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公開番号2024143318
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055931
出願日2023-03-30
発明の名称メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の遺伝子多型を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブ
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C12Q 1/6876 20180101AFI20241003BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の遺伝子多型を検出することができるオリゴヌクレオチドプローブを提供すること。
【解決手段】MTHFRの677位における遺伝子多型を検出するために用いられる、以下の特徴(A)及び(B)を有するオリゴヌクレオチドプローブ。
(A)特定の6種類の配列のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも15塩基以上の塩基配列、或いはそれらの塩基配列において一又は数個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、MTHFRの677位に相当する位置の塩基が末端塩基から4塩基以上離れた位置に存在するオリゴヌクレオチドを含む。
(B)少なくとも一方の末端塩基がグアニンとの相互作用により消光する蛍光消光色素で標識されている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
MTHFRの677位における遺伝子多型を検出するために用いられる、以下の特徴(A)及び(B)を有するオリゴヌクレオチドプローブ。
(A)配列番号1~6のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも15塩基以上の塩基配列、或いはそれらの塩基配列において一又は数個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、MTHFRの677位に相当する位置の塩基が末端塩基から4塩基以上離れた位置に存在するオリゴヌクレオチドを含む。
(B)少なくとも一方の末端塩基がグアニンとの相互作用により消光する蛍光消光色素で標識されている。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記(A)のオリゴヌクレオチドが、配列番号1~6のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列からなる、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項3】
MTHFRの677位における遺伝子多型がCC型、TT型又はCT型のいずれであるかを検出するために用いられる、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項4】
前記(B)において、蛍光消光色素で標識されている少なくとも一つの末端塩基がシトシンである請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項5】
前記(B)の蛍光消光色素が、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、BODIPY及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの蛍光消光色素である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項6】
前記(B)の蛍光消光色素が、4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY-FL)、カルボキシローダミン6G、TAMRA、ローダミン6G、テトラブロモスルホンフルオレセイン(TBSF)、及び2-オキソ-6,8-ジフルオロ-7-ジヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(Pacific Blue)からなる群より選択される少なくとも1つの蛍光消光色素である、請求項5に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のプローブを用いることを特徴とする、MTHFRの677位における遺伝子多型を検出する方法。
【請求項8】
MTHFRの677位における遺伝子多型がCC型、TT型又はCT型のいずれであるかを判別する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載のプローブを含む、MTHFRの677位における遺伝子多型を検出するためのキット。
【請求項10】
配列番号7~10のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列、或いはそれらの塩基配列において一又は数個の塩基の相違を有する塩基配列を含むプライマーと、
配列番号11~14のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列、或いはそれらの塩基配列において一又は数個の塩基の相違を有する塩基配列を含むプライマーとを含むプライマーセットであって、
一方のプライマーが他方のプライマーの核酸伸長生成物に相補的であるプライマーセットを更に含む、請求項9に記載のキット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(以下、MTHFRとも称する)の遺伝子多型を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブに関する。更に、本発明は、該オリゴヌクレオチドプローブを用いて、試料中に含まれるMTHFRの遺伝子多型を検出する方法及びその方法に用いるための試薬・キット等に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトは様々な遺伝子多型を持っており、それにより個体差が生じる。遺伝子多型とは一般的に人の個体間に1%以上の頻度で見いだされる遺伝子間の相違のことであり、そのうちの90%が遺伝子の1個の塩基が変異した1塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNPs)である。
【0003】
判明しているSNPだけでも100万種類以上あるとされており、SNPの中には、高血圧、心臓疾患、がんなどの疾患の発症と関係するものや薬剤代謝と関係するもの、ヒトの体質に関係するものなどが存在し、ヒトSNP診断の重要性は年々高まっている。
【0004】
これまでに妊娠中のリスクに関係するSNPも報告されている。妊娠中のリスク要因としては、母子の栄養不良状態、飲酒、喫煙またはホルモン剤の使用等が挙げられるが、とりわけ、葉酸代謝に関する遺伝子のSNPは母子の栄養不良状態の1つである血中高ホモシステインを引き起こす。これにより、二分脊椎を代表とする胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まることが報告されている。また、血中高ホモシステインは心血管疾患や脳卒中、認知症のリスクを高めることも明らかにされており、血中ホモシステイン代謝にかかわる葉酸代謝関連遺伝子のSNP型判定は非常に重要である。
【0005】
葉酸代謝過程において、ホモシステインは必須アミノ酸であるメチオニンが代謝されて生成されるアミノ酸であり、再メチル化経路とイオウ転移経路により代謝される。前者では、ビタミン12(B12)を補酵素とするメチオニン合成酵素(methionine synthase:MS)によりホモシステインがメチオニンに転換される。
【0006】
ホモシステインをメチオニンに代謝するために、摂取葉酸由来の5-メチルテトラヒドロ葉酸がメチル基供与体として必要である。本経路において、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸を5-メチルテトラヒドロ葉酸へ代謝する為に必須である酵素が葉酸代謝関連遺伝子の1つであるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetrahydrofolate reductase:MTHFR)であり、この経路の律速である。
【0007】
葉酸代謝関連遺伝子の多型はいくつか存在するが、その中でも、MTHFRの677番目のシトシンがチミンに置換されたMTHFR C677Tは心血管疾患や神経管閉鎖障害等の重篤疾患に関係することが明らかにされている(非特許文献1)。
【0008】
そこで、高感度な核酸増幅法を用いることで、MTHFRの遺伝子多型を検出する方法が開発されてきた(非特許文献2)。例えば、Direct Sequencing法やRFLP法があげられる。前記Direct Sequencing法は、例えば、試料の標的DNAについて、検出対象配列に相当する領域をPCR(Polymerase chain reaction)により増幅させ、その全遺伝子配列を解析する方法である。前記RFLP法は、例えば、まず、試料の標的DNAについて、検出対象配列に相当する領域をPCRにより増幅させる。そして、前記検出対象配列における目的の変異の有無により切断作用が異なる制限酵素によって、その増幅物を切断し、電気泳動することでタイピングを行う方法である。
【0009】
しかしながら、これらの方法は、例えば、試料から抽出したDNAの精製、電気泳動、制限酵素処理等が必須であるため、手間やコスト、時間がかかる。また、PCRを行った後、反応容器を一旦開封する必要がある。このため、前記増幅物が次の反応系に混入し、解析精度が低下するおそれがある。さらに、自動化が困難であるため、大量のサンプルを解析できないという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
平岡ら、葉酸代謝関連遺伝子に基づくテーラーメイド栄養学―さかど葉酸プロジェクト―、The vitamin Society of Japan、2009、83、p.264-275
三ツ口ら、メチレンテトラヒドロ還元酵素遺伝子多型C677Tと 葉酸摂取量、血清葉酸値および血漿ホモシステイン値との関連 ―葉酸添加発酵乳を用いたシングルアーム介入試験―、名古屋栄養科学雑誌、2017、3、p.25-38
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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