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公開番号2025088493
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203224
出願日2023-11-30
発明の名称芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキット
出願人株式会社松風
代理人
主分類A61K 6/30 20200101AFI20250604BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体への良好な接着性と、接着操作の際の良好な操作性を両立することができるキットを提供する。
【解決手段】芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットであって、該キットは(i)接着対象物に塗布される歯科用接着性組成物、および(ii)歯科用接着性組成物の塗布面に塗布される歯科用セメント組成物を含むキットであり、(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、および(C)揮発性有機溶媒を含み、(i)歯科用接着性組成物は100質量部中に(B)光重合開始剤を2~10質量部含み、(ii)歯科用セメント組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(D1)有機過酸化物、(D2)化学重合促進剤、および(E)充填剤を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)接着対象物に塗布される歯科用接着性組成物、および(ii)歯科用接着性組成物の塗布面に塗布される歯科用セメント組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、および(C)揮発性有機溶媒を含み、
(i)歯科用接着性組成物は100質量部中に(B)光重合開始剤を2~10質量部含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(D1)有機過酸化物、(D2)化学重合促進剤、および(E)充填剤を含み、ならびに
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して(B)光重合開始剤を0.1~2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキット。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物、(ii)歯科用セメント組成物、および(iii)歯科用材料および/または天然歯に塗布される歯科用接着性組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、および(C)揮発性有機溶媒を含み、
(i)歯科用接着性組成物は100質量部中に(B)光重合開始剤を2~10質量部含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(D1)有機過酸化物、(D2)化学重合促進剤、および(E)充填剤を含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して(B)光重合開始剤を0.1~2質量部含み、ならびに
(iii)歯科用接着性組成物は(A1)酸性基を有する重合性単量体、(B)光重合開始剤、ならびに(C)揮発性有機溶媒および/または(F)水を含むことを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキット。
【請求項3】
(i)歯科用接着性組成物は(D2)化学重合促進剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項4】
(i)歯科用接着性組成物は(D2)化学重合促進剤を含むことを特徴とする請求項2に記載のキット。
【請求項5】
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体としてメチルメタクリレートを含み、(A1)酸性基を有する重合性単量体を実質的に含まないことを特徴とする請求項3に記載のキット。
【請求項6】
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体としてメチルメタクリレートを含み、(A1)酸性基を有する重合性単量体を実質的に含まないことを特徴とする請求項4に記載のキット。
【請求項7】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物および(ii)歯科用セメント組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物100質量部中に
(A)重合性単量体を30~85質量部、
(B)光重合開始剤を2~10質量部、
(C)揮発性有機溶媒を10~60質量部、および
(D2)化学重合促進剤を0.01~5質量部含み、ならびに
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B)光重合開始剤を0.1~2質量部、
(D1)有機過酸化物を0.5~5質量部、
(D2)化学重合促進剤を0.5~5質量部、および
(E)充填剤を50~400質量部
含むことを特徴とする請求項5に記載のキット。
【請求項8】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物、(ii)歯科用セメント組成物および(iii)歯科用接着性組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物100質量部中に
(A)重合性単量体を30~85質量部、
(B)光重合開始剤を2~10質量部、
(C)揮発性有機溶媒を10~60質量部、および
(D2)化学重合促進剤を0.01~5質量部含み
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B)光重合開始剤を0.1~2質量部、
(D1)有機過酸化物を0.5~5質量部、
(D2)化学重合促進剤を0.5~5質量部、および
(E)充填剤を50~400質量部含み、ならびに
(iii)歯科用接着性組成物100質量部中に
(A1)酸性基を有する重合性単量体を1~30質量部、
(B)光重合開始剤を0.5~10質量部、
(C)揮発性有機溶媒を0~50質量部、および
(E)水を0~50質量部
含むことを特徴とする請求項6に記載のキット。
【請求項9】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキットであって、
(1-1)芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体の被着面をサンドブラスト処理する工程、
(1-2)(i)歯科用接着性組成物を芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体の被着面に塗布し、光照射し、積層体(X)を得る工程、
(1-3)歯科用材料および/または天然歯の被着面に(iii)歯科用接着性組成物を塗布し、光照射し、積層体(Y)を得る工程、
(1-4)積層体(X)および/または積層体(Y)の歯科用接着性組成物の塗布面に(ii)歯科用セメント組成物を塗布する工程、
(1-5)積層体(X)および積層体(Y)の被着面を圧接する工程、
(1-6)積層体(X)および積層体(Y)との連結部分の余剰セメントを除去する工程、および
(1-7)積層体(X)と積層体(Y)との連結部分に光照射する工程
を含む接着方法に用いる請求項8に記載のキット。
【請求項10】
歯科用材料および/または天然歯の被着面に請求項8に記載の(iii)歯科用接着性組成物を塗布して得られる積層体(Y)との接着に用いるための積層体(X)の製造方法であって、
(2-1)芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体の被着面をサンドブラスト処理する工程、および
(2-2)請求項8に記載の(i)歯科用接着性組成物を芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体の被着面に塗布し、光照射し、積層体(X)を得る工程を含む、
製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
歯科分野において、芳香族ポリエーテルケトン樹脂は化学的安定性が高く、金属アレルギーのようなアレルギーリスクも低いことから、金属代替の補綴装置として使用されることがある。
【0003】
特許文献1~3では水素結合性官能基を有する重合性単量体またはメルカプト基を有する重合性単量体またはベンゾイル骨格を有する重合性単量体を含むポリアリールエーテルケトン樹脂材料用接着材が提案されている。特許文献4では実質的に光重合開始剤を含まない接着剤をポリアリールエーテルケトン樹脂に塗布した後に光照射をする接着方法や、特許文献5ではポリアリールエーテルケトン樹脂に光照射をした後に接着剤を塗布する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-027041
特開2016-183324
特開2017-110162
特開2017-088637
特開2018-184504
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体に対する接着強さには改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討の結果、所定の接着キットを使用することによって、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)接着対象物に塗布される歯科用接着性組成物、および(ii)歯科用接着性組成物の塗布面に塗布される歯科用セメント組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、および(C)揮発性有機溶媒を含み、
(i)歯科用接着性組成物は100質量部中に(B)光重合開始剤を2~10質量部含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(D1)有機過酸化物、(D2)化学重合促進剤、および(E)充填剤を含み、ならびに
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して(B)光重合開始剤を0.1~2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキット。
(項目2)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物、(ii)歯科用セメント組成物、および(iii)歯科用材料および/または天然歯に塗布される歯科用接着性組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、および(C)揮発性有機溶媒を含み、
(i)歯科用接着性組成物は100質量部中に(B)光重合開始剤を2~10質量部含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(D1)有機過酸化物、(D2)化学重合促進剤、および(E)充填剤を含み、
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して(B)光重合開始剤を0.1~2質量部含み、ならびに
(iii)歯科用接着性組成物は(A1)酸性基を有する重合性単量体、(B)光重合開始剤、ならびに(C)揮発性有機溶媒および/または(F)水を含むことを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキット。
(項目3)
(i)歯科用接着性組成物は(D2)化学重合促進剤を含むことを特徴とする項目1に記載のキット。
(項目4)
(i)歯科用接着性組成物は(D2)化学重合促進剤を含むことを特徴とする項目2に記載のキット。
(項目5)
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体としてメチルメタクリレートを含み、(A1)酸性基を有する重合性単量体を実質的に含まないことを特徴とする項目3に記載のキット。
(項目6)
(i)歯科用接着性組成物は(A)重合性単量体としてメチルメタクリレートを含み、(A1)酸性基を有する重合性単量体を実質的に含まないことを特徴とする項目4に記載のキット。
(項目7)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物および(ii)歯科用セメント組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物100質量部中に
(A)重合性単量体を30~85質量部、
(B)光重合開始剤を2~10質量部、
(C)揮発性有機溶媒を10~60質量部、および
(D2)化学重合促進剤を0.01~5質量部含み、ならびに
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B)光重合開始剤を0.1~2質量部、
(D1)有機過酸化物を0.5~5質量部、
(D2)化学重合促進剤を0.5~5質量部、および
(E)充填剤を50~400質量部
含むことを特徴とする項目5に記載のキット。
(項目8)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体と歯科用材料および/または天然歯との接着に用いるキットであって、
該キットは(i)歯科用接着性組成物、(ii)歯科用セメント組成物および(iii)歯科用接着性組成物を含むキットであり、
(i)歯科用接着性組成物100質量部中に
(A)重合性単量体を30~85質量部、
(B)光重合開始剤を2~10質量部、
(C)揮発性有機溶媒を10~60質量部、および
(D2)化学重合促進剤を0.01~5質量部含み
(ii)歯科用セメント組成物は(ii)歯科用セメント組成物に含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B)光重合開始剤を0.1~2質量部、
(D1)有機過酸化物を0.5~5質量部、
(D2)化学重合促進剤を0.5~5質量部、および
【発明の効果】
【0008】
本発明は芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体に対して良好な接着強さを発現しつつ、操作性も良好である歯科用接着性組成物を含むキットを提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の歯科用接着性組成物を含むキットはう蝕部分や歯の欠損の解剖学的形態の回復、または歯並び、咬み合わせの改善のために用いることができる材料である。歯科用接着性組成物を含むキットは液状の歯科用接着性組成物とペースト状の歯科用セメント組成物を組み合わせ使用される。歯科用セメント組成物の中には自己接着性を有するセメントがあり、このような歯科用セメント組成物を単体で使用する場合もあるが、十分な接着強さの発現が困難な症例においては歯科用接着性組成物と併用して使用することが一般的となっている。近年、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体を補綴装置として使用する場合がある。芳香族ポリエーテルケトン樹脂の成形体であるポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリエーテルケトンケトン (PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)は化学的安定性が高いことから接着することが従来の歯科用接着性組成物では困難であった。
【0010】
このようなことから特許文献1~5に示すようにポリアリールエーテルケトン樹脂への接着剤や接着方法について検討が行われている。しかしながら、歯科用セメント組成物と歯科用接着性組成物の組み合わせについては十分な検討がなされていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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