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公開番号2024165374
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081523
出願日2023-05-17
発明の名称推進システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B64D 27/24 20240101AFI20241121BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】冗長性と冷却性能の低下を抑制する推進システムを提供する。
【解決手段】本発明の推進システムSは、電動航空機100のプロペラ201~303を回転させるモータ10と、モータ10へ電力を供給するインバータ20と、複数のモータ10と複数のインバータ20とを冷却する冷媒を流す冷媒配管70と、冷媒配管70と接続され冷媒を送出するポンプ60と、冷媒配管70と接続され冷媒の熱を放出するラジエータ50L、50Rと、冷媒を流す複数の冷媒配管70を何れかに切り替える第一切替器110L、110Rと、第一切替器110L、110Rを制御する制御部400とを備え、ポンプ60とラジエータ50L、50Rを接続する冷媒配管70M1~70M4は複数あり、制御部400は冷媒配管70内の冷媒の圧力が正常範囲から逸脱した場合に第一切替器110L、110Rを切替え制御している。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電動航空機のプロペラを回転させるモータと、
前記モータへ電力を供給するインバータと、
複数の前記モータと複数の前記インバータとを冷却する冷媒を流す冷媒配管と、
前記冷媒配管と接続され前記冷媒を送出するポンプと、
前記冷媒配管と接続され前記冷媒の熱を放出するラジエータと、
前記冷媒を流す複数の前記冷媒配管を何れかに切り替える第一切替器と、
前記第一切替器を制御する制御部とを備え、
前記ポンプと前記ラジエータを接続する前記冷媒配管は複数あり、
前記制御部は前記冷媒配管内の前記冷媒の圧力が正常範囲から逸脱した場合に前記第一切替器を切替え制御する
ことを特徴とする推進システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記冷媒配管、前記ポンプ、および前記ラジエータは、冷却システムを構成し、
前記冷媒配管は他の前記冷却システムと第二切替器を通じて接続され、
前記制御部は、前記冷媒配管内の前記冷媒の圧力が正常範囲から逸脱した場合に前記第二切替器を切替え、前記冷媒配管を他の前記冷却システムと接続されるように制御する
ことを特徴とする推進システム。
【請求項3】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記冷媒配管、前記ポンプ、および前記ラジエータは、冷却システムを構成し、
前記冷媒配管は他の前記冷却システムと第二切替器を通じて接続され、
前記制御部は、前記冷媒配管内の前記冷媒の温度が正常範囲から逸脱した場合に前記第二切替器を切替え、前記冷媒配管を他の前記冷却システムと接続されるように制御する
ことを特徴とする推進システム。
【請求項4】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記冷媒配管、前記ポンプ、および前記ラジエータは、冷却システムを構成し、
前記冷媒配管は他の前記冷却システムと第二切替器を通じて接続され、
前記制御部は、前記第一切替器と前記第二切替器のそれぞれの切り替えに係わらず、前記冷却システムの前記冷媒配管と、前記他の冷却システムの冷媒配管とに冷媒が流れるように制御する
ことを特徴とする推進システム。
【請求項5】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記モータと前記インバータと前記ポンプのそれぞれの温度を検出する温度センサを備え、
前記冷媒配管、前記ポンプ、および前記ラジエータは、冷却システムを構成し、
前記冷媒配管は、他の前記冷却システムと第二切替器を通じて接続され、
前記制御部は、前記モータの温度と前記インバータの温度と、前記ポンプの温度と、前記冷媒配管内の前記冷媒の温度とに基づいて前記第一切替器と、前記第二切替器とを切替え制御することを特徴とする推進システム。
【請求項6】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記冷媒配管、前記ポンプ、および前記ラジエータは、冷却システムを構成し、
前記冷媒配管は、他の前記冷却システムと第二切替器を通じて接続され、
前記制御部は負荷や飛行状態に基づいて前記第一切替器と、前記第二切替器を制御して、
前記モータや前記インバータ、前記ポンプの駆動数を切り替えることを特徴とする推進システム。
【請求項7】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記冷媒配管の吐出し側に逆流防止機構を設けたことを特徴とする推進システム。
【請求項8】
請求項1に記載の推進システムにおいて、
前記ポンプの内部に逆流防止機構を設けたことを特徴とする推進システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、推進システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
昨今のCO

削減の流れから、ゼロカーボン社会の実現に向け、各国においてCO

排出規制が強く求められている。CO

を排出する化石燃料を使用するエンジンの代替として、動力系統の運転時にCO

を排出しない電動化が盛んに進められている。そこで、あらゆるエンジン駆動のモビリティ製品において、将来のパワエレ機器化に対する出力密度の向上が求められている。
【0003】
そのため、世界中のあらゆる気候に対応できること、また、航空機においては、急激な高度の変化に対応できる耐環境性が必須となる。同時に、冷却性能向上、高電圧化ならびに軽量化などへの技術対応が求められている。
特許文献1では、航空機の揚力または推力を発生させるロータを駆動する電動コンポーネント群を備えた航空機において、性能を維持するために電動コンポーネント群を冷却する冷却回路について開示されている。
【0004】
特許文献1は、航空機(10)の揚力と推力の少なくとも一方を発生させるロータ(20)と、ロータ(20)を回転させる複数の電気コンポーネントからなるコンポーネント群(24)と、コンポーネント群(24)を冷却する冷却回路(62)と、を備える冷却システム(60)であって、複数のロータ(20)に対応する複数のコンポーネント群(24)を有し、複数のコンポーネント群(24)は、同じ冷却回路(62)で冷却されている。すなわち、特許文献1は、簡素で軽い冷却システムを提供することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-157295号公報(図1、図2、図3、図9、段落0055~0064等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術では、すべてのロータ(20)を駆動する際において、一つのロータ(20)に関連する電気系統または機械系統が故障した場合、機体にヨーモメント(回転させる力)が発生するため、故障したロータ(20)と対をなす一方の正常なロータ(20)を停止させる必要がある。
【0007】
さらに、対となる二つのロータ(20)の停止に伴い、該二つのロータ(20)を含む一つの独立した冷却システムも停止させる。そのため、推進システムとして、冗長性ならびに冷却性能の低下を招来する恐れがある。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、冗長性と冷却性能の低下を抑制する推進システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明による推進システムは、電動航空機のプロペラを回転させるモータと、前記モータへ電力を供給するインバータと、複数の前記モータと複数の前記インバータとを冷却する冷媒を流す冷媒配管と、前記冷媒配管と接続され前記冷媒を送出するポンプと、前記冷媒配管と接続され前記冷媒の熱を放出するラジエータと、前記冷媒を流す複数の前記冷媒配管を何れかに切り替える第一切替器と、前記第一切替器を制御する制御部とを備え、前記ポンプと前記ラジエータを接続する前記冷媒配管は複数あり、前記制御部は前記冷媒配管内の前記冷媒の圧力が正常範囲から逸脱した場合に前記第一切替器を切替え制御している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冗長性と冷却性能の低下を抑制する推進システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態に係る推進システムを備える電動航空機を上から見た模式的平面図。
本発明の第1実施形態に係る推進システムの冷却回路の一部の模式図。
第1実施形態に係る推進システムの冷却回路の模式図。
比較例(従来)の推進システムの冷却回路の模式図。
比較例(従来)の推進システムの冷却回路の模式図。
比較例(従来)の推進システムの冷却回路の模式図。
第2実施形態に係る推進システムの冷却回路の模式図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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