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公開番号2025067623
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023177744
出願日2023-10-13
発明の名称閉塞性睡眠時無呼吸治療用口腔内装置の設計及び製作方法
出願人株式会社松風
代理人
主分類A61C 19/04 20060101AFI20250417BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】患者個々の骨格に合う最適な閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を容易に設計及び製作すること。
【解決手段】三次元座標空間で定義される患者口腔内の三次元形状データからコンピュータ上で閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を設計する方法であって、
患者の上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを得る工程と、
中心咬合位から下顎を開口させた状態の下顎初期位置の咬合データBTSを得る工程と、
開口を維持した状態で下顎を最大まで前方方向に移動させた状態の下顎最大前突位置の咬合データBTEを得る工程と、
上顎形状データUJ、下顎形状データLJ、咬合データBTS及び咬合データBTEから上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置を設計する工程と、
を含む、閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【選択図】図10a1

特許請求の範囲【請求項1】
三次元座標空間で定義される患者口腔内の三次元形状データからコンピュータ上で閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を設計する方法であって、
患者の上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを得る工程と、
中心咬合位から下顎を開口させた状態の下顎初期位置の咬合データBTSを得る工程と、
開口を維持した状態で下顎を最大まで前方方向に移動させた状態の下顎最大前突位置の咬合データBTEを得る工程と、
上顎形状データUJ、下顎形状データLJ、咬合データBTS及び咬合データBTEから上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置を設計する工程と、
を含む、閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
三次元座標空間で定義される患者口腔内の三次元形状データから閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を設計する方法であって、
患者の上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを得る工程と、
中心咬合位から下顎を開口させた状態の下顎初期位置の咬合データBTSを得る工程と、
開口を維持した状態で下顎を最大まで前方方向に移動させた状態の下顎最大前突位置の咬合データBTEを得る工程と、
咬合データBTSに上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを形状マッチングし、下顎初期位置における上顎形状データUJS及び下顎形状データLJSからなる口腔内データOSを算出する工程と、
咬合データBTEに上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを形状マッチングし、下顎最大前突位置における上顎形状データUJE及び下顎形状データLJEからなる口腔内データOEを算出する工程と、
口腔内データOSの上顎形状データUJSに口腔内データOEの上顎形状データLJEを形状マッチングし、口腔内データOSの三次元座標空間に口腔内データOEを読み込んで下顎変位データFJを算出する工程と、
下顎変位データFJにおける下顎初期位置の下顎形状データLJS及び下顎最大前突位置の下顎形状データLJEの位置関係から下顎最大前突変位LMDを算出する工程と、
下顎最大前突変位LMDから口腔内装置設計のための下顎経路LRを算出する工程と、
下顎経路LR上の下顎初期位置に該当する始点SP及び下顎最大前突位置に該当する終点EPを算出する工程と、
下顎経路LR上の始点SP及び終点EPとは異なる任意の設計終端位置DEPを設定する工程と、
下顎経路LR上で始点SPから設計終端位置DEPまでの装置設計経路ADRを算出する工程と、
装置設計経路ADR上で始点SP及び設計終端位置DEPとは異なる複数の設計中間位置DMPを設定する工程と、
始点SPから複数の各設計中間位置DMPまでのそれぞれの設計中間変位DMDを算出する工程と、
始点SPから設計終端位置DEPまでの設計終端変位DEDを算出する工程と、
口腔内データOSにおける下顎形状データLJSを、設計中間変位DMDに基づいて移動させ、複数の中間装置設計データAMを算出する工程と、
口腔内データOSにおける下顎形状データLJSを、設計終端変位DEDに基づいて移動させ、終端装置設計データAEを算出する工程と、
口腔内データOS、各中間装置設計データAM、終端装置設計データAEに対して、上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置を設計する工程と、
を含む、閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項3】
始点SPは、下顎変位データFJにおける下顎形状データLJSのバウンディングボックスBBSの中心点に設定され、終点EPは、下顎変位データFJにおける下顎形状データLJE のバウンディングボックスBBEの中心点に設定されることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項4】
下顎最大前突変位LMDは、始点SPに対する終点EPの変位の算出により決定されることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項5】
始点SP及び終点EPは、三次元座標空間において開口方向にのみ位置調整を許容し再定義及び/又は追加可能であることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項6】
下顎経路LRは、三次元座標空間において始点SPと終点EPの2点間を結ぶ直線であり、下顎経路LR上に設定される装置設計経路ADRも直線とすることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項7】
設計終端位置DEPは、始点SPから設計終端位置DEPまでの変位量が、下顎経路LRの変位量の50%から80%の範囲内となる位置に設定されることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項8】
装置設計経路ADR上に設定される複数の設計中間位置DMPは、装置設計経路ADRを等分に分割する位置に設定されることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項9】
口腔内データOS、各中間装置設計データAM及び終端装置設計データAEに対して設計される上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置は、上顎及び下顎に組み合わされる一体型であることを特徴とする請求項2に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
【請求項10】
上顎形状データUJ、下顎形状データLJ、下顎初期位置の咬合データBTS及び下顎最大前突位置の咬合データBTEは、口腔内スキャナで患者口腔内を直接スキャンして取得された三次元スキャンデータか、患者の口腔内を再現した石膏模型を模型用スキャナでスキャンして取得された三次元スキャンデータのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は口腔内装置の製造方法に関し、特に閉塞性睡眠時無呼吸の症状改善に好適な口腔内装置の設計方法及び製作方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA) は、睡眠中に舌根沈下により上気道が閉塞し無呼吸を呈する疾患である。日中に頭痛、眠気を生じ、高血圧等の慢性疾患を誘発するOSAは、社会的疾患のひとつとして、広く世の中に知られてきた。OSAの主たる治療法は、内科、呼吸器科による持続陽圧呼吸両方(Continuous Positive Airway Pressure:CPAP)であるが、軽症・中等症の患者に対しては口腔内装置を装着して下顎を前方に移動させることで舌根沈下を抑制し、上気道閉塞を防ぐ治療方法も有効である。
【0003】
閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の下顎の前方への移動は、上気道の状態、骨格的な特徴や制限が患者ごとに異なるため患者ごとに設定する必要がある。下顎の前方移動が大きいほど治療効果は高くなるが、それと引き換えに患者の顎に過度の負担がかかり顎関節症を発症するおそれがあることから、最小限の下顎前方移動で上気道閉塞防止を達成することが求められる。
【0004】
最適な下顎前方移動の設定は、上顎と下顎それぞれのマウスピースを製作し、歯科医師が上顎のマウスピースに対して下顎のマウスピースを前方に移動させ、その状態で上下のマウスピースを接着して患者に装着し、患者が違和感や顎関節の痛みを訴えた場合は上下のマウスピースを切り離し、再度調整して接着するという作業を繰り返し行う必要があり、これらの作業によってチェアタイムが長くなり歯科医師・患者双方の負担となっているのが現状である。
【0005】
特許文献1では、患者の通常位置と比べて下顎が上顎に対して前方に移動させられた状態(第1の位置)を固定する前突型スプリントを装着したときの患者の上気道の開口値を求め、求められた開口値と目標値とを比較し、目標値を下回る場合は再度下顎の前進値を求めて第1の位置から更に下顎を前進させて第2の位置を決定し、第2の位置で前突型スプリントを製造することが記載されている。
また、顎関節症予防のため、第1の位置及び第2の位置で顎関節の状態を検査し、第2の位置で開口値が目標値を上回っていても、顎関節損傷が起こり得る場合は第2の位置の再定義により下顎の位置を調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6253679号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上気道の開口値及び顎関節への負担を考慮して前突型スプリントの下顎の位置を決定することは閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置としては好適な手段であるが、第1の位置を固定する前突型スプリントを装着した状態での開口値及び顎関節はX線撮影装置などによる計測及び観察が必要となるため、チェアタイムの増加及び患者負担増加となるばかりか、計測及び観察するために第1の位置で固定するための前突型スプリントを事前に準備しなければならず煩雑である。
また、上顎に対して下顎を前進させる向きについては明記されていないため、前進させる向きが患者の骨格に対して適切かどうかは患者の顎関節の観察によってのみ判断せざるを得ないため高度な知識が要求される。
本発明は以上の課題を解決することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、三次元座標空間で定義される患者口腔内の三次元形状データからコンピュータ上で閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を設計する方法であって、
患者の上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを得る工程と、
中心咬合位から下顎を開口させた状態の下顎初期位置の咬合データBTSを得る工程と、
開口を維持した状態で下顎を最大まで前方方向に移動させた状態の下顎最大前突位置の咬合データBTEを得る工程と、
上顎形状データUJ、下顎形状データLJ、咬合データBTS及び咬合データBTEから上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置を設計する工程と、
を含む、閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法である。
【0009】
より好ましくは、本発明は、
三次元座標空間で定義される患者口腔内の三次元形状データから閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置を設計する方法であって、
患者の上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを得る工程と、
中心咬合位から下顎を開口させた状態の下顎初期位置の咬合データBTSを得る工程と、
開口を維持した状態で下顎を最大まで前方方向に移動させた状態の下顎最大前突位置の咬合データBTEを得る工程と、
咬合データBTSに上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを形状マッチングし、下顎初期位置における上顎形状データUJS及び下顎形状データLJSからなる口腔内データOSを得る工程と、
咬合データBTEに上顎形状データUJ及び下顎形状データLJを形状マッチングし、下顎最大前突位置における上顎形状データUJE及び下顎形状データLJEからなる口腔内データOEを算出する工程と、
口腔内データOSの上顎形状データUJSに口腔内データOEの上顎形状データLJEを形状マッチングし、口腔内データOSの三次元座標空間に口腔内データOEを読み込んで下顎変位データFJを算出する工程と、
下顎変位データFJにおける下顎初期位置の下顎形状データLJS及び下顎最大前突位置の下顎形状データLJEの位置関係から下顎最大前突変位LMDを算出する工程と、
下顎最大前突変位LMDから口腔内装置設計のための下顎経路LRを算出する工程と、
下顎経路LR上の下顎初期位置に該当する始点SP及び下顎最大前突位置に該当する終点EPを算出する工程と、
下顎経路LR上の始点SP及び終点EPとは異なる任意の設計終端位置DEPを設定する工程と、
下顎経路LR上で始点SPから設計終端位置DEPまでの装置設計経路ADRを算出する工程と、
装置設計経路ADR上で始点SP及び設計終端位置DEPとは異なる複数の設計中間位置DMPを設定する工程と、
始点SPから複数の各設計中間位置DMPまでのそれぞれの設計中間変位DMDを算出する工程と、
始点SPから設計終端位置DEPまでの設計終端変位DEDを算出する工程と、
口腔内データOSにおける下顎形状データLJSを、設計中間変位DMDに基づいて移動させ、複数の中間装置設計データAMを算出する工程と、
口腔内データOSにおける下顎形状データLJSを、設計終端変位DEDに基づいて移動させ、終端装置設計データAEを算出する工程と、
口腔内データOS、各中間装置設計データAM、終端装置設計データAEに対して、上顎に対する下顎の位置が全て異なる複数の口腔内装置を設計する工程と、
を含む、閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法である。
【0010】
また、本発明は、
始点SPは、下顎変位データFJにおける下顎形状データLJSのバウンディングボックスBBSの中心点に設定され、終点EPは、下顎変位データFJにおける下顎形状データLJEのバウンディングボックスBBEの中心点に設定されることを特徴とする閉塞性睡眠時無呼吸治療用の口腔内装置の設計方法である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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