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公開番号
2024151882
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023065657
出願日
2023-04-13
発明の名称
デジタルPCR法にて細菌数を正確に測定する方法
出願人
国立大学法人富山大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
15/54 20060101AFI20241018BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 デジタルPCR法によって、正確な菌数を測定する。
【解決手段】 ターゲット遺伝子をrpoB遺伝子とし、rpoBフォーワードプライマーあるいはrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と、rpoBリバースプライマーあるいはrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物とを含む、プライマーペア、およびrpoBプローブ混合物を用いることによって、デジタルPCR法で正確な菌数を測定する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも1種のrpoBフォーワードプライマーと;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも1種のrpoBリバースプライマーと;
を含む、プライマーペア。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項3】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項4】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項5】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも15種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも12種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項6】
(a)配列番号1~19からなるrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなるrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項7】
(1)請求項1~6のいずれか1項に記載のプライマーペアと;
(2)配列番号34~43からなるrpoB TaqManプローブを含むプローブ混合物と;
を含む、PCR用試薬。
【請求項8】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項9】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
【請求項10】
(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルPCR法の細菌定量検査方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、感染症の重症度を反映するバイオマーカーとして、プロカルシトニン、プレセプシン、体温、白血球数、CRPなどがある。これらのバイオマーカーは感染症の重症度とある程度は相関するが、必ずしもその時点での重症度を正確に反映している訳ではない。
【0003】
そこで、「患者検体中の起炎菌数(菌数/mL)」を正確に測定することが出来れば、菌数を感染症の重症度を正確に判断するための新規バイオマーカーとして使用できるようになる。本発明者は、特定のプライマーを用いたリアルタイムPCR法を用いて、菌の定量を行う方法や(特許文献1)、特定のDNAポリメラーゼを用いたPCR法を用いて、正確・高感度に菌の定量を行う方法(特許文献2)を提唱してきた。
【0004】
また、局方に記載された従来の微生物試験法では「無菌」の判定までに1週間以上(7~14日)を要する。例えば、図1に示す通り、従来法(最もスタンダードな方法)では液体培地に試料を混入後、培地の混濁の有無を目視で確認することになるが、培地の混濁には多量の菌数が必要となるため、無菌の確認には14日間の培養時間を要する。局方に記載された迅速無菌検査法であるバクテアラート法は、細菌の排出するCO
2
の有無を検出するが、CO
2
の検出にはそれなりの菌数が必要となるため、無菌の確認には7日間の培養時間を要する。つまり、従来法もバクテアラート法も検出感度が低いため、無菌を判定するために多くの培養時間が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2019/123692
WO2010/082640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルPCR法(digital PCR)は核酸を定量する目的で開発された方法である。この方法を用いて特に患者検体中の菌数を正確に測定することが出来れば、感染症における臨床検査の新規技術として非常に有用となる。しかし、デジタルPCR法で正確な菌数を定量しようとする場合、16SリボソームRNA(ribosomal RNA)遺伝子をターゲットとすると、1つの菌に複数の16SリボソームRNA遺伝子が含まれる(operon copy numberとして菌種毎に含まれる遺伝子数は異なる)ため、DNAが断片化した際に、真の菌数より多く算出され、正確な菌数を測定するのが困難である。特に、臨床検体中の菌数を測定する場合、正確な菌数の測定が必須となり、デジタルPCR法を使用することが困難となる。また、多くの種類の菌に関して、迅速に検体中の菌の有無を判定する方法が求められている。従って、DNAが断片化しても、デジタルPCR法で正確に菌数の測定が行える技術的工夫が強く求められている。
【0007】
ところで、無菌検査法に関して、日本薬局方に記載された従来の微生物試験法では「無菌」の判定までに1週間以上(7~14日)を要するので、その間、無菌性製品(医薬品等)の出荷前の物流コストがかかる。また、万が一、その無菌性製品に微生物感染が判明すれば、その間に製造した無菌性製品は全て破棄しなければならなくなる。さらに、再生医療等製品は作成後直ぐに使用しなければならず、現行の無菌検査では間に合わない。つまり、社会的にも医療的にも迅速な無菌検査の実現が求められている。そして無菌検査もまたデジタルPCR法で実施出来れば非常に有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
16SリボソームRNA遺伝子は、菌種毎に1個の細菌が保持する遺伝子数(operon copy number)が異なり、複数個を保持するため(例えばE.coliは1個の細菌中に7つの16SリボソームRNA遺伝子を保持する)、DNAが断片化するとデジタルPCRでの菌数測定は、実際より増えることになる。
【0009】
この問題を解決するため、以下のプライマー、プローブセットを設計、作成した。
・ターゲット遺伝子は、全ての細菌種において、「1個の細菌中に1つの遺伝子しか存在しない」rpoB遺伝子とした。
・rpoB遺伝子には「全ての細菌種に完全に保存された塩基配列領域」である保存配列(conserved region)は存在しない。従って、全ての細菌種をほぼ同等に検出するために、mixed primer、mixed probeのセットを設計、作成した。特に臨床検査で用いる場合、ヒト由来DNAが含まれ、インターカレーターではバックグラウンドが高くなり使用出来ないため、probeで検出することが必須である。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも1種のrpoBフォーワードプライマーと;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも1種のrpoBリバースプライマーと;
を含む、プライマーペア。
(2)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(3)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(4)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(5)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも15種のrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも12種のrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(6)(a)配列番号1~19からなるrpoBフォーワードプライマーを含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなるrpoBリバースプライマーを含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(7)(1)請求項1~6のいずれか1項に記載のプライマーペアと;
(2)配列番号34~43からなるrpoB TaqManプローブを含むプローブ混合物と;
を含む、PCR用試薬。
(8)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも2種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(9)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも5種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(10)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも10種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(11)(a)配列番号1~19からなる群から選択される少なくとも15種のrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなる群から選択される少なくとも12種のrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(12)(a)配列番号1~19からなるrpoBフォーワードプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
(b)配列番号20~33からなるrpoBリバースプライマーを等量ずつ含むプライマー混合物と;
を含む、プライマーペア。
(13)(i)上記(1)~(6)のいずれか1つに記載のプライマーペアと;
(ii)配列番号34~43からなるrpoB TaqManプローブを等量ずつ含むプローブ混合物と;
を含む、PCR用試薬。
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つに記載のプライマーペアを用いてデジタルPCRを行う、検体中の菌の定量方法。
(15)上記(7)または(13)に記載のPCR試薬を用いる、上記(8)または(14)に記載の定量方法。
(16)上記(15)を迅速無菌検査に用いる場合、検体中の菌の増殖の有無を判定する方法であって、
(i)培養前の検体中の菌の核酸を抽出する工程、
(ii)検体を培養する工程、
(iii)培養後の検体中の菌の核酸を抽出する工程、
(iv)培養前後の核酸について、上記(7)または(13)に記載のPCR試薬を用いてデジタルPCRを行う工程、
(v)培養前後で核酸が増加した場合に、検体中の生菌が増殖したと判定する工程、
を有する方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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