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公開番号2024127824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024032640
出願日2024-03-05
発明の名称ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 65/335 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高純度のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程(A)、(B)、(C)および(D)を順に実施することを特徴とする、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
工程(A):ポリアルキレンオキシド化合物とリン脂質とを、アルカリ金属塩の存在下、有機溶媒中にて反応させる工程
工程(B):前記工程(A)の反応物の溶液に対して、アルミニウム元素とマグネシウム元素との少なくとも一方を含有する無機吸着剤を添加して撹拌する工程
工程(C):工程(B)で得られたポリアルキレンオキシド修飾リン脂質に有機溶剤を添加した後、多価カルボン酸の水溶液を添加して撹拌する工程
工程(D):工程(C)で得られたポリアルキレンオキシド修飾リン脂質溶液にナトリウム金属塩のアルカリ性水溶液を添加して撹拌する工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(A)、工程(B)、工程(C)および工程(D)を順に実施することを特徴とする、下記式(1)で示されるポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
工程(A):
下記式(2)で示されるポリアルキレンオキシド化合物と下記式(3)で示されるリン脂質とを、アルカリ金属塩の存在下、有機溶媒中にて反応させることで反応物を得る工程
工程(B):
前記工程(A)の前記反応物の溶液に対して、アルミニウム元素とマグネシウム元素との少なくとも一方を含有する無機吸着剤を添加して撹拌することによって、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を得る工程
工程(C):
工程(B)で得られた前記ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質に有機溶剤を添加した後、多価カルボン酸の水溶液を添加して撹拌することで、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質溶液を得る工程
工程(D):
工程(C)で得られた前記ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質溶液にナトリウム金属塩のアルカリ性水溶液を添加して撹拌する工程
TIFF
2024127824000007.tif
76
125
(式(1)中、


COおよびR

COは、それぞれ独立して、炭素数4~24のアシル基を示し、
kは1~6であり、


Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、
nは炭素数2~4のオキシアルキレン基R

Oの平均付加モル数であって、10~800であり、
Xは炭素数1~3の2価の炭化水素基または-C(=O)(CH

)q-であり(qは1~4である)、
pは0または1であり、pが0の場合、Yは水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、pが1の場合、Yは、水素原子、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、グリシジル基、マレイミド基、チオール基、tert-ブトキシアミド基、9-フルオレニルメチルオキシアミド基、メチルエステル基またはS-t-ブチルジスルフィド基である。)
TIFF
2024127824000008.tif
27
123
(式(2)中、


Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、
nは炭素数2~4のオキシアルキレン基R

Oの平均付加モル数であって、10~800であり、
Xは炭素数1~3の2価の炭化水素基または-C(=O)(CH

)q-であり(qは1~4である)、
pは0または1であり、pが0の場合、Yは水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、
pが1の場合、Yは、水素原子、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、グリシジル基、マレイミド基、チオール基、tert-ブトキシアミド基、9-フルオレニルメチルオキシアミド基、メチルエステル基またはS-t-ブチルジスルフィド基であり、
Zは、式(3)で示されるリン脂質のアミノ基との反応性置換基である。)
TIFF
2024127824000009.tif
72
123
(式(3)中、


COおよびR

COは、それぞれ独立して、炭素数4~24のアシル基を示し、
kは1~6である。)
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記式(2)において、R

Oがオキシエチレン基であることを特徴とする、請求項1記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
【請求項3】
式(3)で示される前記リン脂質がホスファチジルエタノールアミンであることを特徴とする、請求項1または2記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
【請求項4】
前記無機吸着剤が、ケイ酸アルミニウムとマグネシウム・アルミニウム酸化物との少なくとも一方を含有する金属酸化物からなり、前記無機吸着剤の比表面積が50m

/g以上、200m

/g以下であることを特徴とする、請求項1または2記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
【請求項5】
前記多価カルボン酸が、クエン酸、イソクエン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミン二酢酸および1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸からなる群より選ばれた一種以上であることを特徴とする、請求項1または2記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
【請求項6】
前記多価カルボン酸がクエン酸であることを特徴とする、請求項5記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。
【請求項7】
前記多価カルボン酸の水溶液中の多価カルボン酸の濃度が、0.1重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする、請求項1または2記載のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、抗癌剤等を内封したリポソーム製剤の研究が広く行われてきており、その血中滞留性を向上する目的で水溶性高分子によるリポソーム表面の修飾が行われている。その一つとして、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質が用いられている。このポリアルキレンオキシド修飾リン脂質は医薬用途で使用するため、限りなく不純物が少ないか、または不純物が存在しないことが好ましい。
【0003】
このようなポリアルキレンオキシド修飾リン脂質は、例えばポリアルキレンオキシドとリン脂質を反応させることにより合成される。この合成したポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の精製法としては、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどが利用されている(非特許文献1参照)。
【0004】
しかし、これら非特許文献1に記載のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを利用すると、設備の関係上、一度に精製できる量が限られる、使用溶媒量が多量である点から工業的生産に好ましくない。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を実施した場合、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質に含まれる対イオンであるナトリウムイオンの一部が、シリカゲル由来の金属であるカルシウムイオン等に置換される場合がある。
【0005】
一方、特許文献1では、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの代わりに、アルミニウム元素および/またはマグネシウム元素を含有する化合物からなる無機吸着剤を用いて、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を精製する方法が開示されている。上記無機吸着剤を用いて精製することで、高純度のポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を効率的に得ることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
M.C.Woodle (Biochimica et Biophysica Acta, 1105, 193-200 (1992)
【特許文献】
【0007】
特開2002-363278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、アルミニウム元素および/またはマグネシウム元素を含有する化合物からなる無機吸着剤を用いて精製を行うと、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質に含まれる対イオンであるナトリウムイオンの一部が、無機吸着剤由来の金属であるアルミニウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンに置換される場合がある。置換されたアルミニウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンをナトリウムイオンへ再置換するためには、一般的には例えばイオン交換樹脂が考えられる。
【0009】
しかし、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質においては、リン脂質の上記金属イオンへの配位能が高いため、イオン交換樹脂を用いてアルミニウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンをナトリウムイオンへ再置換することは困難であることがわかった。また、対イオンとしてアルミニウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンを含んだポリアルキレンオキシド修飾リン脂質は水溶解性が低く、水に溶解させた場合に濁りを生じることがある。
【0010】
以上より、近年求められているさらに高純度なポリアルキレンオキシド修飾リン脂質の効率的な工業的製法は確立されていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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