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公開番号2025015250
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118543
出願日2023-07-20
発明の名称ガス化装置およびガス化処理方法
出願人DOWAサーモテック株式会社,鉄建建設株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10J 3/20 20060101AFI20250123BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】木質チップに供給する燃焼促進ガスの流量調節の精度を向上させる。
【解決手段】木質チップSをガス化するガス化装置1において、木質チップSのガス化処理が行われる反応容器2と、反応容器2の底部に配置された原料供給路13と、原料供給路13から木質チップSが供給される原料貯留容器3と、木質チップSの燃焼を促進させる燃焼促進ガスを原料貯留容器3内に供給するガス供給機構20と、反応容器2内の雰囲気温度を測定する温度測定部7aと、ガス供給機構20の動作を制御する制御部100と、を設け、制御部100を、温度測定部7aで測定された雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように燃焼促進ガスの流量を調節する制御を実行するように構成する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
木質チップをガス化するガス化装置であって、
前記木質チップのガス化処理が行われる反応容器と、
前記反応容器の底部に配置された原料供給路と、
前記反応容器の内部に設けられ、前記原料供給路から前記木質チップが供給される原料貯留容器と、
前記木質チップの燃焼を促進させる燃焼促進ガスを前記原料貯留容器内に供給するガス供給機構と、
前記原料貯留容器の上端よりも上方に設けられ、前記反応容器内の雰囲気温度を測定する温度測定部と、
前記ガス供給機構の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記温度測定部で測定された前記雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記燃焼促進ガスの流量を調節する制御を実行することを特徴とする、ガス化装置。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記ガス供給機構は、
周波数の可変制御が可能なインバータと、
前記インバータの設定周波数に応じた風量で前記燃焼促進ガスの送風を行う送風機と、を有し、
前記制御部は、
前記温度測定部で測定された前記雰囲気温度が目標の温度範囲内の温度となるように前記インバータの設定周波数を調節する制御を実行することを特徴とする、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
木質チップをガス化するガス化装置を用いたガス化処理方法であって、
前記ガス化装置は、
前記木質チップのガス化処理が行われる反応容器と、
前記反応容器の底部に配置された原料供給路と、
前記反応容器の内部に設けられ、前記原料供給路から前記木質チップが供給される原料貯留容器と、を備え、
前記ガス化処理を行う際に、
前記木質チップの燃焼を促進させる燃焼促進ガスを前記原料貯留容器内に供給し、
前記原料貯留容器の上端よりも上方で前記反応容器内の雰囲気温度を測定し、測定された前記雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記燃焼促進ガスの流量を調節することを特徴とする、ガス化処理方法。
【請求項4】
前記ガス化装置は、
周波数の可変制御が可能なインバータと、
前記インバータの設定周波数に応じた風量で前記燃焼促進ガスの送風を行う送風機と、を有し、
前記ガス化処理を行う際に、前記測定された雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記インバータの設定周波数を調節することを特徴とする、請求項3に記載のガス化処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、木質チップをガス化するガス化装置およびガス化処理方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の枯渇や地球温暖化、エネルギー源の外国依存リスクなどの問題に対処するため、自然エネルギーや再生可能エネルギーの利用が世界的に進んでいる。再生可能エネルギーの中には、間伐材などの木材を利用して作られる木質バイオマスエネルギーがあり、日本などの森林地帯が多い地域における新エネルギーとして注目されている。また、木質バイオマスエネルギーは、エネルギー自給の観点や、非常時においても安定供給可能なエネルギーという観点でメリットの多いエネルギーである。
【0003】
木質バイオマスエネルギーを高効率に利用するための方法として、間伐材などの木質チップをバイオマス原料として燃焼させ、それによって生じる可燃性ガスを発電用の燃料として用いる木質バイオマス発電が知られている。
【0004】
上述した木質チップを燃焼させて発電などに利用されるガスを発生させる装置として、特願2022-012248(以下、「参考文献1」という)に記載されたガス化装置がある。このガス化装置は、木質チップのガス化処理が行われる反応容器内に、木質チップの熱分解反応が生じる熱分解帯T1と、木質チップから生じたガスの酸化反応が生じる燃焼帯T2と、木質チップから生じたガスの還元反応が生じる還元帯T3とが形成されるように構成されている。なお、参考文献1に記載されたガス化装置は、本願の出願時においては非公知技術である。
【0005】
上述した熱分解反応、酸化反応、還元反応を発生させ易くするためには、熱分解帯T1、燃焼帯T2、還元帯T3の温度を適正温度域内で保持することが望まれる。このため、参考文献1に記載のガス化装置では、木質チップの燃焼を促進するための燃焼促進ガスを燃焼帯T2に供給し、燃焼帯T2の温度に基づいて燃焼促進ガスの流量を調節している。これにより、燃焼帯T2を適正温度に保持し、燃焼帯T2で発生した熱が伝達される熱分解帯T1と還元帯T3の温度を適正温度に保持する試みがなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガス化装置の反応容器内に供給された木質チップの堆積層においては、ガス化処理の進行に伴い昇温、乾燥、熱分解反応、酸化反応、還元反応によって木質チップの状態が変化する。また、木質チップのガス化と、反応容器内への未処理木質チップの供給により、反応容器内における木質チップの堆積層の高さが増減する。ガス化処理時においては、それらの要因によって燃焼帯T2の温度が不安定に推移する。
【0007】
このため、不安定に推移する燃焼帯T2の温度を指標として燃焼促進ガスの流量制御を行うと、燃焼促進ガスの流量を適切な流量に調節することが困難である。また、適切な流量の燃焼促進ガスを供給できないことは、燃焼帯T2で生じる反応をさらに不安定にさせる外的要因となり、ガス化処理中の燃焼帯T2の温度がさらに不安定となる。これにより、燃焼帯T2の温度を指標とした燃焼促進ガスの流量制御がさらに困難となり、燃焼促進ガスの適切な流量への調節を精度良く行うことが困難である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、木質チップに供給する燃焼促進ガスの流量調節の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の態様を以下に例示する。
(1)木質チップをガス化するガス化装置であって、
前記木質チップのガス化処理が行われる反応容器と、
前記反応容器の底部に配置された原料供給路と、
前記反応容器の内部に設けられ、前記原料供給路から前記木質チップが供給される原料貯留容器と、
前記木質チップの燃焼を促進させる燃焼促進ガスを前記原料貯留容器内に供給するガス供給機構と、
前記原料貯留容器の上端よりも上方に設けられ、前記反応容器内の雰囲気温度を測定する温度測定部と、
前記ガス供給機構の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記温度測定部で測定された前記雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記燃焼促進ガスの流量を調節する制御を実行することを特徴とする、ガス化装置。
(2)前記ガス供給機構は、
周波数の可変制御が可能なインバータと、
前記インバータの設定周波数に応じた風量で前記燃焼促進ガスの送風を行う送風機と、を有し、
前記制御部は、
前記温度測定部で測定された前記雰囲気温度が目標の温度範囲内の温度となるように前記インバータの設定周波数を調節する制御を実行することを特徴とする、(1)に記載のガス化装置。
(3)木質チップをガス化するガス化装置を用いたガス化処理方法であって、
前記ガス化装置は、
前記木質チップのガス化処理が行われる反応容器と、
前記反応容器の底部に配置された原料供給路と、
前記反応容器の内部に設けられ、前記原料供給路から前記木質チップが供給される原料貯留容器と、を備え、
前記ガス化処理を行う際に、
前記木質チップの燃焼を促進させる燃焼促進ガスを前記原料貯留容器内に供給し、
前記原料貯留容器の上端よりも上方で前記反応容器内の雰囲気温度を測定し、測定された前記雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記燃焼促進ガスの流量を調節することを特徴とする、ガス化処理方法。
(4)前記ガス化装置は、
周波数の可変制御が可能なインバータと、
前記インバータの設定周波数に応じた風量で前記燃焼促進ガスの送風を行う送風機と、を有し、
前記ガス化処理を行う際に、前記測定された雰囲気温度が目標とする温度範囲内の温度となるように前記インバータの設定周波数を調節することを特徴とする、(3)に記載のガス化処理方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、木質チップに供給する燃焼促進ガスの流量調節の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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