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公開番号2024149662
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024128644,2021546589
出願日2024-08-05,2020-09-02
発明の名称低CTE、低パッフィングニードルコークス
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10C 3/02 20060101AFI20241010BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】 原料油の性状変化に対応しながら、より安定的に低CTE、低パッフィングニードルコークスを得ること。
【解決手段】 式(1)で示されるPDQI値が5.0未満の水素供与性の小さいコールタール系重質油あるいは石油系重質油のニードルコークス主原料油に、式(1)で示されるPDQI値が5.0以上の水素供与性の大きな副原料油を混合してコーキングし、得られた生コークスをか焼することを特徴とする低CTE、低パッフィングニードルコークス。
[式(1)]
PDQI=H%×10×(HNβ/H)
ここで、H%は元素分析で求められる水素量(重量%)であり、HNβ/Hは1H-NMRで測定されるβナフテン水素と全水素の比である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(2)にて示されるCTEに関する構造指標(NCSIC)が25.0を超え、式(3)にて示されるパッフィングに関する構造指標(NCSIP)が5.0よりも大きいことを特徴とする低CTE、低パッフィングニードルコークス。
[式(2)]
NCSIC=((Lc/d002)+(開気孔比率))/(σ(θ))
ここで、Lc:結晶子サイズ、d002:面間隔、σ(θ):平均配向角度の標準偏差を示す。
[式(3)]
NCSIP=(開気孔量/閉気孔量)+(HIT/1000)/EIT
ここで、HIT:押込み硬さ、EIT:押込み弾性率を示す。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
結晶子サイズLcが4.0~10.0nmであり、面間隔d002が0.340~0.350nmであり、開気孔比率が0.15~0.40であり、平均配向角度の標準偏差σ(θ)が0.01~0.85である請求項
1に
記載の低CTE、低パッフィングニードルコークス。
【請求項3】
開気孔量が0.040~0.070cm

/gであり、閉気孔量が0.001~0.015cm

/gであり、押込み硬さHITが800~1500MPaであり、押込み弾性率EITが5.0~15.0GPaである請求項
1に
記載の低CTE、低パッフィングニードルコークス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低CTE、低パッフィング用ニードルコークス及び電気製鋼用人造黒鉛電極に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ニードルコークスは、一般的に、石油系重質油やコールタール系重質油を原料として製造され、電気製鋼用人造黒鉛電極の骨材として用いられている。この黒鉛電極は、ニードルコークスを所定粒度に調整後、バインダーピッチと捏合し、次いで、押出成型し、その後、一次焼成、含浸、二次焼成及び黒鉛化処理することにより製造される。
【0003】
黒鉛電極は、高温雰囲気での過酷な使用環境に耐えるため、熱膨張係数(CTE)が低いことが望まれている。CTEが低いと、電気製鋼時の電極消耗が少なくなり、電気製鋼のコスト削減に寄与する。
【0004】
黒鉛電極製造工程の黒鉛化処理は、3000℃前後の高温で熱処理する工程であり、LWG炉(直接通電方式の炉)を用いる方法が一般的である。このLWG炉で黒鉛化すると昇温速度が速いため、黒鉛電極材料からのガスの発生速度が速く、パッフィングと称される異常膨張現象が起きやすくなる。このパッフィングにより、電極が低密度となり、場合により電極が破損してしまう。このため、パッフィングを小さくするためのニードルコークスの製造法や電極製造時に添加するパッフィングインヒビターが検討されてきた。
【0005】
CTEは、一般的にニードルコークスの組織配向性が揃っているほど、微細なクラックが多いほど低いとされている。ニードルコークスを構成する結晶構造である黒鉛構造の炭素六角網面方向は、積層方向よりも熱膨張が小さいため、面方向が電極の長手方向に並ぶことで低CTEの電極になると考えられる。また、微細なクラックがあることで、熱膨張を緩和する働きをして低CTEとなると考えられる。
パッフィングは、一般的にニードルコークス中の窒素や硫黄に由来する化合物が高温条件で気化することによるガス圧によって生じると考えられている。
【0006】
人造黒鉛電極用ニードルコークスに求められるのは、電極使用時の低CTE、電極製造時の低パッフィングであり、従来、低CTE、低パッフィングニードルコークスを製造する方法としては、以下のような技術が挙げられる。
【0007】
特許文献1には、原料油を水素化し、原料油中の窒素、硫黄分を除去することによるパッフィング原因物質除去によるパッフィング低減、酸素、ナトリウムの低減とナフテン環増加による高温時の粘度低下による好ましい炭素化挙動を示すことによるCTEを低減する方法が記載されている。特許文献2には、キノリン不溶分を除去したコールタールピッチに特定の性状に調整した石油系重質油を混合してコークス化することで、パッフィング原因物質の窒素、硫黄分の希釈により、パッフィングを低減し、低CTEを示す異方性組織を生成するような炭素化速度とガス発生のバランスが得られることによりCTEを低減する共炭素化方法が記載されている。また、特許文献3には、2種以上の原料油を混合することで良好なバルクメソフェーズの生成と固化時の結晶配向のためのガス発生により低CTE、低パッフィングのニードルコークスが得られる方法が記載されている。特許文献4及び非特許文献1には、2段階でか焼することでか焼の際に起こるコークス構造変化により、低CTE、低パッフィングとなることが記載されている。特許文献5には、一度か焼したコークスを酸化性雰囲気下で再か焼することで微細気孔を増加させることで低CTE、低パッフィングのニードルコークスを製造できることが記載されている。特許文献6には、キノリン不溶分を除去したコールタール系重質油と石油系重質油を混合してコーキングし、さらに、2段階でか焼することで低CTE、低パッフィングであるニードルコークスを製造する方法が記載されている。
【0008】
以上のように、水素化による原料油改質、2種以上の原料油を混合してコーキングする共炭素化、2段階か焼、酸化雰囲気での再か焼及びこれらの組み合わせにより、低CTE、低パッフィングニードルコークスが得られることは知られている。
CTE、パッフィングを低下するための方法ではないが、特許文献7には、低温タールピッチに水素供与性溶剤を加え、加熱処理し熱改質するとニードルコークス用原料油として適する品質に改質できるとの記載がある。
水素供与性の評価として、非特許文献2には、PDQI(Proton Donor Quality Index)が提案されているが、石炭水添液化反応における循環溶剤の評価であり、ニードルコークスの品質を改善するための指標として有用であることを教えるものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭60-149690号公報
特開平4-145193号公報
WO2009/1610号
特開昭52-29801号公報
特開昭61-218686号公報
特開平5-163491号公報
WO2011/48920号
【非特許文献】
【0010】
Carbon Vol.19No.5 pp.347-352
燃料協会誌,65,12,p.1012-1019,1986
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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