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公開番号2024141712
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053504
出願日2023-03-29
発明の名称接合材、電気化学モジュール、電気化学装置、固体酸化物形燃料電池、固体酸化物形電解セル、エネルギーシステム及び電気化学モジュールの製造方法
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類H01M 8/0217 20160101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】接合材を焼成して形成された接合材層が十分な強度を発揮し、低抵抗である接合材を得ることを目的とする。
【解決手段】接合材は、電解質層を電極層と対極電極層との間に挟んで構成される単セルの対極電極層と、Fe-Cr系ステンレスから成る合金部材とを接続するための接合材であって、ABO3(A=La及びSr、又は、Ba及びSr、B=Mn、Co、Ni、Al及びFeのうち少なくとも一種を含む)系ペロブスカイト型酸化物から成り、130nm以上500nm以下の第1粒径範囲を有する第1粒子と、ペロブスカイト型酸化物から成り第2粒径範囲を有する第2粒子を含み、第2粒径範囲の上限値は、第1粒径範囲の下限値未満である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電解質層を電極層と対極電極層との間に挟んで構成される単セルの前記対極電極層と、Fe-Cr系ステンレスから成る合金部材とを接続するための接合材であって、
ABO

(A=La及びSr、又は、Ba及びSr、B=Mn、Co、Ni、Al及びFeのうち少なくとも一種を含む)系ペロブスカイト型酸化物から成り、130nm以上500nm以下の第1粒径範囲を有する第1粒子と、
前記ペロブスカイト型酸化物から成り第2粒径範囲を有する第2粒子を含み、
前記第2粒径範囲の上限値は、前記第1粒径範囲の下限値未満である接合材。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記ペロブスカイト型酸化物は、Co、Fe及びMnのうちの少なくとも二種以上を含む請求項1に記載の接合材。
【請求項3】
前記ペロブスカイト型酸化物は、La
1-x
Sr

Co
1-y
Fe



、La
1-x
Sr

CoO

、La
1-x
Sr

MnO

、Ba
1-x
Sr

Co
1-y
Fe



又はLa
1-x
Sr

NiO

(0<x,y<1)の何れかである、請求項1に記載の接合材。
【請求項4】
前記第2粒径範囲が10nm以上130nm未満である、請求項1に記載の接合材。
【請求項5】
前記第2粒子は、粒径が100nm未満の粒子を含む、請求項1に記載の接合材。
【請求項6】
前記合金部材と、前記単セルを有する電気化学素子と、前記合金部材及び前記電気化学素子の間を接合する接合材層とを備えた電気化学モジュールであって、
前記対極電極層上に請求項1~5の何れか1項に記載の接合材から成る前記接合材層が形成されている、電気化学モジュール。
【請求項7】
複数の前記電気化学素子を備え、複数の前記電気化学素子同士が前記接合材層を介して前記合金部材によって電気的に接続されている請求項6に記載の電気化学モジュール。
【請求項8】
前記電気化学素子は、前記電解質層と前記対極電極層の間に反応防止層を有する請求項6に記載の電気化学モジュール。
【請求項9】
前記電気化学素子は、前記単セルを支持する金属支持体を有する請求項6に記載の電気化学モジュール。
【請求項10】
請求項6に記載の電気化学モジュールを備え、前記単セルで発電反応を生じさせる固体酸化物形燃料電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接合材、電気化学モジュール、電気化学装置、固体酸化物形燃料電池、固体酸化物形電解セル、エネルギーシステム及び電気化学モジュールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、セラミックスを主体とする電極を備えており、メタンや水素等の原料と空気を用いて発電を行う装置である。この燃料電池は比較的大型であるため、家庭の外部に設置されて家庭用電源として用いられたり、工業用地に設置されて工場及び事業所に電力を供給するために用いられたりしている。
【0003】
固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルとして、燃料が消費される燃料極と、燃料極で燃料が分解されることで発生した電子が電解質を通じて空気と反応する空気極がフェライト系ステンレス基材上に設けられる構造が知られている。このような構造を備えた固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルでは、基材は燃料と空気と接触して酸化及び還元反応が起こりやすく、これらの影響による劣化を防ぐために基材(インターコネクタ、集電部材)の強度や耐久性を高める工夫がなされている。
【0004】
特許文献1には、ペロブスカイト型酸化物粉末を含有するペーストを、金属乃至合金からなる集電部材の表面に塗布し焼成することによって該集電部材の表面処理を行う方法が開示されている。この方法において、ペロブスカイト型酸化物粉末は、一次粒径が3.0μm以上の粗大粒子と一次粒径が0.60μm以下の微細粒子との混合粉末である。この異なる一次粒径を有するペロブスカイト型酸化物粉末を用いたペーストを焼成したコーティング層を有する集電部材は、初期段階でのクラック発生が抑制されるとともに、初期抵抗が低減され、高い耐久性を備えることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、平均粒径0.10μm以上1.0μm以下のLaSrCoO

系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3.0μm以上10μm以下のLaSrAO

系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体を含む導電性接合材が開示されている。この導電性接合材は、粗粉の熱膨張係数が微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有されているため、導電性接合材の熱膨張係数を小さくすることができる。そのため、導電性接合材と、インターコネクタや集電部材との熱膨張係数を近づけることができ、導電性接合材に生じる応力を緩和することができる。その結果、導電性接合材の内部に生じる応力を緩和することができ、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができ、長期信頼性に優れたセルスタックとすることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4130135号
特許第5388833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2に記載された技術は、いずれも粗大粒子と微細粒子との混合粉末を用いる技術であり、所望の効果を得るためには、粗大粒子の平均粒径や一次粒径と微細粒子の平均粒径や一次粒径とのバランスをとることが重要であると考えられる。
【0008】
特許文献1及び2では、粗大粒子の平均粒径等と微細粒子の平均粒径等との差をミクロンオーダーとし、クラックの発生等を抑制している。しかしながら、粗大粒子の平均粒径等と微細粒子の平均粒径等との差がミクロンオーダーである場合、粗大粒子の隙間に対して微細粒子が小さすぎるため、粗大粒子の隙間に微細粒子が存在しない空隙が生じる可能性がある。そして、粗大粒子の隙間に空隙が存在すると、空隙が存在しない場合と比較して、焼成後の層の強度が低くなったり、抵抗が高くなったりする。つまり、特許文献1及び2には、高強度化や低抵抗化の面で改善の余地がある。
【0009】
本発明では、接合材を焼成して形成された接合材層が十分な強度を発揮し且つ低抵抗である接合材、当該接合材を焼成して形成される接合材層を備える電気化学モジュール、並びに当該電気化学モジュールを備える固体酸化物形燃料電池、固体酸化物形電解セル、電気化学装置及びエネルギーシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る接合材の特徴構成は、
電解質層を電極層と対極電極層との間に挟んで構成される単セルの前記対極電極層と、Fe-Cr系ステンレスから成る他の合金部材とを接続するための接合材であって、
ABO

(A=La及びSr、又は、Ba及びSr、B=Mn、Co、Ni、Al及びFeのうち少なくとも一種を含む)系ペロブスカイト型酸化物から成り130nm以上500nm以下の第1粒径範囲を有する第1粒子と、
前記ペロブスカイト型酸化物から成り第2粒径範囲を有する第2粒子とを含み、
前記第2粒径範囲の上限値は、前記第1粒径範囲の下限値未満である点にある。
ここで、ペロブスカイト型酸化物は、Co、Fe及びMnのうちの少なくとも二種以上を含むことが好ましい。
更に、ペロブスカイト型酸化物は、La
1-x
Sr

Co
1-y
Fe



、La
1-x
Sr

CoO

、La
1-x
Sr

MnO

、Ba
1-x
Sr

Co
1-y
Fe



又はLa
1-x
Sr

NiO

(0<x,y<1)の何れかであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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