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公開番号
2024159999
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2024151097,2020100626
出願日
2024-09-03,2020-06-10
発明の名称
積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法
出願人
前田建設工業株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
個人
主分類
B28B
1/30 20060101AFI20241031BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約
【課題】 積層型3Dプリンターの材料吐出ノズルから吐出した建設材料を積層して建設物を造成する際に、積層構造の層間補強を適切に行うことにより、品質の高い建設物を造成する。
【解決手段】 積層型3Dプリンター10の材料吐出ノズル20から吐出した建設材料を積層して建設物を造成する方法であって、材料吐出ノズル20から建設材料を吐出して積層構造90を形成する積層構造形成工程と、上下に積層された建設材料の層境界を貫通して補強材80を挿入するとともに、当該補強材80の頭部が最上層に位置する建設材料から突出せずに建設材料表面よりも建設材料内部に位置するように、当該補強材80を建設材料内に挿入する補強材挿入工程とを含む。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
積層型3Dプリンターの材料吐出ノズルから吐出した建設材料を積層して建設物を造成するための方法であって、
材料吐出ノズルから建設材料を吐出して積層構造を形成する積層構造形成工程と、
上下に積層された建設材料の層境界を貫通して補強材を挿入するとともに、当該補強材の頭部が最上層に位置する建設材料から突出せずに建設材料表面よりも建設材料内部に位置するように、当該補強材を建設材料内に挿入する補強材挿入工程と、
を含むことを特徴とする積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記補強材挿入工程は、複数層からなる積層構造が形成された後に、当該複数層からなる積層構造に対して前記補強材を挿入することを特徴とする請求項1に記載の積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法。
【請求項3】
前記補強材挿入工程では、前記建設材料に対して前記補強材を挿入する際に、各補強材の挿入角度を一定に保つことを特徴とする請求項1または2に記載の積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法。
【請求項4】
前記補強材挿入工程では、上層に位置する積層構造単位と、当該上層に位置する積層構造単位の直下層に位置する積層構造単位とにおいて、挿入する補強材の位置が水平方向で相互に異なることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法。
【請求項5】
前記補強材は、横断面が一様であり、かつ直線上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、建設分野において国内外を問わず、3Dプリント技術を用いて構造物を積層しながら造形する構築方法である積層型3Dプリンターが開発されている。積層型3Dプリンターの材料は、基本的にセメント系材料を用い、ミキサーで練り上げたモルタルをポンプ圧送し、3次元造形装置に供給している。積層型3Dプリンターを用いた施工は、型枠なしで構造体を積層造形することができ、省人化、デザインの自由度、安全性などの点で従来のコンクリート施工に比べて高い優位性をもつものと期待される。
【0003】
積層型3Dプリンターで造形したコンクリート構造物は、セメント系材料を積層しながら造形するため、層間にコールドジョイントのような不連続層が生じる。この不連続層の存在は、一般的なコンクリート構造物に比べ、層間の脆弱性に起因する強度低下を引き起こす可能性がある。従来の技術では、このような課題に対して、金属性の繊維を積層方向に挿入することで層間の力学的強度補強を行っている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、層間強化3D印刷コンクリート構造体およびその構築方法に関するものである。この構築方法は、以下の工程を含んでいる。印刷材料の第1層を印刷する工程。水平バーの複数のセクションに対して、印刷された印刷材料の最初の層の第1方向に沿ってセクションごとに水平バーを配置する工程。水平バーの配置の進行とともに、印刷材料の第2層を第1方向に沿って徐々に印刷し、事前に設定された短いバーの注入位置に印刷する前に、短いバーを短いバーの注入位置に注入する工程。当該工程では、水平バーは印刷材料の第1層に注入され、短いバーの上部は印刷材料の第1層の上面から露出する。この構築方法によれば、水平バーを3D印刷材料の層間に配置し、短いバーを注入することにより、印刷材料の層間の接着特性を効果的に強化することができるとしている。
【0005】
特許文献2に記載された技術は、ラメラ構造のコンクリート材料に対して、複数のスチール繊維を垂直に挿入するようにしたものである。
【0006】
特許文献3に記載された技術は、硬化性材料からコンポーネントを製造する方法に関するものである。このコンポーネント製造方法は、以下の工程を含んでいる。3D印刷プロセスにより、材料の少なくとも1つの層を印刷する工程。複数の同様の補強要素を層内に導入する工程。そして、コンポーネントが完了するまで上述した2つの工程を周期的に繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
中国特許出願公開第109680954号
中国実用新案出願公開第206233586号
国際公開第2019/092162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献を含めて従来の技術では、3Dプリント技術を用いて構造物を積層しながら造形する際に、構造物を補強するための繊維をどのようにして挿入するかが開示されていない。例えば、積層方向の繊維の出方によっては、積層するノズルの動きを阻害する可能性がある。すなわち、既に形成した積層構造から繊維の頭部が突出していると、次いで積層構造を形成する際に繊維が邪魔になり、積層構造に損傷が生じたり、積層構造を形成できなかったり、繊維が抜け落ちたりする。
【0009】
なお、従来の技術文献では、層間部分が力学的弱点となる前提的な証明が不十分である。さらに、層間に繊維がある場合と、層間に繊維がない場合の強度比較が開示されていない。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、積層型3Dプリンターの材料吐出ノズルから吐出した建設材料を積層して建設物を造成する際に、積層構造の層間補強を適切に行うことにより、品質の高い建設物を造成することが可能な積層型3Dプリンターにおける積層方向の層間補強方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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