TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024156540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2023071091
出願日2023-04-24
発明の名称エンジンの空燃比制御装置
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類F02D 41/04 20060101AFI20241029BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】特別なセンサの追加を必要とせず、リーンスパイクの最適化を通じて触媒による高い浄化率を実現する。
【解決手段】
排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比λfを、ストイキ相当値に対してリッチ側である基本リッチ空燃比λ1に制御するとともに、所定のタイミングにおいて上流側空燃比λfを一時的に増大させ、ストイキ相当値よりもリーン側(λ2)に制御するリーンスパイクを実施する。リーンスパイクにより排気浄化触媒に供給される酸素の量である酸素供給量に関わるリーンスパイク量(リーンスパイク幅Dsp)を、リーンスパイクの実施後に下流側排気センサにより検出された下流側空燃比λrをもとに設定する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
排気通路に排気浄化触媒を備えるエンジンの空燃比制御装置であって、
前記排気通路において前記排気浄化触媒の下流側に配置され、前記排気浄化触媒を通過した排気の空燃比である下流側空燃比に応じた信号を出力可能に構成された下流側排気センサと、
前記下流側排気センサにより出力された信号に基づき、エンジンの運転状態を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比を、ストイキ相当値に対してリッチ側である基本リッチ空燃比に制御するとともに、所定のタイミングにおいて前記上流側空燃比を一時的に増大させ、前記ストイキ相当値よりもリーン側に制御するリーンスパイクを実施する空燃比制御手段と、
前記リーンスパイクにより前記排気浄化触媒に供給される酸素の量である酸素供給量に関わるリーンスパイク量を、前記リーンスパイクの実施後に前記下流側排気センサにより検出された下流側空燃比をもとに設定するリーンスパイク量設定手段と、を備えるエンジンの空燃比制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記リーンスパイク量設定手段は、前記リーンスパイクの実施後に増大する前記下流側空燃比の最大値である下流側最大空燃比がストイキ相当値未満となるように、前記リーンスパイク量を設定する、請求項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項3】
前記リーンスパイク量設定手段は、前記下流側最大空燃比がストイキ相当値よりも高い場合に、前記酸素供給量を減少させ、前記下流側最大空燃比がストイキ相当値よりも低くかつ前記基本リッチ空燃比以上である所定の第1空燃比よりも低い場合に、前記酸素供給量を増大させるように、前記リーンスパイク量を設定する、請求項2に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項4】
前記排気通路において前記排気浄化触媒の上流側に配置され、前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比に応じた信号を出力可能に構成された上流側排気センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記リーンスパイクの実施前に前記上流側排気センサにより検出された上流側空燃比をもとに、前記第1空燃比を設定する、請求項3に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項5】
前記リーンスパイク量設定手段は、前記リーンスパイクを実施する時間であるリーンスパイク幅により、前記リーンスパイク量を設定する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記エンジンの始動後、前記上流側空燃比をストイキ相当値に対してリッチ側に定常的に制御するとともに、前記排気浄化触媒の活性化を促す触媒暖機制御を実施する始動時暖機手段をさらに備え、
前記始動時暖機手段による前記触媒暖機制御の開始後、前記下流側空燃比が前記上流側空燃比よりも低い所定の第2空燃比に到達した場合に、前記触媒暖機制御を終了し、前記空燃比制御手段により前記リーンスパイクを実施する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項7】
前記排気通路において前記排気浄化触媒の上流側に配置され、前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比に応じた信号を出力可能に構成された上流側排気センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記触媒暖機制御の実施中に前記上流側排気センサにより検出された上流側空燃比をもとに、前記第2空燃比を設定する、請求項6に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項8】
前記空燃比制御手段は、前記リーンスパイクの実施後、前記下流側空燃比がストイキ相当値よりも低くかつ前記基本リッチ空燃比以上である所定の第3空燃比に到達した後、次回の前記リーンスパイクを実施する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項9】
前記排気通路において前記排気浄化触媒の上流側に配置され、前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比に応じた信号を出力可能に構成された上流側排気センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記リーンスパイクの実施前に前記上流側排気センサにより検出された上流側空燃比をもとに、前記第3空燃比を設定する、請求項8に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記リーンスパイクの実施後、前記下流側空燃比が所定の時間を経過してもなお前記第3空燃比に到達しない場合に、前記排気浄化触媒の活性化を促す触媒暖機制御を実施する運転時暖機手段をさらに備える、請求項8に記載のエンジンの空燃比制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの空燃比制御装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をストイキ相当値に対してリッチ側に制御するとともに、所定のタイミングにおいてこの排気の空燃比を一時的に増大させ、ストイキ相当値よりもリーン側に制御する技術(以下、この制御を「リーンスパイク制御」または単に「リーンスパイク」という)が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許4924646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気浄化触媒においてリーンスパイクによる排気の効率的な浄化に最適な酸素量は、触媒の酸素吸蔵能力(OSC)に応じて変化する。酸素吸蔵能力に対して酸素量が不足する状況では、浄化反応に停滞が生じ、他方で、酸素量が過剰な状況では、貴金属活性点の酸化失活により、浄化率に低下を来たす。
【0005】
メタン燃料を使用するエンジンに上記技術を適用した場合に、空燃比がリッチ側にある期間では、浄化反応の中間生成物であるFormate(ギ酸イオン)の生成および蓄積が進み、これがリッチ雰囲気におけるメタンの浄化を阻害する。リーンスパイクにより酸素を供給することで、CeZr複合酸化物等、触媒に含有されるOSC材の作用によりFormateを分解し、浄化反応の進行を促すことが可能である。
【0006】
触媒の酸素吸蔵能力は、触媒の温度(つまり、活性状態)に応じて変化するほか、触媒の熱劣化や触媒コートの剥離による劣化を含む触媒劣化の進行度合いによっても変化する。
【0007】
触媒の活性状態は、触媒に流入する排気の温度を触媒自体の温度として近似的に検出することにより判定可能である。しかし、いうまでもなく、触媒の活性状態の判定のために専用のセンサを設置することは、製造コストの増大を招く。
【0008】
このような実情に鑑み、本発明は、特別なセンサの追加を必要とせず、リーンスパイクの最適化を通じて排気浄化触媒による高い浄化率を実現可能なエンジンの空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため、本発明の一形態に係るエンジンの空燃比制御装置は、排気通路に排気浄化触媒を備えるエンジンの空燃比制御装置であって、前記排気通路において前記排気浄化触媒の下流側に配置され、前記排気浄化触媒を通過した排気の空燃比である下流側空燃比に応じた信号を出力可能に構成された下流側排気センサと、前記下流側排気センサにより出力された信号に基づき、エンジンの運転状態を制御するコントローラと、を備える。前記コントローラは、前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比である上流側空燃比を、ストイキ相当値に対してリッチ側である基本リッチ空燃比に制御するとともに、所定のタイミングにおいて前記上流側空燃比を一時的に増大させ、前記ストイキ相当値よりもリーン側に制御するリーンスパイクを実施する空燃比制御手段と、前記リーンスパイクにより前記排気浄化触媒に供給される酸素の量である酸素供給量に関わるリーンスパイク量を、前記リーンスパイクの実施後に前記下流側排気センサにより検出された下流側空燃比をもとに設定するリーンスパイク量設定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一形態によれば、リーンスパイクの実施後に下流側排気センサにより検出された下流側空燃比をもとにリーンスパイク量を設定することで、リーンスパイクにより排気浄化触媒に実際に供給されている酸素の量(つまり、過不足の有無)を適切に評価し、リーンスパイク量の設定ないし調整を通じてリーンスパイクを最適化し、排気浄化触媒による高い浄化率を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

スズキ株式会社
熱交換器
6日前
スズキ株式会社
アンダーカウル
6日前
スズキ株式会社
車両用制御装置
6日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
12日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
12日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
12日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
12日前
スズキ株式会社
車両の運転支援装置
12日前
スズキ株式会社
車両の運転支援装置
12日前
スズキ株式会社
エンジンの潤滑装置
19日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
14日前
スズキ株式会社
気体燃料供給システム
12日前
スズキ株式会社
内燃機関のオイル分離装置
12日前
スズキ株式会社
エンジンの空燃比制御装置
今日
スズキ株式会社
ハイブリッド車両の制御装置
20日前
スズキ株式会社
内燃機関のスラスト軸受潤滑構造
12日前
スズキ株式会社
受診勧奨システム、及び、基地局機器
12日前
スズキ株式会社
異常検知システム、及び、基地局機器
12日前
スズキ株式会社
異常判定システム、及び、基地局機器
12日前
スズキ株式会社
異常検知システム、及び、基地局機器
12日前
スズキ株式会社
異常判定システム、及び、基地局機器
12日前
スズキ株式会社
車両製造方法および車両製造システム
8日前
スズキ株式会社
受診勧奨システム、及び、基地局機器
12日前
トヨタ自動車株式会社
電池アセンブリ
12日前
スズキ株式会社
ブレーキ喚起装置及びブレーキ喚起方法
12日前
スズキ株式会社
車車間通信システム、送信装置及び受信装置
20日前
株式会社パイオラックス
長尺部材の保持具
6日前
スズキ株式会社
燃料電池制御装置、燃料電池制御方法及び燃料電池システム
6日前
スズキ株式会社
共吸着エネルギーの予測方法、および共吸着エネルギーの予測プログラム
今日
株式会社東海理化電機製作所
制御装置、制御システム、制御方法、およびプログラム。
12日前
個人
内燃機関とその運転方法
22日前
株式会社SUBARU
消音装置
19日前
株式会社SUBARU
排ガス浄化装置
6日前
個人
アンモニアを燃焼させるシステムと方法
6日前
株式会社SUBARU
排ガス再循環装置
8日前
株式会社アイシン
エンジン
21日前
続きを見る