TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025023370
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-17
出願番号2023127434
出願日2023-08-04
発明の名称蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F01D 5/28 20060101AFI20250207BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】ポンプ損失を低減させると共にエロージョンを抑制した蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法を提供する。
【解決手段】蒸気タービン動翼は、背側面、腹側面、前縁、後縁、翼根元、および、翼先端を備える。また、蒸気タービン動翼は、翼根元から翼先端まで延在する翼本体と、翼本体の少なくとも背面側に形成された翼高さ方向に延在する翼本体凹部に取り付けられるエロージョンシールドであって、翼本体よりも高い耐浸食性を有するとともに蒸気タービン動翼の前縁の一部及び背側面の一部を形成するエロージョンシールドと、少なくともエロージョンシールドによって形成される前縁及び背側面において翼高さ方向に対して交差する規定方向に沿って延在する延在凸部とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
背側面、腹側面、前縁、後縁、翼根元、および、翼先端を備える蒸気タービン動翼であって、
前記翼根元から前記翼先端まで延在する翼本体と、
前記翼本体の少なくとも背面側に形成された翼高さ方向に延在する翼本体凹部に取り付けられるエロージョンシールドであって、前記翼本体よりも高い耐浸食性を有するとともに前記蒸気タービン動翼の前記前縁の一部及び前記背側面の一部を形成するエロージョンシールドと、
少なくとも前記エロージョンシールドによって形成される前記前縁及び前記背側面において前記翼高さ方向に対して交差する規定方向に沿って延在する延在凸部と
を備える
蒸気タービン動翼。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記延在凸部は、前記翼高さ方向において前記翼根元と前記翼先端との間の中間位置よりも前記翼先端側に位置する
請求項1に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項3】
前記翼本体凹部は、前記翼本体の前記背面側および腹面側の各々に形成され、
前記エロージョンシールドは、前記背側面の前記一部と前記前縁を境にして連接する前記腹側面の一部をさらに形成し、
前記延在凸部は、前記背側面から前記前縁を跨いで前記腹側面まで、前記規定方向に沿って延在する請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項4】
前記延在凸部は、
前記背側面上に位置する一端と、
前記腹側面上に位置する他端と
を含み、
前記他端は、前記蒸気タービン動翼の翼厚方向における前記エロージョンシールドの腹面側の端と、前記蒸気タービン動翼の前記前縁との間に位置する
請求項3に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項5】
前記延在凸部は、前記背側面上に位置する一端を含み、
前記延在凸部の前記一端を含む前記翼高さ方向と直交する蒸気タービン動翼の翼断面において、接線方向がタービンロータの軸方向と平行になる前記背側面上の位置を外端位置と定義したとき、
前記翼断面では、前記延在凸部の前記一端は、前記背側面上において前記外端位置よりも前記後縁側に位置する
請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項6】
前記延在凸部は、前記背側面上に位置する一端を含み、
前記延在凸部の前記一端を含む前記翼高さ方向と直交する蒸気タービン動翼の翼断面において、前記蒸気タービン動翼のキャンバーライン上にある最大キャンバー位置を、タービンロータの軸方向と直交する方向に通過する仮想直線が、前記背側面と交わる位置を第1位置と定義したとき、
前記翼断面では、前記延在凸部の前記一端は、前記背側面において前記第1位置よりも前記後縁側に位置する
請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項7】
前記延在凸部は、前記翼本体によって形成される前記背面において前記規定方向に沿って延在する翼本体延在凸部をさらに含む
請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項8】
前記エロージョンシールドは、単一の板金部材によって形成されるプレス加工品であり、
前記延在凸部は、前記エロージョンシールドと一体的に形成されている
請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項9】
前記延在凸部の少なくとも一部は、
前記延在凸部の延在方向と直交する前記エロージョンシールドの断面において、前記エロージョンシールドからの前記延在凸部の突出量をDと定義したとき、0.5mm≦D≦3mmが成立するように構成されている
請求項1または2に記載の蒸気タービン動翼。
【請求項10】
前記延在凸部の少なくとも一部は、
前記延在凸部の前記延在方向と直交する前記エロージョンシールドの断面において、前記延在凸部の突出方向と直交する幅方向での前記延在凸部の寸法をWと定義したとき、1mm≦W≦10mmが成立するように構成されている
請求項9に記載の蒸気タービン動翼。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
タービン車室内で蒸気の一部が凝縮することによって生じた微細水滴は、周囲の微細水滴を取り込みながら成長して水膜になる。浮遊する粗大水滴が蒸気タービン動翼に衝突することに起因して、蒸気タービン動翼にエロージョンが生じうる。特許文献1に開示の蒸気タービン動翼には、エロージョンを防止すべく、侵食防止板が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公昭58-057604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蒸気タービン動翼の背側面に付着した水膜が遠心力によって背側面上を翼先端に向かって移動する。また、蒸気中を飛翔する微細水滴についても、その一部が動翼背腹に捕集されることで、水膜、水脈または半球状の水滴(以下、液相の形状に関わらず水膜とする)が形成され、遠心力によって水膜は翼先端に向かって移動する。水膜の移動距離が長くなるほど、蒸気タービンの湿り損失に分類されるポンプ損失は大きくなる。
【0005】
また、近年、蒸気タービン最終段動翼は長大化の傾向があり、先端周速はその回転半径に応じて大きくなる。動翼先端から離脱する水膜の初速度は、先端周速と水膜の動翼に対する相対速度の合成速度になるので、水膜は非常に大きな速度で蒸気中に放出されることになる。これが、タービン静止部側の構造体に衝突する事で、構造体側にエロージョンが発生する事がある。
【0006】
本開示の目的は、ポンプ損失を低減させると共にエロージョンを抑制した蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービン動翼は、
背側面、腹側面、前縁、後縁、翼根元、および、翼先端を備える蒸気タービン動翼であって、
前記翼根元から前記翼先端まで延在する翼本体と、
前記翼本体の少なくとも背面側に形成された翼高さ方向に延在する翼本体凹部に取り付けられるエロージョンシールドであって、前記翼本体よりも高い耐浸食性を有するとともに前記蒸気タービン動翼の前記前縁の一部及び前記背側面の一部を形成するエロージョンシールドと、
少なくとも前記エロージョンシールドによって形成される前記前縁及び前記背側面において前記翼高さ方向に対して交差する規定方向に沿って延在する延在凸部と
を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービン動翼の改造方法は、
背側面、腹側面、前縁、後縁、翼根元、および、翼先端を備える蒸気タービン動翼の改造方法であって、
前記蒸気タービン動翼は、
前記翼根元から前記翼先端まで延在する翼本体と、
前記翼本体の少なくとも背面側に形成された翼高さ方向に延在する翼本体凹部に取り付けられる第1エロージョンシールドであって、前記翼本体よりも高い耐浸食性を有するとともに前記蒸気タービン動翼の前記前縁の一部及び前記背側面の一部を形成する第1エロージョンシールドと
を備え、
前記改造方法は、
前記第1エロージョンシールドを取り外して、前記翼高さ方向に対して交差する規定方向に沿って延在する延在凸部が少なくとも前記前縁及び前記背側面において形成されるエロージョンシールドを前記翼本体凹部に取り付ける交換ステップを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ポンプ損失を低減させると共にエロージョンを抑制した蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係る蒸気タービンの内部構造を示す概略図である。
第1実施形態に係る動翼の外観を示す概略図である。
第1実施形態に係る動翼の翼断面の概略図である。
第1実施形態に係る、規定方向と直交するエロージョンシールドの断面を示す概略図である。
第2実施形態に係る動翼の外観を示す概略図である。
第3実施形態に係る動翼の翼断面の概略図である。
一実施形態に係る改造前の動翼の外観を示す概略図である。
一実施形態に係る動翼の改造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

スズキ株式会社
内燃機関の排気装置
21日前
トヨタ自動車株式会社
エンジンシステム
21日前
株式会社SUBARU
レベルゲージガイド
21日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
6日前
トヨタ自動車株式会社
アンモニア濃度算出装置
今日
トヨタ自動車株式会社
油温調節システム
6日前
スズキ株式会社
エンジンの上部構造
21日前
三菱重工業株式会社
蒸気タービン
6日前
マツダ株式会社
ロータリーピストンエンジン
6日前
マレリ株式会社
排気熱回収装置
21日前
マレリ株式会社
排気熱回収装置
21日前
株式会社豊田自動織機
動弁機構
14日前
トヨタ自動車株式会社
エンジンオイルの希釈度合推定装置
今日
トヨタ自動車株式会社
内燃機関のオイル劣化判定装置
21日前
トヨタ自動車株式会社
過給エンジン用電気加熱式触媒装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
電気加熱式触媒
今日
トヨタ自動車株式会社
通電加熱式触媒装置
今日
トヨタ自動車株式会社
電気加熱式触媒装置
6日前
ダイムラー トラック エージー
排気パイプ
14日前
フタバ産業株式会社
車載部品の製造方法及び溶接部材
3日前
ダイムラー トラック エージー
排気パイプ
14日前
三菱重工コンプレッサ株式会社
ロータの補修方法
14日前
トヨタ自動車株式会社
電気加熱式触媒の制御装置
3日前
日立Astemo株式会社
内燃機関のバルブタイミング制御装置
22日前
三菱重工業株式会社
クリアランス推定装置及びクリアランス推定方法
14日前
三菱重工業株式会社
蒸気タービン動翼、および、蒸気タービン動翼の改造方法
3日前
株式会社豊田中央研究所
排気浄化装置およびエンジンシステム
21日前
住友理工株式会社
マフラーサポート
15日前
いすゞ自動車株式会社
オイルレベルゲージ管固定構造
15日前
株式会社東芝
大気放出装置および地熱発電システム
15日前
三菱重工業株式会社
コンバインドサイクルプラント起動方法、コンバインドサイクルプラント起動制御装置、及び、コンバインドサイクルプラント
13日前
エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
大型2ストロークユニフロー掃気過給式クローズドサイクル・オキシ燃料内燃機関
13日前
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
タービンブレードのプラットフォームの下側の構造及びポケット
23日前
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
タービンブレードの制振装置用バネ懸架式軸受部材付きダンパエレメント
16日前
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
タービンブレードの制振装置用バネ懸架式軸受部材付きダンパエレメント
8日前
ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
ガスタービンにおける翼形部の解離及び損傷を防止するためのシステム及び方法
6日前
続きを見る