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公開番号
2024159239
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023075094
出願日
2023-04-28
発明の名称
セラミック電子部品
出願人
太陽誘電株式会社
代理人
個人
主分類
H01G
4/30 20060101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 クラックの発生を抑制することができるセラミック電子部品を提供する。
【解決手段】 セラミック電子部品は、複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有する積層構造と、前記複数の内部電極層が対向する第1方向と、前記2端面が対向する第2方向とに直交する第3方向において前記積層構造を挟む1対のサイドマージンと、を備え、前記複数の内部電極層の少なくとも隣り合う2層について、前記第3方向における前記2層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲の連続率差が20%以上となっており、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率差は、±10%以内の範囲にある。
【選択図】 図6
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有する積層構造と、
前記複数の内部電極層が対向する第1方向と、前記2端面が対向する第2方向とに直交する第3方向において前記積層構造を挟む1対のサイドマージンと、を備え、
前記複数の内部電極層の少なくとも隣り合う2層について、前記第3方向における前記2層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲の連続率差が20%以上となっており、
前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率差は、±10%以内の範囲にある、セラミック電子部品。
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【請求項2】
複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有する積層構造と、
前記複数の内部電極層が対向する第1方向と、前記2端面が対向する第2方向とに直交する第3方向において前記積層構造を挟む1対のサイドマージンと、を備え、
前記複数の内部電極層について、前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲の各内部電極層の連続率の標準偏差は、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率の標準偏差よりも大きい、セラミック電子部品。
【請求項3】
前記複数の内部電極層について、前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の各内部電極層の連続率の平均値は、前記容量部において前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲の各内部電極層の連続率の平均値よりも小さい、請求項1または請求項2に記載のセラミック電子部品。
【請求項4】
前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲において、前記複数の内部電極層の連続率が1層毎に異なる、請求項1または請求項2に記載のセラミック電子部品。
【請求項5】
複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有し、略直方体形状を有し、第2方向に互いに対向する2端面に前記複数の内部電極層が交互に引き出されるように形成された積層チップを備え、
前記積層チップは、同じ端面に露出する内部電極層同士が、異なる端面に露出する内部電極層を介さずに対向するエンドマージンを備え、
前記複数の内部電極層の少なくとも隣り合う2層について、前記第2方向における前記2層の長さを100%とした場合に、前記第2方向の前記エンドマージン側端から内方に5%の範囲の連続率差が15%以上となっており、
前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第2方向の中心から±20%の範囲かつ前記複数の内部電極層が対向する第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率差は、±10%以内の範囲にある、セラミック電子部品。
【請求項6】
複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有し、略直方体形状を有し、第2方向に互いに対向する2端面に前記複数の内部電極層が交互に引き出されるように形成された積層チップを備え、
前記積層チップは、同じ端面に露出する内部電極層同士が、異なる端面に露出する内部電極層を介さずに対向するエンドマージンを備え、
前記複数の内部電極層について、前記第2方向における前記複数の内部電極層の長さを100%とした場合に、前記第2方向の前記エンドマージン側端から内方に5%の範囲の各内部電極層の連続率の標準偏差は、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第2方向の中心から±20%の範囲かつ前記複数の内部電極層が対向する第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率の標準偏差よりも大きい、セラミック電子部品。
【請求項7】
前記複数の内部電極層について、前記第2方向における前記複数の内部電極層の長さを100%とした場合に、前記第2方向の前記エンドマージン側端から内方に5%の範囲の各内部電極層の連続率の平均値は、前記容量部において前記第2方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲の各内部電極層の連続率の平均値よりも小さい、請求項5または請求項6に記載のセラミック電子部品。
【請求項8】
前記第2方向における前記複数の内部電極層の長さを100%とした場合に、前記第2方向の前記エンドマージン側端から内方に5%の範囲において、前記複数の内部電極層の連続率が1層毎に異なる、請求項5または請求項6に記載のセラミック電子部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック電子部品に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型高密度化に伴い、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品(例えば、特許文献1~6参照)も小型大容量化が求められている。積層セラミックコンデンサを大容量化するためには、内部電極層の交差面積を増加させる必要があり、内部電極層の連続率を高めることが効果的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-164446号公報
特開2021-086972号公報
特開2015-111651号公報
特開2017-103262号公報
特開2013-89944号公報
特開2015-053526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内部電極層の連続率が高くなると、誘電体層と内部電極層との界面の密着力が低下するため、焼成時の収縮差による内部応力が原因で、層間剥離(デラミネーション)といったクラックが発生する可能性がある。また、誘電体層に電圧を印加すると電歪現象(逆圧電現象)が生じる。電歪現象は、電界の印加方向の膨張によって機械的変位が生じる現象である。電歪現象が生じると、強度の低い領域でクラックが発生する可能性がある。これらのクラックが発生することで、破壊電圧や耐電圧の低下を招いてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、クラックの発生を抑制することができるセラミック電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセラミック電子部品は、複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有する積層構造と、前記複数の内部電極層が対向する第1方向と、前記2端面が対向する第2方向とに直交する第3方向において前記積層構造を挟む1対のサイドマージンと、を備え、前記複数の内部電極層の少なくとも隣り合う2層について、前記第3方向における前記2層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲の連続率差が20%以上となっており、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率差は、±10%以内の範囲にある。
【0007】
本発明に係る他のセラミック電子部品は、複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有する積層構造と、前記複数の内部電極層が対向する第1方向と、前記2端面が対向する第2方向とに直交する第3方向において前記積層構造を挟む1対のサイドマージンと、を備え、前記複数の内部電極層について、前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲の各内部電極層の連続率の標準偏差は、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率の標準偏差よりも大きい。
【0008】
上記セラミック電子部品において、前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の各内部電極層の連続率の平均値は、前記容量部において前記第3方向の中心から±20%の範囲かつ前記第1方向の中心から±20%の範囲の各内部電極層の連続率の平均値よりも小さくてもよい。
【0009】
上記セラミック電子部品において、前記第3方向における前記複数の内部電極層の幅を100%とした場合に、前記第3方向の前記サイドマージン側端から内方に5%の範囲において、前記複数の内部電極層の連続率が1層毎に異なっていてもよい。
【0010】
本発明に係るセラミック電子部品は、複数の誘電体層と、前記複数の誘電体層を介して設けられ、互いに対向する2端面に交互に引き出された複数の内部電極層と、を有し、略直方体形状を有し、第2方向に互いに対向する2端面に前記複数の内部電極層が交互に引き出されるように形成された積層チップを備え、前記積層チップは、同じ端面に露出する内部電極層同士が、異なる端面に露出する内部電極層を介さずに対向するエンドマージンを備え、前記複数の内部電極層の少なくとも隣り合う2層について、前記第2方向における前記2層の長さを100%とした場合に、前記第2方向の前記エンドマージン側端から内方に5%の範囲の連続率差が15%以上となっており、前記2端面に交互に引き出された内部電極層同士が対向する容量部において、前記第2方向の中心から±20%の範囲かつ前記複数の内部電極層が対向する第1方向の中心から±20%の範囲における各内部電極層の連続率差は、±10%以内の範囲にある。
(【0011】以降は省略されています)
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