TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024163994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-26
出願番号2024111653,2021507883
出願日2024-07-11,2019-08-16
発明の名称糖鎖抗原除去のための酵素組成物、それに関連する方法、使用、装置およびシステム
出願人ザ・ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア
代理人個人,個人
主分類C12N 15/55 20060101AFI20241119BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞から糖鎖抗原をより効率的に除去する酵素を提供する。
【解決手段】単離核酸配列であって、該単離核酸配列は、
(a)特定の配列を有するGalNAcデアセチラーゼ;又は
(b)特定の配列を有するガラクトサミニダーゼ;
をコードする、単離核酸配列、並びに前記核酸配列と異種核酸配列とを含むベクターが提供される。前記ベクターはまた、異種核酸配列であって、当該異種核酸配列が、タンパク質タグおよび切断部位のうちの1つ以上から選択される、異種核酸配列を含んでもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
組成物であって、前記組成物は、
(a)精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と、
を含む、組成物。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記組成物は、
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号17、配列番号23、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、および配列番号35のうちの1つ以上から選択される精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号19、配列番号21、配列番号36、および配列番号37のうちの1つ以上から選択される精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と
の1つ以上から選択される、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、前記組成物は、配列番号2、4、5、17、23、29、31、および32~35のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるGalNAcデアセチラーゼ活性を有する精製酵素と、配列番号7、9、10、19、21、36および37のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるガラクトサミニダーゼ活性を有する精製酵素とを含む、組成物。
【請求項4】
請求項1または2に記載の組成物であって、前記組成物は、
(a)配列番号2、配列番号4および配列番号5の精製フラボニフラクター・プラウティGalNAcデアセチラーゼタンパク質である、前記精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)配列番号7、配列番号9および配列番号10の精製フラボニフラクター・プラウティガラクトサミニダーゼタンパク質である、前記精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と
の1つ以上から選択される酵素を含む、組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載の組成物であって、前記組成物は、
(a)配列番号17または配列番号32の精製クロストリジウム・テルチウムGalNAcデアセチラーゼタンパク質である、前記精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)配列番号19または配列番号36の精製クロストリジウム・テルチウムガラクトサミニダーゼタンパク質である、前記精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と
の1つ以上から選択される、組成物。
【請求項6】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、1μg/ml以下でA抗原を切断することができる、請求項1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、約6.5と約7.5との間のpHでA抗原切断活性を有する、請求項1~6のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項8】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、4°Cと37°Cとの間の温度でA抗原切断活性を有する、請求項1~7のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項9】
(a)前記精製GalNAcデアセチラーゼおよび前記精製ガラクトサミニダーゼが固定化されるか、
(b)前記精製GalNAcデアセチラーゼが固定化されるか、または、
(c)前記精製ガラクトサミニダーゼが固定化される、
請求項1~8のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項10】
前記固定化酵素が表面に結合しており、前記表面が以下の1つ以上から選択される、請求項9に記載の組成物。
(a)ビーズまたはマイクロスフェア、
(b)容器、
(c)管、
(d)カラム、または
(e)マトリックス
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2018年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/719,272号「糖鎖抗原切断のための酵素組成物、それに関連する方法、使用、装置およびシステム」の利益を主張する。
続きを表示(約 2,700 文字)【0002】
本発明は、酵素組成物の分野に関する。特に、本発明は、抗原を切断するための酵素組成物、ならびに当該組成物を用いて抗原を切断するための使用、方法、装置およびシステムの提供に関する。
【背景技術】
【0003】
血液型Aの人の血漿がB抗原に対する抗体を含み、逆もまた同様であり、それによって不適合な輸血により補体の活性化と赤血球(RBC)溶解を生じ得る(Daniels 2010)ため、血液型の正確な適合は、輸血医学における中心的な要件である。これらの細胞表面抗原は、A型血液およびB型血液それぞれに対して、α‐1,3‐結合‐N‐アセチルガラクトサミン(GalNAc)またはガラクトース(Gal)で終端する糖鎖構造である。一方、O型赤血球はこれらの末端糖を含まず、全般的に輸血され得る(Garratty 2008)。したがって、患者の血液型が不明または不明確な場合である緊急時に備えて、O型赤血球を血液バンクに十分に供給する必要がある。しかし、供給は限られていることが多い。
【0004】
AまたはB RBCをOに変換する手段としてAまたはB RBCからGalNAcまたはGal構造を酵素により除去する概念がGoldstein(Goldstein 1982;US4609627およびCA2272925)によって最初に提案され、実証された。グリーンコーヒー豆由来のα‐ガラクトシダーゼを用いて、B型RBCをO型に変換し、続いて輸血を行い、成功した(Kruskall 2000)。しかしながら、必要とされた酵素量から、このアプローチは非実用的なものであった。A型の変換はより困難であるが、これは主にA型の血液型は内部結合が異なる多くのサブタイプが存在するためである(Clausen1989)。同様に、α‐ガラクトシダーゼはB型抗原の除去に用いられている(例えば、EP2243793参照)。A型の変換を含む実用的な変換への大きな進歩は、四糖類基質を用いて、AおよびB変換活性の両方に関する細菌のライブラリのスクリーニングによってなされた。中性pH値で高い抗原切断活性を示すグリコシダーゼの二つの新しいファミリーが発見された(CAZy GH109 α‐N‐アセチルガラクトサミニダーゼおよびGH110 α‐ガラクトシダーゼ(Liu2007))。両酵素はそれぞれの抗原を完全に除去して対応するRBCを変換した。しかしながら、特にA型の変換には相当量の酵素が必要であり(60mg酵素/血液単位)、さらなる発展を制限している。細胞から糖鎖抗原をより効率的に除去する酵素は有用であろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、部分的には、本明細書中に記載されるような、ガラクトサミニダーゼおよびGalNAcデアセチラーゼの組合せが、以前に同定されたA抗原切断酵素よりも桁違いに効率的であるという驚くべき発見に基づく。例えば、ある条件下では、いくつかのGalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼ酵素は、1μ/ml以下でA抗原を切断でき得る。さらに、酵素の組み合わせによる切断効率は、赤血球の生存能力を維持するのに適したpH(すなわち、約6.5と約7.5との間のpH)において維持される。さらに、酵素は、4°Cと37°Cとの間の温度で活性を有することが見出され、これはまた、血液の採取、洗浄および保存プロトコルに適している。さらに、酵素の効率は、クラウディング剤(例えばデキストラン)の添加によってさらに向上する。また、同じ2段階除去プロセスがドナー臓器に適用され得ることも理解されている。本願明細書に記載される酵素は、作用するのによりよいため、10%ヘマトクリットを有する試料を中心に試験され、また約80%のヘマトクリット値を含有する赤血球(rbc)が詰められたバッグ(約220ml)に必要な量が算出された。
【0006】
クラウディング剤を欠くある態様においては、赤血球からA抗原を除去するために、3μg/mlの10%ヘモクリット、1時間37°C、>5.3mgの各酵素/rbcが詰められたバッグを用いてもよく、クラウディング剤を有する他の態様においては、赤血球からA抗原を切断するために、0.5μg/mlの10%ヘモクリット、1時間37°C、>0.9mgの各酵素/rbcが詰められたバッグを用いてもよい。しかしながら、細胞がより長くインキュベートされる場合、より多くの酵素を使用して血液が処理され得る時間を短縮することができ、またはより少ない酵素を使用することができることが、当業者によって理解されるであろう。
【0007】
ある実施形態によれば、組成物が提供され、当該組成物は、(a)精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質、および(b)精製ガラクトサミニダーゼタンパク質を含む。
【0008】
ある実施形態によれば、組成物が提供され、当該組成物は、(a)配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号17、配列番号23、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、および配列番号35のうちの1つ以上から選択される精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、(b)配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号19、配列番号21、配列番号36および配列番号37のうちの1つ以上から選択される精製ガラクトサミニダーゼタンパク質とを含む。
【0009】
さらなる実施態様によれば、組成物が提供され、当該組成物は、配列番号2、4、5、17、23、29、31および32~35のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるGalNAcデアセチラーゼ活性を有する精製酵素と、配列番号7、9、10、19、21、36および37のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるガラクトサミニダーゼ活性を有する精製酵素とを含む。
【0010】
さらなる実施態様によれば、組成物が提供され、当該組成物は、配列番号2、4、5、17、23、29、31および32~35のうちの1つの配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列から本質的になるGalNAcデアセチラーゼ活性を有する精製酵素と、配列番号7、9、10、19、21、36及び37のうちの1つに記載の配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列から本質的になるガラクトサミニダーゼ活性を有する精製酵素とを含む。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
2か月前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
1か月前
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
2か月前
東レ株式会社
RNAの検出方法
1か月前
豊田合成株式会社
細胞回収具
1か月前
東レ株式会社
RNA溶液の製造方法
1か月前
長谷川香料株式会社
抗菌活性評価方法
1か月前
株式会社日本バイオデータ
品質管理方法
1か月前
株式会社 資生堂
融解装置
1か月前
個人
アルコール飲料の味覚改良方法
1か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
3か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
3か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
3か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
3か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
2か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
3か月前
インヒブルクス バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
CLEC12a結合性ポリペプチド及びその使用
8日前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
3か月前
株式会社雷神の風
試料採取装置
1か月前
メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
CLEC12AxCD3二重特異性抗体及び疾患の治療方法
1か月前
株式会社写真化学
菌体観察装置
27日前
豊田合成株式会社
細胞培養膜及び細胞培養方法
5日前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
6日前
本田技研工業株式会社
培養システム
3か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
3か月前
新東工業株式会社
培養装置
2か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
3か月前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
2か月前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
3か月前
横河電機株式会社
観察培養装置
1か月前
国立大学法人東京海洋大学
ウイルス不活化用組成物
14日前
住友化学株式会社
積層体
5日前
新東工業株式会社
培養システム
1か月前
続きを見る