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公開番号
2025011406
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113501
出願日
2023-07-11
発明の名称
鋼材用熱間圧延油組成物
出願人
協同油脂株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10M
169/04 20060101AFI20250117BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】高温領域で行なわれる鋼や特殊鋼の熱間圧延において、ロールと圧延材の双方又は片方に、ウォーターインジェクション方式や、エアースプレー方式、或いは直接塗布等によって給油された場合、ロールと圧延材間の摩擦係数を大幅に下げることができる、高温下で潤滑性の良好な熱間圧延油組成物を提供すること。
【解決手段】組成物の全質量を基準として、
(A)35~80質量%の動粘度100~700mm
2
/sであるパラフィン系鉱油、
(B)15~60質量%の植物油、
(C)1~20質量%の硫黄系極圧剤、
を含み、
40℃における動粘度が50~300mm
2
/sである、鋼材用熱間圧延油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
組成物の全質量を基準として、
(A)35~80質量%の動粘度100~700mm
2
/sであるパラフィン系鉱油、
(B)15~60質量%の植物油、
(C)1~20質量%の硫黄系極圧剤、
を含み、
40℃における動粘度が50~300mm
2
/sである、鋼材用熱間圧延油組成物。
続きを表示(約 250 文字)
【請求項2】
(B)植物油が、少なくとも45質量%の菜種油を含む混合油である、請求項1に記載の鋼材用熱間圧延油組成物
【請求項3】
(C)硫黄系極圧剤が、硫黄含有量が10質量%以上の硫化油脂である請求項1に記載の鋼材用熱間圧延油組成物。
【請求項4】
鋼材を圧延する圧延機のワークロール及びバックアップロールの少なくとも一方に、請求項1~3のいずれか1項記載の鋼材用熱間圧延油組成物を、ウォーターインジェクション方式により給油することを含む、鋼材の熱間圧延方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼や特殊鋼の熱間圧延に際し、ロールと圧延材間の摩擦係数を大幅に低下させることができる潤滑性に優れた、鉱油を主体とした安価な熱間圧延油組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
鋼や特殊鋼の熱間圧延ではロールと圧延材間の摩擦係数を下げるため、熱間圧延油組成物(油剤組成物と称することもある)が使用され、効果をおさめている。この圧延油としては、高温で潤滑効果のある黒鉛、水ガラス、窒化硼素、雲母、二硫化モリブデン、酸化鉄、炭酸カルシウム、フッ素化黒鉛などの固体潤滑剤;硫化油脂、硫化オレフィン、ジンクジアルキルジチオホスフェート、リン酸エステル等の極圧剤;鉱油、油脂、油脂重合体、合成エステル等の油性向上剤;メタクリレートコポリマーやブチレンブタジエンコポリマー等の付着性向上剤兼流動点降下剤等の少なくとも1種、又はこれにさらに、酸化防止剤(ジターシャリブチルクレゾール、アルファナフチルアミン、ジターシャリブチルフェノール等)を加えたものが一般に使用されている(特許文献1)。
しかし、上記の固体潤滑剤や極圧剤、油性向上剤はロールと圧延材間の摩擦係数減少に対して効果を得られるが、高価であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3320642号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、高温領域で行なわれる鋼や特殊鋼の熱間圧延において、ロールと圧延材の双方又は片方に、ウォーターインジェクション方式や、エアースプレー方式、或いは直接塗布等によって給油された場合、ロールと圧延材間の摩擦係数を大幅に下げることができる、高温下で潤滑性の良好で安価な熱間圧延油組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.組成物の全質量を基準として、
(A)35~80質量%の動粘度100~700mm
2
/sであるパラフィン系鉱油、
(B)15~60質量%の植物油、
(C)1~20質量%の硫黄系極圧剤、
を含み、
40℃における動粘度が50~300mm
2
/sである、鋼材用熱間圧延油組成物。
2.(B)植物油が、少なくとも45質量%の菜種油を含む混合油である、前記1に記載の鋼材用熱間圧延油組成物
3.(C)硫黄系極圧剤が、硫黄含有量が10質量%以上の硫化油脂である前記1又は2に記載の鋼材用熱間圧延油組成物。
4.鋼材を圧延する圧延機のワークロール及びバックアップロールの少なくとも一方に、前記1~3のいずれか1項記載の鋼材用熱間圧延油組成物を、ウォーターインジェクション方式により給油することを含む、鋼材の熱間圧延方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の鋼材用熱間圧延油組成物は、従来の熱間圧延油と比較して、高温下での摩擦係数低下効果が優れている。本発明の熱間圧延油組成物はまた、金属表面への付着性に優れるため、実機使用時に効果を得やすい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(A)40℃における動粘度が100~700mm
2
/sであるパラフィン系鉱油
本発明の成分(A)の40℃における動粘度は、100~700mm
2
/sであり、好ましくは300~600mm
2
/sであり、より好ましくは350~500mm
2
/sである。40℃における動粘度がこのような範囲であることにより、組成物全体の40℃動粘度を50~300mm
2
/sとすることができる。
パラフィン系鉱油はナフテン系鉱油に比べ高温下での潤滑性が良好である。環分析(n-d-M法)による%CPが、好ましくは50以上、より好ましくは55以上、さらに好ましくは60以上であり、好ましくは90以下、より好ましくは85以下である。このような%CPを有するパラフィン系鉱油を使用することにより、潤滑性がより良好となる。
成分(A)としては、潤滑性と組成物全体の40℃動粘度の観点から、40℃における動粘度が350~500mm
2
/sであり、かつ%CPが60~85であるパラフィン系鉱油が特に好ましい。
成分(A)の質量比率は、組成物全体に対して、35~80質量%、好ましくは42~80質量%、より好ましくは45~80質量%である。このような比率で成分(A)を含むことにより、潤滑性がさらに良好かつ安価となる。
【0008】
(B)植物油
本発明の成分(B)は、植物油としては、菜種油、大豆油、米油、蓖麻子油、椰子油、パーム油、パームオレイン油及びこれらの混合物などが挙げられる。
本発明の成分(B)としては、潤滑性及び経済性の観点から、菜種油、大豆油、米油、パームオレイン油又はこれらの混合物が好ましい。成分(B)の全質量を基準として少なくとも45質量%の菜種油を含む混合油がより好ましい。成分(B)の全質量を基準として少なくとも45質量%の菜種油と、少なくとも25質量%の大豆油とを含む混合油がさらに好ましい。菜種油と、大豆油と、パームオレイン油と、米油等のその他の植物油との混合油が特に好ましい。とりわけ、成分(B)の全質量を基準として40~60質量%の菜種油と、20~45質量%の大豆油と、1~15質量%のパームオレイン油と、残部が米油等のその他の植物油との混合油が好ましい。
成分(B)の質量比率は、組成物全体に対して、15~60質量%、好ましくは15~55質量%、より好ましくは15~50質量%である。このような比率で成分(B)を含むことにより、潤滑性がさらに良好となる。
【0009】
(C)硫黄系極圧剤
本発明の(C)硫黄系極圧剤としては、硫化油脂、硫化オレフィン、ポリスルフィド等の硫黄系化合物、及びこれらの混合物などが挙げられる。
本発明で使用することのできる硫化油脂は、硫化エステルともいい、脂肪酸グリセリンエステルおよび脂肪酸エステルの硫化物をいう。本発明で用いる硫化油脂は、潤滑性の観点から、硫黄含有量が好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であって、好ましくは20質量%以下であるものが好ましい。なお、硫黄含有量は、JIS K 2541-3に従い測定することができる。
代表的な化合物は、下記式(1)又は(2)により表される(式中、Rは炭化水素基であり、xは1以上の数である)。
硫化油脂は、公知の方法により合成しても市販品を用いても良い。市販の硫化油脂としては、MAYSPERM 2011LV(Dover Chemical社)、DAILUBE FS-150(DIC(株))、DAILUBE S-290(DIC(株))、DAILUBE S-310KD(DIC(株))、DAILUBE GS-110(DIC(株))、DAILUBE S-285(DIC(株))等があげられる。
【0010】
本発明で使用することのできる硫化オレフィンは、下記式で示すことができる。
R
1
S-(Sx-R
2
-Sy)n-R
1
(式中xは0または1又は2の整数、yは1~3の整数、nは1~10の整数を表し、R
1
およびR
2
は、それぞれ独立して炭素原子数4~10の飽和又は不飽和炭化水素基を表す。)
硫化オレフィンは、公知の方法により合成しても市販品を用いても良い。市販品として、ANGLAMOL33(日本ルブリゾール(株))、NA-LUBE EP-5120(KING IND USTRIES社)、NA-LUBE EP-5130LC(KING INDUSTRIES社)、NA-LUBE EP-5415(KING INDUSTRIES社)、DAILUBE GS-420(DIC(株))、DAILUBE GS-440LS(DIC(株))、ADDITIN RC2540(Lanxess社)等があげられる。
(【0011】以降は省略されています)
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