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公開番号
2024141194
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052703
出願日
2023-03-29
発明の名称
歯科用埋没材
出願人
株式会社松風
代理人
主分類
B22C
1/08 20060101AFI20241003BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】
金属の鋳造に使用できる歯科用埋没材において、加熱時に不可逆的に膨張するような成分を添加して、鋳型温度が低い場合においても金属の鋳造収縮を補うことが期待できる不可逆型膨張剤含有の歯科用埋没材を提供すること。
【解決手段】
シリコーンパウダーを含むことを特徴とする歯科用埋没材粉末。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シリコーンパウダーを含むことを特徴とする歯科用埋没材粉末。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記シリコーンパウダーを0.1~10.0wt%を含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科用埋没材粉末。
【請求項3】
前記シリコーンパウダーがシリコーンレジン粉末であることを特徴とする請求項1~2に記載の歯科用埋没材粉末。
【請求項4】
酸化マグネシウムを 1~30wt%、第一りん酸アンモニウムを1~30wt%含むことを特徴とする請求項1~3に記載の歯科用埋没材。
【請求項5】
結合材として半水石膏を10~80wt%含むことを特徴とする請求項1~3に記載の歯科用埋没材。
【請求項6】
結合材としてアルミナセメントを2~50wt%含むことを特徴とする請求項1~3に記載の歯科用埋没材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は歯科分野に用いられる不可逆型膨張剤含有の歯科用埋没材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
歯科の欠損補綴修復で間接的に金属の補綴装置を作製する場合、ロストワックス法と呼ばれる方法が一般的である。この方法を説明すると次の通りとなる。
【0003】
歯科の欠損形態を印象材と呼ばれる型材にて欠損型を取り、そこに石膏などの模型材を注入することにより、口腔外にて患者の欠損形態を再現した模型を作製する。次に、この模型にワックスを用いて修復されるべき形の形態を再現させ、原型を得る。この原型をワックスパターンという。得られたワックスパターンを金属に置き換えるために、鋳型を作製する。鋳型は、埋没材と呼ばれる粉材と水又は/及びコロイダルシリカ水溶液などの液材で練和されたスラリーを型材に流し込んでワックスパターンを埋め込む。埋没材が硬化後、加熱し鋳型内のワックスパターンを焼却させ、形成した鋳型の空間に融解した金属を注ぎ込む。さらに冷却後、鋳型を壊して鋳造体を取り出すことで目的とする金属製の補綴装置を得ることができる。これらの補綴装置を作製するには、このロストワックス法が一般的である。
【0004】
この埋没材には、金合金、銀合金、金銀パラジウム合金など比較的融点の低い合金(低溶合金)に使用される石膏系埋没材と、陶材焼付用金合金、陶材焼付用セミプレシャス系合金及びNi-Cr合金、Co-Cr合金など比較的融点の高い合金(高溶合金)に使用されるりん酸塩系埋没材と、チタン及びチタン合金などさらに融点が高く活性が高い金属に使用されるアルミナセメントやマグネシアセメントを含む非りん酸塩系埋没材などが一般的に知られている。これらの埋没材は、粉材と液材から構成されている。粉材は鋳型の形態を維持する結合材と鋳型に耐熱性などを付与する耐火材を含む。液材は水又は/及びコロイダルシリカを含む水溶液が用いられる。粉材と液材を適量混合し、これらが反応して硬化することで鋳型を作製する。
【0005】
一般的に歯科鋳造においては、融解した合金が鋳型空洞内に鋳込まれた際に鋳造収縮が発生するため、適合性を確保するには、この鋳造収縮を補償するための膨張させた鋳型が必要となる。ここで、金属の鋳造収縮とは、融解合金から凝固するときの凝固収縮と、凝固が終了した温度から室温までの固体時の熱収縮のことを示す。鋳造収縮を補償する鋳型を得るためには、埋没材が硬化するときに生じる硬化膨張と、硬化した鋳型を加熱したときに生じる加熱膨張の両者により達成される。
【0006】
例えば、りん酸塩系埋没材の組成を例にあげると、粉材に結合材として酸化マグネシウム及び第一りん酸アンモニウムを含み、耐火材として、シリカ、アルミナ及びケイ酸ジルコニウム等を含み、液材に水又は/及びコロイダルシリカを含む水溶液からなる。それらを練和・硬化させることで鋳型が作製できる。液材のコロイダルシリカを含む水溶液の濃度を調節することにより、様々な金属の鋳造収縮に見合った総合膨張(硬化膨張と加熱膨張の合計値)を得ることができる。
【0007】
硬化膨張は、コロイダルシリカの粒子径及び濃度などにより変化することができる。さらに硬化させた鋳型はワックスパターンを焼却する際に、700~1000℃まで昇温させるため、加熱膨張も発生する。この硬化膨張と加熱膨張の合計値が金属の鋳造収縮を補填し、補綴装置の適合を調整する。
【0008】
ワックスパターンを焼却する際の鋳型温度が必要以上に高温になった場合には、融解した金属と鋳型材が反応し焼き付き、反応層が形成されたり、鋳造体表面が全体的又は部分的に粗造となり、鋳肌あれが生じる場合があり、鋳造体の表面削除により適合性が悪くなることがある。例えば、チタンの鋳造においては、鋳型温度が高い場合、チタンと鋳型との間に厚い反応層が形成されるため、鋳型温度が700℃~1000℃の高温の鋳型に鋳造を行うと顕著に反応するため、避ける必要があり、好ましくは、400℃以下、より好ましくは室温の鋳型に鋳造を行うことで、チタンと鋳型との反応を抑制することができる。
【0009】
しかしながら、鋳型温度が400℃以下で鋳造すると、例えば、耐火材に使用している加熱膨張していたシリカが収縮する傾向にあり、金属の鋳造収縮を補填できない場合がある。そのため、不可逆的に加熱膨張するような成分を埋没材に添加することで、鋳型温度が低い場合においても金属の鋳造収縮を補うことが期待できる。
【0010】
特許文献1には、金属ジルコニウム粉末を添加することで、金属の鋳造収縮を補う技術が開示されている。具体的には、金属ジルコニウム粉末を高温で加熱することで酸化させて、その際の体積膨張を利用して鋳造収縮を補う技術である。しかし、この技術では、金属ジルコニウム粉末は、大気中の酸素、水素、窒素などと容易に酸化等の反応をしてしまい、埋没材を長期にわたって安定して保存することが困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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