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公開番号2024158869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074464
出願日2023-04-28
発明の名称誤差推定装置、後処理システム、誤差推定方法、及びコンピュータプログラム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類F01N 3/18 20060101AFI20241031BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】排気中の所定成分についての物理量を取得する取得部における観測誤差を推定する技術の向上を図る。
【解決手段】誤差推定装置は、第1物理量を取得するセンサと、第2物理量を取得する取得部と、センサにより取得される第1物理量に影響を及ぼす状態量を推定する状態推定部と、状態推定部により推定された状態量と、センサにより取得された第1物理量とから、状態推定理論を用いて、取得部における観測誤差を推定する誤差推定部とを備える。誤差推定部は、状態推定部により推定された状態量を用いて、状態推定部によって推定された推定値と、センサにより取得された第1物理量と、取得部により取得された第2物理量と、誤差推定部により推定された観測誤差と、から算出された算出値とについて、推定値と算出値とが等しいという拘束条件を用いて、観測誤差を推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
誤差推定装置であって、
排気が流通する主流路と、排気中の有害物質を浄化する触媒とを備える排気浄化装置について、前記排気中の所定成分についての第1物理量を取得するセンサと、
前記排気中の前記所定成分についての第2物理量を取得する取得部と、
前記排気浄化装置の内部の状態を表す状態量であって、前記センサにより取得される前記第1物理量に影響を及ぼす状態量を推定する状態推定部と、
前記状態推定部により推定された前記状態量と、前記センサにより取得された前記第1物理量とから、状態推定理論を用いて、前記取得部における観測誤差を推定する誤差推定部と、
を備え、
前記誤差推定部は、
前記状態推定部により推定された前記状態量を用いて、前記状態推定部によって推定された推定値と、
前記センサにより取得された前記第1物理量と、前記取得部により取得された前記第2物理量と、前記誤差推定部により推定された前記観測誤差と、から算出された算出値と、
について、前記推定値と前記算出値とが等しいという拘束条件を用いて、前記観測誤差を推定する、誤差推定装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の誤差推定装置であって、
前記触媒は、有害物質としてのNOxを浄化するNSR触媒であり、
前記センサは、前記第1物理量として、前記触媒の下流側における前記排気中のNOx濃度を取得する出口NOxセンサであり、
前記取得部は、前記第2物理量として、前記触媒の上流側における前記排気中のNOx濃度を取得する入口NOxセンサであり、
前記状態推定部は、前記状態量として、前記触媒におけるNOx吸蔵量を推定する、誤差推定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の誤差推定装置であって、
前記拘束条件y
p
は、次式により定義され、
TIFF
2024158869000023.tif
21
170
上記式において、

NOx,st
は、前記推定値としての、NOx吸蔵率推定値であり、
NO
obs
x,in
は、前記取得部により取得された前記第2物理量であり、
NO
x,out
は、前記センサにより取得された前記第1物理量であり、
θ
in
は、前記誤差推定部により推定された前記観測誤差である、誤差推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の誤差推定装置であって、
前記誤差推定部は、前記状態推定理論として、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用する、誤差推定装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の誤差推定装置であって、
前記取得部は、前記誤差推定部により推定された前記観測誤差を用いて、取得した前記第2物理量を補正する、誤差推定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の誤差推定装置であって、さらに、
前記誤差推定部により推定された前記観測誤差を用いて、前記取得部の異常を検出する制御部を備える、誤差推定装置。
【請求項7】
後処理システムであって、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の誤差推定装置と、
排気が流通する主流路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒と、
前記触媒に対して有害物質を浄化するための添加剤を供給する供給部と、
前記供給部における前記添加剤の供給を制御する供給制御部と、
を備える、後処理システム。
【請求項8】
誤差推定方法であって、情報処理装置が、
センサを用いて、排気が流通する主流路と、排気中の有害物質を浄化する触媒とを備える排気浄化装置について、前記排気中の所定成分についての第1物理量を取得する工程と、
取得部を用いて、前記排気中の前記所定成分についての第2物理量を取得する工程と、
前記排気浄化装置の内部の状態を表す状態量であって、前記センサにより取得される前記第1物理量に影響を及ぼす状態量を推定する状態推定工程と、
推定された前記状態量と、取得された前記第1物理量とから、状態推定理論を用いて、前記取得部における観測誤差を推定する誤差推定工程と、
を実行し、
前記誤差推定工程では、
推定された前記状態量を用いて、前記状態推定工程によって推定された推定値と、
取得された前記第1物理量と、取得された前記第2物理量と、前記誤差推定工程により推定された前記観測誤差と、から算出された算出値と、
について、前記推定値と前記算出値とが等しいという拘束条件を用いて、前記観測誤差を推定する、誤差推定方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
センサを用いて、排気が流通する主流路と、排気中の有害物質を浄化する触媒とを備える排気浄化装置について、前記排気中の所定成分についての第1物理量を取得する機能と、
取得部を用いて、前記排気中の前記所定成分についての第2物理量を取得する機能と、
前記排気浄化装置の内部の状態を表す状態量であって、前記センサにより取得される前記第1物理量に影響を及ぼす状態量を推定する状態推定機能と、
推定された前記状態量と、取得された前記第1物理量とから、状態推定理論を用いて、前記取得部における観測誤差を推定する誤差推定機能と、
を実行させ、
前記誤差推定機能は、
推定された前記状態量を用いて、前記状態推定機能によって推定された推定値と、
取得された前記第1物理量と、取得された前記第2物理量と、前記誤差推定機能により推定された前記観測誤差と、から算出された算出値と、
について、前記推定値と前記算出値とが等しいという拘束条件を用いて、前記観測誤差を推定する、コンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理システムに設けられた取得部における観測誤差を推定する技術に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関等から排出される排気に含まれる有害物質を浄化する技術が知られている。例えば、特許文献1には、添加剤としてNH
3
(アンモニア)を使用し、有害物質としてのNOx(窒素酸化物)を浄化するSCR触媒(選択還元触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)を用いた後処理システムについて開示されている。例えば、特許文献2及び特許文献3には、添加剤としてリッチスパイク処理により生じるCO(一酸化炭素),H
2
(水素),HC(炭化水素)を用い、有害物質としてのNOxを浄化するNSR触媒(吸蔵還元触媒:NOx Storage Reduction catalyst、NOx触媒とも呼ばれる)を用いた後処理システムについて開示されている。
【0003】
非特許文献1には、飛翔体の追尾問題において疑似観測量を使用することが開示されている。飛翔体の追尾問題などでは、ターゲットの速度が速いことから通常のカルマンフィルタでは十分な推定精度が得られず、補助的な観測データを生成して推定精度を向上させることが試みられている。例えば、ターゲットが等速直線運動するなどの物理的拘束条件を、ターゲットのダイナミクスとは別に考慮し、その拘束条件が成り立っていることをあたかも観測しているかのように考え、それを擬似的に観測値とみなして本来の観測方程式に付加し、拡張された観測方程式を構成している。このように補助的に生成される観測量は「疑似観測量」と呼ばれる。また、非特許文献2には、船舶のレーダによる追尾問題を対象に、ターゲットの位置、速度、及び加速度の推定精度を高めるために疑似観測量を導入することが開示されている。一方、非特許文献3には、エンジンシステムにおける酸素センサの時間遅れを推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-190383号公報
特開2004-308455号公報
特開2009-180086号公報
【非特許文献】
【0005】
M. Tahk, J.L. Speyer, Target tracking problems subject to kinematic constraints, IEEE Transactions on Automatic Control, 3 March 1990, vol. 35, No. 3, pp. 324-326.
大住晃、安木誠一、平田順士、井尻善久、長山剛久、佐々木啓人、針路と速度を不規則に変更する移動体の拡張カルマンフィルタによるトラッキング、システム制御情報学会論文誌、2001年、14巻10号、pp. 490-498.
Michael M. Moser, Christopher H. Onder, Lino Guzzella, Recursive parameter estimation of exhaust gas oxygen sensors with input-dependent time delay and linear parameters, Control Engineering Practice, 28 May 2015, vol. 41, pp. 149-163.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した後処理システムでは、排気が流通する主流路に排気中の所定成分についての物理量を検出する取得部を設け、当該センサの観測値を利用した後処理システムの制御が行われている。例えば、特許文献2に記載の技術では、NSR触媒の上流側と下流側とにNOxセンサを設け、これらNOxセンサの観測値の変化から、NSR触媒の劣化状態を診断している。例えば、特許文献3に記載の技術では、排気中のO
2
(酸素)濃度を検出する空燃比センサを設け、この空燃比センサの観測値を用いて、NSR触媒における還元処理の実行時間を決定している。しかし、これらの取得部では、ハード的なばらつき(例えば、検出素子等の製造誤差)や、経年劣化等に起因して、正確な物理量を検出できない場合がある。
【0007】
この点、特許文献1に記載の技術では、内燃機関から排出されるNOx流量の基準パターンと、NOxセンサの観測値によるNOx濃度の追従パターンと、を比較することでNOxセンサの故障診断を実現している。しかし、特許文献1に記載の技術では、内燃機関の運転状態によっては、長時間、内燃機関から排出されるNOx流量が基準パターンとならない場合があり、このような場合に、NOxセンサの故障診断ができないという課題を有する。また、非特許文献1,2では、NOxセンサや空燃比センサにおける観測誤差の推定や、後処理システムにおける拘束条件について何ら論じられていない。さらに、特許文献2,3、及び、非特許文献3に記載の技術では、NOxセンサや空燃比センサにおける観測誤差の推定について、何ら考慮されていない。
【0008】
なお、このような課題は、取得部として、特許文献1~3に記載されたNOxセンサや空燃比センサを用いる場合に限らず、排気中の所定成分(任意の成分)についての物理量を検出あるいは演算により取得する「取得部」の全般に共通する。すなわち、「取得部」とは、物理量を直接取得するセンサと、物理量を演算により求める機能部と、の両方を含む。また、物理量としては、NOx濃度に限られず、NOx以外の所定成分の濃度、流量、温度、圧力等が使用されてもよい。さらに、このような課題は、添加剤としてNH
3
を用いるSCR触媒や、添加剤としてリッチスパイク処理により生じるCO,H
2
,HCを用いるNSR触媒に限らず、添加剤として酸化還元反応により生じるO
2
を使用する三元触媒(Three-Way Catalyst)にも共通する。
【0009】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、排気中の所定成分についての物理量を取得する取得部における観測誤差を推定する技術の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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