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公開番号2024144233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024043067
出願日2024-03-19
発明の名称活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 65/329 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】活性化純度が高く、かつ熱履歴の増加による多分散度の上昇を抑制でき、工業的に実施可能なポリエチレングリコール誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】生体関連物質と反応可能な官能基または前記官能基の前駆体を末端に有する活性化ポリエチレングリコール誘導体を製造する方法であって、工程(A)、工程(B)および工程(C)を有する。
工程(A):カルボキシル基、メルカプト基、水酸基およびアミノ基からなる群より選ばれた一種以上を末端に有するポリエチレングリコール化合物の粉粒体を0℃以上、50℃以下の雰囲気下で乾燥し、水分値0.10質量%以下の乾燥粉粒体を得る工程
工程(B):工程(A)で得られた乾燥粉粒体に対して、水分の質量が200ppm以下である有機溶剤を添加し、乾燥粉粒体を有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程
工程(C):工程(B)で得られた溶液に含まれるポリエチレングリコール化合物と活性化剤を反応させ、活性化ポリエチレングリコール誘導体を得る工程
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
生体関連物質と反応可能な官能基または前記官能基の前駆体を末端に有する活性化ポリエチレングリコール誘導体を製造する方法であって、下記工程(A)、工程(B)および工程(C)を有することを特徴とする、活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
工程(A): カルボキシル基、メルカプト基、水酸基およびアミノ基からなる群より選ばれた一種以上を末端に有するポリエチレングリコール化合物の粉粒体を0℃以上、50℃以下の雰囲気下で乾燥し、水分値が0.10質量%以下の乾燥粉粒体を得る工程
工程(B): 前記工程(A)で得られた前記乾燥粉粒体に対して、水分の質量が200ppm以下である有機溶剤を添加し、前記乾燥粉粒体を前記有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程
工程(C):前記工程(B)で得られた前記溶液に含有される前記ポリエチレングリコール化合物と活性化剤を反応させ、活性化ポリエチレングリコール誘導体を得る工程
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記有機溶剤が非プロトン性溶剤であることを特徴とする、請求項1記載の活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
【請求項3】
前記工程(A)における前記粉粒体の平均粒径が0.1μm以上、10mm以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記工程(A)における前記ポリエチレングリコール化合物の数平均分子量が2,000ダルトン以上、80,000ダルトン以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記活性化ポリエチレングリコール誘導体が以下の式(1)で表されることを特徴とする、請求項1または2記載のポリエチレングリコール誘導体の製造方法。
PEG-X・・・(1)
(式(1)中、
PEGは、直鎖構造または分岐構造を有するポリエチレングリコール部であり、
Xは、生体関連物質と反応可能な官能基または官能基の前駆体である。)
【請求項6】
前記活性化剤が、炭酸ジスクシンイミジル、p-ニトロフェニルクロロホルメート、炭酸ジ(1-ベンゾトリアゾリル)、トリクロロフェニルクロロホルメート、炭酸p-ニトロフェニルスクシンイミジル、炭酸p-ニトロフェニル1-ベンゾトリアゾリル、ペンタフルオロフェニルクロロホルメート、1,1’-カルボニルジイミダゾール、無水コハク酸、無水グルタル酸、ハロゲン化メタンスルホニル、ハロゲン化トリフルオロメタンスルホニル、ハロゲン化p-トルエンスルホニル、6-ハロゲン化ヘキサン酸アルキル、アゾジカルボン酸エステル、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN-ヒドロキシコハク酸イミドからなる群より選ばれた一種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のポリエチレングリコール誘導体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化ポリエチレングリコール誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ホルモンやサイトカイン、酵素などの生体関連物質などを用いた医薬品は、通常生体内へ投与されると、腎臓における糸球体濾過や肝臓や脾臓などにおけるマクロファージによる取り込みによって、生体内から速やかに排出されてしまう。そのため血中半減期が短く、十分な薬理効果を得ることが困難であることが多い。この問題を解決するため、生体関連物質にポリエチレングリコール(以下、「PEG」と呼ぶことがある)などの水溶性ポリマーを化学修飾する試みが行われている。その結果、分子量の増大や水和層の形成などにより生体関連物質の血中半減期を延長することが可能となる。また、これらの修飾により、生体関連物質の毒性や抗原性の低下、凝集性の改善などの効果が得られることも良く知られている。
【0003】
活性化ポリエチレングリコール誘導体は、通常、修飾するタンパク質などの表面に存在するアミノ基、メルカプト基、カルボキシ基、不飽和結合などの官能基と化学的に結合する活性基を、ポリエチレングリコール鎖の末端に有する。例えば、アミノ基に対して修飾させる場合は、ホルミル基、エポキシ基、p-ニトロフェニルエステル基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基などの活性基をポリエチレングリコール鎖の末端に有する。メルカプト基に対しては、メルカプト基、マレイミジル基、置換マレイミジル基、アリル基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基などの活性基をポリエチレングリコール鎖の末端に有する。カルボキシル基に対しては、メルカプト基、アミノ基などの活性基をポリエチレングリコール鎖の末端に有する。不飽和結合に対しては、メルカプト基などの活性基をポリエチレングリコール鎖の末端に有する。
【0004】
薬剤の修飾に用いられる活性化ポリエチレングリコール誘導体は、薬剤の均一性の観点から、薬剤の血中滞留性、免疫原性、薬効などのばらつきを抑えるために、多分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が小さい高純度品を用いる必要がある。また、活性化ポリエチレングリコール誘導体合成時の反応性官能基への転換率は、PEG系不純物や異なる結合を有するPEG化製剤などの副生を抑制するため、高いことが好ましい。
【0005】
生体関連物質と反応可能な官能基またはその前駆体を末端に有する活性化ポリエチレングリコール誘導体は、水酸基やアミノ基などを末端に有するポリエチレングリコール化合物原料と、低分子化合物である活性化剤を反応させることによって、得られる。
【0006】
しかし、活性化剤の中には加水分解性を有し、反応系内の水と鋭敏に反応し失活してしまうものがある。活性化剤が失活すると、活性化ポリエチレングリコール誘導体の純度の低下につながり、また失活を見越して過剰量の活性化剤を添加することは活性化剤由来の不純物も増大し、ひいては精製工程の負荷の増大につながることから、最小限に留める必要がある。
【0007】
カルボキシル基、メルカプト基、水酸基もしくはアミノ基などを末端に有するポリエチレングリコール化合物の性状は、硬いワックス状、それを荒く砕いたフレーク状、粉粒体、など多様である。水酸基を末端に有するポリエチレングリコール化合物は、活性水素化合物とエチレンオキサイドのアニオン重合によって得られる。重合中はほぼ無水条件であるが、重合後高温の釜から液体の状態で抜き出し、大気環境下で冷却固化する際に吸湿する。また、何らかの反応や精製を行った後のポリエチレングリコール化合物は、溶媒を用いた再沈殿等により粉粒体とすることがある。粉粒体はワックス状やフレーク状の固体よりも表面積が大きいために吸湿性が高く、製造時に乾燥を行ったとしても大気環境下で取り扱う際に水分含有量が増加しやすい。
【0008】
上述の理由から、活性化反応前のポリエチレングリコール化合物の粉粒体は、通常0.1~2質量%の水分を含有する。これは活性化反応において活性化剤の失活に影響を与えるレベルであることから、反応前に何らかの乾燥工程を実施して系内の水分量を低減させる必要がある。
【0009】
特許文献1には、ポリエチレングリコール化合物を、水と共沸混合物を形成しうる溶媒と混合して混合物を得た後、共沸蒸留により混合物を乾燥し、次いで溶液中のポリエチレングリコール化合物を活性化することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2013-227543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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