特許ウォッチ

公開番号2025058432
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168354
出願日2023-09-28
発明の名称移動体
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類B62K 5/01 20130101AFI20250402BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】乗り降りしやすい移動体を提供する。
【解決手段】移動体Mは、本体部1、本体支持部2および制御部101を備える。本体部1は、乗員が搭乗可能な起居部11を備え、起居部は、第1起居部と第2起居部とで交換可能である。本体支持部は、左側リム部2Lおよび右側リム部2Rを備え、左右のリム部のそれぞれは、前後方向に延びるリム本体部21と、前側股関節部HJfを介してリム本体部に連結された前側脚部22fと、後側股関節部HJrを介してリム本体部に連結された後側脚部22rと、を有する。制御部101は、移動時と乗降時とのそれぞれにおける移動体の姿勢を制御し、第1起居部が取り付けられた第1モードと、第2起居部が取り付けられた第2モードとで、乗降時における姿勢を異ならせる。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項１】
本体部と、
移動時に地面または床面上で前記本体部を支持する本体支持部と、
制御部と、を備え、
前記本体部は、
乗員が搭乗可能な起居部を備えるとともに、
第１起居部と、前記第１起居部とは異なる姿勢で乗員が搭乗する第２起居部と、で前記起居部を交換可能に構成され、
前記本体支持部は、
第１リム部と、
前記第１リム部との間に前記本体部を挟むように、前記第１リム部に対して左右方向に並べて配置され、前記第１リム部に対し、左右方向に延びる軸に沿って設けられた軸部を介して連結された第２リム部と、を備え、
前記第１リム部および前記第２リム部のそれぞれは、
前後方向に延びるとともに、前後方向の一端側に形成された第１股関節部と、他端側に形成された第２股関節部と、を有するリム本体部と、
前記リム本体部に対し、前記第１股関節部を介して内転および外転可能に連結された第１脚部と、
前記リム本体部に対し、前記第２股関節部を介して内転および外転可能に連結された第２脚部と、を有し、
前記制御部は、
乗員が前記起居部に搭乗した状態で移動体が移動する移動時と、乗員が前記起居部に乗りまたは前記起居部から降りる乗降時と、のそれぞれにおける移動体の姿勢を、前記股関節部における内転および外転を含む前記第１および第２脚部の動作により制御し、
前記第１起居部が取り付けられた第１モードと、前記第２起居部が取り付けられた第２モードとで、前記乗降時における姿勢を異ならせる、移動体。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記第１起居部は、乗員が跨いだ姿勢で着座可能なシートを備える鞍乗型の起居部であり、
前記第２起居部は、前記鞍乗型以外の起居部である、請求項１に記載の移動体。
【請求項３】
前記第２起居部は、乗員が膝を揃えた姿勢で着座可能なシートを備える椅子型の起居部である、請求項２に記載の移動体。
【請求項４】
前記第２起居部は、乗員が起立した姿勢で搭乗可能な立乗型の起居部である、請求項２に記載の移動体。
【請求項５】
前記制御部は、前記第１モードおよび前記第２モードのそれぞれにおいて、移動時における前記起居部の向きを水平に維持する、請求項１から４のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項６】
前記第１リム部と前記第２リム部とは、前記左右方向に延びる軸を中心に互いに揺動可能に連結され、
前記制御部は、前記第１リム部と前記第２リム部との間における相対的な揺動変位量を制御する、請求項５に記載の移動体。
【請求項７】
前記本体部は、前記軸部に対し、前記左右方向に延びる軸を中心に揺動可能に支持され、
前記制御部は、前記水平方向に延びる軸を中心とする前記本体部の揺動変位量をさらに制御する、請求項６に記載の移動体。
【請求項８】
前記制御部は、乗降時における移動体の姿勢を、前記起居部の位置が移動時よりも低く、前記起居部の向きが水平に維持される第１乗降姿勢と、前記起居部の位置が移動時よりも低く、前記起居部が前後方向に傾斜する第２乗降姿勢と、で切替可能である、請求項５に記載の移動体。
【請求項９】
前記制御部は、
乗員が跨いだ姿勢で着座可能なシートを備える鞍乗型の前記第１起居部が取り付けられた第１モードでは、乗降時における移動体の姿勢を前記第２乗降姿勢に設定して、前記シートをその座面が前後方向の外方に向くように傾斜させ、
鞍乗型以外の前記第２起居部が取り付けられた前記第２モードでは、乗降時における移動体の姿勢を前記第１乗降姿勢に設定する、請求項８に記載の移動体。
【請求項１０】
前記乗降時の姿勢から前記移動時の姿勢への移行に際し、前記第１モードでは、前記シートの位置を上昇させながら前記シートの傾きを減少させる一方、前記第２モードでは、移行中の前記起居部の向きを水平に維持する第１姿勢変形動作を実施する、請求項９に記載の移動体。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、移動体に関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、乗員が搭乗可能な起居部を備えるとともに、起居部を挟むように左右に夫々配置され、全体として弓なりに形成された一対のアームないしリム部を備える移動体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１４－２３４１３７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前掲文献１に開示の移動体は、簡素な構成ではあるものの、アーム部全体が剛的な部材により形成されているため、アーム部自体を変形させることができず、乗降時に乗員が乗り降りしやすい姿勢をとることが困難であり、乗員にとっては比較的高い位置にある起居部に対して乗り降りしなければならない不便があった。
【０００５】
このような実状に鑑み、本考案は、乗員が乗り降りしやすく、乗降時における快適性も高い移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る移動体は、本体部と、移動時に地面または床面上で前記本体部を支持する本体支持部と、制御部と、を備える。前記本体部は、乗員が搭乗可能な起居部を備えるとともに、第１起居部と、前記第１起居部とは異なる姿勢で乗員が搭乗する第２起居部と、で前記起居部を交換可能に構成され、前記本体支持部は、第１リム部と、前記第１リム部との間に前記本体部を挟むように、前記第１リム部に対して左右方向に並べて配置され、前記第１リム部に対し、左右方向に延びる軸に沿って設けられた軸部を介して連結された第２リム部と、を備え、前記第１リム部および前記第２リム部のそれぞれは、前後方向に延びるとともに、前後方向の一端側に形成された第１股関節部と、他端側に形成された第２股関節部と、を有するリム本体部と、前記リム本体部に対し、前記第１股関節部を介して内転および外転可能に連結された第１脚部と、前記リム本体部に対し、前記第２股関節部を介して内転および外転可能に連結された第２脚部と、を有する。前記制御部は、乗員が前記起居部に搭乗した状態で移動体が移動する移動時と、乗員が前記起居部に乗りまたは前記起居部から降りる乗降時と、のそれぞれにおける移動体の姿勢を、前記股関節部における内転および外転を含む前記第１および第２脚部の動作により制御し、前記第１起居部が取り付けられた第１モードと、前記第２起居部が取り付けられた第２モードとで、前記乗降時における姿勢を異ならせる。
【発明の効果】
【０００７】
本考案の一形態によれば、乗員が搭乗する姿勢が互いに異なる第１起居部と第２起居部とで起居部を交換可能に構成し、乗員が起居部に乗りまたは起居部から降りる乗降時における移動体の姿勢を、実際に取り付けられている起居部の形態に応じて異ならせることで、起居部の形態に応じて乗員が乗り降りしやすい姿勢を選択可能とし、乗降時における快適性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
本発明の一実施形態に係る移動体の側面図である。
同上移動体を、左側リム部を取り外した状態で示す側面図である。
同上移動体に備わる本体支持部の側面図である。
同上本体支持部の背面図である。
リム本体部の動作（左側リム部および右側リム部の腰部リンク軸を中心とした揺動変位）を示す説明図である。
脚部の動作（股関節部の内転および外転、膝関節部の屈曲および伸展、脚部の回旋）を示す説明図である。
本体部の動作（本体支持部に対する揺動、フットレストの回転）を示す説明図である。
本体支持部が乗降時にとり得る姿勢（第１乗降姿勢）を示す説明図である。
本体支持部が乗降時にとり得る姿勢（第２乗降姿勢）を示す説明図である。
制御部の構成を示す概略図である。
制御部が移動時に行う制御の内容を示すフローチャートである。
制御部が移動体の電源オン時に行う制御の内容を示すフローチャートである。
制御部が移動体の電源オフ時に行う制御の内容を示すフローチャートである。
傾斜路（登坂路）を走行する際に移動体がとり得る姿勢の一例を示す説明図である。
階段等の段差を上る際に移動体がとり得る姿勢の一例を示す説明図である。
鞍乗型の起居部を備える移動体を、乗降時の姿勢（第２乗降姿勢）にある状態で示す側面図である。
椅子型の起居部を備える移動体を、移動時の姿勢（基本姿勢）にある状態で示す側面図である。
同上移動体を、乗降時の姿勢（第１乗降姿勢）にある状態で示す側面図である。
立乗型の起居部を備える移動体を、移動時の姿勢（基本姿勢）にある状態で示す側面図である。
同上移動体を、乗降時の姿勢（第１乗降姿勢）にある状態で示す側面図である。
荷台部を備える移動体を、移動時の姿勢（基本姿勢）にある状態で示す側面図である。
同上移動体を、乗降時の姿勢（第１乗降姿勢）にある状態で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【００１０】
図１および図２は、本発明の一実施形態に係る移動体Ｍを進行方向に対して左側（正面から見て右側）から見た状態で示す側面図である。図１は、左側リム部２Ｌを取り付けた状態を、図２は、左側リム部２Ｌを取り外した状態を示す。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許