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公開番号2024155122
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069555
出願日2023-04-20
発明の名称高剛性ポリエチレンテレフタレートフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】曲げ剛性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートフィルムでは、厚み15μmに換算するMD方向の曲げ剛性FaとTD方向の曲げ剛性Fbの和が0.05gf・cm2/cm以上である。特に、フィルムを構成するポリマー分子で形成される結晶に関して、小角X線散乱法で得られる結晶サイズが3.0nm以上である。このようなポリエチレンテレフタレートフィルムは、2軸延伸ポリエステルフィルムを融点(Tm)以下の高温で複数回多段延伸することで、内部分子鎖を伸長させながら結晶性を高めることで、融点付近で延伸する方法により得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物からなるフィルムであり、厚み15μmに換算するMD方向の曲げ剛性FaとTD方向の曲げ剛性Fbの和が0.05gf・cm

/cm以上であるポリエチレンテレフタレートフィルム。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
フィルムを構成するポリマー分子で形成される結晶に関して、小角X線散乱法で得られる結晶サイズが3.0nm以上である請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
【請求項3】
全方位曲げ剛性の最大値を取る方向が長手方向である、請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
【請求項4】
請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層とし、基材層の少なくともどちらか一方の表面に離型層が積層された積層フィルム。
【請求項5】
離型層はシリコーン離型成分を含有する組成物からなり、セラミックグリーンシート製造用離型フィルムとして用いられる、請求項4に記載の積層フィルム。
【請求項6】
離型層表面の最大突起高さ(P)が200nm以下であり、離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が10nm 以下である、請求項4に記載の積層フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂を用いたポリエチレンテレフタレートフィルムに関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂に代表されるポリエステルからなるフィルムは、力学的特性、耐熱性等に優れ様々な用途に展開されている。例えば、包装用途、電気絶縁用途、光学用途、磁気記録用途などに幅広く利用されている。近年、これら用途に用いられるポリエステルフィルムには、薄肉化や薄肉化に伴う高強度化がしばしば求められている。
【0003】
このような課題を解決するため、ポリエチレンテレフタレート系フィルムの強度を高くする方法として、長手方向、横2方向に延伸したフィルムを再度長手方向および横方向に延伸することで、延伸方向に高強度化させる方法が知られている。例えば特許文献1は、長手方向と幅方向に多段階で延伸することで、成形性を損なうことなく強度を向上させる方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-011786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の製法で作られた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルムは、張力による伸び変形を抑制向上しているが、延伸温度が低いため、多段延伸の延伸倍率を高く設定することができず、弾性率が低いという問題を有する。
【0006】
以上、従来技術は、長手方向および幅方向の引張弾性率を向上させ、かつ薄肉化に伴う剛性を得ることは出来なかった。
【0007】
本発明の目的は、曲げ剛性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ポリエチレンテレフタレート系フィルムに関して本願発明者らが鋭意調査した結果、本願発明者らは、2軸延伸ポリエステルフィルムを融点(Tm)以下の高温で複数回多段延伸することで、内部分子鎖を伸長させながら結晶性を高めることで、融点付近で延伸する方法を見出した。これにより、本発明の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルフィルムは剛性を向上させることに成功した。
記述すると、本発明は上記課題を解決するため、以下の構成を有する。
[項1]ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物からなるフィルムであり、厚み15μmに換算するMD方向の曲げ剛性FaとTD方向の曲げ剛性Fbの和が0.05gf・cm

/cm以上であるポリエチレンテレフタレートフィルム。
[項2]フィルムを構成するポリマー分子で形成される結晶に関して、小角X線散乱法で得られる結晶サイズが3.0nm以上である項1に記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
[項3]全方位曲げ剛性の最大値を取る方向が長手方向である、項1又は項2に記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
[項4]項1から項3のいずれか1つに記載のポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層とし、基材層の少なくともどちらか一方の表面に離型層が積層された積層フィルム。
[項5]セラミックグリーンシート製造用離型フィルムであり、離型層はシリコーン離型成分を含有する組成物からなる、項4に記載の積層フィルム。
[項6]離型層表面の最大突起高さ(P)が200nm以下であり、離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が10nm 以下である、項4に記載の積層フィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフィルムは、曲げ剛性に優れる。そのため、薄肉化でもコシ感が良く、且つ弾性率が高いため、加工時に高品位が必要とされる光学用途をはじめとした工業用途として適している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、曲げ剛性の測定方法を説明するための模式図である。
図2は、小角X線散乱法で得られる結晶サイズの測定方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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