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公開番号
2024154515
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068346
出願日
2023-04-19
発明の名称
レバー式コネクタ
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
主分類
H01R
13/629 20060101AFI20241024BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】レバー保護位置でのレバー部材の保持力を維持し続けること。
【解決手段】レバー部材50は、モーメントアームにおける回転軸21から最も離れた位置の端部に配置された操作部52と、嵌合可能状態で且つ抜去可能状態のときの第1レバー位置から嵌合完了状態のときの第2レバー位置へと筐体20に対して一方に回動させることでコネクタ嵌合力を作用させ、第2レバー位置から第1レバー位置へと筐体に対して他方に回動させることでコネクタ抜去力を作用させる挿抜補助部53と、を有し、筐体は、レバー部材を第1レバー位置から第2レバー位置とは逆側に回動させた先のレバー保護位置で操作部を係止し、レバー部材のレバー保護位置の先への過回動を抑止するレバー保護部22を有し、操作部は、第1保持部52cを有し、レバー保護部は、レバー保護位置で第1保持部を係止して、レバー部材をレバー保護位置に止める第2保持部22bを有すること。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
端子金具と、
前記端子金具を収容する筐体と、
前記筐体との間の回転軸の軸周りに回動可能で、その回動に伴うコネクタ嵌合力又はコネクタ抜去力を相手方コネクタとの間で作用させるレバー部材と、
を備え、
前記レバー部材は、前記回転軸の軸周りに回動可能なアーム部と、前記アーム部に連接させ、かつ、前記回転軸を回転中心とする前記アーム部のモーメントアームにおける前記回転軸から最も離れた位置の端部に配置された力点としての操作部と、コネクタ間が嵌合可能状態で且つ抜去可能状態のときの第1レバー位置からコネクタ間が嵌合完了状態のときの第2レバー位置へと前記筐体に対して前記回転軸の軸周りで一方に回動させることで前記コネクタ嵌合力を前記相手方コネクタに作用させ、前記第2レバー位置から前記第1レバー位置へと前記筐体に対して前記回転軸の軸周りで他方に回動させることで前記コネクタ抜去力を前記相手方コネクタに作用させる挿抜補助部と、を有し、
前記筐体は、前記レバー部材を前記第1レバー位置から前記第2レバー位置とは逆側に回動させた先のレバー保護位置で前記操作部を係止し、前記レバー部材の前記レバー保護位置の先への過回動を抑止するレバー保護部を有し、
前記操作部は、第1保持部を有し、
前記レバー保護部は、前記レバー保護位置で前記第1保持部を係止して、前記レバー部材を前記レバー保護位置に止める第2保持部を有することを特徴としたレバー式コネクタ。
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【請求項2】
前記レバー保護部は、前記操作部の操作主体を前面側で係止して、前記レバー部材の前記レバー保護位置の先への過回動を抑止する第1レバー係止壁と、前記第1レバー位置から前記レバー保護位置に向けて回動させた前記レバー部材における突起状の前記第1保持部からの押圧力で撓み、その撓みを背面側への前記第1保持部の乗り越えと共に解消させる可撓部と、を有し、
前記操作主体は、前記第1保持部が前記可撓部を乗り越えた際に前記第1レバー係止壁に当接させ、
前記可撓部は、前記レバー部材を前記第1レバー位置から前記レバー保護位置に向けて回動させた際に、当接した前記第1保持部から前記押圧力を受ける前記前面側の加圧壁と、前記加圧壁の裏側に位置する壁であり、背面側に乗り越えた前記第1保持部を係止して、前記レバー部材を前記レバー保護位置に止める前記第2保持部としての第2レバー係止壁と、を有することを特徴とした請求項1に記載のレバー式コネクタ。
【請求項3】
前記レバー保護部は、前記前面側の一方の壁面を前記第1レバー係止壁とする板状に形成され、
前記レバー保護部の外周縁には、前記背面側から部分的に凹ませて、前記レバー保護位置で前記第1保持部を入り込ませる溝部と、前記溝部の溝底を前記第2レバー係止壁とする前記可撓部と、を設けることを特徴とした請求項2に記載のレバー式コネクタ。
【請求項4】
前記操作部は、レバー操作に際して操作者の手指を引っ掛けることが可能な操作補助部を有し、
前記操作補助部は、前記操作主体から突出させ、
前記第1保持部は、前記操作補助部から突起状に突出させることを特徴とした請求項2又は3に記載のレバー式コネクタ。
【請求項5】
前記筐体は、一対の前記レバー保護部を有し、
前記第1保持部は、前記レバー保護部毎に設けることを特徴とした請求項1,2又は3に記載のレバー式コネクタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、嵌合コネクタにおいては、2つのコネクタの内の何れか一方に、コネクタ間の嵌合力の増加に要する嵌合補助力又はコネクタ間の抜去力の増加に要する抜去補助力を発生させるための挿抜補助構造が設けられたものが存在する。例えば、下記の特許文献1及び2には、その挿抜補助構造付きのコネクタとして、挿抜補助構造としてのレバー部材(所謂LIFレバー)を備えるレバー式コネクタについて開示されている。
【0003】
ここで、レバー式コネクタにおいては、レバー部材の品質を保つべく、搬送中やメンテナンス作業中にレバー部材を所定位置に保持し、回動可能な状態でレバー部材に荷重が加えられないようにしておくことが望ましい。特許文献1のレバー式コネクタにおいては、相手方コネクタに取り付ける直前までレバー部材を嵌合完了位置で待機させることによって、このレバー部材を保護することができる。嵌合完了位置とは、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間が嵌合完了状態のとき(つまり、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間が通電可能な状態のとき)のハウジングに対するレバー部材の相対的な位置である。このレバー式コネクタにおいては、嵌合完了状態でレバー部材をハウジングに保持させる保持構造を利用して、相手方コネクタに取り付ける直前までレバー部材を待機位置(嵌合完了位置)に待機させることができる。また、特許文献2のレバー式コネクタにおいては、レバー部材を挿抜可能位置から嵌合完了位置とは逆側に回動させた先にレバー保護位置を設定し、このレバー保護位置でレバー部材を待機させることによって、このレバー部材を保護することができる。挿抜可能位置とは、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間が嵌合可能状態のときで且つレバー式コネクタと相手方コネクタとの間が抜去可能状態のとき(つまり、レバー式コネクタと相手方コネクタを嵌合完了状態へと嵌合接続させ始めることが可能で、かつ、レバー式コネクタと相手方コネクタを分離させることが可能な状態であり、その相互間が通電不能な状態のとき)のハウジングに対するレバー部材の相対的な位置である。このレバー式コネクタには、そのレバー保護位置でレバー部材を保持する仮保持構造が設けられている。その仮保持構造は、レバー保護位置でレバー部材のアーム部にハウジングの係止突起を嵌め込むなどして、レバー部材をレバー保護位置に保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-099267号公報
特開平11-317255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のレバー式コネクタにおいては、レバー部材の嵌合完了位置が待機位置になっており、その嵌合完了位置でのレバー部材の保持構造が待機位置でのレバー部材の仮保持構造を兼ねている。このため、このレバー式コネクタにおいては、その保持構造による保持力が高く、待機位置からのレバー部材の操作性に着目するならば、改善の余地がある。一方、特許文献2のレバー式コネクタにおいては、嵌合完了位置と挿抜可能位置との間におけるレバー部材の回動軌跡上から外れた場所にレバー部材のレバー保護位置(待機位置)を設定しており、仮保持構造による保持力を例えば特許文献1のものよりも低く設定できるので、待機位置からのレバー部材の操作性が改善される。しかしながら、このレバー式コネクタにおいては、ハウジングの係止突起が半球の膨出部の如き形状を採っており、その保持力を仮保持に要する最小限の大きさにするため、係止突起の径を小さくしている。このレバー式コネクタにおいては、挿抜可能位置とレバー保護位置との間でレバー部材の操作が繰り返される度に係止突起とアーム部との間に摩擦力が加わるが、レバー部材の機能上、係止突起よりもアーム部の剛性が高いので、その操作が繰り返される度に係止突起とアーム部との間の保持力が徐々に低下していく可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、レバー保護位置でのレバー部材の保持力を維持し続けることが可能なレバー式コネクタを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端子金具と、前記端子金具を収容する筐体と、前記筐体との間の回転軸の軸周りに回動可能で、その回動に伴うコネクタ嵌合力又はコネクタ抜去力を相手方コネクタとの間で作用させるレバー部材と、を備え、前記レバー部材は、前記回転軸の軸周りに回動可能なアーム部と、前記アーム部に連接させ、かつ、前記回転軸を回転中心とする前記アーム部のモーメントアームにおける前記回転軸から最も離れた位置の端部に配置された力点としての操作部と、コネクタ間が嵌合可能状態で且つ抜去可能状態のときの第1レバー位置からコネクタ間が嵌合完了状態のときの第2レバー位置へと前記筐体に対して前記回転軸の軸周りで一方に回動させることで前記コネクタ嵌合力を前記相手方コネクタに作用させ、前記第2レバー位置から前記第1レバー位置へと前記筐体に対して前記回転軸の軸周りで他方に回動させることで前記コネクタ抜去力を前記相手方コネクタに作用させる挿抜補助部と、を有し、前記筐体は、前記レバー部材を前記第1レバー位置から前記第2レバー位置とは逆側に回動させた先のレバー保護位置で前記操作部を係止し、前記レバー部材の前記レバー保護位置の先への過回動を抑止するレバー保護部を有し、前記操作部は、第1保持部を有し、前記レバー保護部は、前記レバー保護位置で前記第1保持部を係止して、前記レバー部材を前記レバー保護位置に止める第2保持部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るレバー式コネクタにおいては、第1保持部をレバー部材の操作部に設け、この第1保持部をレバー保護部の第2保持部に係止させる。つまり、このレバー式コネクタにおいては、レバー部材におけるモーメントアームの力点に寄せた場所の仮保持構造(第1保持部、第2保持部)で、このレバー部材をレバー保護部に保持させる。このため、このレバー式コネクタは、例えば、モーメントアームの力点から離れた場所でレバー部材を筐体に保持させる場合と比較して、仮保持構造における保持力を下げることができる。よって、このレバー式コネクタにおいては、その場合と比較して、レバー部材を第1レバー位置とレバー保護位置との間で動かした際に仮保持構造(第1保持部、第2保持部)に掛かる力を軽減させることができる。従って、本発明に係るレバー式コネクタにおいては、その仮保持構造の耐久性を向上させることができるので、レバー保護位置でのレバー部材の保持力を維持し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施形態のレバー式コネクタと相手方コネクタを示すコネクタ嵌合接続前の斜視図である。
図2は、レバー保護位置のレバー式コネクタを示す斜視図である。
図3は、レバー保護位置のレバー式コネクタを背面側から見た部分拡大図である。
図4は、レバー式コネクタを主要部品毎に分けた分解斜視図である。
図5は、第1レバー位置のレバー式コネクタを側方から見た平面図である。
図6は、第2レバー位置のレバー式コネクタを側方から見た平面図である。
図7は、レバー保護位置のレバー式コネクタを側方から見た平面図である。
図8は、図3のX1-X1線断面図である。
図9は、図3のX2-X2線断面を示す部分拡大図である。
図10は、第1保持部が可撓部の加圧壁に当接した際のレバー式コネクタを側方から見た平面図である。
図11は、図10のX3-X3線断面を90度回転させて示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係るレバー式コネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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