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公開番号
2024157035
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2024139888,2019185304
出願日
2024-08-21,2019-10-08
発明の名称
液晶組成物
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
A61K
8/86 20060101AFI20241029BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】従来は特殊な化合物で構成されていた、Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物を、幅広い組成で且つ簡易な方法で調製する。
【解決手段】Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物であって、
前記液晶組成物は界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)を配合してなり、
界面活性剤(a)は、水(c)と混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成可能な界面活性剤であり、
油剤(b)は、構造体(x)と混合することで、該構造体(x)の全てをラメラ構造体に変換することがない油剤であり、
前記液晶組成物を構成する界面活性剤(a)と水(c)との比率が、該界面活性剤(a)と水(c)とを混合することで前記構造体(x)を形成する比率である、液晶組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物であって、
前記液晶組成物は界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)を配合してなり、
界面活性剤(a)は、水(c)と混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成可能な界面活性剤であり、
油剤(b)は、構造体(x)と混合することで、該構造体(x)の全てをラメラ構造体に変換することがない油剤であり、
前記液晶組成物を構成する界面活性剤(a)と水(c)との比率が、該界面活性剤(a)と水(c)とを混合することで前記構造体(x)を形成する比率である、液晶組成物。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
界面活性剤(a)が非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
前記非イオン性界面活性剤が下記一般式(a1)又は一般式(a2)で表される非イオン性界面活性剤である、請求項2に記載の液晶組成物。
R
1a
-A〔(R
2a
O)
x
-R
3a
〕
y
(a1)
〔式中、R
1a
は、炭素数7以上18以下の炭化水素基であり、R
2a
は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、R
3a
は、炭素数1以上3以下のアルキル基又は水素原子である。xは平均付加モル数であり3以上50以下の数である。Aは-O-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-C(=O)N=、-NH-又は-N=であり、Aが-O-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-又は-NH-の場合yは1であり、Aが-C(=O)N=又は-N=の場合yは2である。〕
〔R
11a
-B-(R
12a
O)
u
〕
p
G
m
〔(OR
12a
)
v
OH〕
q
(a2)
〔式中、R
11a
は炭素数7以上18以下の炭化水素基を示し、R
12a
は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。u及びvは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上40以下の数であって、且つu×p+v×qは0以上40以下である。Gは炭素数3以上10以下で且つヒドロキシ基数3以上10以下の多価アルコール残基を示す。mはGの平均縮合度であり、1以上10以下の数である。pは1以上であってG
m
のヒドロキシ基数以下の数、qはG
m
のヒドロキシ基数-pの数である。Bは-O-、又は-C(=O)O-である。〕
【請求項4】
前記一般式(a1)で表される非イオン性界面活性剤が、該非イオン性界面活性剤のオキシアルキレン基の平均付加モル数をnとした場合、該界面活性剤中の、オキシアルキレン基の付加モル数がnである成分の含有量が0質量%以上80質量%以下であり、オキシアルキレン基の付加モル数がn+1~n+10である成分の含有量が0.5質量%以上80質量%以下であって、nが0である成分の含有量が0質量%以上20質量%以下である、請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項5】
油剤(b)の融点が100℃未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項6】
油剤(b)がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びアミド基のいずれも有さない油剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項7】
油剤(b)が炭素数8以上22以下の炭化水素油、炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上24以下の1価アルコールとからなる脂肪酸モノエステル、炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上12以下の2価アルコールとからなる脂肪酸ジエステル、炭素数4以上18以下のジカルボン酸と炭素数1以上24以下の1価アルコールとからなるジカルボン酸ジエステル、炭素数5以上12以下のトリカルボン酸と炭素数1以上24以下の1価アルコールとからなるトリカルボン酸トリエステル、及びグリセリン脂肪酸トリエステルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項6に記載の液晶組成物。
【請求項8】
さらに、水溶性又は水分散性の機能性成分(d)を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項9】
さらに、油溶性の機能性成分(e)を含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の液晶組成物の製造方法であって、
前記液晶組成物を構成する界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)を下記条件1~3を満たすように配合する、製造方法。
条件1:液晶組成物を構成する界面活性剤(a)と水(c)との比率が、該界面活性剤(a)と水(c)とを混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成する比率である。
条件2:液晶組成物を構成する油剤(b)の配合量が、界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)の合計量に対し5質量%以上である。
条件3:液晶組成物を構成する成分を混合する温度が、油剤(b)の融点以上の温度である。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物に関する。
続きを表示(約 5,700 文字)
【背景技術】
【0002】
含水含油組成物として、水相に油滴が分散したO/W型エマルション、油相に水滴が分散したW/O型エマルション、これらが複合化されたダブルエマルションといわれるO/W/O型エマルション及びW/O/W型エマルション、並びに特殊な例として、水相と油相が両連続相となったバイコンティニュアス型エマルション等の各種エマルションが知られている。これらエマルションは化粧品、食品、インク、農薬等の分野において幅広く利用されている。
エマルションは水と油を撹拌混合することで得られ、多くの場合、エマルションを安定化させる目的で界面活性剤や微粒子等の乳化剤が用いられている。しかしながら乳化剤により安定化されたエマルションであっても、熱力学的な安定性としては充分ではなく、時間の経過と共にクリーミングや合一などが生じて油と水に分離してしまうことがある。
熱力学的に安定な含水含油組成物系として、油中に水、あるいは水中に油が可溶化された系も知られている。しかしながらこの系では、溶媒に対する溶質の溶解度が極めて低いことから、可溶化できる溶質の量は実質的に限られている。マイクロエマルションと呼ばれる、界面活性剤のミセル中に溶質が可溶化された系も知られているが、界面活性剤の吸着挙動の変化などによって可溶化状態が不安定化することがある。
【0003】
ところで、界面活性剤と水とから構成される液晶が知られている。該液晶は界面活性剤と水とが自己組織化した分子集合体であり、熱力学的に安定な状態にあるものである。該液晶は、使用する界面活性剤の種類及び濃度によって種々の形態を取り得ることが知られており、例えば、界面活性剤が非連続相を形成し、水が連続相を形成している液晶としてキュービック液晶及びヘキサゴナル液晶、界面活性剤と水が共に連続相を形成している液晶としてラメラ液晶、界面活性剤が連続相を形成し、水が非連続相を形成している液晶として逆キュービック液晶及び逆ヘキサゴナル液晶等が知られている。
界面活性剤と水とから構成されるこれらの液晶を含む組成物中には、さらに油剤等の油性成分や、水溶性成分等が安定的に含まれることもある。
【0004】
界面活性剤と水とで構成される液晶は含水含油性であり、熱力学的にも安定で、構造上多くの水又は油を含有することが可能であるため、水又は油のリザーバーとして使用されることもある。また当該液晶は一般的に粘稠で、液晶構造を安定して維持することが可能であり、例えば該液晶を含有する液晶組成物を対象物に塗布した場合には、長期間にわたり対象物の同一箇所に液晶組成物を保持することができる。この性質を利用して、含水含油性液晶はリリースコントロール用途に適用されることもある。
【0005】
界面活性剤と水とで構成され、且つ対称性としてFd-3m構造を有する液晶は、界面活性剤が連続相を形成し、水が不連続相を形成している逆キュービック液晶である。該液晶は水の包含量が多く、直径10nm以下という極めて微細な水分子集合体の形態で約34体積%包含されていることが知られている。
上記液晶を含有する液晶組成物は粘稠であり、リリースコントロール性能も期待される。また該液晶は界面活性剤中の疎水性基が連続相を形成しているため、該連続相中に油性成分を安定して包含させることも可能である。
【0006】
Fd-3m構造を有する液晶(以下、該液晶を「Fd-3m液晶」ともいう)の報告例として、非特許文献1には1,2-ジオレイルホスファチジルコリン、1,3-ジオレイルグリセロール、及び水の組み合わせからなる液晶が、非特許文献2には1,2-di-O-alkyl-3-O-(D-xylopyranosyl)-sn-glycerolsとDi-alkyl glucosyl lipidと水との組み合わせが、非特許文献3にはPoly(oxyethylwne)-poly(dimethylsiloxane)copolymerとMe
3
SiO(Si(Me)
2
O)x-(SiMe(C
3
H
6
(OCH
2
)
n
OH)O)ySiMe
3
と水との組み合わせが、非特許文献4にはモノオレイン、エタノール、Poloxamer407(PEO98PPO67PEO98)と水との組み合わせが開示されている。しかしながら、いずれの文献においても液晶の形成に用いられる化合物の種類及び配合比率が限定的であり、配合の自由度が極めて低い。したがって従来の液晶組成物は、生体適合性が求められる用途に適用することができない場合があった。また、Fd-3m液晶に油溶性成分又は水溶性成分を包含させるとFd-3m構造が壊れることも多い。
【0007】
非特許文献5、6には水と界面活性剤とでヘキサゴナル液晶を生成しうる界面活性剤(例えばTween80)とパーム核油及び水からなる三角相図が記載されており、生成物としてTransparent gel、Viscous area、Non-Transparent W/O Liquid emulsion、あるいはO/W LC、O/W emulsions、W/O EMG及びW/O emulsionsの記載があるが、Fd-3m構造を有する液晶については記載も示唆もない。非特許文献7-9は、非特許文献5、6と同一の著者による文献であり、上記生成物のドラッグデリバリー性能を評価しているが、非水溶性物質のデリバリー性能についての記載のみであり、水溶性物質のデリバリー性能については言及されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
John M. Seddon, “An Inverse Face-Centered Cubic Phase Formed by Diacylglycerol-Phosphatidylcholine Mixtures1”, Biochemistry, Vol.29, No.34 (1990), p7997-8002
John M. Seddon et al., “An Fd3m Lyotropic Cubic Phase in a Binary Glycolipid/Water System”, Langmuir, Vol.12, No.22 (1996), p5250-5253
K. Watanabe et al., “Highly Concentrated Emulsions Based on the Reverse Micellar Cubic Phase”, JOURNAL OF OLEO SCIENCE, Vol.51, No.12 (2002), p771-779
Patrick T. Spicer et al., “Novel Process for Producing Cubic Liquid Crystalline Nanoparticles (Cubosomes)”, Langmuir, Vol.17, No.19 (2001), p5748-5756
Muthanna F. Abdulkarim et al., “Study of Pseudoternary Phase Diagram Behaviour and the Effect of Several Tweens and Spans on Palm Oil Esters Characteristics”, International Journal of Drug Delivery 3 (2011), p95-100
Elrashid S. Mahdi1 et al., “Effect of surfactant and surfactant blends on pseudoternary phase diagram behavior of newly synthesized palm kernel oil esters”, Drug Design, Development and Therapy, 5 (2011), p311-323
Muthanna F. Abdulkarim et al., “Topical piroxicam in vitro release and in vivo anti-inflammatory and analgesic effects from palm oil esters-based nanocream”, International Journal of Nanomedicine, 5 (2010), p915-924
Ghassan Z. Abdullah et al., “In vitro permeation and in vivo anti-inflammatory and analgesic properties of nanoscaled emulsions containing ibuprofen for topical delivery”, International Journal of Nanomedicine, 6 (2011), p387-396
Elrashid S. Mahdi et al., “Formulation and in vitro release evaluation of newly synthesized palm kernel oil esters-based nanoemulsion delivery system for 30% ethanolic dried extract derived from local Phyllanthus urinaria for skin antiaging”, International Journal of Nanomedicine, 6 (2011), p2499-2512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、従来は特殊な化合物で構成されていた、Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物を、幅広い組成で且つ簡易な方法で調製することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、所定の要件を満たす界面活性剤及び油剤、並びに水の組み合わせにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記[1]~[3]に関する。
[1]Fd-3m構造を有する液晶を含有する液晶組成物であって、前記液晶組成物は界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)を配合してなり、界面活性剤(a)は、水(c)と混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成可能な界面活性剤であり、油剤(b)は、構造体(x)と混合することで、該構造体(x)の全てをラメラ構造体に変換することがない油剤であり、前記液晶組成物を構成する界面活性剤(a)と水(c)との比率が、該界面活性剤(a)と水(c)とを混合することで前記構造体(x)を形成する比率である、液晶組成物。
[2]上記[1]に記載の液晶組成物の製造方法であって、前記液晶組成物を構成する界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)を下記条件1~3を満たすように配合する、製造方法。
条件1:液晶組成物を構成する界面活性剤(a)と水(c)との比率が、該界面活性剤(a)と水(c)とを混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成する比率である。
条件2:液晶組成物を構成する油剤(b)の配合量が、界面活性剤(a)、油剤(b)、及び水(c)の合計量に対し5質量%以上である。
条件3:液晶組成物を構成する成分を混合する温度が、油剤(b)の融点以上の温度である。
[3]上記[1]に記載の液晶組成物を構成する界面活性剤(a)及び油剤(b)の選定方法であって、下記工程1~工程3を順に有する、選定方法。
工程1:水(c)と混合することでヘキサゴナル構造体及びプレヘキサゴナル構造体のうち少なくとも一方の構造体(x)を形成可能な界面活性剤(a)を選定する工程
工程2:界面活性剤(a)と水(c)とを構造体(x)を形成する比率で混合して、該構造体(x)を含む混合物を調製する工程
工程3:工程2で得られた混合物と、該混合物中の界面活性剤(a)と同質量の油剤とを混合して組成物(L)を調製し、該組成物(L)中に含まれる構造体の構造を小角X線散乱法により分析する工程
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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