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公開番号
2024170999
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2023087822
出願日
2023-05-29
発明の名称
グリース組成物
出願人
協同油脂株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10M
169/00 20060101AFI20241204BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】低トルク性を有すると同時に、油膜形成不足によって生じる表面起点型はく離を改善し、さらに低温下における微小振動下でのフレッチング摩耗を抑制することのできる車輪用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】(a)基油、(b)増ちょう剤、及び(c)添加剤を含有する自動車の車輪用軸受用グリース組成物であって、
(a)基油の100℃における動粘度が3~9mm
2
/sであり、
(c)添加剤が、(c1)ジアルキルジチオリン酸金属塩と、(c2)有機スルホン酸金属塩と、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物とを含み、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物が、2(3H)-ベンゾチアゾールチオン、及び2,5-ビス(アルキルジチオ)-1,3,4-チアジアゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、前記自動車の車輪用軸受用グリース組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)基油、(b)増ちょう剤、及び(c)添加剤を含有する自動車の車輪用軸受用グリース組成物であって、
(a)基油の100℃における動粘度が3~9mm
2
/sであり、
(c)添加剤が、(c1)ジアルキルジチオリン酸金属塩と、(c2)有機スルホン酸金属塩と、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物とを含み、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物が、2(3H)-ベンゾチアゾールチオン、及び2,5-ビス(アルキルジチオ)-1,3,4-チアジアゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、
前記自動車の車輪用軸受用グリース組成物。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
(c1)ジアルキルジチオリン酸金属塩が、亜鉛塩又はモリブデン塩である請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項3】
(c2)有機スルホン酸金属塩が、カルシウム塩又は亜鉛塩である請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項4】
(a)基油が、合成油であるか、又は合成油と鉱油との混合油である、請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項5】
(b)増ちょう剤が、下記式(1)で示されるジウレア化合物である、請求項1に記載のグリース組成物。
R2-NHCONH-R1-NHCONH-R3 (1)
(式中、R1は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基であり、R2及びR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数6~30のアルキル基、炭素原子数6又は7のアリール基、又はシクロヘキシル基である。)
【請求項6】
(b)増ちょう剤が、式(1)中、アルキル基とシクロへキシル基の総モル数に対するアルキル基のモル数の割合[{(アルキル基の数)/(シクロヘキシル基の数+アルキル基の数)}×100]が10~100モル%であるジウレア化合物である、請求項5に記載のグリース組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載のグリース組成物を封入した自動車の車輪用軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本件は、低トルク性を有し、表面起点型のはく離によるはく離寿命及び低温下における耐フレッチング性に優れる自動車の車輪用軸受用グリース組成物、及び前記グリース組成物を封入した自動車の車輪用軸受に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、消費電力削減の観点から、自動車を始め、各産業で使用される電気機器や機械部品は、高効率化が求められており、部品の軽量化や構造の改良など、種々の検討がなされている。自動車の高効率化の手法のひとつとしては、自動車の車輪用軸受のトルク低減が重要となっている。
さらに、自動車は鉄道やトラックで運搬される場合が多く、この運搬時、レールの継ぎ目や悪路が起因した微小振動が発生し、グリースが塗布された潤滑部品にフレッチング摩耗が発生する場合がある。特に低温環境下では、グリースの基油が流動しにくくなることから、潤滑部へのグリースの流入性が不足してしまい、このフレッチング摩耗が発生してしまう。このフレッチング摩耗の対策として、耐フレッチング性に優れたグリースを使用することが図られている。
従来のグリースのトルク低減の方法としては、動粘度の低い基油を用いることや(非特許文献1)、グリースを軟らかくすることで、グリースの撹拌抵抗を低減させる手段がある。
【0003】
基油の動粘度を下げると、グリースの撹拌抵抗が低くなるためトルクを低減することができるが、油膜形成不足による表面起点はく離や、蒸発による潤滑寿命の低下を引き起こし、軸受としての寿命を全うできなくなる。また、グリースを軟らかくすると、グリースが外部へ漏れやすくなってしまうことから、潤滑寿命の低下を引き起こし軸受としての寿命を全うできなくなる。
また、従来の表面起点はく離の対策としては、動粘度の高い基油を使用し十分な油膜厚さを形成する手法以外として、例えば特許文献1では、下記に示す一般式のジウレア系増ちょう剤を使用したグリース組成物が、潤滑する両面の直接接触を有効に防止し、耐はく離性を向上させることができることを提案している。
R2-NHCONH-R1-NHCONH-R3
(式中、R1は炭素数6~15の2価の炭化水素基を示し、R2及びR3はフェニル基および/又はシクロヘキシル基であり、R2、R3のシクロヘキシル基/(シクロヘキシル基+フェニル基)は0.85~0.50(モル比)である)
しかし、動粘度の高い基油では低トルク性を満足することはできず、また、特許文献1記載の増ちょう剤でも、低トルク性を満足することはできない。
【0004】
また、添加剤での表面起点はく離の対策がなされており、例えば特許文献2では、酸化亜鉛、亜硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム及び炭酸カルシウム等の典型金属の酸化物や炭酸塩の使用が提案されている。しかし、上記添加剤はいずれも固体の添加剤であり、グリース中の固体成分量が増加し、撹拌抵抗の増大を招くため、低トルク性を満足することはできない。
フレッチングは、微小振幅下で発生する表面損傷であり、大気中では酸化摩耗粉を生成し、そのアブレッシブ作用により激しい摩耗を生じることが多いといわれている(非特許文献2)。フレッチングの防止対策としては、(1)相対滑り量の低減、(2)両面の分離、直接接触の防止、(3)リン酸塩被膜などの接触面の被覆又は潤滑油・グリースの供給による表面間の凝着の防止等が提案されている(非特許文献2)。耐フレッチング性に優れたグリース組成物として、ウレア系増ちょう剤、基油、ホスホロチオエート系化合物及びアミン系化合物を含有するグリース組成物が開示されている(特許文献3)。しかし、従来よりも厳しい条件(低温:-30℃、振幅:小)でのフレッチング摩耗抑制は十分ではなく、上記従来技術よりも更なるフレッチング摩耗の改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4809793号
特許第5738712号
特許第5350597号
【非特許文献】
【0006】
石川寛朗:ハブユニット軸受の技術動向とトライボロジー、トライボロジスト、第54巻 第9号 2009、580~585
山本雄二ら:トライボロジー、理工学社、1998年2月28日発行、201~203頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低トルク性を有すると同時に、油膜形成不足によって生じる表面起点型はく離を改善し、さらに低温下における微小振動下でのフレッチング摩耗を抑制することのできる車輪用グリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記自動車の車輪用軸受の低トルク性、表面起点型はく離によるはく離寿命の改善、及び低温下における微小振動下の耐フレッチング性の課題に対し、基油の動粘度の範囲と適切な添加剤を選定することでこれらを改善した。すなわち、本発明により以下のグリース組成物を提供する。
1.(a)基油、(b)増ちょう剤、及び(c)添加剤を含有する自動車の車輪用軸受用グリース組成物であって、
(a)基油の100℃における動粘度が3~9mm
2
/sであり、
(c)添加剤が、(c1)ジアルキルジチオリン酸金属塩と、(c2)有機スルホン酸金属塩と、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物とを含み、(c3)窒素及び硫黄含有複素環式化合物が、2(3H)-ベンゾチアゾールチオン、及び2,5-ビス(アルキルジチオ)-1,3,4-チアジアゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、
前記自動車の車輪用軸受用グリース組成物。
2.(c1)ジアルキルジチオリン酸金属塩が、亜鉛塩又はモリブデン塩である前記1に記載のグリース組成物。
3.(c2)有機スルホン酸金属塩が、カルシウム塩又は亜鉛塩である前記1又は2に記載のグリース組成物。
4.(a)基油が、合成油であるか、又は合成油と鉱油との混合油である、前記1~3のいずれかに記載のグリース組成物。
5.(b)増ちょう剤が、下記式(1)で示されるジウレア化合物である、前記1~4のいずれかに記載のグリース組成物。
R2-NHCONH-R1-NHCONH-R3 (1)
(式中、R1は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基であり、R2及びR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数6~30のアルキル基、炭素原子数6又は7のアリール基、又はシクロヘキシル基である。)
6.(b)増ちょう剤が、式(1)中、アルキル基とシクロへキシル基の総モル数に対するアルキル基のモル数の割合[{(アルキル基の数)/(シクロヘキシル基の数+アルキル基の数)}×100]が10~100モル%であるジウレア化合物である、前記5に記載のグリース組成物。
7.前記1~6のいずれか1に記載のグリース組成物を封入した自動車の車輪用軸受。
【発明の効果】
【0009】
本発明のグリース組成物は、低トルク性を有し、表面起点型のはく離によるはく離寿命及び低温下における耐フレッチング性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
転がり4球試験の概略図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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