気貯留槽を用いる建屋の冷・暖房方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
図3及び図4に従来技術の建屋における冷・暖房方法について説明する。先ず、両図に示す建屋について説明する。図において、51は建屋で、該建屋51は地盤Gに設置したスラブ52と、該スラブ52上に立設した基礎53と、該基礎53上に立設した4面の外壁54、54、・・と、該外壁54の上に設置した屋根部55とから大略構成してある。
【0003】
56は前記スラブ52に対面して設けた一階床部で、該一階床部56とスラブ52との間は床下空間57になっている。58は一階天井部で、該一階天井部58と一階床部56との間は一階空間59になり、仕切り壁60によって一階空間59は複数の部屋59Aに画成してある。61は前記一階天井部58から離間して設けた二階床部、62は該二階床部61から離間して設けた二階天井部で、該二階天井部62と二階床部61との間に形成される二階空間63は仕切り壁64によって複数の部屋63Aに画成してあり、二階天井部63と屋根部55との間は屋根裏空間65になっている。そして、該屋根裏空間65には一対の隔壁66、66によって空調室67が画成してある。
【0004】
68は前記一階空間59から二階空間63に掛けて設けた階段である。69、69、・・・は一階床部56、一階天井部58、二階床部61、二階天井部62、隔壁66に夫々形成した通気孔である。70は前記空調室67に設置した送風ファン、71は二階天井部62に設置した冷房用機器、72は床下空間57に設置した暖房用機器である。
【0005】
上述の構成からなる建屋51では、送風ファン70を設置する空調室67という閉鎖的な空間を設け、夏季に冷房する場合は、暖房用機器72の運転を停止し、図3に示すように、冷房用機器71と送風ファン70を運転して冷気を各通気口69から二階空間63に流下させている。この時、暖気より重い冷気は、階段68から一階空間59へと流下することで建屋51内全体を冷房するようになっている。
また、冬季に暖房する場合は、図4に示すように、冷房用機器71の運転を停止し、暖房用機器72及び送風ファン70を稼働して暖気を還流させることで建屋51内全体を暖房するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
見出せず。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術においては、屋根裏空間65に閉鎖的な空調室67を設けているので、建屋51内の暖かい空気の回収効率が悪く冷房効率が良いとは言えない。また、冬は屋根裏空間65に暖かい空気が溜ることから、暖房用機器72の暖房効率が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、気密性建屋内における下降空気量=上昇空気量の関係を踏まえ、冷気と暖気の重力換気による自然対流に冷気貯留槽を活用することにより、建屋内の冷気と暖気の環流を無動力で行うことで空調費を節減し、また外気温度に応じて自動停止する給気ファンと湿度調整型自然排気口を併用することで冷暖房費を最小限に抑制することができるし、送風ファンと送風ダクトの設置を不要にできる冷気貯留槽を用いる冷・暖房建屋及び冷気貯留槽を用いる建屋の冷・暖房方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上述した課題を解決するために構成した請求項1に係る本発明の手段は、床下空間と屋根裏空間を有し、該床下空間から屋根裏空間を連通する通気路を設けてある気密構造の建屋において、前記屋根裏空間に冷却用機器を備えた上方が開放した冷気貯留槽を設置し、前記床下空間に暖房用機器を設置し、前記建屋内に該床下空間に外気を浄化して供給する給気ファンを設置し、夏季には前記暖房用機器の稼働を停止し、前記冷却用機器により生成して前記冷気貯留槽に蓄えた冷気を前記通気路を介して自然流下させることにより前記建屋内を冷房し、冬季には前記冷却用機器の稼働を停止し、前記暖房用機器を稼働して前記床下空間の暖気を前記通気路を介して自然上昇させることにより前記建屋内を暖房するようにしてなる。
(2)そして、前記建屋を構成する屋根部は、断熱性を有しているとよい。
(3)また、前記屋根裏空間は、隔壁を設けない開放空間に形成してあるとよい。
(4)また、前記建屋に屋内の湿度に応じて開口量が大小可変の湿度調整型自然排気口を設け、前記給気ファンは外気温度の低下に応じて稼働を自動停止する機能を持たせた構成とし、外気温度の低下に応じて前記給気ファンの稼働を停止して開放状態とし、屋内の湿度上昇に応じて前記湿度調整型自然排気口の開口量を拡大することで、重力換気により前記給気ファンから流入する外気を屋内に循環させて前記湿度調整型自然排気口から屋外に放出し、屋内の湿度下降に応じて該湿度調整型自然排気口の開口量が縮小されることにより重力換気による外気導入を抑制するようにするとよい。
(5)更に、請求項5に係る本発明を構成する手段は、床下空間と屋根裏空間を有する建屋を気密構造に構成し、該床下空間と屋根裏空間を通気路で連通し、前記屋根裏空間に冷却用機器を備えた上方が開放した冷気貯留槽を設置し、前記床下空間に暖房用機器を設置し、給気ファンにより該床下空間に外気を浄化して供給し、冬季には前記冷却用機器の稼働を停止し、前記暖房用機器を稼働して前記床下空間の暖気を前記通気路を介して自然上昇させることにより前記建屋内を暖房し、夏季には前記暖房用機器の稼働を停止し、前記冷却用機器により生成して前記冷気貯留槽に蓄える冷気を前記通気路を介して自然流下させることにより前記建屋内を冷房するようにしたことにある。
(6)そして、前記建屋に屋内の湿度に応じて開口量が大小可変の湿度調整型自然排気口を設け、前記給気ファンは外気温度の低下に応じて稼働を自動停止する機能を持たせてあり、外気温度が低下するのに応じて前記給気ファンは稼働を停止して開放状態とし、屋内の湿度上昇に応じて前記湿度調整型自然排気口の開口量を拡大することで、重力換気により前記給気ファンから流入する外気を屋内に循環させて前記湿度調整型自然排気口から屋外に放出し、屋内の湿度下降に応じて該湿度調整型自然排気口の開口量が縮小されることにより重力換気による外気導入を抑制するようにするとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述の如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)気密性建屋における下降空気量=上昇空気量の関係を踏まえ、冷気は重く、暖気は軽いことに基づく重力換気により生じる自然対流に着目し、屋根裏空間に冷気貯留槽を設置することで、夏季には冷気環流用の動力を用いることなく建屋内の冷房を行うことができる。
(2)空調のために夏季に用いるのは冷却用機器、冬季に用いるのは暖房用機器だけであり、送風ファンや送風ダクトの設置は不要であるので、設備費、維持管理費を不要にできる。
(3)屋根部は断熱性を有する構成にしたから、冷気貯留槽に蓄える冷気の温度上昇を抑制できる。
(4)冷気貯留槽を設置した屋根裏空間は、隔壁を設けない開放空間に形成したから、上昇して屋根裏空間に流入する暖気は冷気と制約なく混合するので、建屋内の温度ムラを抑制できる。
(5)外気温度に応じて自動停止する給気ファンと湿度調整型自然排気口を併用することで、外気温度が低い状態での屋内の湿度の高低に応じて外気の導入を制御することで冷暖房費を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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