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公開番号2024154506
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068332
出願日2023-04-19
発明の名称歯科用硬化性組成物
出願人株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類A61K 6/60 20200101AFI20241024BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 コンポジットレジンや義歯床用裏装材などに用いられる、ラジカル重合性単量体及びラジカル重合開始剤を含んでなる歯科用硬化性組成物であって、酸素の存在する環境下で、酸素遮断材を用いなくても、得られる硬化体に表面未重合層をほとんど形成させない歯科用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 上記歯科用硬化性組成物において、1,3―ビス(3-メチル-2-ブテノキシ)-2-メタクリロイルオキシプロパンのような、分子内にプレニルオキシ基(3-メチルー2-ブテノキシ基)を有するプレニルオキシ基含有化合物を、ラジカル重合性単量体100質量部に対して0.1~10質量部配合する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ラジカル重合性単量体(A):100質量部、
プレニルオキシ基含有化合物(B):0.1~10質量部、及び
ラジカル重合開始剤(C)
を含んで構成されることを特徴とする歯科用硬化性組成物。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
(B)プレニルオキシ基含有化合物が下記一般式(I)
JPEG
2024154506000005.jpg
34
130
{式中、R

は水素原子又はメチル基を表し、R

は水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、スチリルオキシ基、又は炭素数2~5のアルケニルオキシ基を表す。}
で示される化合物である請求項1記載の歯科用硬化性組成物。
【請求項3】
充填材(D):50~1500質量部をさらに含む請求項1記載の歯科用硬化性組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は歯科用硬化性組成物に関する。詳しくは、酸素遮断層を設けることなく、硬化時の酸素の影響が低減される新規な歯科用硬化性組成物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
硬化性組成物は、重合性単量体と重合開始剤とを基本成分とし、この重合性単量体の重合反応によって硬化体を得る組成物である。重合性単量体がラジカル重合性である場合、重合工程が空気中で行われると、得られる硬化体の表面に未重合層が形成される。これは、硬化性組成物の表面においては、空気中の酸素と硬化性組成物中のラジカルとが結合して過酸化物ラジカルとなり、重合の進行を停止するからである。
【0003】
得られる硬化体表面の未重合層の形成を抑制するために、窒素雰囲気下や水中で硬化させる方法、あるいは、酸素遮断材を用いて硬化性組成物表面に酸素遮断層を設けるなどして、空気との接触を断ち、硬化性組成物をラジカル重合させる方法が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、アクリレート又はメタクリレート(以下、これらを「(メタ)アクリレート」のように表記する。)系重合性単量体をラジカル重合で硬化させる方法は、歯科用修復物の硬化方法として広く利用されている。このような歯科用修復物としては、歯科用セメント、歯科用接着材(ボンディング材)、コンポジットレジン、レジン歯科材料表面の滑沢性付与材、歯牙のマニキュア、義歯床用裏装材等が挙げられる。これらの歯科用修復物において、硬化体表面に未重合層が形成されていると、表面硬度や耐着色性の低下などの問題が引き起こされる。また、歯科用修復物を利用する歯牙の治療において、硬化体表面に未重合層が形成されていると、硬化体の研磨・研削を行う際に未重合層が研磨バーに絡みつくため、研磨性が低下するという問題も有している。
【0005】
このような歯科用修復物を用いる歯科治療においては、硬化性組成物を口腔内で直接硬化させることが多い。水中や窒素雰因気下で硬化させ、未重合層の形成を抑制する方法を採る場合、硬化性組成物を一旦口腔内から取り出すことが必要となるが、この際に口腔内で形成した形状が変形し易い。また、酸素遮断層を形成するのが困難な症例は多くあり、さらにボンディング材などの粘性の低い材料には、酸素遮断材を利用することができない。このため、酸素遮断層を設けることなく、硬化時の酸素による重合阻害の影響を低減させる技術が求められている。
【0006】
硬化時の酸素による重合阻害の影響を低減させる技術として、界面活性剤及び水を配合する硬化性組成物(例えば、特許文献3~5参照)や、板状の形状を有するケイ酸塩鉱物を分散させて硬化させる硬化性組成物(例えば、特許文献6)が既に提案されている。前者の硬化性組成物を用いる場合、ラジカル重合性単量体が硬化する際に、硬化性組成物の表面に界面活性剤と水との層が形成され、この界面活性剤と水とからなる層が酸素の侵入を抑制するため、表面の未重合層の形成量が大幅に低減される。しかし、上記硬化性組成物は、水を配合することによる硬化体の耐久性低下が懸念され、さらに疎水性の重合性単量体を使用する場合、製造が煩雑になる。
【0007】
後者の硬化性組成物を用いる場合、硬化時において、硬化性組成物の表面からその内部に向かって酸素が拡散する際、分散した板状のケイ酸塩鉱物が酸素分子の直進移動を妨害する障害物となる。そのため、酸素分子は長い迂回路を通って硬化性組成物の表面からその内部へ移行することになり、酸素の透過深度が低下することで、表面未重合層の形成が抑制される。しかし、板状のケイ酸塩鉱物が分散しているが故に色調が暗くなり審美性に課題がある。また、板状のケイ酸塩鉱物を含む粉材と、ラジカル重合性単量体を含む液材から構成される上記硬化性組成物の場合、板状のケイ酸塩鉱物が液材に分散し難く、混和時の操作性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2000-128723号公報
特開2004-284969号公報
特開2006-291168号公報
特開2007-008972号公報
特開2007-063332号公報
特開2013-100242号公報
WO2019/107252号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、酸素の存在する環境下で、酸素遮断材を用いなくても、得られる硬化体に表面未重合層をほとんど形成させない硬化性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、硬化性組成物にプレニルオキシ基含有化合物を配合することで、得られる硬化体の表面未重合層の形成量が大幅に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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