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公開番号2025008950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023111604
出願日2023-07-06
発明の名称スケール生成評価方法とスケール生成評価装置
出願人独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構,国立大学法人富山大学
代理人個人
主分類G01N 21/41 20060101AFI20250109BHJP(測定;試験)
要約【課題】より短時間でスケールを検知し、スケール生成状態を評価可能なスケール生成評価方法とスケール生成評価装置を提供する。
【解決手段】所定の帯域幅の波長の光を有した光源12と、光源12に一端が接続され光源12からの光が透過する光ファイバ14を有する。光ファイバ14の途中又は端部において部分的にクラッドが除去されたコア表面に貴金属薄膜層18が形成されて露出した表面プラズモン共鳴スケールセンサ16を備える。光ファイバ14の表面プラズモン共鳴スケールセンサ18を通過した光のスペクトルを検出するスペクトル分析装置20を備える。スペクトル分析装置20は、光源12から光ファイバ14に透過された光のスペクトルの経時的変化を検出し、スケール30の生成状態を評価可能にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
スケールの生成状態を評価するスケール生成評価方法であって、
所定の帯域幅の波長の光を有した光源と、前記光源に一端が接続され前記光源からの光が透過する光ファイバと、前記光ファイバの途中又は端部において部分的にクラッドが除去されたコア表面に貴金属薄膜層が形成されて露出した表面プラズモン共鳴スケールセンサとを用いて、
前記表面プラズモン共鳴スケールセンサをスケール検知対象エリア内に配置した状態で、前記光源からの光を前記光ファイバに透過させ、前記表面プラズモン共鳴スケールセンサを透過した前記光のスペクトルの経時的変化を検出することにより、スケールの生成状態を評価することを特徴とするスケール生成評価方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記光の帯域幅は、前記光のスペクトルのピーク値の波長が550nm~750nmの範囲を含むものである請求項1記載のスケール生成評価方法。
【請求項3】
前記光は、白色光であり、前記光のスペクトルの経時的変化は、前記光のスペクトルの吸光度のピーク波長の経時的変化を検出したものである請求項1記載のスケール生成評価方法。
【請求項4】
前記スケール検知対象エリアが地熱発電用の配管であり、当該配管中を地熱発電用の地熱水又は温泉水が通過する請求項1記載のスケール生成評価方法。
【請求項5】
熱水が通過する機材の表面に付着するスケールの生成状態を評価するスケール生成評価装置であって、
所定の帯域幅の波長の光を有した光源と、前記光源に一端が接続され前記光源からの光が透過する光ファイバと、前記光ファイバの途中又は端部において部分的にクラッドが除去されたコア表面に貴金属薄膜層が形成されて露出した表面プラズモン共鳴スケールセンサと、前記光ファイバの前記表面プラズモン共鳴スケールセンサを通過した前記光のスペクトルを検出するスペクトル分析装置とを備え、
前記スペクトル分析装置は、前記光源から前記光ファイバに透過された光のスペクトルの経時的変化を検出し、スケールの生成状態を評価可能にすることを特徴とするスケール生成評価装置。
【請求項6】
前記光源は、LED白色光源である請求項5記載のスケール生成評価装置。
【請求項7】
前記光ファイバは、マルチモード光ファイバであり、クラッドが除去された前記コアの全周の表面に前記貴金属薄膜層として金の薄膜が形成されている請求項5記載のスケール生成評価装置。なお、前記光ファイバは、表面プラズモン共鳴励起に必要なエバネッセント光を取り出せる構造であればよく、実施例に限定されない。例えば、光ファイバの端面、ファイバクラッドをコア付近まで延伸させた構造、異径のファイバ同士を組み合わせた構造などが含まれる。
【請求項8】
前記金の薄膜は、厚さが20nm~50nmである請求項7記載のスケール生成評価装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、光ファイバを用いた表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon
Resonance SPR)センサにより、配管等に付着するスケールの生成状態を評価するスケール生成評価方法とスケール生成評価装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ボイラー、熱交換器、温泉施設等において地下水や温泉水を使用する設備では、水中の無機成分が析出したスケールが配管等の内壁、熱交換機の通水管内表面等に付着し積層する。特に、地熱発電所や温泉施設などの地熱水利用施設では、地熱流体中に溶解していた無機塩類が温度、pH、圧力の変化に伴い過飽和状態となっており、スケールとして配管内に析出しやすい。
【0003】
例えば、炭酸カルシウムスケールは、Ca
2+
やHCO


イオンを多く含む熱水の溶存CO

が気液分離により蒸気相へ移動することによる熱水のpH上昇により、炭酸塩鉱物の溶解度が低下するため、スケールとして析出する。また、シリカスケールは地熱発電所の生産井内での気液分離により、熱水中にシリカが濃縮され過飽和となり、スケールとして析出する。これらのスケールが配管内や熱交換器等の管路内に析出すると、配管等の管路の閉塞による流量減少、熱交換効率の低下、設備の故障等多くの問題を引き起こす。
【0004】
スケール生成の対策については、従来より多くの研究による提案がなされており、スケール発生の防止条件の決定には、数日から数ヶ月の試験期間を必要としていた。これまでの評価手法としては、例えばガラス板や金属片を熱水に浸漬させ、スケール生成に伴う重量変化や目視による評価が行われていた。その他、金属製カラム(筒)に岩石やガラスビーズを充填し、これに熱水を通して、目詰まりによる通水量変化による評価試験が行われてきた。しかし、これら従来の方法は試験コストが高く、簡便性に欠けるなどの問題点がある。さらに、効果的なスケール生成防止方法の検討には、迅速かつリアルタイムでのスケール生成評価手法が求められる。
【0005】
一方、特許文献1に示すように、炭酸カルシウムスケールを定量評価する方法として、局所的に加熱できる装置を一定時間加熱した後に、対象水から取り出し、乾燥して電子天秤等を用いて装置を秤量することにより、スケールの付着を検知する方法が提案されている。さらに特許文献1には、水晶振動子マイクロバランスQCM(Quartz Crystal Microbalance)法を利用して、水晶の薄片上の両面に電極が形成された質量変化検出デバイスを対象水に浸し、質量変化検出デバイスの電極表面へのスケール付着による共振周波数の変化を測定するスケール検知方法が開示されている。
【0006】
この他、本願発明者らによる非特許文献1に開示されているように、スケール生成評価や防止条件の評価試験のために、石英やプラスチック製の光ファイバを用いたスケールセンサも提案されている。光ファイバはジャケット、クラッド、コアの三層構造をなしており、コアの部分において光が全反射しつつ伝播する。このスケールセンサは、光ファイバのジャケットとクラッドを除去し、コアを露出させて熱水に浸漬させ、コア表面にコアよりも屈折率の大きいスケールが析出することにより全反射が阻害され、伝播される光量が減少することを利用している。このセンサを利用することにより、スケール生成を数時間から数日で評価することができ、QCM法と同程度の時間でスケール生成を評価することができる。スケールセンサとして使用される光ファイバには、耐熱・耐圧性に優れているシリカコア光ファイバが用いられ、このスケールセンサを利用し、これまで地熱水を扱う各種施設において、熱水から析出する炭酸カルシウムやシリカスケールのモニタリングを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-27961号公報
【非特許文献】
【0008】
Okazaki et al. Investigation of the effects of electromagnetic fieldtreatment of hot spring water for scale inhibition using a fiber optic sensor. SCIENTIFICREPORTS.(2019)9:10719 https://doi.org/10.1038/s41598-019-47088-6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に開示されたスケール評価方法の場合、十分な評価を行うには、数時間から半日程度の長時間が必要である。また、上記非特許文献1に開示された光ファイバを用いたスケールセンサは、光ファイバのコア部を対象熱水に浸して、表面にスケールが付着することにより、表面部の屈折率が変化して、センサ内を透過する光が減衰することを利用している。従って、シリカスケールを対象とした際には、沈殿するスケールと光ファイバの屈折率が近いことから感度が悪く、長時間の測定時間を要するものであり、この光ファイバスケールセンサを用いた場合も、十分な評価を行うには、半日程度の時間が必要である。よって、従来のスケールセンサは測定時間が長く、よりリアルタイムに近いスケール検知方法が求められている。
【0010】
この発明は、上記従来の背景技術に鑑みて成されたもので、より短時間でスケールを検知し、スケール生成状態を正確に評価可能なスケール生成評価方法とスケール生成評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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