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公開番号2024162024
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077167
出願日2023-05-09
発明の名称ブロック共重合体、組成物及び成形品並びにそれらの製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 81/00 20060101AFI20241114BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】種々の共重合成分を適用可能かつ簡便にポリアリーレンスルフィド樹脂部位を含むブロック共重合体を製造する方法、並びに、ブロック共重合体、組成物及び成形品を提供すること。
【解決手段】環状ポリアリーレンスルフィド(A)を原料とするポリアリーレンスルフィドブロックと、ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)を原料とする他のブロックとを含むブロック共重合体であって、前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)が、環状構造を有さないものである、ブロック共重合体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
環状ポリアリーレンスルフィド(A)を原料とするポリアリーレンスルフィドブロックと、ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)を原料とする他のブロックとを含むブロック共重合体であって、
前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)が、環状構造を有さないものである、ブロック共重合体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載のブロック共重合体。
【請求項3】
前記環状ポリアリーレンスルフィド(A)が4~40量体である、請求項1又は2記載のブロック共重合体。
【請求項4】
前記環状ポリアリーレンスルフィド(A)を原料とするポリアリーレンスルフィドブロックと、前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)を原料とする他のブロックとの質量比が、1/0.1~1/1000の範囲である、ブロック共重合体。
【請求項5】
環状ポリアリーレンスルフィド(A)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)とを必須成分として配合し、環状ポリアリーレンスルフィド(A)の融点及びポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)の流動温度以上で溶融混練する工程を有する、ブロック共重合体の製造方法であって、
前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量が、環状ポリアリーレンスルフィド(A)1質量部に対して0.1~1000質量部であることを特徴とする、ブロック共重合体の製造方法。
【請求項6】
前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)が、環状構造を有さないものである、請求項5記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5又は6記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記環状ポリアリーレンスルフィド(A)が4~40量体である、請求項5又は6記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2記載のブロック共重合体と他の材料とを含有する、ブロック共重合体組成物。
【請求項10】
請求項5又は6記載のブロック共重合体の製造方法により得られたブロック共重合体と、他の材料とを配合し、溶融混練する工程を有する、ブロック共重合体組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック共重合体、組成物及び成形品並びにそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高分子材料は様々な分野、用途において幅広く使用されており、その用途は、日常用品はもとより、自動車、航空機、エレクトロニクスデバイス、メディカルデバイス等、あらゆる産業分野にわたっている。これは、高分子材料が、その一次構造から高次構造の制御によって、各分野、用途のニーズに柔軟に対応し得たことが理由の一つである。中でも、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPS)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PAS)は、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、剛性及び電気絶縁性など、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用途を中心として、各種自動車部品、機械部品、電気・電子部品などの用途に使用されている。
【0003】
PAS樹脂はポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のエンジニアリングプラスチックと比べて、靱性や、成形加工性、接着やメッキといった二次加工性の面で劣っており、それらの改善のために種々の方法が検討されてきた。例えば、PAS樹脂と他の樹脂をブレンドするポリマーアロイ技術は、各々の樹脂の長所を引き出し、短所を補い合うことにより、単一の樹脂に比べて優れた特性を発揮させることができる技術である。しかしながら、PAS樹脂は他の樹脂との相溶性が著しく低く、物性の改善効果は十分ではなかった。相溶性を促進する方法としてスピノーダル分解を用いて相分離させたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物も開示されているが(特許文献1、2等参照)、相構造が熱硬化や結晶化により固定されているため、経時や再溶融によって変化し得ることから、成形品や最終製品における物性の制御が困難であった。
【0004】
PAS樹脂と他の樹脂の構造の固定化に関してはPAS樹脂と他の樹脂とを化学的に結合させた共重合体が有効である。これまでに共重合成分としては、例えば、ポリサルホン(特許文献3等参照)、ポリカーボネート(特許文献4等参照)、全芳香族ポリエーテル(特許文献5等参照)、ポリエーテルエーテルケトン(特許文献6等参照)、芳香族ポリエステル(特許文献7等参照)、環状化合物(特許文献8等参照)等が開示されている。しかしながら、いずれもモノマー原料を重合することにより共重合体を得るため、PAS樹脂の重合条件に適用できるモノマー原料や、各共重合成分の導入比率に制限があった。また、重合反応条件の調整や、副生するホモポリマーの除去等の精製等について、多くの手間や設備導入が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2009/041335号パンフレット
特開2008-231249
特開昭61-225218号公報
特開平6-220183号公報
特開2004-168834号公報
特開平2-228325号公報
特開平11-222527号公報
国際公開2014/136448号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、種々の共重合成分を適用可能かつ簡便にPAS樹脂部位を含むブロック共重合体を製造する方法、並びに、ブロック共重合体、組成物及び成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、環状PASと、ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂と必須成分として、溶融混練することで、簡便にPASブロック共重合体が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本開示は、環状PAS(A)を原料とするPASブロックと、PAS以外の熱可塑性樹脂(B)を原料とする他のブロックとを含むブロック共重合体であって、
前記PAS以外の熱可塑性樹脂(B)が、環状構造を有さないものである、ブロック共重合体に関する。
【0009】
また、本開示は、環状PAS(A)と、PAS以外の熱可塑性樹脂(B)とを必須成分として配合し、環状PAS(A)の融点及びPAS以外の熱可塑性樹脂(B)の流動温度以上で溶融混練する工程を有する、ブロック共重合体の製造方法であって、
前記PAS以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量が、環状PAS(A)1質量部に対して0.1~1000質量部であることを特徴とする、ブロック共重合体の製造方法に関する。
【0010】
また、本開示は、前記記載のブロック共重合体と他の材料とを含有する、ブロック共重合体組成物に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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