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公開番号2024164458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023079943
出願日2023-05-15
発明の名称遠心脱水機の運転方法
出願人株式会社クボタ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B04B 13/00 20060101AFI20241120BHJP(物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械)
要約【課題】脱水対象物の脱水の際に、脱水分離液への固形分の流出が抑えられるとともに、得られる脱水物の含水率が低減され、含水率の変動が少ない脱水物を得ることができる遠心脱水機の運転方法を提供する。
【解決手段】外筒とスクリューコンベアを有する遠心脱水機を用い、負荷調整工程をn回繰り返してスクリューコンベアの負荷値Xを決定する遠心脱水機の運転方法であって、負荷調整工程は脱水工程と計測工程を含み、k回目(ただしkは1からnの整数)の脱水工程は、脱水対象物を遠心脱水機に供給し、外筒を一定の回転数で回転させ、スクリューコンベアを負荷値Xkとなるように回転数を調整して回転させて脱水し、脱水分離液を得るものであり、k回目の計測工程は、k回目の脱水工程で得られた脱水分離液の固形分濃度Skまたは濁度Tkを得るものであり、所定の規則に従い負荷値Xkを定め、n回目の負荷調整工程の負荷値Xnに基づき負荷値Xを定める。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転駆動する外筒と、前記外筒の内部に設けられ、前記外筒の回転軸と同軸で回転駆動するスクリューコンベアとを有する遠心脱水機を用い、負荷調整工程をn回(ただしnは2以上の整数)繰り返して、前記スクリューコンベアの負荷値Xを決定する遠心脱水機の運転方法であって、
前記負荷調整工程は脱水工程と計測工程を含み、
k回目(ただしkは1からnの整数)の脱水工程は、脱水対象物を前記遠心脱水機に供給し、前記外筒を一定の回転数で回転させ、前記スクリューコンベアを負荷値X

となるように回転数を調整して回転させ、前記遠心脱水機で前記脱水対象物の脱水を行うとともに脱水分離液を得るものであり、
k回目の計測工程は、k回目の脱水工程で得られた前記脱水分離液の固形分濃度S

または濁度T

を得るものであり、
下記規則(A1)~(A3)に従いk回目の脱水工程における負荷値X

を定め、
n回目の負荷調整工程は下記規則(A3)に従って行われるとともに、固形分濃度S

または濁度T

が基準値未満となり、
n回目の負荷調整工程の負荷値X

に基づき前記負荷値Xを定めることを特徴とする遠心脱水機の運転方法。
(A1)1回目の負荷調整工程では、負荷値X

を任意に定める。
(A2)2回目以降のk回目の負荷調整工程では、k-1回目の負荷調整工程の固形分濃度S
k-1
または濁度T
k-1
が基準値未満の場合に、負荷値X
k-1
より大きい負荷値X

を定める。
(A3)2回目以降のk回目の負荷調整工程では、k-1回目の負荷調整工程の固形分濃度S
k-1
または濁度T
k-1
が基準値以上の場合に、負荷値X
k-1
より小さい負荷値X

を定める。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記遠心脱水機は、前記外筒と前記スクリューコンベアに回転差を与える差速装置を有し、
前記負荷値X

は、前記差速装置が油圧式の場合の油圧値、または、前記差速装置がギア式の場合の電流値から求める請求項1に記載の遠心脱水機の運転方法。
【請求項3】
前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定することを、前記遠心脱水機からの脱水分離液の固形分濃度または濁度が基準値以上となったときに行う請求項1に記載の遠心脱水機の運転方法。
【請求項4】
前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定することを、少なくとも6時間に1回行う請求項1に記載の遠心脱水機の運転方法。
【請求項5】
前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定した後、脱水対象物への凝集剤の添加率を調整する請求項1に記載の遠心脱水機の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は遠心脱水機の運転方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、遠心脱水機により脱水対象物を脱水する方法が知られている。遠心脱水機による脱水では、適切に固液分離がされるとともに、得られる脱水物の含水率ができるだけ低減されることが望ましく、そのために遠心脱水機の運転条件を適切に設定することが求められる。例えば特許文献1には、高速回転される外筒内に、この外筒と相対速度差をもって回転されるスクリューコンベアを収容した遠心脱水機により、汚泥の固液分離を行うにあたって、遠心脱水機より排出される分離液の濁度を測定し、その測定値に基づいて、スクリューコンベアに相対速度差を付与する差速装置に送油する油圧モータの回転を自動的に制御する遠心脱水機の制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-151370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遠心脱水機の制御方法によれば、遠心脱水機より排出された分離液の濁度を検知し、その測定結果に基づいて、差速装置へ送油する油圧モータを制御することにより、脱水物の含水率を低く保つことができるとともに、分離液の濁度を低く抑えることができる。この際、得られる脱水物については、含水率の変動が少ないことが望ましく、これにより脱水後の脱水物の処理の安定化を測ることができる。例えば脱水物をさらに焼却ないし焼成したりする場合に、安定した焼却または焼成を実現することができる。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、脱水対象物を脱水する際に、脱水分離液への固形分の流出が十分に抑えられるとともに、得られる脱水物の含水率ができるだけ低減され、含水率の変動が少ない脱水物を得ることができる遠心脱水機の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の遠心脱水機の運転方法は下記の通りである。
[1] 回転駆動する外筒と、前記外筒の内部に設けられ、前記外筒の回転軸と同軸で回転駆動するスクリューコンベアとを有する遠心脱水機を用い、負荷調整工程をn回(ただしnは2以上の整数)繰り返して、前記スクリューコンベアの負荷値Xを決定する遠心脱水機の運転方法であって、
前記負荷調整工程は脱水工程と計測工程を含み、
k回目(ただしkは1からnの整数)の脱水工程は、脱水対象物を前記遠心脱水機に供給し、前記外筒を一定の回転数で回転させ、前記スクリューコンベアを負荷値X

となるように回転数を調整して回転させ、前記遠心脱水機で前記脱水対象物の脱水を行うとともに脱水分離液を得るものであり、
k回目の計測工程は、k回目の脱水工程で得られた前記脱水分離液の固形分濃度S

または濁度T

を得るものであり、
下記規則(A1)~(A3)に従いk回目の脱水工程における負荷値X

を定め、
n回目の負荷調整工程は下記規則(A3)に従って行われるとともに、固形分濃度S

または濁度T

が基準値未満となり、
n回目の負荷調整工程の負荷値X

に基づき前記負荷値Xを定めることを特徴とする遠心脱水機の運転方法。
(A1)1回目の負荷調整工程では、負荷値X

を任意に定める。
(A2)2回目以降のk回目の負荷調整工程では、k-1回目の負荷調整工程の固形分濃度S
k-1
または濁度T
k-1
が基準値未満の場合に、負荷値X
k-1
より大きい負荷値X

を定める。
(A3)2回目以降のk回目の負荷調整工程では、k-1回目の負荷調整工程の固形分濃度S
k-1
または濁度T
k-1
が基準値以上の場合に、負荷値X
k-1
より小さい負荷値X

を定める。
[2] 前記遠心脱水機は、前記外筒と前記スクリューコンベアに回転差を与える差速装置を有し、前記負荷値X

は、前記差速装置が油圧式の場合の油圧値、または、前記差速装置がギア式の場合の電流値から求める[1]に記載の遠心脱水機の運転方法。
[3] 前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定することを、前記遠心脱水機からの脱水分離液の固形分濃度または濁度が基準値以上となったときに行う[1]または[2]に記載の遠心脱水機の運転方法。
[4] 前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定することを、少なくとも6時間に1回行う[1]~[3]のいずれかに記載の遠心脱水機の運転方法。
[5] 前記負荷調整工程をn回繰り返して前記負荷値Xを決定した後、脱水対象物への凝集剤の添加率を調整する[1]~[4]のいずれかに記載の遠心脱水機の運転方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遠心脱水機の運転方法によれば、遠心脱水機により脱水対象物を脱水した際に、脱水分離液への固形分の流出が十分に抑えられ、適切な固液分離を実現できるとともに、得られる脱水物の含水率が低減され、含水率の変動が少ない脱水物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
遠心脱水機の内部構造の概略図を表す。
本発明の遠心脱水機の運転方法の処理フローを表す。
本発明の実施の形態に係る遠心脱水機の運転方法の一例を表す。
本発明の実施の形態に係る遠心脱水機の運転方法の他の一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の遠心脱水機の運転方法について説明するに当たり、まず遠心脱水機の構成例について図1を参照して説明する。図1には、遠心脱水機の内部構造の概略図を示した。図1には、直胴型の遠心脱水機の概略図が示されているが、遠心脱水機は、例えばデカンタ型の遠心脱水機であってもよい。
【0010】
遠心脱水機1は、長手軸方向に延びる外筒2と、外筒2の内部に設けられ、長手軸方向に延びるスクリューコンベア3とを有する。外筒2は、長手軸方向を中心に回転駆動するように構成され、スクリューコンベア3は外筒2の回転軸と同軸で回転駆動するように構成されている。外筒2は、例えば、円筒形、円錐形またはこれらを組み合わせた形状で形成される。スクリューコンベア3は、スクリュー軸4の外面にらせん状に延びるスクリュー5が設けられて構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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