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公開番号2024031244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134673
出願日2022-08-26
発明の名称脱泡槽
出願人株式会社トクヤマ
代理人
主分類B28B 1/30 20060101AFI20240229BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】 スラリー脱泡時のダマの発生を効率的に抑制すること。また、特に外観不良が抑制されたセラミック焼結体を効率的に製造すること。
【解決手段】 脱泡槽の内壁側面の上部を冷却する冷却部を備えることを特徴とする脱泡槽。また、セラミック原料粉末と溶媒とを含むセラミックススラリーを前記脱泡槽に充填し、前記脱泡槽の冷却部により脱泡槽内気相部の内壁側面を冷却しながら脱泡を行う脱泡工程を含む、セラミックス焼結体の製造方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
脱泡槽の内壁側面の上部を冷却する冷却部を備えることを特徴とする脱泡槽。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記脱泡槽が加圧または減圧可能な耐圧容器であることを特徴とする請求項1に記載の脱泡槽。
【請求項3】
前記脱泡槽の内壁側面の下部および/または底面を加熱する加熱部を備えることを特徴とする請求項1に記載の脱泡槽。
【請求項4】
セラミックススラリーに使用される、請求項1~3のいずれか一項に記載の脱泡槽。
【請求項5】
セラミック原料粉末と溶媒とを含むセラミックススラリーを請求項4に記載の脱泡槽に充填し、前記脱泡槽の冷却部により脱泡槽内気相部の内壁側面を冷却しながら脱泡を行う脱泡工程を含む、セラミックス焼結体の製造方法。
【請求項6】
前記セラミックススラリー液面が、脱泡中は前記脱泡槽の冷却部にあることを特徴とする請求項5に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
【請求項7】
前記脱泡工程後のセラミックススラリーからドクターブレード法でグリーンシートを形成する工程を含む、請求項5に記載のセラミックス焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は新規な脱泡槽に関する。特には、セラミックススラリーの脱泡に際して、セラミックススラリーの固着物の生成を抑制し、上記固着物がセラミックススラリー中に混入することによる問題を解決することができる脱泡槽を提供するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックス焼結体は、優れた強度と耐熱性、化学安定性、電気絶縁性を有しており、構造材料や機能性材料として幅広く利用されている。セラミックス焼結体の製造方法の一例として、グリーンシートと呼ばれるシート状の成形体を焼成する方法が挙げられる。グリーンシートは、各種原料を溶媒に分散させたセラミックススラリーを、ドクターブレード法などによってシート状に成形することで製造される。
【0003】
セラミックススラリーを調製する工程において、複数の原料を均一に混合するためには、セラミックススラリーの粘性は低い方が好ましい。一方で、ドクターブレード法を用いたシート成形を行う工程では、液だれが発生しない程度の粘性がセラミックススラリーに求められる。そのため、セラミックススラリーを調製する工程では溶媒を多めに使用して、その後シート成形を行う工程の前に、セラミックススラリーから溶媒の除去を行うことが、広く行われている。また、原料を混合すると調製したセラミックススラリーには多くの気泡がかみ込む。気泡はグリーンシートのピンホールの原因となるため、セラミックススラリー内部から除く必要がある。セラミックス焼結体の製造において、原料のセラミックススラリーの粘度調整と気泡の除去を行うために、セラミックススラリーを脱泡することが広く行われている(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-131971号公報
特開2019-052072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脱泡を行うとセラミックススラリーは沸騰して脱泡槽の内壁面に飛散し、液滴が形成される。また、溶媒が揮発することで脱泡槽内のセラミックススラリーの液面が下がり、元々セラミックススラリーが存在してした内壁側面が露出すると、そこに液滴が形成される。そして、脱泡槽の内壁面に付着した液滴から溶媒が揮発し、セラミックス粉を主とする固着物となる。この固着物が脱泡槽内のセラミックススラリーに落下混入すると、セラミックススラリー中にダマが発生する原因になりうる。ダマがセラミックススラリー内部に発生するとグリーンシートや焼結体の外観不良になる虞がある。
【0006】
ダマを除去するためにセラミックススラリーの供給ラインにはフィルターを設けることが一般的であるが、フィルターが粗いとダマの混入を抑制できず、細かすぎるとフィルターが詰まりスラリーの供給が阻害され、適切なフィルターの選択に手間がかかっていた。そこで本発明は、スラリー脱泡時のダマの発生を効率的に抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、脱泡槽の内壁側面の上部を冷却することで、脱泡時に内壁に付着した液滴からの溶媒の揮発が抑えられ、固着物の発生を効果的に抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、脱泡槽の内壁側面の上部を冷却する冷却部を備えることを特徴とする脱泡槽である。前記脱泡槽は、加圧または減圧可能な耐圧容器であることが好ましい。また、内壁側面の下部および/または底面を加熱する加熱部を備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明の一形態は、セラミック原料粉末と溶媒とを含むセラミックススラリーを前記脱泡槽に充填し、前記脱泡槽の冷却部により脱泡槽内気相部の内壁側面を冷却しながら脱泡を行う脱泡工程を含む、セラミックス焼結体の製造方法である。前記セラミックススラリー液面は、脱泡中は前記脱泡槽の冷却部にあることが好ましい。前記脱泡工程後のセラミックススラリーから、ドクターブレード法でグリーンシートを成形することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の脱泡槽によれば、セラミックススラリー脱泡時に脱泡槽の内壁に固着物が発生することを効果的に抑制できるため、セラミックススラリー中のダマの発生を抑制することができる。これにより、グリーンシートや焼結体の不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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