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公開番号
2025022028
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-14
出願番号
2023126236
出願日
2023-08-02
発明の名称
セラミックグリーンシートの積層装置
出願人
株式会社トクヤマ
代理人
弁理士法人維新国際特許事務所
,
個人
主分類
B28B
1/30 20060101AFI20250206BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約
【課題】焼成後に優れた強度及び絶縁性を有するセラミックグリーンシートを効率良く作製する。
【解決手段】複数枚のグリーンシートを接着液により貼り合わせて積層シートにする装置であって、水平方向に対向して設けられる一対の押圧ローラ3a、3b間に複数枚のグリーンシートを挟み込んで押圧しながら重ねた状態で通過させるシート圧接機構2と、先の両押圧ローラ3a、3bに挟み込まれる直前のグリーンシート50a、50bの間に形成される谷部Vに接着液を供給する接着液供給機構6と、この谷部Vを形成するグリーンシート50a、50bのそれぞれの側縁51a
1
~51b
2
より内側にそれぞれの内壁面11a、11bが位置する一対の堰10a、10bを設け、上記接着液供給機構6から供給される接着液53をその間に堰き止めて液溜まり13を形成させる堰止機構9、を備えるセラミックグリーンシートの積層装置1による。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
複数枚のセラミックグリーンシートを接着液により貼り合わせて積層シートにする装置であって、
水平方向に対向して設けられる一対の押圧ローラの上方より、前記両押圧ローラ間に複数枚の前記セラミックグリーンシートを挟み込んで押圧しながら重ねた状態で通過させるシート圧接機構と、
前記両押圧ローラに挟み込まれる直前の前記セラミックグリーンシートの間に形成される谷部に前記接着液を供給する接着液供給機構と、
前記谷部を形成する前記セラミックグリーンシートのそれぞれの側縁より内側にそれぞれの内壁面が位置する一対の堰を設け、前記接着液供給機構から供給される前記接着液をその間に堰き止めて液溜まりを形成させる堰止機構、を備えることを特徴とするセラミックグリーンシートの積層装置。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
前記接着液供給機構は、前記液溜まりの液位を制御する液位制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシートの積層装置。
【請求項3】
一対の前記押圧ローラの下流側に設けられ、前記積層シートの両側縁の所定の幅の領域を切除する側縁切除手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックグリーンシートの積層装置。
【請求項4】
前記堰の前記内壁面の下縁と、前記谷部を形成する前記セラミックグリーンシートの表面の間に、前記接着液の液シール性を保持しうる空隙が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックグリーンシートの積層装置。
【請求項5】
複数の前記セラミックグリーンシートの重なり部分に前記両押圧ローラにより付加される押圧力を調整する押圧力調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックグリーンシートの積層装置。
【請求項6】
一対の前記押圧ローラの下流側に設けられ、前記積層シートを巻き取る巻取り手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックグリーンシートの積層装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックグリーンシートが積層されてなるシート積層体の新規な製造装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物セラミック、アルミナ等の酸化物セラミックなどのセラミックの焼結体を製造する方法として、上記セラミックの粉末(以下、セラミック粉末という。)を有機バインダーにより所望の形状に成形したグリーン体を脱脂、焼成する方法が一般に採用される。
上記グリーン体がシート状である、セラミックグリーンシートの製造方法として、ドクターブレード法が代表的な方法として挙げられる。この方法は、移動するキャストフィルムとブレードとの隙間より、セラミック粉末、有機バインダーを含むスラリーをキャストフィルム上に一定の厚みで供給後、溶媒を飛ばしてセラミックグリーンシート(単に「グリーンシート」という場合もある)を得る方法であり、精度良く、大面積のセラミックグリーンシートを生産することが可能である。
しかしながら、ドクターブレード法により製造できるセラミックグリーンシートの厚みは、スラリーの粘度等の関係で、約1mm程度が限界であり、それ以上の厚みを有するシートを精度よく製造することが困難であった。
【0003】
そのため、例えば、電鉄制御系基板等の用途において要求される数mm程度の厚みを有するセラミックグリーンシートの製造においては、例えば、前述のドクターブレード法によって製造された比較的薄いセラミックグリーンシートを積層して所望の厚みを有するシート積層体を製造する方法が考えられる。
上述のようなシート積層体の製造方法として、セラミックグリーンシートの表面に接着剤を塗工し、上記塗工面にもう一方のセラミックグリーンシートを重ねた状態でローラ間を通してプレスすることにより積層する方法が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2-219603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示される発明の場合は、セラミックグリーンシートに塗布された接着剤の厚みムラが生じたり、セラミックグリーンシートの接合速度に起因してセラミックグリーンシート間に気泡が噛みこまれたりする等の不具合が生じる。
このため、複数枚のセラミックグリーンシートが積層されてなるシート積層体を焼成して得られるセラミック焼結体中に、上記気泡がボイドとして残存することによるセラミック焼結体自体の強度の低下や、絶縁基板として使用する際の絶縁性の低下が不可避であった。
つまり、特許文献1を参酌する場合は、焼成後に優れた強度及び絶縁性を有し、かつその特性を最終製品である平板状のセラミック焼結体の平面方向の全域において略均一に発揮しうる積層シートを効率良く量産することが困難であった。
【0006】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、焼成後に優れた強度及び絶縁性を有し、かつその特性を最終製品である平板状のセラミック焼結体の平面方向の全域において略均一に発揮しうる積層シートを効率良く量産できるセラミックグリーンシートの積層装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明であるセラミックグリーンシートの積層装置は、複数枚のセラミックグリーンシートを接着液により貼り合わせて積層シートにする装置であって、水平方向に対向して設けられる一対の押圧ローラの上方より、この両押圧ローラ間に複数枚のセラミックグリーンシートを挟み込んで押圧しながら重ねた状態で通過させるシート圧接機構と、先の両押圧ローラに挟み込まれる直前のセラミックグリーンシートの間に形成される谷部に接着液を供給する接着液供給機構と、この谷部を形成するセラミックグリーンシートのそれぞれの側縁より内側にそれぞれの内壁面が位置する一対の堰を設け、上記接着液供給機構から供給される接着液をその間に堰き止めて液溜まりを形成させる堰止機構、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、各セラミックグリーンシートの間に形成される谷部に接着液の液溜まりを形成することで、接着液中に含まれる気泡が液溜まりの液面に自然に移動する。これにより液溜まりをなす接着液中から気泡を効率良く除去することができる。つまり、上記谷部の最底位置に存在する接着液中に気泡が存在する可能性が極めて低くなる。
これにより、一対の押圧ローラの回転動作により各セラミックグリーンシートを両押圧ローラ間に挟み込む際に、各セラミックグリーンシートの貼合面間に接着液とともに気泡が挟み込まれるのを極力抑制するという作用を有する。
【0008】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、接着液供給機構は、上述の液溜まりの液位を制御する液位制御手段を備えることを特徴とする。
第2の発明における液位制御手段は、各セラミックグリーンシートの谷部に形成される液溜まりの液位を、予め設定された目標値にする又は近似させるという作用を有する。
これにより、各セラミックグリーンシートを一対の押圧ローラ間に挟み込む速度を極力一定に保つという作用を有する。
【0009】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明であって、一対の押圧ローラの下流側に設けられ、積層シートの両側縁の所定の幅の領域を切除する側縁切除手段を備えることを特徴とする。
上記構成の第3の発明における側縁切除手段は、積層シートにおいて、主として接着液が挟み込まれていない領域を除去して接着液の挟み込み量が均一な積層シートを製造するという作用を有する。
【0010】
第4の発明は、上述の第1又は第2の発明であって、堰の内壁面の下縁と、谷部を形成するセラミックグリーンシートの表面の間に、接着液の液シール性を保持しうる空隙が形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、各セラミックグリーンシートにより形成される谷部に一対の堰を設けた際に、堰の下縁がセラミックグリーンシートの表面に接触して、一対の押圧ローラに挟み込まれる直前のセラミックグリーンシートが損傷するのを防ぐという作用を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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