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公開番号2024144578
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024118879,2023068679
出願日2024-07-24,2020-12-08
発明の名称二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 透明性に優れ、コートや蒸着などの二次加工を行いやすく、二次加工後の特性にも優れ、且つペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂を用いることにより環境配慮されたポリエステルフィルムであり、異物が少なく、巻き長の長い長尺のフィルムロールであっても長手方向の物性のバラつきが少ない二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 ペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂と粒子を含むポリエステル樹脂組成物からなる二軸配向ポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の面が下記要件(1)~(3)をすべて満たす二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)面積4×10-12m2あたりの高さ3nm未満の微細突起数が250ケ以上600ケ以下である。
(2)面積4×10-12m2あたりの高さ3nm以上の微細突起数が300ケ以上600ケ以下である。
(3)算術平均高さSaが0.01μm以上0.025μm以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクルされたポリエチレンテレフタレートと粒子を含むポリエステル樹脂組成物からなる厚さが5μm以上40μm以下の二軸配向ポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の面が下記要件(1)~(4)をすべて満たす二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)面積4×10
-12

2
あたりの高さ3nm未満の微細突起数が250ケ以上600ケ以下である。
(2)面積4×10
-12

2
あたりの高さ3nm以上の微細突起数が300ケ以上600ケ以下である。
(3)算術平均高さSaが0.010μm以上0.025μm以下である。
(4)前記ポリエステル樹脂組成物中の全ジカルボン酸成分100モル%に対するイソフタル酸成分の含有率が0.02モル%以上2.0モル%以下である。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中のリサイクルされたポリエチレンテレフタレートの含有率が50質量%以上、100質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
フィルム1m
2
当たり1mm以上の欠点数が1.0個未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記リサイクルされたポリエチレンテレフタレートが少なくとも1度のアルカリ洗浄が施されてなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの前記要件(1)~(3)をすべて満たす面とその
対面の動摩擦係数が0.2以上0.60以下である請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの前記要件(1)~(3)をすべて満たす面の濡れ張力が50mN/m以上である請求項1~5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項7】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの外部ヘイズが1.8%以下であり、内部ヘイズが2%以下である請求項1~6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、二軸配向ポリエステルフィルムの機能をより高めるためのコートや蒸着といった二次加工を行うのに適しており、ペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂(以下、「ペットボトルをリサイクル使用したポリエステル樹脂」と称する場合がある)を用いることにより環境配慮されたポリエステルフィルムであると共に、巻き長の長い長尺のフィルムロールであっても長手方向の物性のバラつきの少ない二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れた機械的強度、熱的特性および光学特性等から包装用材料や工業用材料など広範囲の分野に数多く利用されている。二軸配向ポリエステルフィルムは酸素バリア性に優れるもの、一般食品用やレトルト食品用、医薬品などの包装用途においては、内容物の変質や劣化に関係する酸素バリア性、水蒸気バリア性に対する要求が高くなってきており、内容物の変質や劣化が生じてしまう問題がある。
【0003】
そのため、一般食品用やレトルト食品用、医薬品などの包装用途で使用される二軸配向ポリエステルフィルムには、印刷インキとの密着性をさらに向上させたり、酸素や水蒸気等におけるガスバリア性をさらに向上させる方策がとられている。
例えば、ガスバリア性を向上させる方法として、二軸配向ポリエステルフィルムにポリ塩化ビニリデンやポリエチレンビニルアルコール共重合体などのガスバリア性の良好な樹脂からなるフィルムを張り合わせる方法、これらの樹脂を溶解させた液をコートし、薄膜を積層する方法、あるいはアルミニウムなどの金属や酸化アルミニウムなどの金属酸化物を蒸着させ、薄膜をフィルム表面に形成させる方法がある。
【0004】
特に金属酸化物をフィルム表面に設けた蒸着ポリエステルフィルムは、ガスバリア性に加えて耐熱性や透明性の面で優れているためよく用いられている。
しかしながら、良好なガスバリア性を有する、酸化珪素や酸化アルミニウム膜などの金属酸化物薄膜をフィルム表面に設けた蒸着ポリエステルフィルムを工業的に安定して得ることは容易ではなかった。
【0005】
そこで、蒸着ポリエステルフィルムの基材に使用される二軸配向ポリエステルフィルムの表面状態を制御することにより、蒸着ポリエステルフィルムのガスバリア性を向上させることが行われており、二軸配向ポリエステルフィルムの中心面表面粗さや突起数を規定したもの(例えば、特許文献1参照。)や、二軸配向ポリエステルフィルムの中心線表面粗さを規定したもの(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0006】
さらに、特定の高さ以上の微細突起数を制御した二軸配向ポリエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
これらのフィルムはいずれも金属酸化物薄膜を設けた後のガスバリア性を向上させることのみに着目しているが、フィルム製造後にフィルムロールに巻き取る際にフィルムロールにシワやフィルムロール中のフィルム同士の密着、いわゆるブロッキングの改善は十分とは言えなかった。しかも、コートや蒸着などの二次加工後の性能も十分ではなかった。
【0008】
また、近年では、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもリサイクル原料の利用が進められている。先に述べたポリエステル樹脂においても、使用済みの飲料ペットボトルのリサイクルが行われており、その活用方法が注目されている。PETボトル再生原料を用いることによりCO2削減につながるとも言われており、地球環境の面からも少しでもペットボトル再生原料の使用比率を高めたいという要望がある。
【0009】
例えば、特許文献4では、ペットボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、温度285℃における溶融比抵抗が1.0×10
8
Ω・cm以内であり、フィルムに含まれるナトリウム含有量及びカリウム含有量が0ppmより大きく150ppm以下である二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。
かかる技術によれば、ペットボトル再生原料を作る際に使用する洗浄液成分の残存が少なく熱安定性に優れ、異物も少なく、且つ溶融時の比抵抗が安定しており、フィルムの生産性、及び品位を損なうことがない二軸配向ポリエステルフィルムが得られるというものである。
【0010】
しかしながら、良好なガスバリア性を有する、酸化珪素や酸化アルミニウム膜などの金属酸化物薄膜をフィルム表面に設けた蒸着ポリエステルフィルムについては言及されておらず、易滑性を向上させるために、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子を使用しているが、最大高さSzが大きくなり易く、二軸配向ポリエステルフィルムの表面上における、二次加工後のコート膜や無機薄膜層の抜けや欠陥が生じるという課題があり、十分に考慮されていない。また、透明性に優れ、コートや蒸着などの二次加工を行いやすく、かつ二次加工後の特性にも優れ、且つペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂を用いることにより環境配慮されたポリエステルフィルムは未だ実現されていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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