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公開番号2025078943
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191273
出願日2023-11-09
発明の名称分包型の歯科用接着性組成物
出願人株式会社松風
代理人
主分類A61K 6/30 20200101AFI20250514BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】良好なペースト性状と接着性の保存安定性を両立する歯科用接着性組成物を提供する。
【解決手段】分包型の歯科用接着性組成物は
(A1)酸性基を有する重合性単量体及び(A2)酸性基を有さない重合性単量体を含む(A)重合性単量体、(B1)遷移金属化合物、(B2)チオ尿素化合物、(C)重合禁止剤、並びに(D1)Al2O3を含まない疎水化処理塩基性充填剤を含む第一ペーストと、
(A2)酸性基を有さない重合性単量体、(B3)ハイドロパーオキサイド、(C)重合禁止剤、及び(D)充填剤を含む第二ペーストからなり、
第一ペーストに含まれる(A1)及び(A2)を含む(A)重合性単量体100質量部に対して、(D1)は第一ペースト中に50質量部以上含み、
(D1)1gを蒸留水40gおよびエタノール10gの混合溶液に加え、1時間撹拌させた時の混合溶液のpHが8.0~11.0であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
分包型の歯科用接着性組成物であって、
(A1)酸性基を有する重合性単量体及び(A2)酸性基を有さない重合性単量体を含む(A)重合性単量体、(B1)遷移金属化合物、(B2)チオ尿素化合物、(C)重合禁止剤、並びに(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤を含む第一ペーストと
(A2)酸性基を有さない重合性単量体、(B3)ハイドロパーオキサイド、(C)重合禁止剤、及び(D)充填剤を含む第二ペーストからなり、
第一ペーストに含まれる(A1)酸性基を有する重合性単量体及び(A2)酸性基を有さない重合性単量体を含む(A)重合性単量体100質量部に対して、(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤は第一ペースト中に50質量部以上含み、
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤1gを蒸留水40gおよびエタノール10gの混合溶液に加え、1時間撹拌させた時の混合溶液のpHが8.0~11.0であることを特徴とする分包型の歯科用接着性組成物。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤がジルコニアとシリカを含む充填剤であり、かつ疎水化処理前の塩基性充填剤の比表面積が100m

/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項3】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して、(E)水を0.01~5質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項4】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して、(E)水を0.01~5質量部含むことを特徴とする請求項2に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項5】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項6】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする請求項2に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項7】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする請求項3に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項8】
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする請求項4に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項9】
第一ペーストと第二ペーストは体積比([第一ペースト:第二ペースト])で1:0.8~1.2であり、
第一ペーストおよび第二ペーストはマトリックスと(D)充填剤を含むペーストであって、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部中に、
(A1)酸性基を有する重合性単量体を1~30質量部、および
(A2)酸性基を有さない重合性単量体を70~99質量部を含み、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B1)遷移金属化合物を0.001~0.5質量部、
(B2)チオ尿素化合物を0.1~5質量部、
(C)重合禁止剤を0.03~2質量部、
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤を50~400質量部を含み、
第二ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B3)ハイドロパーオキサイドを0.5~5質量部、
(C)重合禁止剤を0.03~2質量部、
(D)充填剤を50~400質量部を含むことを特徴とする請求項5に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
【請求項10】
第一ペーストと第二ペーストは体積比([第一ペースト:第二ペースト])で1:0.8~1.2であり、
第一ペーストおよび第二ペーストはマトリックスと(D)充填剤を含むペーストであって、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部中に
(A1)酸性基を有する重合性単量体を1~30質量部、及び
(A2)酸性基を有さない重合性単量体を70~99質量部を含み、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して
(B1)遷移金属化合物を0.001~0.5質量部、
(B2)チオ尿素化合物を0.1~5質量部、
(C)重合禁止材を0.03~2質量部、及び
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤を50~400質量部を含み、
第二ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B3)ハイドロパーオキサイドを0.5~5質量部、
(C)重合禁止材を0.03~2質量部及び
(D)充填剤を50~400質量部を含むことを特徴とする請求項6に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は分包型の歯科用接着性組成物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
歯科分野において、歯科用接着性組成物は歯科用レジンセメント、歯科用支台築造材料、歯科充填用材料、歯科矯正用材料など広く利用されている。
【0003】
特許文献1及び2では塩基性充填剤を含む歯科用組成物が提案されている。特許文献3ではキレートによる処理を施した無機粒子を含む製造方法および歯科用組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6393393号
特開2023‐42510
特開2023‐50935
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの組成物はペースト性状と接着性の長期安定性の両立に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討の結果、所定の組成物を使用することによって、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
分包型の歯科用接着性組成物であって、
(A1)酸性基を有する重合性単量体及び(A2)酸性基を有さない重合性単量体を含む(A)重合性単量体、(B1)遷移金属化合物、(B2)チオ尿素化合物、(C)重合禁止剤、並びに(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤を含む第一ペーストと
(A2)酸性基を有さない重合性単量体、(B3)ハイドロパーオキサイド、(C)重合禁止剤、及び(D)充填剤を含む第二ペーストからなり、
第一ペーストに含まれる(A1)酸性基を有する重合性単量体及び(A2)酸性基を有さない重合性単量体を含む(A)重合性単量体100質量部に対して、(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤は第一ペースト中に50質量部以上含み、
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤1gを蒸留水40gおよびエタノール10gの混合溶液に加え、1時間撹拌させた時の混合溶液のpHが8.0~11.0であることを特徴とする分包型の歯科用接着性組成物。
(項目2)
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤がジルコニアとシリカを含む充填剤であり、かつ疎水化処理前の塩基性充填剤の比表面積が100m

/g以上であることを特徴とする項目1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目3)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して、(E)水を0.01~5質量部含むことを特徴とする項目1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目4)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して、(E)水を0.01~5質量部含むことを特徴とする項目2に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目5)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする項目1に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目6)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする項目2に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目7)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする項目3に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目8)
第一ペーストが、(A)重合性単量体100質量部に対して(C)重合禁止剤を0.25~2質量部含むことを特徴とする項目4に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目9)
第一ペーストと第二ペーストは体積比([第一ペースト:第二ペースト])で1:0.8~1.2であり、
第一ペーストおよび第二ペーストはマトリックスと(D)充填剤を含むペーストであって、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部中に、
(A1)酸性基を有する重合性単量体を1~30質量部、および
(A2)酸性基を有さない重合性単量体を70~99質量部を含み、
第一ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B1)遷移金属化合物を0.001~0.5質量部、
(B2)チオ尿素化合物を0.1~5質量部、
(C)重合禁止剤を0.03~2質量部、
(D1)Al



を含まない疎水化処理塩基性充填剤を50~400質量部を含み、
第二ペーストに含まれる(A)重合性単量体100質量部に対して、
(B3)ハイドロパーオキサイドを0.5~5質量部、
(C)重合禁止剤を0.03~2質量部、
(D)充填剤を50~400質量部を含むことを特徴とする項目5に記載の分包型の歯科用接着性組成物。
(項目10)
第一ペーストと第二ペーストは体積比([第一ペースト:第二ペースト])で1:0.8~1.2であり、
第一ペーストおよび第二ペーストはマトリックスと(D)充填剤を含むペーストであって、
【発明の効果】
【0008】
本発明は良好なペースト性状と良好な接着性の長期安定性を両立する歯科用接着性組成物を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の歯科用接着性組成物はう蝕部分や歯の欠損の解剖学的形態の回復、または歯並び、咬み合わせの改善のために用いることができる材料である。歯科用接着性組成物は重合反応により硬化させることで、所望の用途に適した特性、つまり咬合圧に耐えうる機械的強度や接着強度を得ることが出来る。歯科用接着性組成物の重合反応には光を照射することにより重合が開始する光重合と化学重合開始剤と化学重合促進剤により重合が開始する化学重合に大別される。光重合は光照射することで術者の任意のタイミングで重合させることができるものの、光が届かない部分については全く重合させることができない。一方、化学重合は化学重合開始剤と化学重合促進剤の種類や配合量等に硬化時間が依存するものの、光が届かない部分についても重合させることができるため、多くの歯科材料に採用されている。また、歯科材料はその用途に依らず硬化性の低下や性状の変化が認められない貯蔵安定性の高さが求められている。
【0010】
歯科用接着性組成物の中でも歯科矯正用接着性組成物はブラケットや矯正用帯冠などの矯正装置の接着やアライナー矯正におけるアタッチメント、バイトアップの症例などで使用される。強い負荷がかかる矯正装置の接着には高い接着強さを有する歯科用接着性組成物が求められる一方で、矯正治療の終了時には矯正装置を外す必要があることから極めて接着強さが高い場合には矯正装置の脱離が煩雑となる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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