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公開番号2025100121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217252
出願日2023-12-22
発明の名称イソシアネート基を有する高分子シランカップリング剤の製造方法。
出願人株式会社松風
代理人
主分類C08F 30/08 20060101AFI20250626BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】イソシアネート基を有する高分子シランカップリング剤を合成すること。
【解決手段】
工程[i] 化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物と、重合開始剤を反応させ、シリコンアルキシド基をペンダントに有する重合体を得る工程、
工程[ii] 工程[i]で得た重合体に、
化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物を重合させる工程、
工程[iii] 工程[ii]で得た重合体に、熱処理によりイソシアネート基の脱保護をする工程、
を含む高分子シランカップリング剤の製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
工程[i] 化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物と、重合開始剤を反応させ、シリコンアルキシド基をペンダントに有する重合体を得る工程、
工程[ii] 工程[i]で得た重合体に、
化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物を重合させる工程、
工程[iii] 工程[ii]で得た重合体に、熱処理によりイソシアネート基の脱保護をする工程、
を含む高分子シランカップリング剤の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
工程[i] 化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物と、重合開始剤を反応させ、保護されたイソシアネート基をペンダントに有する重合体を得る工程、
工程[ii] 工程[i]で得た重合体に、
化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物を重合させる工程、
工程[iii] 工程[ii]で得た重合体に、熱処理によりイソシアネート基の脱保護をする工程、
を含む高分子シランカップリング剤の製造方法。
【請求項3】
前記工程[i]および前記工程[ii]における重合方法が原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization, ATRP)である請求項1または2に記載の高分子シランカップリング剤の製造方法。
【請求項4】
前記化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物が、以下少なくとも1以上の組み合わせで選ばれる請求項1または2に記載の高分子シランカップリング剤の製造方法。
JPEG
2025100121000016.jpg
94
110
【請求項5】
前記化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物の化学構造が以下から少なくとも1以上の組み合わせで選ばれる請求項1または2に記載の製造方法。
JPEG
2025100121000017.jpg
46
73
【請求項6】
以下の化学構造式で示される高分子シランカップリング剤。
JPEG
2025100121000018.jpg
12
32
式中Aはシリコンアルコキシド基をペンダントに有する化学構造を示し、式中Bはイソシアネート基をペンダントに有する化学構造を示す。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aおよびbは繰返し数を示し、何れも1~1000の範囲内である。B末端に重合開始剤由来のハロゲンを有していてもよい。AとBは逆であっても良い。
【請求項7】
1.0~1.8のモル質量分布Mw/Mnである請求項6に記載の高分子シランカップリング剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医科・歯科の分野において用いられる新規な医科・歯科用硬化性組成物に使用されるポリエチレン主鎖を基本骨格とし保護されたイソシアネート基およびシリコンアルコキシド基を少なくとも一つ以上側鎖にもつABブロック型高分子シランカップリング剤の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization, ATRP)により合成された保護されたイソシアネート基およびシリコンアルコキシド基を少なくとも一つ以上側鎖にもつABブロック型高分子シランカップリング剤の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
医科歯科分野で骨や歯牙の欠損を修復するために金属補綴物や合成樹脂成型物などが用いられている。それらの生体硬組織への接着には、接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。また、医科歯科分野では、コンポジットレジンと呼ばれる医科歯科用硬化性組成物が日々臨床にて使用されている。これは未硬化体(ラジカル重合前)ペーストを、歯牙等の欠損部位に充填した後に光照射等の外的エネルギーを付与することでラジカル重合硬化体を得る。
【0003】
一般的にこれらの接着剤やコンポジットレジンには、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが使用されている。これら(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等のビニルモノマーのフリーラジカル重合(以下ラジカル重合と記す)では、炭素-炭素の二重結合が解裂し単結合になることで高分子体を形成し硬化する。このコンポジットレジンにはビニルモノマーだけではなく、無機充填剤が機械的強度向上の目的で添加される。一般的にそれらの無機充填剤は重合性基を有するシランカップリング剤により表面処理され、濡れ性の向上や機械的強度向上が図られている。特に歯科分野では従来より、シランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製®KBM-503)が広く用いられている。該化合物で表面処理された粒子を用いた場合、末端にはラジカル重合性基が導入され、無機充填剤表面は疎水化され、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等とのラジカル共重合が期待される。しかしながら、この様なシランカップリング剤で期待されるのは、当然ながらラジカル重合でのみとなる。従って、より多様な結合方式が期待されるイソシアネート基の無機充填剤表面への安定的な導入が求められていた。すなわち、本発明以前には、材料の耐久性や充填率を向上させるために、アルキル鎖の長いシランカップリング剤使用する方法(特許文献1、2、3)、フルオロアルキレン基を有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献4)、重合性基を数多く有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献5)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2-134307号
特開平3-70778号
特開2015-196682号
特開2007-238567号
特開2010-229054号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無機充填剤表面に保護されたイソシアネート基を導入する事が出来、必要により、それらを加熱・脱保護する事でイソシアネート基を生成させる事が可能となった。これにより医科歯科用硬化性組成物に用いた際に高い機械的強度、及び耐久性を与える新規なシランカップリング剤、および新規なシランカップリング剤により表面処理された無機充填剤および新規な医科歯科用硬化性組成物を提供することを目的とする、全く新規な高分子シランカップリング剤の合成・製造方法を提供する事にある。
【0006】
医科歯科分野を含む一般的工業分野にて使用されるシランカップリング剤は炭素数10から20程度の低分子量の化合物が一般的である。これら低分子量のシランカップリング剤は剛性が高いため、比較的脆く、高強度ではあるが柔軟性に劣る素材を提供する。これらの諸問題を解決すべく高分子シランカップリング剤の開発が本発明者等においてなされてきた。しかしながら、反応性の高いイソシアネート基を有する高分子シランカップリング剤の合成は、イソシアネート基とフリーラジカルの望まない反応が進むため、従来技術では困難であった。すなわち、本発明の目的・課題は高い靭性を有し、低分子モノマーの溶出がないか、又は極力抑制された生体硬組織接着性を有する、操作性に優れた医科・歯科用硬化性組成物に使用される保護されたイソシアネート基を有するブロック型高分子シランカップリング剤の原子移動ラジカル重合法による製造方法を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、発明者等の鋭意検討の結果、イソシアネート基を有する高分子シランカップリング剤の製造方法を見出した。
【0008】
本発明によれば、以下の製造方法が提供される。
工程[i] 化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物と、重合開始剤を反応させ、シリコンアルキシド基をペンダントに有する重合体を得る工程、
工程[ii] 工程[i]で得た重合体に、
化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物を重合させる工程、
工程[iii] 工程[ii]で得た重合体に、熱処理によりイソシアネート基の脱保護をする工程、
を含む高分子シランカップリング剤の製造方法。
【0009】
また、本発明によれば、以下の製造方法が提供される。
工程[i] 化学構造中にラジカル重合性基および保護されたイソシアネート基の両方を有する化合物と、重合開始剤を反応させ、保護されたイソシアネート基をペンダントに有する重合体を得る工程、
工程[ii] 工程[i]で得た重合体に、
化学構造中にラジカル重合性基およびシリコンアルコキシド基の両方を有する化合物を重合させる工程、
工程[iii] 工程[ii]で得た重合体に、熱処理によりイソシアネート基の脱保護をする工程、
を含む高分子シランカップリング剤の製造方法。
【0010】
また、本発明は以下の高分子シランカップリング剤を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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