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公開番号2024148323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061369
出願日2023-04-05
発明の名称ガスタービンの排気車室の補修方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02C 7/00 20060101AFI20241010BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ストラットカバーの補修が比較的容易となるガスタービンの排気車室の補修方法を提供する。
【解決手段】ストラットカバーは、内部にストラットが挿通される中空翼形部と、中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、湾曲部を含み、排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、を有する。中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外す。流路内における燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを流路内に挿入する。上流側フレア部材と下流側フレア部材とを接続することで新規のフレア部である第2フレア部を形成する。第2フレア部を中空翼形部における一方側の端部及び流路形成部材に接続する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンの排気車室の補修方法であって、
前記排気車室は、前記排気車室の車室壁と前記車室壁の径方向内側に配置されるベアリングケースとを連結するストラットの外表面を覆うストラットカバーを備え、
前記ストラットカバーは、
内部に前記ストラットが挿通される中空翼形部と、
前記中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、前記中空翼形部から前記軸方向に離れるにつれて前記中空翼形部の中心軸からの距離が増加する外表面を有する湾曲部を含み、前記排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、
を有し、
前記中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外し、
前記流路内における前記燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを前記流路内に挿入し、
前記上流側フレア部材と前記下流側フレア部材とを接続することで新規の前記フレア部である第2フレア部を形成し、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する、
ガスタービンの排気車室の補修方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続することに先立って、前記流路内において前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する、
請求項1に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項3】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さと異なる、
請求項2に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項4】
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項3に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項5】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、重ね継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項6】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより短い、
請求項5に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項7】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、重ね継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって重ね継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項8】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより長い、
請求項7に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項9】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、突合せ継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項10】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより長い、
請求項9に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンの排気車室の補修方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮空気および燃料を用いて高温高圧の燃焼ガスを発生させる燃焼器と、上記燃焼ガスにより回転駆動して回転動力を生み出すタービンと、タービンを回転駆動させた燃焼ガスが送られる排気車室と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。タービンを回転駆動させた燃焼ガスは、排気車室のディフューザ流路において静圧に変換される。上記ディフューザ流路は、筒状の外側ディフューザと、外側ディフューザの内側に設けられた筒状の内側ディフューザと、により画定されている。
【0003】
特許文献1では、ストラットは、排気車室の外形を形成する車室壁と、ロータを支持する軸受部を内部に収容するベアリングケースと、に連結されている。上記車室壁は、外側ディフューザの外側に設けられ、上記ベアリングケースは、内側ディフューザの内側に設けられる。このため、ストラットは、ディフューザ流路を横断するように配置される。
【0004】
特許文献1では、ストラットカバーは、ストラットを覆うとともに、ストラットとの間に冷却空気の流路を形成する。上記ストラットカバーは、その外端が外側ディフューザに連結され、その内端が内側ディフューザに連結されている。ストラットカバーの外端や内端は、その外形を大きく膨出させたフレア形状を有するフレア部を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-57302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外側ディフューザや内側ディフューザは、ディフューザ流路を燃焼ガスが流動することで振動し、外側ディフューザと内側ディフューザとを連結するストラットカバーには振動により応力(振動応力)が発生する。また、ストラットカバーに燃焼ガスが衝突することにより応力(衝撃応力)が発生する。
近年、ガスタービンの高出力化に伴い、ディフューザ流路を流れる燃焼ガスの温度が高温となることがある。外側ディフューザや内側ディフューザ、ストラットカバーも、燃焼ガスから熱が伝達されて高温となることがある。このような高温環境下においては、特にフレア部に発生する応力による高サイクル疲労によって、フレア部が破損や損傷するリスクが高まる。そのため、フレア部を交換する補修を行うことがある。
しかし、既設のストラットカバーからフレア部を取り外して新たなフレア部を取り付ける作業をガスタービンが設置された現地にて行うことは比較的難しい。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、ストラットカバーの補修が比較的容易となるガスタービンの排気車室の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの排気車室の補修方法は、
ガスタービンの排気車室の補修方法であって、
前記排気車室は、前記排気車室の車室壁と前記車室壁の径方向内側に配置されるベアリングケースとを連結するストラットの外表面を覆うストラットカバーを備え、
前記ストラットカバーは、
内部に前記ストラットが挿通される中空翼形部と、
前記中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、前記中空翼形部から前記軸方向に離れるにつれて前記中空翼形部の中心軸からの距離が増加する外表面を有する湾曲部を含み、前記排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、
を有し、
前記中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外し、
前記流路内における前記燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを前記流路内に挿入し、
前記上流側フレア部材と前記下流側フレア部材とを接続することで新規の前記フレア部である第2フレア部を形成し、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、ストラットカバーの補修が比較的容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態にかかるガスタービンの概略構成図である。
一実施形態にかかる排気車室の軸線を含む概略断面図である。
一実施形態にかかる排気車室を軸方向から視た状態を示す概略図である。
一実施形態にかかるストラットカバーの概略分解斜視図である。
図2中のA部の拡大図である。
図2中のA部の拡大図に相当する他の実施形態に係る図である。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの排気車室の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。
上流側フレア部材と下流側フレア部材とをディフューザ流路内に挿入する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
上流側フレア部材及び下流側フレア部材の中空翼形部の軸方向の長さを調節する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
第2フレア部を形成する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
第2フレア部を中空翼形部及び流路形成部材に接続する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
第2フレア部を本溶接する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
第2フレア部と中空翼形部とで構成する溶接継手の種類が突合せ継手である場合について示す図である。
第2フレア部と中空翼形部とで構成する溶接継手の種類が重ね継手である場合について示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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