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公開番号2024166835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083213
出願日2023-05-19
発明の名称ヒートプレス機
出願人グラフテック株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B65C 9/24 20060101AFI20241122BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】従来よりも好適に熱転写を行うことが可能なヒートプレス機を提供する。
【解決手段】ヒートプレス機H1は、被転写物を載置する載置面を有する載置部1と、被転写物を載置部1とで挟み込むように設けられる加熱押圧部2と、載置部1に対して加熱押圧部2を回動可能となるように連結する連結軸3とを備えている。載置部1は、その本体となる第1ベース部材10と、第1ベース部材10の上面に取り付けられ、被転写物を載置する載置面を有する第2ベース部材20と、第1ベース部材10に対して第2ベース部材20を可動させる可動部材30とを有している。加熱押圧部2が載置部1に対して回動することで、加熱押圧部2は、その押圧面が水平面に対して傾いた状態で載置部1を押圧する。可動部材30は、加熱押圧部2の動作に作用して、押圧面と載置面が合わさるように第2ベース部材20を傾かせる。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
被転写物に対し熱転写シートを押圧するとともに加熱することで熱転写を行うヒートプレス機であって、
前記被転写物を載置する載置面を有する載置部と、
前記被転写物を前記載置部とで挟み込むように設けられ、前記被転写物に対し前記熱転写シートを加熱押圧する加熱押圧部と、
前記載置部に対して前記加熱押圧部を回動可能となるように連結する連結軸と、を備え、
前記載置部は、
前記載置部の本体となる第1ベース部材と、
前記第1ベース部材の上面に取り付けられ、前記被転写物を載置する第2ベース部材と、
前記第1ベース部材に対して前記第2ベース部材を可動させる可動部材と、を有し、
前記加熱押圧部が前記載置部に対して回動することで、前記加熱押圧部は、該加熱押圧部の押圧面が水平面に対して傾いた状態で前記載置部を押圧し、
前記可動部材は、前記加熱押圧部の動作に作用して、前記押圧面と前記載置面が合わさるように前記第2ベース部材を傾かせることを特徴とするヒートプレス機。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記連結軸が、前記ヒートプレス機の後端部に取り付けられ、
前記加熱押圧部が前記連結軸を中心として回動することで、前記加熱押圧部は、前記ヒートプレス機の側面視において前記押圧面が水平面に対して傾いた状態で前記載置部を押圧し、
前記可動部材は、上下方向において前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材の間に取り付けられ、前記ヒートプレス機の前後方向において前記第2ベース部材の中央部に配置され、前記ヒートプレス機の左右方向において間隔を空けて複数配置され、
前記可動部材は、前記加熱押圧部の押圧動作に作用して弾性変形し、前記ヒートプレス機の側面視において前記押圧面と前記載置面が合わさるように前記第2ベース部材を傾かせることを特徴とする請求項1に記載のヒートプレス機。
【請求項3】
前記載置部は、前記第2ベース部材に取り付けられ、前記第2ベース部材の形状を保持する形状保持部材をさらに有し、
前記形状保持部材は、前記加熱押圧部が前記載置部を押圧したときに作用し、前記第2ベース部材の撓みを抑制するように前記第2ベース部材を保持することを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートプレス機。
【請求項4】
前記形状保持部材は、上下方向において前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材の間に取り付けられ、前記ヒートプレス機の前後方向において前記第2ベース部材の中央部に配置され、前記ヒートプレス機の左右方向において間隔を空けて複数配置され、
前記形状保持部材と前記可動部材が、前記左右方向において交互に並ぶように配置され、
前記形状保持部材は、前記加熱押圧部の押圧動作に作用して弾性変形し、前記第2ベース部材の撓みを抑制するように前記第2ベース部材を保持することを特徴とする請求項3に記載のヒートプレス機。
【請求項5】
前記第2ベース部材は、前記第2ベース部材の表面側に位置する板状の表面部材と、前記表面部材の裏面に取り付けられ、前記表面部材を下方から支持する板状の裏面部材と、を有し、
前記裏面部材が前記表面部材を下方から保持し、前記形状保持部材が、前記表面部材の撓みを抑制するように前記表面部材を保持することを特徴とする請求項3に記載のヒートプレス機。
【請求項6】
前記裏面部材は、
前記ヒートプレス機の前後方向に延びている本体部と、
前記本体部の延出方向の両端部に設けられ、前記本体部よりも前記表面部材側に張り出すように形成され、前記表面部材に設けられた被取り付け部に取り付けられる前方取り付け部及び後方取り付け部と、を有し、
前記裏面部材が、前記前方取り付け部及び前記後方取り付け部によって、前記ヒートプレス機の前後方向における前記表面部材の両端部を下方から保持し、かつ、
前記形状保持部材が、前記表面部材の中央部の撓みを抑制するように前記表面部材を保持することを特徴とする請求項5に記載のヒートプレス機。
【請求項7】
前記前方取り付け部、前記後方取り付け部は、それぞれ前記ヒートプレス機の左右方向において間隔を空けて複数配置され、
前記形状保持部材は、前記ヒートプレス機の左右方向において前記前方取り付け部及び前記後方取り付け部と重なる位置に配置され、
前記可動部材は、前記ヒートプレス機の左右方向において複数の前記前方取り付け部の間に配置され、かつ、複数の前記後方取り付け部の間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のヒートプレス機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートプレス機に係り、特に、被転写物に対し熱転写シートを加熱押圧することで熱転写を行うヒートプレス機に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、被転写物となる衣類等に対して熱転写シートを押圧するとともに加熱することで熱転写処理を行うことが可能なヒートプレス機が知られている。
熱転写シート(アイロンプリント)は、所定の模様や絵柄からなる印刷層の裏面に熱溶融性の接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)が塗布されたものである。所定の温度環境下で接着剤を溶融させて所定の圧力を加えることで接着剤が被転写物に浸透し、当該被転写物に対し熱転写シート(印刷層)を一体化させることができる。
上記ヒートプレス機の中には、特許文献1のような比較的大型なヒートプレス機や、小型であって持ち運び可能なコンパクトタイプのヒートプレス機が存在する。
【0003】
特許文献1に記載のヒートプレス機では、部分的に厚さの異なる衣類等に対し均一な圧力を加えられるように構成したプレス機となっている。
具体的には、ヒートプレス機は、衣類を載置するプレス台(載置部)と、衣類をプレス台とで挟み込むように設けられ、衣類に対し熱転写を行う熱板(加熱押圧部)とを備えている。プレス台は、バネ体を介してフレーム上に取り付けられ、当該フレームに対して上下動可能に支持されている。
上記構成により、熱板によってプレスするときに、バネ体によって衣類の部分的な厚さの違いに対してプレス台を追従させて、衣類に均一な圧力を加えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実開昭59-193396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ヒートプレス機、特に小型のヒートプレス機においては、加熱押圧部が載置部に対して回動して押圧するため、加熱押圧部の押圧面が水平面に対して傾いてしまい、加熱押圧部の押圧面と、載置部の載置面とが合わさらない形でプレスしてしまうことがあった。すなわち、加熱押圧部が載置部に対して均一にプレスできないといった問題があった。
なお、特許文献1のヒートプレス機においては、プレス機自体を大型化することで、熱板(加熱押圧部)の回動動作によってプレスした場合であっても、プレス台(載置部)上の衣類に対し均一な圧力(鉛直方向の圧力)を加えられることが明示されている(特許文献1の9~10頁ご参照)。すなわち、衣類が均一な厚さのものであれば、常に熱板がプレス台の衣類に均一な圧力(鉛直方向の圧力)を加えられることが明示されており、上記のような問題や課題は生じていない。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来よりも好適に熱転写を行うことが可能な新規のヒートプレス機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、加熱押圧部の回動動作によって押圧面が傾いた状態になった場合でも、均一な圧力で加熱押圧することが可能なヒートプレス機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ヒートプレス機の小型化、軽量化を図った場合でも、均一な圧力で加熱押圧することが可能なヒートプレス機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明のヒートプレス機によれば、被転写物に対し熱転写シートを押圧するとともに加熱することで熱転写を行うヒートプレス機であって、前記被転写物を載置する載置面を有する載置部と、前記被転写物を前記載置部とで挟み込むように設けられ、前記被転写物に対し前記熱転写シートを加熱押圧する加熱押圧部と、前記載置部に対して前記加熱押圧部を回動可能となるように連結する連結軸と、を備え、前記載置部は、前記載置部の本体となる第1ベース部材と、前記第1ベース部材の上面に取り付けられ、前記被転写物を載置する第2ベース部材と、前記第1ベース部材に対して前記第2ベース部材を可動させる可動部材と、を有し、前記加熱押圧部が前記載置部に対して回動することで、前記加熱押圧部は、該加熱押圧部の押圧面が水平面に対して傾いた状態で前記載置部を押圧し、前記可動部材は、前記加熱押圧部の動作に作用して、前記押圧面と前記載置面が合わさるように前記第2ベース部材を傾かせること、により解決される。
上記構成により、加熱押圧部の回動動作によって押圧面が水平面に対して傾いた状態になっても、均一な圧力で加熱押圧することが可能なヒートプレス機を実現できる。
詳しく述べると、ヒートプレス機は、第1ベース部材に対して第2ベース部材を可動させる可動部材を有しており、当該可動部材は、加熱押圧部の動作に作用して、押圧面と載置面が合わさるように第2ベース部材を傾かせる。そのため、より均一な圧力で加熱押圧することができ、従来よりも好適に熱転写を行うことができる。
なお、特許文献1のヒートプレス機(大型のプレス機)では、熱板(加熱押圧部)がプレス台(載置部)に対して回動した場合であっても、熱板は、その押圧面が水平面に対して傾いた状態でプレス台を押圧するといった構成にはならない(上記構成とは異なっている)。
【0008】
このとき、前記連結軸が、前記ヒートプレス機の後端部に取り付けられ、前記加熱押圧部が前記連結軸を中心として回動することで、前記加熱押圧部は、前記ヒートプレス機の側面視において前記押圧面が水平面に対して傾いた状態で前記載置部を押圧し、前記可動部材は、上下方向において前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材の間に取り付けられ、前記ヒートプレス機の前後方向において前記第2ベース部材の中央部に配置され、前記可動部材は、前記加熱押圧部の押圧動作に作用して弾性変形し、前記ヒートプレス機の側面視において前記押圧面と前記載置面が合わさるように前記第2ベース部材を傾かせると良い。
上記構成により、加熱押圧部の回動動作によって押圧面が傾いた状態になった場合でも、可動部材が弾性変形することで、加熱押圧部が均一な圧力で加熱押圧することができる。
【0009】
このとき、前記載置部は、前記第2ベース部材に取り付けられ、前記第2ベース部材の形状を保持する形状保持部材をさらに有し、前記形状保持部材は、前記加熱押圧部が前記載置部を押圧したときに作用し、前記第2ベース部材の撓みを抑制するように前記第2ベース部材を保持すると良い。
上記構成により、加熱押圧部の押圧によって第2ベース部材が撓んでしまうことを抑制することができ、加熱押圧部が載置部(第2ベース部材)に対し均一な圧力で加熱押圧することができる。つまりは、載置部に載置された被転写物に対し好適に熱転写を行うことができる。
【0010】
このとき、前記形状保持部材は、上下方向において前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材の間に取り付けられ、前記ヒートプレス機の前後方向において前記第2ベース部材の中央部に配置され、前記ヒートプレス機の左右方向において間隔を空けて複数配置され、前記形状保持部材と前記可動部材が、前記左右方向において交互に並ぶように配置され、前記形状保持部材は、前記加熱押圧部の押圧動作に作用して弾性変形し、前記第2ベース部材の撓みを抑制するように前記第2ベース部材を保持すると良い。
上記のように形状保持部材を備えることで、第2ベース部材が板金のような板状部材であっても、第2ベース部材の撓みを抑制できる。そのため、板金のような板状部材を採用してヒートプレス機の小型化、軽量化を図りながらも、より均一な圧力で加熱押圧することが可能なヒートプレス機を実現できる。
(【0011】以降は省略されています)

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