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公開番号
2025059264
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023169243
出願日
2023-09-29
発明の名称
包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
,
個人
主分類
C08G
75/045 20160101AFI20250403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の課題は、揮発性有機化合物の使用量をゼロにするか又は削減することにより環境負荷を低減できる、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法を提供すること。
【解決手段】クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法において、スルホラン及び/又はスルホラン誘導体を含む有機溶媒の存在下でクラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を形成すると共に、ゲルを生成することを特徴とする前記ネットワークポリマーゲルの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法において、スルホラン及び/又はスルホラン誘導体を含む有機溶媒の存在下で、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を形成すると共に、ゲルを生成することを特徴とする前記ネットワークポリマーゲルの製造方法。
続きを表示(約 140 文字)
【請求項2】
ゲルの生成に使用した有機溶媒を置換することなく、前記有機溶媒により再膨潤化することを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマーゲルの製造方法。
【請求項3】
有機溶媒がスルホランである、請求項1又は2に記載のネットワークポリマーゲルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
環状分子が線状分子をその空孔に取り込み、貫通構造をした化合物(包接化合物、又は包接錯体ともいう)はロタキサン(Rotaxane)、又は擬似ロタキサン(pseudo-rotaxane)と呼ばれ、環状分子が線状分子に沿って移動可能であることによる特性から、環状分子と線状分子との種類や組み合わせはこれまでに数多く報告されている。
【0003】
また、ジチオールのようなスペーサー成分を用いて、ロタキサン又は疑似ロタキサン同士をつなぐことにより、ポリマー化せしめ、共有結合を伴わない化合物として特異な物性を備える架橋ポリロタキサンをネットワークポリマーゲルとして製造することが試みられており、ネットワークポリマーゲルとしては、本発明者らにより、環状分子として24員環のクラウンエーテル誘導体を用い、線状分子として二級アンモニウム塩化合物を用いた、ネットワークポリマーゲルに関する研究が鋭意進められている(特許文献1参照)。
【0004】
クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との間では、特異的な相互作用、一般的に水素結合や静電相互作用が作用することで自発的に錯体が得られる。そして、このような錯体の形成を完遂させるためには特定の有機溶媒の存在の下で錯体の形成が行われることが必要であり、特定の有機溶媒に求められる特性としては、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との相互作用(水素結合、静電相互作用)を阻害しない特性を有すること、及びクラウンエーテル誘導体や二級アンモニウム塩化合物を溶解できる特性を有することが挙げられる。一般的には、極性または比誘電率εの高い溶媒はクラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との相互作用を阻害するものが多い傾向にある。錯体の形成に用いられる有機溶媒として、特許文献1では、ジクロロメタン(比誘電率9.1、沸点40℃)やクロロホルム(比誘電率4.8、沸点61℃)が使用されており、非特許文献1では、ジクロロメタン(前出)及びアセトニトリル(比誘電率36.0、沸点82℃)が使用可能であるとされ、非特許文献2では、ジクロロメタン(前出)、アセトニトリル(前出)、ベンゼン(比誘電率2.3、沸点80℃)、クロロベンゼン(比誘電率5.7、沸点131℃)、ジオキサン(比誘電率2.1、沸点101℃)、クロロホルム(前出)、及びトルエン(比誘電率2.4、沸点111℃)が使用可能とされ、非特許文献3では、クロロホルム(前出)、クロロベンゼン(前出)、及びニトロメタン(比誘電率36.2、沸点101℃)が使用可能とされている。これに対し、錯体の形成がされないか又は形成されにくい有機溶媒としては以下の溶媒が挙げれる。発明者らは、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(比誘電率37.1、沸点153℃)では、ロタキサンの錯体が形成されないことを確認し、また、非特許文献1に記載のジメチルスルホキシド(DMSO)(比誘電率46.71、沸点189℃)でも、ロタキサンの錯体が形成されないことを確認した。なお、この非特許文献1には、クロロホルムとDMSOとの混合溶媒で、クロロホルムの混合比率を変えてもロタキサンが生成しにくいことが示されている。さらに、非特許文献3には、ジメチルアセトアミド(DMAc)(比誘電率38.3、沸点165℃)も錯体が形成されないことが記載されている。
【0005】
以上のとおり、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との間で錯体を形成する際に使用されている有機溶媒は、すべて沸点が低く、揮発性有機化合物(VOC、Volatile Organic Compounds)に相当する溶媒である。揮発性有機化合物とは、揮発性であるため大気中で気体状になる有機化合物の総称であり、塗料や印刷インキの溶剤などに使用されるトルエンやドライクリーニングなどに使用されるテトラクロロエチレン、実験に使用する一般有機溶媒などが該当する。また、揮発性有機化合物は太陽の紫外線を受けて反応し、有害な光化学オキシダント(Ox)を生成したり、浮遊粒子状物質(SPM)、微小粒子状物質(PM2.5)にも変化することが知られており、環境や生態系において大きな負荷を与えることになる。したがって、世界的にも、これらの揮発性有機化合物を極力排除したモノづくり(社会づくり)が求められている。なお、世界保健機関(WHO)の定義によれば、揮発性有機化合物は沸点が50-100℃~240-260℃の範囲の有機化合物が対象である。
【0006】
また、ネットワークポリマーゲルについては、揮発性有機化合物に相当する有機溶媒を使用して、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との間で錯体を形成することで、(疑似)ロタキサンを生成し、錯体が解離しない安定なポリマーを構築した後、一旦、その揮発性の高い有機溶媒をネットワークポリマーゲルから除去し、より揮発性の低い有機溶媒で溶媒置換しつつ、ゲルの再膨潤化を図っている。したがって、ネットワークポリマーゲルを生成するためには、(擬似)ロタキサンを生成しやすい揮発性が高く極性が低めの有機溶媒を使用することが一般的とされる一方で、そのポリマー化したゲルの形状を長期間保持するためにはゲルの生成に使用した溶媒よりも揮発性のより低い溶媒を使用して再膨潤する必要があった。
実際に、特許文献1においても、再膨潤化においては、錯体の形成に使用したジクロロメタンやクロロホルムとは異なる有機溶媒、例えば、プロピオンカーボネートなどが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開WO2013/099224号
【非特許文献】
【0008】
Sheng-Hsien et al., Org. Lett.,2(23),3631-3634 (2000)
Toshikazu Takata et al., Macromolecules, 34, 5449-5456 (2001)
Yoshio Furusho et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 77, 179-185 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、揮発性有機化合物の使用量をゼロにするか又は削減することにより環境負荷を低減できる、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との包接構造を有するネットワークポリマーゲルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、揮発性有機化合物に相当しない、比誘電率が43で沸点が285℃であるスルホランが、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との相互作用を阻害しない特性を有すること、及びクラウンエーテル誘導体や二級アンモニウム塩化合物を溶解できる特性を有することを見出したことに基づき、スルホラン及び/又はスルホラン誘導体を含む有機溶媒の存在下で、クラウンエーテル誘導体と二級アンモニウム塩化合物との間で錯体の形成が進むことを見出して、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)
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