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公開番号2024151063
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2023064185
出願日2023-04-11
発明の名称エストラジオールを半定量するためのイムノクロマトキット
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類G01N 33/543 20060101AFI20241017BHJP(測定;試験)
要約【課題】 本発明は、馬の生産現場において血清、血漿や尿などの生体試料中のエストラジオール濃度を迅速、簡便、安価に半定量することが可能なイムノクロマト測定キットを提供する。
【解決手段】 本発明は、生体試料中のエストラジオールを半定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、前記イムノクロマトストリップは、少なくとも試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材を含み、前記膜担体は、抗IgG抗体が固定化された複数のテストラインを有する測定キットである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生体試料中のエストラジオールを半定量するためのイムノクロマト測定キットであって、
前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、
前記イムノクロマトストリップは、少なくとも試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材を含み、
前記膜担体は、抗IgG抗体が固定化された複数のテストラインを有することを特徴とする測定キット。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記膜担体は、3以上5以下のテストラインを有することを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
【請求項3】
前記複数のテストラインは、上流側から下流側に向かって固定化された抗IgG抗体量を順に増加または減少させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の測定キット。
【請求項4】
前記抗IgG抗体は、抗マウスIgG抗体、抗ウサギIgG抗体、抗モルモットIgG抗体、抗ヤギIgG抗体からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
【請求項5】
前記競合試薬は、エストラジオールと化合物の複合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の測定キット。
【請求項6】
前記化合物は、ビオチンであることを特徴とする請求項5に記載の測定キット。
【請求項7】
前記含浸部材には、競合試薬に対する抗体および/または高親和物質に標識物質を結合した標識体、および抗エストラジオール抗体が含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
【請求項8】
前記競合試薬に対する抗体は、抗ビオチン抗体であることを特徴とする請求項7に記載の測定キット。
【請求項9】
前記競合試薬に対する高親和物質は、アビジンおよび/またはストレプトアビジンであることを特徴とする請求項7または8に記載の測定キット。
【請求項10】
前記生体試料は、血漿、血清、または尿であることを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料中のエストラジオールを半定量するためのイムノクロマト測定キットに関する。より詳しくは、生体試料(検体)を希釈するための検体希釈液、競合試薬およびイムノクロマトストリップからなる、生体試料中のエストラジオールを半定量するための測定キットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
日本は世界第5位のサラブレッド(競走馬)生産国である(2008年)。サラブレッド生産においては、先ず、健康で丈夫な子馬を生産することが非常に重要である。馬の妊娠期間は11か月であり、生産者は1年に1産を目指すこととなるが、交配しても不受胎に終わることも多く、また、受胎しても妊娠中に胚や胎子の死滅が5~15%の発生率で起こることが大きな問題となっている(非特許文献1、2)。万一、早期胚死滅があった場合でも、プロスタグランジンF2α投与による黄体退行処置をとることが出来れば、再発情を誘発し、同一シーズン内に再交配を行うことが可能である。従って、交配後、早期に妊娠状態を把握することは、サラブレッド生産において極めて重要である。
【0003】
馬の妊娠診断法としては、超音波による診断が最も一般的であるが、熟練した獣医師が行う必要があり、また、高価な超音波診断装置が必要であるという課題がある。一方で、妊娠馬の血中エストラジオール濃度を調べることにより、馬の妊娠状態(胎児の成長)を評価することが知られている。しかし、エストラジオールの測定法は、ガスクロマトグラフィーや、化学発光免疫測定法などであり、煩雑な操作や多大な時間がかかる問題がある。
【0004】
また、特許文献1、2には、イムノクロマト法を用いて尿中のエストラジオールを測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
日本獣医師会雑誌、2008、62:630-635
Hippophile、2012、49:34-41
【特許文献】
【0006】
特表平08-500670号公報
特開平10-115614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、血液などの生体試料中に存在するエストラジオール濃度を迅速、簡便に測定(半定量)することができる測定キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1) 生体試料中のエストラジオールを半定量するためのイムノクロマト測定キットであって、
前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、
前記イムノクロマトストリップは、少なくとも試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材を含み、
前記膜担体は、抗IgG抗体が固定化された複数のテストラインを有することを特徴とする測定キット。
(2) 前記膜担体は、3以上5以下のテストラインを有することを特徴とする(1)に記載の測定キット。
(3) 前記複数のテストラインは、上流側から下流側に向かって固定化された抗IgG抗体量を順に増加または減少させたものであることを特徴とする(1)または(2)に記載の測定キット。
(4) 前記抗IgG抗体は、抗マウスIgG抗体、抗ウサギIgG抗体、抗モルモットIgG抗体、抗ヤギIgG抗体からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の測定キット。
(5) 前記競合試薬は、エストラジオールと化合物との複合体を含むことを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の測定キット。
(6)前記化合物は、ビオチンであることを特徴とする(5)に記載の測定キット。
(7) 前記含浸部材には、競合試薬に対する抗体および/または高親和物質に標識物質を結合した標識体、および抗エストラジオール抗体が含浸されていることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の測定キット。
(8) 前記競合試薬に対する抗体は、抗ビオチン抗体であることを特徴とする(7)に記載の測定キット。
(9) 前記競合試薬に対する高親和物質は、アビジンおよび/またはストレプトアビジンであることを特徴とする(7)または(8)に記載の測定キット。
(10) 前記生体試料は、血漿、血清、または尿であることを特徴とする(1)~(9)のいずれかに記載の測定キット。
(11) 馬の妊娠状態を判定するために用いられることを特徴とする(1)~(10)のいずれかに記載の測定キット。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、馬の生産現場において生体試料中のエストラジオール濃度を迅速、簡便、安価に測定(半定量)することが可能なエストラジオール半定量用のイムノクロマト測定キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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