TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024154835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068982
出願日2023-04-20
発明の名称極低温循環冷却装置および極低温循環冷却方法
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類F25B 9/00 20060101AFI20241024BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】流量調整弁に対する侵入熱を防ぎ、流量調整弁の開度の調整を適切に行うことができる極低温循環冷却技術を提供する。
【解決手段】極低温循環冷却装置1は、冷却媒体Rを極低温に冷却する冷却源2と、冷却媒体Rで冷却される被冷却体4と、冷却源2から延び、それぞれの被冷却体4の上流側で分岐し、かつ被冷却体4の下流側で合流し、再び冷却源2に戻る循環用配管5と、循環用配管5に沿って冷却媒体Rを循環させる循環用ポンプ6と、被冷却体4の上流側の循環用配管5に設けられ、冷却媒体Rの流量を調整する流量調整弁3と、冷却源2、被冷却体4、循環用配管5、循環用ポンプ6および流量調整弁3を格納する断熱容器7と、流量調整弁3の一部が断熱容器7の外部にまで延び、外部から流量調整弁3に向かって侵入する熱を流量調整弁3以外に向けて導く熱伝導部8を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷却媒体を極低温に冷却する冷却源と、
前記冷却媒体で冷却される少なくとも2つの被冷却体と、
前記冷却源から延び、それぞれの前記被冷却体の上流側で分岐し、かつ前記被冷却体の下流側で合流し、再び前記冷却源に戻る循環用配管と、
前記循環用配管に沿って前記冷却媒体を循環させる循環用ポンプと、
少なくとも1つの前記被冷却体の上流側の前記循環用配管に設けられ、前記冷却媒体の流量を調整する少なくとも1つの流量調整弁と、
前記冷却源、前記被冷却体、前記循環用配管、前記循環用ポンプおよび前記流量調整弁を格納する少なくとも1つの断熱容器と、
前記流量調整弁の一部が前記断熱容器の外部にまで延び、前記外部から前記流量調整弁に向かって侵入する熱を前記流量調整弁以外に向けて導く少なくとも1つの熱伝導部と、
を備える、
極低温循環冷却装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記熱伝導部は、前記断熱容器から前記流量調整弁の弁体までの間の部分から前記冷却源まで延びる伝熱板である、
請求項1に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項3】
前記熱伝導部は、前記断熱容器から前記流量調整弁の弁体までの間の部分から前記被冷却体の下流側の前記循環用配管まで延びる伝熱板である、
請求項1に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項4】
前記熱伝導部は、前記被冷却体の上流側の前記循環用配管から分岐し、前記断熱容器から前記流量調整弁の弁体までの間の部分に接触し、前記被冷却体の下流側の前記循環用配管に合流し、前記冷却媒体の一部が流通する流通管である、
請求項1に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項5】
前記流量調整弁の個数が、前記循環用配管の分岐数より1つ少なくなっている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項6】
前記極低温は、超電導現象が生じる温度であり、
前記被冷却体は、前記極低温で駆動する超電導機器である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項7】
前記伝熱板の長さ、前記被冷却体の冷却温度、前記伝熱板を形成する材料の熱伝導率の少なくともいずれかに応じて、前記伝熱板の断面積が設定されている、
請求項2または請求項3に記載の極低温循環冷却装置。
【請求項8】
冷却源が、少なくとも2つの被冷却体を冷却するための冷却媒体を極低温に冷却し、
前記冷却源から延び、それぞれの前記被冷却体の上流側で分岐し、かつ前記被冷却体の下流側で合流し、再び前記冷却源に戻る循環用配管が設けられ、循環用ポンプが、前記循環用配管に沿って前記冷却媒体を循環させ、
少なくとも1つの前記被冷却体の上流側の前記循環用配管に設けられた少なくとも1つの流量調整弁が、前記冷却媒体の流量を調整し、
前記冷却源、前記被冷却体、前記循環用配管、前記循環用ポンプおよび前記流量調整弁を格納する少なくとも1つの断熱容器が設けられ、かつ前記流量調整弁の一部が前記断熱容器の外部にまで延び、少なくとも1つの熱伝導部が、前記外部から前記流量調整弁に向かって侵入する熱を前記流量調整弁以外に向けて導く、
極低温循環冷却方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、極低温循環冷却技術に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
超電導磁石を極低温に冷却する冷却方式として、冷凍機を用いた伝導冷却方式が知られている。この伝導冷却方式は、液体ヘリウムで冷却する方式に比べてメリットがある。例えば、専門知識が必要な液体ヘリウムを取扱う必要が無いこと、近年のヘリウム資源の枯渇問題での液体ヘリウムの入手性悪化の影響を受けないことなどのメリットである。しかし、冷凍機が高磁場中で使用できないため、超電導コイルから冷凍機までの距離を長くする必要がある。また、1つの冷却源で複数の被冷却体を冷却する場合に、伝熱距離が長くなると、伝導冷却方式では冷凍機と被冷却体の間の温度差が大きくなるという問題がある。そこで、冷凍機で冷却したガスを循環させて被冷却体を冷却する循環冷却方式が有利となる。この循環冷却方式では冷凍機と被冷却体の距離を長くしても温度差が大きくならない利点がある。
【0003】
循環冷却方式に用いられる装置では、冷却源と熱交換して冷却された冷却媒体の供給配管が分岐し、熱負荷の加わる複数の被冷却体に接続される。そして、冷却媒体が並列に複数の被冷却体に供給され、冷却媒体が再び冷却源に戻り、循環するようになっている。ここで、熱負荷とは、極低温に冷却された被冷却体に対する室温部(外部)からの侵入熱と、被冷却体自身の発熱を指す。被冷却体の熱負荷は変化し偏りが生じることから、流量調整弁を供給配管に設けることが望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
S. Varina et.al., An update of dynamic thermal-hydraulic simulations of the JT-60SA Toroidal Field coil cooling loop for preparing plasma operation, Cryogenics, Volume 109, 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流量調整弁の位置が被冷却体の下流の場合、或る流路の被冷却体の熱負荷が増加すると、被冷却体の温度の上昇に伴い、その流路の冷却媒体の密度が低下して圧力損失が増加することから質量流量が低下する。この変化に対抗して質量流量を増加させるための流量調整弁の開度の調整量が、冷却媒体の温度が変化しない場合と比べて大きいことから、流量調整が適切に行われず、被冷却体の温度が上昇するという課題がある。特に、極低温では室温と比べて、単位温度上昇量あたりの温度変化割合が大きいため、冷却媒体が相変化を伴わない気体であっても密度および質量流量の低下割合が大きく、温度が上昇しやすい特徴がある。一方、流量調整弁の位置が被冷却体の上流の場合、流量調整弁の温度は熱負荷に依存しないため前述の課題は解決される。しかし、極低温に冷却される流量調整弁の弁体の温度は室温部からの侵入熱により上昇し、かつ被冷却体の入口の冷却媒体の温度が上昇し、被冷却体の温度が上昇するという課題がある。
【0006】
例えば、従来技術として、複数の被冷却体へ供給される冷却媒体の流量調整弁が、被冷却体の上流側と下流側の両方に配置されている装置がある。このような装置の場合、被冷却体の上流側の流量調整弁へ室温部からの侵入熱が流入し、被冷却体の温度が上昇してしまう。
【0007】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、流量調整弁に対する侵入熱を防ぎ、流量調整弁の開度の調整を適切に行うことができる極低温循環冷却技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る極低温循環冷却装置は、冷却媒体を極低温に冷却する冷却源と、前記冷却媒体で冷却される少なくとも2つの被冷却体と、前記冷却源から延び、それぞれの前記被冷却体の上流側で分岐し、かつ前記被冷却体の下流側で合流し、再び前記冷却源に戻る循環用配管と、前記循環用配管に沿って前記冷却媒体を循環させる循環用ポンプと、少なくとも1つの前記被冷却体の上流側の前記循環用配管に設けられ、前記冷却媒体の流量を調整する少なくとも1つの流量調整弁と、前記冷却源、前記被冷却体、前記循環用配管、前記循環用ポンプおよび前記流量調整弁を格納する少なくとも1つの断熱容器と、前記流量調整弁の一部が前記断熱容器の外部にまで延び、前記外部から前記流量調整弁に向かって侵入する熱を前記流量調整弁以外に向けて導く少なくとも1つの熱伝導部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により、流量調整弁に対する侵入熱を防ぎ、流量調整弁の開度の調整を適切に行うことができる極低温循環冷却技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態の極低温循環冷却装置を示す構成図。
第1実施形態の流量調整弁を示す断面図。
第2実施形態の極低温循環冷却装置を示す構成図。
第2実施形態の流量調整弁を示す断面図。
第3実施形態の極低温循環冷却装置を示す構成図。
第4実施形態の極低温循環冷却装置を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社東芝
電池
1か月前
株式会社東芝
電解装置
1か月前
株式会社東芝
除去装置
1か月前
株式会社東芝
電源回路
1か月前
株式会社東芝
計画装置
20日前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
コンデンサ
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体回路
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
真空バルブ
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
ストレージ
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
光デバイス
7日前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
続きを見る