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公開番号2024149713
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024131644,2022544518
出願日2024-08-08,2021-08-19
発明の名称熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収縮性ラベル、及び包装体
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241010BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 主収縮方向に高い熱収縮率を有した上で、使用済みの飲料用PETボトルと一緒にリサイクルしても、良好なリサイクルPETレジンが得られる熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供すること。
【解決手段】 ジカルボン酸成分100モル%中、ジカルボン酸を95モル%以上100モル%以下、イソフタル酸を0モル%以上5モル%以下含有するとともに、かつ エチレンテレフタレートユニットが全エステルユニット100モル%中、85モル%以上98モル%以下含有し、多価アルコール成分100モル%中、ジエチレングリコールを2モル%以上15モル%以下含有する熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、所定の温湯熱収縮率を有すると共に、示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを溶融させた後に急冷し、再度昇温して測定した融解ピーク温度、結晶化発熱量、および融解発熱量が所定範囲内である熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジカルボン酸成分100モル%中、ジカルボン酸を95モル%以上100モル%以下、イソフタル酸を0モル%以上5モル%以下含有するとともに、かつ エチレンテレフタレートユニットを全エステルユニット100モル%中、85モル%以上98モル%以下含有し、多価アルコール成分100モル%中、ジエチレングリコールを2モル%以上15モル%以下含有する熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、下記要件(1)~(5)を満たす事を特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)90℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム幅方向で40%以上70%以下
(2)90℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム長手方向で-5%以上15%以下
(3)示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを300℃まで昇温して溶融させた後に急冷し、再度300℃まで昇温して得られた融解による吸熱ピーク温度が245℃以上260℃以下
(4)フィルム厚みが15μm以上50μm以下
(5)示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを300℃まで昇温して溶融させた後に急冷し、再度300℃まで昇温して得られた融解による吸熱量が10mJ/mg以上
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
フィルムの密度が1.33g/cm

以上1.39g/cm

以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項3】
フィルム厚み20μmでのヘイズが2%以上10%以下を特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを用いた熱収縮性ラベル。
【請求項5】
請求項4に記載の熱収縮性ラベルで、包装対象物の少なくとも外周の一部を被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体の製造方法。
【請求項6】
熱収縮性ラベルに用いられ、次いでPETボトルリサイクル原料に用いられることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、詳しくはPETボトルのリサイクル工程で、PETボトルと混合してリサイクルしても問題の無いリサイクルPETレジンが得られる熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収縮性ラベル、及び包装体に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル包装、キャップシール、集積包装等の用途に、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルム(所謂、熱収縮性フィルム)が広範に使用されるようになってきている。そのような熱収縮性フィルムの内、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生し、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという不具合を生じる。それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが、収縮ラベルとして広汎に利用されるようになってきており、PET容器の流通量の増大に伴って、使用量が増加している傾向にある。
【0003】
通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、幅方向に大きく収縮するものが広く利用されている。そのフィルムはテンター延伸法等によって延伸され、広幅のマスターロールを作製し、その後マスターロールを任意の幅でスリットしながら任意の巻長のロール状に巻取りフィルムロール製品とする。そのフィルムに意匠性を持たせ、商品の表示の目的で、ロール形態で印刷工程に掛けられる。印刷後は、必要な幅に再度スリットしロール状に巻き取られた後、溶剤接着によるセンターシール工程を経てチューブ状に製袋され、ロール状に巻き取られる(ラベルのロールになる)。
【0004】
チューブ状に製袋され巻き取られたラベルは、ロールから巻き出しながら必要な長さにカットされ、環状にラベルになる。環状ラベルは手かぶせ等の方法で、被包装物に装着され、スチームトンネルもしくは熱風トンネル等を通過して収縮させてラベルとなる。
【0005】
近年、環境に対する要望が強くなっている。例えばPETボトルの容器もリサイクルされ、リサイクルPETレジンとして再生され、様々なプラスチック製品に使用されている。環境への要望の高まりにより、リサイクルPETレジンの使用量は増加し、PETボトルのリサイクル比率も増加している。
【0006】
飲料用PETボトルは、内容物が無くなったPETボトル容器はリサイクルされ、リサイクルPETレジンとされているが、飲料用PETボトルへの意匠性を付与しているラベルについてはリサイクルされていないのが一般的である。
PETボトルの原料となるPETに対し、特許文献1に記載されているようなポリスチレン系熱収縮フィルムのラベルは PETに対し非相溶である。従って、リサイクルPETレジンを作る工程で、ポリスチレン系熱収縮フィルムが混合すると、リサイクルPETレジンの透明性を失い好ましくない。
特許文献2に記載されているポリエステルとポリスチレンの積層フィルムも、同様にPETと非相溶なポリスチレンが混合しており好ましくない。
特許文献3はポリエステル系熱収縮フィルムの発明であるが、空洞含有をつくる為に環状オレフィン等が混合されており、上記と同様にPETと非相溶なオレフィン系の原料が混合しており好ましくない。
【0007】
特許文献4は透明なポリエステル系熱収縮フィルムの発明であり、PETと非相溶な原料が入っていないので、リサイクルPETレジンを作る工程で透明性は損なわない。しかし一般的にポリエステル系熱収縮フィルムは 熱収縮特性を発現させるために非晶性のモノマーを添加した非晶性PET原料で生産されている。PETボトルで使用されている原料はホモPETなので、結晶性の原料である。従って、リサイクルPETレジンを作る工程で、非晶性のポリエステル系熱収縮フィルムが混合すると、出来たリサイクルPETレジンはホモPET原料として再使用は困難になり、かつ 再度PETボトルを作る原料として使用する事はできない。また結晶性の原料と非晶性の原料では密度が異なるので、2つの原料が混合して再生レジンを作る工程で、非晶原料が均一に押出しされずに、溶融押出し後のダイで、脈動やトウ切れ等のトラブルが発生しやすくなり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許5286763号公報
国際公開WO2020/021948号
特許5625912号公報
特許5633808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主収縮方向に高い熱収縮率を有した上で、使用済みの飲料用PETボトルと一緒にリサイクルしても、良好なリサイクルPETレジンが得られる熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決してなる本願発明は、以下の構成を有するものである。
1.ジカルボン酸成分100モル%中、ジカルボン酸を95モル%以上100モル%以下、イソフタル酸を0モル%以上5モル%以下含有するとともに、かつ エチレンテレフタレートユニットが全エステルユニット100モル%中、85モル%以上98モル%以下含有し、多価アルコール成分100モル%中、ジエチレングリコールを2モル%以上15モル%以下含有する熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、下記要件(1)~(5)を満たす事を特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)90℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム幅方向で40%以上70%以下
(2)90℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム長手方向で-5%以上15%以下
(3)示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを300℃まで昇温して溶融させた後に急冷し、再度300℃まで昇温して得られた融解による吸熱ピーク温度が245℃以上260℃以下
(4)示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを300℃まで昇温して溶融させた後に急冷し、再度300℃まで昇温して得られた結晶化による発熱量が10mJ/mg以上
(5)示差走査熱量計(DSC)を用いてフィルムを300℃まで昇温して溶融させた後に急冷し、再度300℃まで昇温して得られた融解による吸熱量が10mJ/mg以上
2.フィルムの密度が1.33g/cm

以上1.39g/cm

以下であることを特徴とする1.に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
3.フィルム厚み20μmでのヘイズが2%以上10%以下を特徴とする1.又は2.に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
4.前記1.~3.のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを用いた熱収縮性ラベル。
5.前記4.に記載の熱収縮性ラベルで、包装対象物の少なくとも外周の一部を被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体。
6.熱収縮性ラベルに用いられ、次いでPETボトルリサイクル原料に用いられることを特徴とする、前記1.~3.のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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