TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024150546
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2024113188,2023097065
出願日
2024-07-16,2015-10-06
発明の名称
CAR発現ベクター及びCAR発現T細胞
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/62 20060101AFI20241016BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】T細胞においてキメラ抗原受容体(CAR)と共にT細胞の免疫機能促進因子を発現し、免疫誘導効果や抗腫瘍活性が高いCAR発現T細胞や、かかるCAR発現T細胞を作製するためのCAR発現ベクターを提供することを課題とする。
【解決手段】キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸及びT細胞の免疫機能促進因子をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターであって、前記免疫機能促進因子をコードする核酸が、インターロイキン7をコードする核酸及びCCL19をコードする核酸、SHP-1に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸、又はSHP-2に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸であるCAR発現ベクターや、前記CAR発現ベクターを導入したCAR発現T細胞を作製する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAR発現ベクターや、CAR発現ベクターを導入したCAR発現T細胞や、CAR発現T細胞を含有する抗がん剤に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
キメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor:以下、「CAR」ともいう)は、がん細胞の細胞表面抗原を認識する一本鎖抗体と、T細胞の活性化を誘導するシグナル伝達領域を融合させた人工的なキメラタンパク質である。図1に示すように、腫瘍反応性を有さない通常の末梢血T細胞(末梢血Tリンパ球)にCARをコードする遺伝子を導入することにより、CARを発現可能なCAR発現T細胞(以下、単に「CAR-T細胞」ともいう)を大量に作製することが可能となる。かかるCAR-T細胞は腫瘍反応性を有し、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)との相互作用に依存することなくがん細胞の傷害を導くことが可能となる。
【0003】
CAR-T細胞の投与によるがん免疫療法、より具体的には、患者からT細胞を採取し、かかるT細胞にCARをコードする遺伝子を導入して増幅し、再度患者に移入する療法(非特許文献1参照)は、現在世界中で臨床試験が進行しており、白血病やリンパ腫などの造血器悪性腫瘍などにおいて有効性を示す結果が得られている。
【0004】
近年、様々なCAR-T細胞の研究が進められてきた。例えば、CD19抗原結合領域と細胞膜貫通領域と4-1BB共刺激シグナル領域と、CD3ζシグナル領域からなるCARをコードする核酸を含む修飾された自己ヒトT細胞を含む医薬組成物(特許文献1参照)や、がん細胞に結合する1つ又は複数のタグ付きタンパク質の配合物と同時に又は別々に被験体に投与される、前記タグ付きタンパク質に結合し、がん細胞死を誘導する1つ又は複数の治療的に有効な抗タグキメラ抗原受容体(AT-CAR)発現T細胞集団(特許文献2参照)や、ヒト抗体139の抗原結合ドメイン、細胞外ヒンジドメイン、細胞膜貫通ドメイン、及び細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを含む、キメラ抗原受容体をコードする核酸を含む細胞(特許文献3参照)や、キメラ抗原受容体をコードする核酸配列を含む細胞であって、該キメラ抗原受容体が抗原結合ドメイン、細胞膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域、及び、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むCD3ζシグナル伝達ドメインを含む細胞(特許文献4参照)や、細胞表面膜上にCD19特異的キメラ受容体を発現及び保有し、該キメラ受容体が免疫細胞のエフェクター機能のための細胞内シグナリングドメイン、少なくとも1つの細胞膜貫通ドメイン及び少なくとも1つの細胞外ドメインからなり、細胞外ドメインがCD19特異的受容体を含む、遺伝子工学的に作製されたCD19特異的T細胞(特許文献5参照)や、細胞内ドメインとしてグルココルチロイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)の細胞内ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードする核酸が導入されたキメラ抗原受容体発現細胞(特許文献6参照)が提案されている。
【0005】
しかしながら、CAR-T細胞の生体内での生存効率が低い、あるいはCAR-T細胞により誘導される内在性T細胞の活性化や腫瘍局所への集積が不十分という問題や、がん細胞が有する腫瘍免疫回避機構であるPD-L1/PD-1経路を介した免疫抑制シグナル及びがん微小環境において分泌されるTGF-βやIL-10などの免疫抑制因子によるCAR-T細胞の活性阻害という問題はこれまでの技術では解決されていない。そのため、十分な治療効果が認められないがん種や症例が存在しており、さらに効果的なCAR-T細胞、及びかかるCAR-T細胞を作製するための発現ベクターの作製が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許出願公開第2014/0106449号明細書
特表2014-504294号公報
特表2014-516510号公報
特表2014-507118号公報
特開2011-004749号公報
国際公開第2013/051718号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
中沢洋三 信州医誌 61(4):197~203(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のCAR-T細胞においては、CARのシグナル伝達領域にCD28、4-1BB、CD3ζなどを含有させることによってT細胞の活性化能を高める工夫がされていたが、CAR-T細胞による内在性T細胞の免疫誘導効果や腫瘍微小環境における免疫抑制機構に対する抵抗性については十分に増強されておらず、固形がんに対してはCAR-T細胞による治療効果は未だ達成されていない。そこで、本発明の課題は、T細胞においてCARと共にT細胞の免疫機能促進因子を発現し、免疫誘導効果や抗腫瘍活性が高いCAR-T細胞や、かかるCAR-T細胞を作製するためのCAR発現ベクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、CAR-T細胞を利用したがん免疫療法において、より優れた免疫誘導効果や抗腫瘍活性を達成することを目的として、CAR-T細胞の改良を試みた。その過程で、T細胞の免疫機能を促進する因子であるサイトカイン、ケモカイン、シグナル制御タンパク質に着目し、CARと共に前記T細胞の免疫機能を促進する因子を発現するベクターを構築した。かかる発現ベクターをT細胞に導入したところ、従来のCAR-T細胞よりも優れた免疫誘導効果や抗腫瘍活性を有するCAR-T細胞を作製することができることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は以下に開示されるとおりのものである。
(1)キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸及びT細胞の免疫機能促進因子をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターであって、前記免疫機能促進因子をコードする核酸が、インターロイキン7をコードする核酸及びCCL19をコードする核酸、SHP-1に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸、又はSHP-2に対するドミナントネガティブ変異体をコードする核酸であることを特徴とするCAR発現ベクター。
(2)免疫機能促進因子をコードする核酸が、インターロイキン7をコードする核酸及びCCL19をコードする核酸であることを特徴とする上記(1)記載のCAR発現ベクター。
(3)CARをコードする核酸とT細胞の免疫機能促進因子とをコードする核酸が、自己切断型ペプチドをコードする配列を介して連結されていることを特徴とする上記(2)記載のCAR発現ベクター。
(4)インターロイキン7をコードする核酸とCCL19とをコードする核酸が、自己切断型ペプチドをコードする配列を介して連結されていることを特徴とする上記(2)又は(3)記載のCAR発現ベクター。
(5)CARをコードする核酸が、FITC又はCD20を認識する一本鎖抗体のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする上記(1)~(4)のいずれか記載のCAR発現ベクター。
(6)CARをコードする核酸が、CD8の細胞膜貫通領域のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする上記(1)~(5)のいずれか記載のCAR発現ベクター。
(7)CARをコードする核酸が、CD28の細胞内領域、4-1BBの細胞内領域、及びCD3ζの細胞内領域のポリペプチドをコードする核酸を含有することを特徴とする上記(1)~(6)のいずれか記載のCAR発現ベクター。
(8)以下の(a)又は(b)に示すベクターを導入したCAR発現T細胞。
(a)上記(1)~(7)のいずれか記載のCAR発現ベクター;
(b)CARをコードする核酸及びインターロイキン7をコードする核酸を含有するCAR発現ベクターと、CARをコードする核酸及びCCL19をコードする核酸を含有するCAR発現ベクター;
(9)上記(8)記載のCAR発現T細胞と薬学的に許容される添加剤とを含有する抗がん剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
菊川深蒸し茶わり
2か月前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
1か月前
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
1か月前
東レ株式会社
RNAの検出方法
1か月前
豊田合成株式会社
細胞回収具
1か月前
東レ株式会社
RNA溶液の製造方法
1か月前
長谷川香料株式会社
抗菌活性評価方法
1か月前
株式会社 資生堂
融解装置
1か月前
株式会社日本バイオデータ
品質管理方法
1か月前
個人
アルコール飲料の味覚改良方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
2か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
2か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
3か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
3か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
2か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
3か月前
株式会社雷神の風
試料採取装置
27日前
株式会社写真化学
菌体観察装置
18日前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
3か月前
メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
CLEC12AxCD3二重特異性抗体及び疾患の治療方法
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
3か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
3か月前
新東工業株式会社
培養装置
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
3か月前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
1か月前
国立大学法人東京海洋大学
ウイルス不活化用組成物
5日前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
2か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
1か月前
横河電機株式会社
観察培養装置
1か月前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
2か月前
学校法人近畿大学
柿を用いた酒類の製造方法
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
続きを見る
他の特許を見る