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公開番号2025085701
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2025039713,2021546380
出願日2025-03-12,2021-07-12
発明の名称透明導電性フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類H01B 5/14 20060101AFI20250529BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】タッチパネルに用いた際の軽快な操作性、優れたペン入力安定性および優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面側にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、フィルム剛軟度試験の剛軟度が0.23N・cm以上0.90N・cm以下であって、さらに透明導電性フィルムの導電面の平均最大山高さが特定式を満たし、さらに、下記の接触面積率評価で算出された値が特定式を満たす透明導電性フィルム。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面側にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、
下記のフィルム剛軟度試験の剛軟度が0.23N・cm以上0.90N・cm以下であって、さらに透明導電性フィルムの導電面の下記の平均最大山高さが下記式(2-1)および式(2-2)を満たし、さらに、下記の接触面積率評価で算出された値が式(2-3)を満た
す透
明導電性フィルム。
(フィルム剛軟度試験方法)
透明導電性フィルムから20 mm× 250 mm の試験片を採取し、透明導電層が上になるようにして試験片を表面の滑らかな水平台の上に配置する。このとき試験片の20mm×20mmの部分のみ水平台の上に置き、20mm×230mmは水平台の外に出るように置く。また、試験片の20mm×20mmの部分の上におもりを置く。このとき、試験片と水平台の間に隙間ができないように、おもりの重量、サイズを選択する。
次に、水平台の高さとフィルムの先端の高さの差、以下δ、をスケールによって読む。次に以下の式(1)に数値を代入して剛軟度を算出する。
式(1) (g×a×b×L
4
)÷8δ (N・cm)
g=重力加速度、a=試験片の短辺の長さ、b=試験片の比重、L=試験片の長さ、δ=水平台の高さとフィルムの先端の高さの差
(平均最大山高さ評価)
平均最大山高さは5点の最大山高さの平均である。5点の選び方は、まず任意の1点Aを選択する。次に、Aに対してフィルムの長手(MD)方向の上下流1cmに各1点、計2点を選択する。次に、Aに対してフィルムの幅(TD)方向の左右1cmに各1点、計2点を選択する。最大山高さは、ISO 25178に規定されるものであり、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用いて、最大山高さを求めた。また、1nm未満の値は、四捨五入によりまるめた。
(接触面積率評価)
透明導電性フィルムの導電面について、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ50倍))を用い、測定長100μm~200μmの範囲で、JIS B 0601-2001に従って算術平均粗さRaを測定する。ただし、「Rp-平均高さ-Ra≦0.20μm」と「(Rp-平均高さ)÷Ra≦5.0」のどちらか一方もしくは両方を満たし、さらにRsm≦30μmを満たすようにRaを測定する。ここで、Rp、RsmはJIS B 0601-2001に従って測定する。平均高さは測定長における高さの平均値である。前記条件を満たせない場合は、異なる点で再測定する。次に、同じ透明導電性フィルムの導電面について、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用い、さらに同測定装置にある粒子解析を使い「Ra-15nm-平均高さ」を閾値として断面積の総和を求める。断面積の総和を測定視野の面積で割った値に100をかけた値を接触面積率とする。
式(2-1) 平均最大山高さ(μm)≧4.7×剛軟度-1.8
式(2-2) 0.005(μm)≦平均最大山高さ(μm)≦12.000(μm)
式(2-3) 接触面積率(%)≧32.6×剛軟度+17.2
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記平均最大山高さ評価における最大山高さの最大値が、前記平均最大山高さの1.0倍を超え1.4倍以下であり、かつ、
前記平均最大山高さ評価における最大山高さの最小値が、前記平均最大山高さの0.6倍以上1.0倍以下である、請求項

に記載した透明導電性フィルム。
【請求項3】
透明導電膜の厚みが、10nm以上100nm以下である請求項1
又は2に
記載の透明導電性フィルム。
【請求項4】
透明導電膜に含まれる酸化スズの濃度が0.5質量%以上40質量%以下である請求項1~

のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
【請求項5】
透明導電膜と透明プラスチックフィルム基材の間に、硬化型樹脂層を有し、
さらに透明プラスチックフィルム基材の前記透明導電膜とは反対側に、機能層を有する請求項1~

のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
【請求項6】
透明プラスチックフィルム基材の少なくとも1方の側に、さらに易接着層を有する請求項1~

のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
【請求項7】
易接着層が、透明プラスチックフィルム基材と硬化型樹脂層との間、又は透明プラスチック基材と機能層との間の少なくとも1方の位置に配置される、請求項

に記載の透明導電性フィルム。
【請求項8】
以下のペン摺動耐久性試験による透明導電フィルムの透明導電膜のON抵抗が10kΩ以下である請求項1~

のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
(ペン摺動耐久性試験)
透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、5万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行う。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とする。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定する。
【請求項9】
透明導電膜の表面における、JIS K5600-5-6:1999に準じた付着性試験において、透明導電膜の残存面積率が95%以上である、請求項1~

のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明プラスチックフィルム基材上にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜を積層した透明導電性フィルム、特に、抵抗膜式タッチパネルに用いた際の軽快な操作性および優れたペン入力安定性および優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムに関するものである。
続きを表示(約 7,900 文字)【背景技術】
【0002】
透明プラスチック基材上に、透明でかつ抵抗の小さい薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のようなフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極等として、電気・電子分野の用途に広く使用されている。
【0003】
抵抗膜式タッチパネルは、ガラスやプラスチックの基板に透明導電性薄膜をコーティングした固定電極と、プラスチックフィルムに透明導電性薄膜をコーティングした可動電極(=フィルム電極)を組み合わせたものであり、表示体の上側に重ね合わせて使用されている。指やペンでフィルム電極を押して、固定電極とフィルム電極の透明導性薄膜同士を接触させることが、タッチパネルの位置認識のための入力となる。特にペンで入力する際には、ペン摺動耐久性が求められる。
また、近年では静電容量式タッチパネルが一般的になってきたため、抵抗膜式タッチパネルにおいても静電容量式タッチパネルと同様に、軽く触っても入力できることも求められている。例えば、年齢、病気、その他の理由により、指で押す力の弱い人や筆圧の弱い人に対しては、軽く触っても入力できることを強く求められると考えられる。また、タッチパネルに対して、ペンなどで触ってから離れるまでの間、タッチパネルへの入力が安定していること(=「ペン入力安定性」と定義する)も求められている。
しかし、抵抗膜式タッチパネルでは、指やペンなどでフィルム電極を押して、固定電極とフィルム電極の透明導性薄膜同士を接触させるために、ある程度の入力荷重が必要になるため、静電容量式タッチパネルのような軽快な操作感はない。また、ペン入力安定性が優れる透明導電性フィルムの特性も明確ではない。これらの問題を解決するために、軽快な操作性を有し、優れたペン入力安定性を有する透明導電性フィルムが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-071171号公報
【0005】
特許文献1に示される従来の透明導電性フィルムは、インジウム-スズ複合酸化物の結晶性を制御することでペン摺動耐久性の向上を試みている。しかし、従来の透明導電性フィルムは、後述の入力荷重試験およびペン入力安定性試験を実施すると、操作性とペン入力安定性を両立できなかった。
更に、タッチパネル等の用途において、速記性、例えば、連続して文字を入力する際に生じ得る、文字カスレの低減が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、軽快な操作性および優れたペン入力安定性および優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムを提供することにある。
更に、速記性、例えば、連続して文字を入力する際に生じ得る、文字カスレを低減できる
透明導電性フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた本発明の透明導電性フィルムとは、以下の構成よりなる。
1.透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面側にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、
以下の入力荷重試験による透明導電フィルムの入力開始荷重が3g以上15g以下であり、さらに、以下のペン入力安定性試験による透明導電性フィルムの電圧ロス時間が0.00ミリ秒以上0.40ミリ秒以下である透明導電性フィルム。
(入力荷重試験方法)
透明導電性フィルム(サイズ:220mm×135mm)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板(サイズ:232mm×151mm)上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜Aを用いる。
インジウム-スズ複合酸化物薄膜付きガラス基板、以下、ITOガラスとも称する、の透明導電性薄膜A側に、ドットスペーサーとしてエポキシ樹脂(縦60μm×横60μm×高さ5μm)を4mmピッチの正方格子状に配置する。
次に、ITOガラスの四隅の角のいずれか1つを起点として、190mm×135mmの長方形ができるようにITOガラスの透明導電性薄膜A側に両面テープ(厚み:105μm、幅6mm)を貼る。
次に、ITOガラスに貼った両面テープ上に、透明導電性フィルムの透明導電膜B側を貼り付け、透明導電性薄膜Aと透明導電膜Bとが対面するように積層する。
このとき、透明導電性フィルムの一方の短辺側が、ITOガラスからはみ出るようにする。
次にITOガラスと透明導電性フィルムをテスターでつなぐ。
次に、透明導電性フィルム側からポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)で荷重をかけていき、テスターで計測した抵抗値が安定した時の荷重値を入力開始荷重とする。
ペンで荷重をかける位置は、4つのドットスペーサーに囲まれた中心領域であり、3点における入力開始荷重の平均値を算出する。
(ペン入力安定性試験方法)
透明導電性フィルム(サイズ:220mm×135mm)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板(サイズ:232mm×151mm)上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜Aを用いる。
インジウム-スズ複合酸化物薄膜付きガラス基板、以下、ITOガラスとも称する、の透明導電性薄膜A側に、ドットスペーサーとしてエポキシ樹脂(縦60μm×横60μm×高さ5μm)を4mmピッチの正方格子状に配置する。
次に、ITOガラスの四隅の角のいずれか1つを起点として、190mm×135mmの長方形ができるようにITOガラスの透明導電性薄膜A側に両面テープ(厚み:105μm、幅6mm)を貼る。
次に、ITOガラスに貼った両面テープ上に、透明導電性フィルムの透明導電膜B側を貼り付け、透明導電性薄膜Aと透明導電膜Bとが対面するように積層する。
このとき、透明導電性フィルムの一方の短辺側が、ITOガラスからはみ出るようにする。
次にITOガラスと透明導電性フィルムに定電圧電源を接続する。次にITOガラスと透明導電性フィルムとの電圧を計測できるレコーダーを接続する。ここでは、レコーダーは電圧の時間変化を観測するために用いる。次に定電圧電源に6V印加し、レコーダーで電圧を0.02ミリ秒単位で計測開始する。次に、透明導電性フィルム側からポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)で1秒間に5回のペースで50gの荷重をかける。ペンで荷重をかける位置は、4つのドットスペーサーに囲まれた中心領域である。透明導電性フィルムにペンで荷重をかけたときの電圧の時間変化のデータをレコーダーから取り出す。ペンが透明導電性フィルムから離れ始めるときに電圧が減少するため、電圧が6Vから減少する時を起点とし、電圧が5Vになるまでの時間を測定し、電圧ロス時間として記録する。
2.下記のフィルム剛軟度試験の剛軟度が0.23N・cm以上0.90N・cm以下であって、さらに透明導電性フィルムの導電面の下記の平均最大山高さが下記式(2-1)および式(2-2)を満たし、さらに、下記の接触面積率評価で算出された値が式(2-3)を満たす上記の透明導電性フィルム。
(フィルム剛軟度試験方法)
透明導電性フィルムから20 mm× 250 mm の試験片を採取し、透明導電層が上になるようにして試験片を表面の滑らかな水平台の上に配置する。このとき試験片の20mm×20mmの部分のみ水平台の上に置き、20mm×230mmは水平台の外に出るように置く。また、試験片の20mm×20mmの部分の上におもりを置く。このとき、試験片と水平台の間に隙間ができないように、おもりの重量、サイズを選択する。
次に、水平台の高さとフィルムの先端の高さの差、以下δ、をスケールによって読む。次に以下の式(1)に数値を代入して剛軟度を算出する。
式(1) (g×a×b×L
4
)÷8δ (N・cm)
g=重力加速度、a=試験片の短辺の長さ、b=試験片の比重、L=試験片の長さ、δ=水平台の高さとフィルムの先端の高さの差
(平均最大山高さ評価)
平均最大山高さは5点の最大山高さの平均である。5点の選び方は、まず任意の1点Aを選択する。次に、Aに対してフィルムの長手(MD)方向の上下流1cmに各1点、計2点を選択する。次に、Aに対してフィルムの幅(TD)方向の左右1cmに各1点、計2点を選択する。最大山高さは、ISO 25178に規定されるものであり、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用いて、最大山高さを求めた。また、1nm未満の値は、四捨五入によりまるめた。
(接触面積率評価)
透明導電性フィルムの導電面について、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ50倍))を用い、測定長100μm~200μmの範囲で、JIS B 0601-2001に従って算術平均粗さRaを測定する。ただし、「Rp-平均高さ-Ra≦0.20μm」と「(Rp-平均高さ)÷Ra≦5.0」のどちらか一方もしくは両方を満たし、さらにRsm≦30μmを満たすようにRaを測定する。ここで、Rp、RsmはJIS B 0601-2001に従って測定する。平均高さは測定長における高さの平均値である。前記条件を満たせない場合は、異なる点で再測定する。次に、同じ透明導電性フィルムの導電面について、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用い、さらに同測定装置にある粒子解析を使い「Ra-15nm-平均高さ」を閾値として断面積の総和を求める。断面積の総和を測定視野の面積で割った値に100をかけた値を接触面積率とする。
式(2-1) 平均最大山高さ(μm)≧4.7×剛軟度-1.8
式(2-2) 0.005(μm)≦平均最大山高さ(μm)≦12.000(μm)
式(2-3) 接触面積率(%)≧32.6×剛軟度+17.2
3.前記平均最大山高さ評価における最大山高さの最大値が、前記平均最大山高さの1.0倍を超え1.4倍以下であり、かつ、
前記平均最大山高さ評価における最大山高さの最小値が、前記平均最大山高さの0.6倍以上1.0倍以下である、上記の透明導電性フィルム。
4.透明導電膜の厚みが、10~100nmである上記の透明導電性フィルム。
5.透明導電膜に含まれる酸化スズの濃度が0.5~40質量%である上記の透明導電性フィルム。
6.透明導電膜と透明プラスチックフィルム基材の間に、硬化型樹脂層を有し、
さらに透明プラスチック基材の前記透明導電膜とは反対側に機能層を有する、上記の透明導電性フィルム。
7.透明プラスチックフィルム基材の少なくとも1方の側に、易接着層を有する請求項1~5のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
8.易接着層は、透明プラスチックフィルム基材と硬化型樹脂層との間、又は透明プラスチック基材と機能層との間の少なくとも1方の位置に配置される、上記の透明導電性フィルム。
9.下記のペン摺動耐久性試験による透明導電フィルムの透明導電膜のON抵抗が10kΩ以下である上記の透明導電性フィルム。
(ペン摺動耐久性試験)
透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、5万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行う。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とする。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定する。
10.透明導電膜の表面における、JIS K5600-5-6:1999に準じた付着性試験において、透明導電膜の残存面積率が95%以上である、上記の透明導電性フィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、軽快な操作性、優れたペン入力安定性、優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムの提供が可能となる。更に、速記性、例えば、連続して文字を入力する際に生じ得る、文字カスレを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明において好適に使用されるスパッタリング装置の一例のセンターロールの位置を説明するための模式図である。
本発明の一態様における構成を示す模式図である。
本発明の一態様における構成を示す模式図である。
本発明の一態様における構成を示す模式図である。
本発明の一態様における構成を示す模式図である。
本発明の一態様における測定条件を示す模式図である。
本発明の一態様における電圧と時間の関係を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の透明導電性フィルムは、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面側にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、以下の入力荷重試験による透明導電フィルムの入力開始荷重が3g以上15g以下であり、さらに、以下のペン入力安定性試験による透明導電性フィルムの電圧ロス時間が0.00ミリ秒以上0.40ミリ秒以下である透明導電性フィルムである。
(入力荷重試験方法)
透明導電性フィルム(サイズ:220mm×135mm)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板(サイズ:232mm×151mm)上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜Aを用いる。
インジウム-スズ複合酸化物薄膜付きガラス基板、以下、ITOガラスとも称する、の透明導電性薄膜A側に、ドットスペーサーとしてエポキシ樹脂(縦60μm×横60μm×高さ5μm)を4mmピッチの正方格子状に配置する。
次に、ITOガラスの四隅の角のいずれか1つを起点として、190mm×135mmの長方形ができるようにITOガラスの透明導電性薄膜A側に両面テープ(厚み:105μm、幅6mm)を貼る。
次に、ITOガラスに貼った両面テープ上に、透明導電性フィルムの透明導電膜B側を貼り付け、透明導電性薄膜Aと透明導電膜Bとが対面するように積層する。
このとき、透明導電性フィルムの一方の短辺側が、ITOガラスからはみ出るようにする。
次にITOガラスと透明導電性フィルムをテスターでつなぐ。
次に、透明導電性フィルム側からポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)で荷重をかけていき、テスターで計測した抵抗値が安定した時の荷重値を入力開始荷重とする。
ペンで荷重をかける位置は、4つのドットスペーサーに囲まれた中心領域であり、3点における入力開始荷重の平均値を算出する。
例えば、入力開始荷重は両面テープから50mm以上離れた任意の3点を測定し平均値をとることが好ましい。また、小数点は四捨五入してもよい。
また、ペンで荷重をかける位置は、図6に示すように4つのドットスペーサーの中心領域である。
(ペン入力安定性試験方法)
透明導電性フィルム(サイズ:220mm×135mm)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板(サイズ:232mm×151mm)上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜Aを用いる。
インジウム-スズ複合酸化物薄膜付きガラス基板、以下、ITOガラスとも称する、の透明導電性薄膜A側に、ドットスペーサーとしてエポキシ樹脂(縦60μm×横60μm×高さ5μm)を4mmピッチの正方格子状に配置する。
次に、ITOガラスの四隅の角のいずれか1つを起点として、190mm×135mmの長方形ができるようにITOガラスの透明導電性薄膜A側に両面テープ(厚み:105μm、幅6mm)を貼る。
次に、ITOガラスに貼った両面テープ上に、透明導電性フィルムの透明導電膜B側を貼り付け、透明導電性薄膜Aと透明導電膜Bとが対面するように積層する。
このとき、透明導電性フィルムの一方の短辺側が、ITOガラスからはみ出るようにする。
次にITOガラスと透明導電性フィルムに定電圧電源を接続する。次にITOガラスと透明導電性フィルムとの電圧を計測できるレコーダーを接続する。ここでは、レコーダーは電圧の時間変化を観測するために用いる。次に定電圧電源に6V印加し、レコーダーで電圧を0.02ミリ秒単位で計測開始する。次に、透明導電性フィルム側からポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)で1秒間に5回のペースで50gの荷重をかける。 ペンで荷重をかける位置は、4つのドットスペーサーに囲まれた中心領域である。透明導電性フィルムにペンで荷重をかけたときの電圧の時間変化のデータをレコーダーから取り出す。ペンが透明導電性フィルムから離れ始めるときに電圧が減少するため、電圧が6Vから減少する時を起点とし、電圧が5Vになるまでの時間を測定し、電圧ロス時間として記録する。
例えば、図7は、本発明の一態様における電圧と時間の関係を示す概念図であり、横軸13は時間軸であり、縦軸14は電圧を示し、電圧ロス時間15の時間を測定する。
(【0011】以降は省略されています)

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