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公開番号2024157508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023193288,2023071904
出願日2023-11-13,2023-04-25
発明の名称安全帯用ショックアブソーバー
出願人株式会社オルセン,藤井電工株式会社
代理人個人
主分類A62B 35/04 20060101AFI20241030BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】全体的に小型化でき、かつ、人体に大きな衝撃が掛からないようにできるショックアブソーバーを提供する。
【解決手段】安全帯用ショックアブソーバーは、吊糸が上側ベルト層の緯糸と下側ベルト層の緯糸との両方に織り込まれることによって上側ベルト層と下側ベルト層とが縫着された重合部と、吊糸が上側ベルト層と下側ベルト層とに跨がって織り込まれないことで上側ベルト層と下側ベルト層が分離している分離部と、を有する。重合部を引き裂く最初の所定長さである第一領域における第一段階の衝撃吸収力G1と、第一領域に続く第二領域において重合部を引き裂くときの第二段階の衝撃吸収力G2と、の関係がG1>G2である。
【選択図】図17
特許請求の範囲【請求項1】
安全帯用ショックアブソーバーであって、
当該安全帯用ショックアブソーバーは、上側ベルト層と下側ベルト層とによって構成されていて、
当該安全帯用ショックアブソーバーは、
吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸との両方に織り込まれることによって前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とが縫着された重合部と、
前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とに跨がって織り込まれないことで前記上側ベルト層と前記下側ベルト層が分離している分離部と、を有し、
前記分離部の前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを離す方向に引き裂く力が働いたとき、前記重合部が引き裂かれて分離した前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とになるときに衝撃力を吸収するものであり、
前記重合部を引き裂く最初の所定長さである第一領域における第一段階の衝撃吸収力G1と、
前記第一領域に続く第二領域において前記重合部を引き裂くときの第二段階の衝撃吸収力G2と、の関係がG1>G2である
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記吊糸は複数本あり、
前記第一領域において前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む吊糸の本数NS1は、前記第二領域において前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む吊糸の本数NS2よりも多い
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項3】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記第一領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW1は、前記第二領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW2よりも多い
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項4】
請求項3に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記第一領域において前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを跨がずに同じ層のなかで通過する緯糸の本数K1は、前記第二領域において前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを跨がずに同じ層のなかで通過する緯糸の本数K2よりも少ない
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項5】
請求項3に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記第一領域における前記上側ベルト層および前記下側ベルト層の緯糸の密度が、前記第二領域における前記上側ベルト層および前記下側ベルト層の緯糸の密度よりも高いことにより、
前記第一領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW1が、前記第二領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW2よりも多くなっている
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項6】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記上側ベルト層は、第一層と第二層との二層からなり、
前記下側ベルト層は、第三層と第四層との二層からなり、
前記吊糸には、A群の吊糸と、B群の吊糸と、があり、
A群の吊糸はさらにA1組の吊糸A1と、A2組の吊糸A2と、を有し、
第一領域において、
吊糸A1は、上側ベルト層の第一層および第二層を貫いていて、下側ベルト層には第三層だけに掛かり、
吊糸A2は、下側ベルト層の第三層および第四層を貫いていて、上側ベルト層には第二層だけに掛かり、
B群の吊糸は、上側ベルト層の第一層および第二層も下側ベルト層の第三層および第四層も貫いて織り込まれている
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項7】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記上側ベルト層は、第一層と第二層との二層からなり、
前記下側ベルト層は、第三層と第四層との二層からなり、
前記吊糸には、A群の吊糸と、C群の吊糸と、があり、
A群の吊糸はさらにA1組の吊糸A1と、A2組の吊糸A2と、を有し、
C群の吊糸はさらにC1組の吊糸C1と、C2組の吊糸C2と、を有し、
第一領域において、
吊糸A1は、上側ベルト層の第一層および第二層を貫いていて、下側ベルト層には第三層だけに掛かり、
吊糸A2は、下側ベルト層の第三層および第四層を貫いていて、上側ベルト層には第二層だけに掛かり、
吊糸C1は、上側ベルト層の第一層および第二層を貫いていて、下側ベルト層には第三層だけに掛かり、
吊糸C2は、下側ベルト層の第三層および第四層を貫いていて、上側ベルト層には第二層だけに掛かり、
ただし、
吊糸C1が上側ベルト層に織り込まれるピッチと吊糸A1が上側ベルト層に織り込まれるピッチとは同じであるが、吊糸C1は、吊糸A1に対して、半ピッチ分ずれて織り込まれていて、
吊糸C2が下側ベルト層に織り込まれるピッチと吊糸A2が下側ベルト層に織り込まれるピッチとは同じであるが、吊糸C2は、吊糸A2に対して、半ピッチ分ずれて織り込まれている
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項8】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記吊糸には、A群の吊糸と、B群の吊糸と、があり、
A群の吊糸は、第一領域では上側ベルト層と下側ベルト層とを跨いで織り込まれ、第二領域では、上側ベルト層と下側ベルト層とを跨がず、
B群の吊糸は、第一領域および第二領域において上側ベルト層と下側ベルト層とを跨いで織り込まれ、ただし、第一領域に比べて、第二領域の吊糸Bのピッチは粗い
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項9】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記上側ベルト層は、第一層と第二層との二層からなり、
前記下側ベルト層は、第三層と第四層との二層からなり、
前記吊糸には、A群の吊糸と、B群の吊糸と、があり、
第一領域において、
A群の吊糸は、上側ベルト層の第一層および第二層も下側ベルト層の第三層および第四層も貫いて織り込まれ、
B群の吊糸は、上側ベルト層の第二層と下側ベルト層の第三層とに掛かるように織り込まれている
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
【請求項10】
請求項1に記載の安全帯用ショックアブソーバーにおいて、
前記第一領域における前記第一段階の衝撃吸収力G1の最大値は4kNを超える値である
ことを特徴とする安全帯用ショックアブソーバー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、安全帯用ショックアブソーバーに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ランヤードは命綱ベルトとショックアブソーバー(衝撃吸収部)とを備える。ショックアブソーバーは、通常は折り畳まれた状態であって、急激な引張力が掛かったときに製織または縫製された糸が伸びて切れるときに衝撃(エネルギー)を吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-68915
特許6925679
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ショックアブソーバーに求められる性能として、これまでは衝撃荷重が規格に定められる値を超えないこととされ(例えば最大荷重値4kN以下と定められていた。)、そのため規格値以下のほぼ一定の引き裂き強力(例えば3.8kNや3.6kN)で落下エネルギーを吸収した後、徐々に弱くなっていくことを理想として設計されてきた。しかしながら、規格値以下のほぼ一定の引き裂き強力(例えば3.8kNや3.6kN)で落下エネルギーを吸収するためにはショックアブソーバーの引き裂き長さを長くとる必要がある。これはショックアブソーバーの大型化に繋がり、高所作業者にとっては大きなショックアブソーバーが付いたランヤードは作業の障害ともなり得る。
【0005】
また、ショックアブソーバーがエネルギーを吸収していくと落下のエネルギーは徐々に小さくなっていく。落下の途中で落下のエネルギーがベルトを引き裂くためのエネルギー(引き裂き強力)よりも小さくなってしまうと、急激に人体(あるいは物体)に大きな衝撃が掛かるという問題もあった。
【0006】
本発明の目的は、全体的に小型化でき、かつ、人体に大きな衝撃が掛からないようにできるショックアブソーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の安全帯用ショックアブソーバーは、
安全帯用ショックアブソーバーであって、
当該安全帯用ショックアブソーバーは、上側ベルト層と下側ベルト層とによって構成されていて、
当該安全帯用ショックアブソーバーは、
吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸との両方に織り込まれることによって前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とが縫着された重合部と、
前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とに跨がって織り込まれないことで前記上側ベルト層と前記下側ベルト層が分離している分離部と、を有し、
前記分離部の前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを離す方向に引き裂く力が働いたとき、前記重合部が引き裂かれて分離した前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とになるときに衝撃力を吸収するものであり、
前記重合部を引き裂く最初の所定長さである第一領域における第一段階の衝撃吸収力G1と、
前記第一領域に続く第二領域において前記重合部を引き裂くときの第二段階の衝撃吸収力G2と、の関係がG1>G2である
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態では、
前記吊糸は複数本あり、
前記第一領域において前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む吊糸の本数NS1は、前記第二領域において前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む吊糸の本数NS2よりも多い
ことが好ましい。
【0009】
本発明の一実施形態では、
前記第一領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW1は、前記第二領域において単位長さ当たりで前記吊糸が前記上側ベルト層の緯糸と前記下側ベルト層の緯糸とに絡む回数NW2よりも多い
ことが好ましい。
【0010】
本発明の一実施形態では、
前記第一領域において前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを跨がずに同じ層のなかで通過する緯糸の本数K1は、前記第二領域において前記吊糸が前記上側ベルト層と前記下側ベルト層とを跨がずに同じ層のなかで通過する緯糸の本数K2よりも少ない
ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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