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公開番号2025007371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108727
出願日2023-06-30
発明の名称アプタマー及びその用途
出願人国立大学法人富山大学,学校法人順天堂
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 15/115 20100101AFI20250109BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】A1R-mGluR1及びMORからなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマー及びその用途の提供。
【解決手段】A1R-mGluR1及びMORからなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマーが開示される。当該アプタマーは、特定の配列で示される塩基配列S1、塩基配列S1のTがUに置き換わった塩基配列S2、塩基配列S1又はS2に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S3、あるいは塩基配列S1又はS2に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S4を含むことが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
A1R-mGluR1及びMORからなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマー。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
配列番号1~43のいずれかで示される塩基配列S1、塩基配列S1のTがUに置き換わった塩基配列S2、塩基配列S1又はS2に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S3、あるいは塩基配列S1又はS2に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S3を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項3】
配列番号1又は31に示される塩基配列S11、塩基配列S11のTがUに置き換わった塩基配列S21、塩基配列S11又はS21に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S31、あるいは塩基配列S11又はS21に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S41を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項4】
3個又は4個のステムループ構造を形成する塩基配列を含む、請求項1~3のいずれかに記載のアプタマー。
【請求項5】
前記GPCRに対するK
d
が100nM以下である、請求項1~3のいずれかに記載のアプタマー。
【請求項6】
A1R-mGluR1に結合するアプタマーであって、
配列番号1に示される塩基配列S12、塩基配列S12に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S32、あるいは塩基配列S12に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S42を含み、
下記式(H1)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列、下記式(H2-1)~(H2-2)のいずれか及び下記式(H2-3)~(H2-5)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、あるいは下記式(H3-1)~(H3-3)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含むアプタマー。
TIFF
2025007371000051.tif
74
170
(式中、
L
1a
は5~8塩基からなるループであり、L
1b
及びL
1c
は、それぞれ独立して、14~17塩基からなるループであり、
L
2e
は10~12塩基からなるループであり、
L
2f
は5~8塩基からなるループであり、
L
2g
は5~8塩基からなるループであり、
L
3a
は5~8塩基からなるループであり、
L
3b
は15~17塩基からなるループであり、
L
3c
は5~8塩基からなるループである。)
【請求項7】
下記式(H11)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列、下記式(H21)~(H22)のいずれか及び下記式(H23)~(H25)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、あるいは下記式(H31)~(H33)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含む、請求項6に記載のアプタマー。
TIFF
2025007371000052.tif
152
170
【請求項8】
MORに結合するアプタマーであって、
配列番号31に示される塩基配列S13、塩基配列S13に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S33、あるいは塩基配列S13に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S43を含み、
下記式(H4-1)~(H4-3)のいずれか、下記式(H4-4)~(H4-5)のいずれか、及び下記式(H4-6)~(H4-7)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含むアプタマー。
TIFF
2025007371000053.tif
75
170
(式中、
L
4a
、L
4b
、L
4c
、L
4d
、L
4e
、L
4f
、及びL
4g
は、それぞれ独立して、5~8塩基からなるループであり、
L
4h
は8~10塩基からなるループであり、
L
4i
は20~22塩基からなるループである。)
【請求項9】
下記式(H41)~(H43)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、下記式(H44)~(H45)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、及び下記式(H46)~(H48)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含む、請求項8に記載のアプタマー。
TIFF
2025007371000054.tif
86
170
【請求項10】
請求項1及び6~9のいずれかに記載のアプタマーを含む医薬又は試薬。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アプタマー及びその用途に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、7回膜貫通領域を共通の構造モチーフとして持つ膜受容体タンパク質の総称である。GPCRには、創薬の標的として注目されているカテゴリーとして、クラスA(ロドプシン受容体ファミリー)、クラスB(セクレチン受容体ファミリー)、及びクラスC(代謝型グルタミン酸受容体ファミリー)がある。
【0003】
クラスAに属するGPCRは2量体化が機能に必須ではないが、μ-オピオイド受容体(MOR)を含むオピオイド受容体はサブタイプ間でヘテロ2量体を形成し、互いにアロステリックな調節を行うことが知られている。また、クラスCに属するGPCRとして、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、大きな細胞外リガンド結合領域を介して常にホモ2量体を形成して機能する。このように、GPCRのサブユニットは同種又は異種のオリゴマー(大抵の場合、2量体)を形成し、一つの機能的GPCRとして働く。
【0004】
あらゆる細胞の表面に多様な機能的GPCRが発現し、それぞれ個別にシグナリングしているというのが古典的な説であった。しかし、近年、異種の機能的GPCRがさらに大きな複合体(以下、「スーパーコンプレックス」と呼ぶ)を形成し、スーパーコンプレックス内で機能的GPCR間の相互変調により、単体の機能的GPCRでは成し得ない複雑なシグナリングを行うことも分かってきた。例えば、小脳プルキンエ・ニューロンのシナプス後膜に発現し、運動学習を支える小脳長期抑圧(シナプス可塑性の一種)を誘導するトリガー分子として働く機能的な1型代謝型グルタミン酸受容体(機能的mGluR1;mGluR1のホモ多量体)に、機能的なアデノシン1型受容体(機能的A1R;A1Rのホモ多量体)又は機能的なB型γアミノ酪酸受容体(機能的GABAbR;GABAbR1とGABAbR2のヘテロ多量体)が複合体化し、それぞれ脳髄液中に蓄積したアデノシン/GABAを受容するとmGluR1のグルタミン酸受容性を減弱/増大させ、小脳長期抑圧及び運動学習を阻害/促進させる可能性が報告されている(非特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Tabataら、J. Physiol. 2007 Jun 1; 581(2): 693-708
Kamikuboら、J. Physiol. 2007 Dec 1; 585(2): 549-563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、A1R-mGluR1(ヘテロ複合体)及びMOR(ホモ複合体)からなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマー及びその用途を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、次の実施態様を包含する。
[項1]
A1R-mGluR1及びMORからなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマー。
[項2]
配列番号1~43のいずれかで示される塩基配列S1、塩基配列S1のTがUに置き換わった塩基配列S2、塩基配列S1又はS2に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S3、あるいは塩基配列S1又はS2に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S4を含む、項1に記載のアプタマー。
[項3]
配列番号1又は31に示される塩基配列S11、塩基配列S11のTがUに置き換わった塩基配列S21、塩基配列S11又はS21に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S31、あるいは塩基配列S11又はS21に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S41を含む、項1又は2に記載のアプタマー。
[項4]
3個又は4個のステムループ構造を形成する塩基配列を含む、項1~3のいずれかに記載のアプタマー。
[項5]
前記GPCRに対するK
d
が100nM以下である、項1~4のいずれかに記載のアプタマー。
[項6]
A1R-mGluR1に結合するアプタマー(Dapt-AM)であって、
配列番号1に示される塩基配列S12、塩基配列S12に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S32、あるいは塩基配列S12に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S42を含み、
下記式(H1)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列、下記式(H2-1)~(H2-2)のいずれか及び下記式(H2-3)~(H2-5)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、あるいは下記式(H3-1)~(H3-3)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含む、アプタマー。
TIFF
2025007371000001.tif
74
170
(式中、
L
1a
は6~8塩基からなるループであり、L
1b
及びL
1c
は、それぞれ独立して、14~17塩基からなるループであり、
L
2a
及びL
2b
は、それぞれ独立して、5~8塩基からなるループであり、L
2c
は30~32塩基からなるループであり、L
2d
は10~12塩基からなるループであり、
L
2e
は10~12塩基からなるループであり、
L
2f
は5~8塩基からなるループであり、
L
2g
は5~8塩基からなるループであり、
L
3a
は5~8塩基からなるループであり、
L
3b
は15~17塩基からなるループであり、
L
3c
は5~8塩基からなるループである。)
[項7]
下記式(H11)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列、下記式(H21)~(H22)のいずれか及び下記式(H23)~(H25)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列、あるいは下記式(H31)~(H33)で表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含む、項6に記載のアプタマー。
TIFF
2025007371000002.tif
154
170
[項8]
MORに結合するアプタマーであって(Dapt-μ)、
配列番号31に示される塩基配列S13、塩基配列S13に対して80%以上の同一性を有する塩基配列S33、あるいは塩基配列S13に対して1~5個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列S43を含み、
下記式(H4-1)~(H4-3)のいずれか、下記式(H4-4)~(H4-5)のいずれか、及び下記式(H4-6)~(H4-7)のいずれかで表されるステムループ構造を形成する塩基配列を含むアプタマー。
TIFF
2025007371000003.tif
76
170
(式中、
L
4a
、L
4b
、L
4c
、L
【発明の効果】
【0008】
本開示により、A1R-mGluR1及びMORからなる群より選択されるGPCRに結合するアプタマー及びその用途が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
改良型Cell-SELEX法の概略図である。
EV-SELEX法の概略図である。
スクロースグラジエント超遠心法を用いたEV精製分画においてHA-MORが存在することを示す図である。
Dapt-μの推定2次構造を示す図である。
Dapt-μが標識タグではなくMORを認識することを示す顕微鏡写真である。
Dapt-μがMOR特異的に認識することを示す顕微鏡写真である。
Dapt-μが細胞表面のMORに結合することを示す顕微鏡写真である。
EVに含まれるDapt-μの絶対量の経時変化をqPCR法により解析したグラフである。
Dapt-μが細胞表面のMORに結合することを示す顕微鏡写真である。
Dapt-μの結合能の用量依存性を示すグラフである。
Dapt-μによるcAMP抑制効果の用量依存性を示すグラフである。
ナロキソンの存在下又は非存在下でのDapt-μのcAMP抑制効果を示すグラフである。
Dapt-μがマウス脊椎後角MORを認識することを示す顕微鏡写真及びグラフである。
Dapt-μがラット線条体初代培養神経細胞におけるMORを活性化することを示すグラフである。
Dapt-μのラット線条体初代培養神経細胞におけるMOR活性化の用量依存性を示すグラフである。
Dapt-AMの推定2次構造を示す図である。
Dapt-AMのmGluR1シグナル抑制効果を示すグラフである。
Dapt-AMのmGluR1シグナル抑制能の用量依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「含む」は「のみから実質的になる」及び「のみからなる」を包含する意味で用いる。
(【0011】以降は省略されています)

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