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公開番号2024141132
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052617
出願日2023-03-29
発明の名称デュアルキュア型歯科用レジンセメント及びデュアルキュア型歯科用レジンセメント調製用キット
出願人株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類A61K 6/889 20200101AFI20241003BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】歯科材料として望ましい余剰セメントの除去性と化学の硬化挙動を有するデュアルキュア型歯科用レジンセメントを提供する。
【解決手段】重合性単量体(A):100質量部及びフィラー(B):50~500質量部、並びに化学重合開始剤及び(C)、光重合開始剤(D):0.1~1.5質量部を含む組成物からなるデュアルキュア型歯科用レジンセメントであって、前記化学重合開始剤(C)は、パーオキシエステル化合物(c1):0.05~5質量部、二価の銅化合物(c2):0.001~0.05質量部、サッカリン化合物(c3):0.05~2.5質量部、及びチオール化合物(c4):0.05~2.5質量部を含む、ことを特徴とするデュアルキュア型歯科用レジンセメント。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重合性単量体(A):100質量部、フィラー(B):50~500質量部、並びに化学重合開始剤(C)及び光重合開始剤(D):0.1~1.5質量部を含む組成物からなるデュアルキュア型歯科用レジンセメントであって、
前記化学重合開始剤(C)は、
パーオキシエステル化合物(c1):0.05~5質量部、
二価の銅化合物(c2):0.001~0.05質量部、
サッカリン化合物(c3):0.05~2.5質量部、及び
チオール化合物(c4):0.05~2.5質量部を含む、
ことを特徴とするデュアルキュア型歯科用レジンセメント。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
重合禁止剤(E):0.01~2質量部を更に含む、請求項1に記載のデュアルキュア型歯科用レジンセメント。
【請求項3】
前記(c4)が2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール及び2-メルカプトベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、前記(D)がαジケトン化合物(d1)と第3級アミン(d2)の組み合わせ及び/又はビスアシルフォスフィンオキサイド(d3)からなる、請求項1又は2に記載のデュアルキュア型歯科用レジンセメント。
【請求項4】
請求項3に記載のデュアルキュア型歯科用レジンセメントを調製するためのデュアルキュア型歯科用レジンセメント調製用キットであって、
互いに物理的に接触不可な状態で包装された、第一の部分組成物からなる1剤と、第二の部分組成物からなる2剤と、の組み合わせによって構成され、
前記1剤は、前記重合性単量体(A)の残部、前記パーオキシエステル化合物(c1)、及び前記二価の銅化合物(c2)を含み、前記サッカリン化合物(c3)、前記チオール化合物(c4)、及び第3級アミン(d2)を含まず、
前記2剤は、前記重合性単量体(A)の一部、前記サッカリン化合物(c3)、前記チオール化合物(c4)、及び第3級アミン(d2)を含み、前記パーオキシエステル化合物(c1)、前記二価の銅化合物(c2)を含まず、
前記フィラー(B)、前記αジケトン化合物(d1)、前記ビスアシルホスフィンオキサイド(d3)は、前記1剤又は前記2剤の何れか一方に含まれるか、又は、前記1剤及びは前記2剤の両方に分割して含まれる、
ことを特徴とするデュアルキュア型歯科用レジンセメント調製用キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルキュア型歯科用セメント及びこれを調製するためのキットに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
歯科治療におけるインレー、アンレー、ラミネートベニア、ジャケットクラウンなどの修復物の合着材(歯科用セメント)としては、セラミックスやコンポジットレジンなどの光を透過する材料のみならず光を透過しない材料からなる上記修復物にも適用できる、デュアルキュア型レジンセメントが使用されている。
【0003】
上記デュアルキュア型レジンセメントは、重合性単量体、フィラー、(酸化剤と還元剤の組み合わせからなるレドックス系の)化学重合開始剤及び光重合開始剤を含む、流動性の高いペースト状の硬化性組成物からなり、これを用いて、ジャケットクラウンなどの歯冠用修復材料と歯質とを接着する場合には、過剰量の歯科用セメントを修復物に盛り付け、該修復物を歯質に圧接させることにより行なわれる。その際、上記圧接時にマージン部と呼ばれる歯質と修復物との接合部からはみ出た過剰分の歯科用セメント(「余剰セメント」ともいう。)を除去する必要がある。この余剰セメントの除去は、通常、操作性の観点から、余剰セメントを半硬化状態(硬化が進行して流動性がある程度なくなった状態)として歯科用短針等を用いて掻き取ることにより行うのが一般的である。余剰セメントを半硬化状態にする方法としては、余剰セメントに対し光照射器による短時間(一般に1~5秒)の光照射(以下、「仮光照射」ともいう。)する方法が採用されることが多い。そして、このような方法を採用する場合には、余剰セメント除去操作中に化学重合による硬化が進行し過ぎて操作性が低下しないようにする必要がある。
【0004】
上記方法が採用できるデュアルキュア型レジンセメントとしては、重合開始剤として、光重合開始剤としてのα―ジケトン類化合物と、化学重合開始剤の酸化剤としての過酸化物と、を含み、更に化学重合開始剤の還元剤及びα―ジケトンの助触媒として機能する「夫々特定の構造を有する3種類の第3級芳香族アミンi)~iii)の組み合わせからなる組成物」を用いたデュアルキュア型レジンセメントが知られている。すなわち、特許文献1には、(イ)重合性単量体、(ロ)α―ジケトン類化合物、(ハ)「夫々特定の構造を有する3種類の第3級芳香族アミンi)~iii)の組み合わせからなる組成物」、(ニ)フィラー及び(ホ)過酸化物を含んでなるデュアルキュア型レジンセメントが開示されている。そして、特許文献1によれば、上記デュアルキュア型レジンセメントを圧接して発生した余剰セメントに対して照射強度:380~420mW/cm

、照射距離:1cm程度で2~4秒間光照射することによって(除去作業に適した)半硬化状態となり、この状態を2分以上(化学重合による硬化の影響が出始めるまでの時間に相当する)維持できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5773676号
国際公開WO2003/057180号パンフレット
特開2021-073249号
国際公開WO2019/131094号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、化学重合開始剤の酸化剤及び還元剤と重合性単量体が共存すると化学重合反応が始まるため、デュアルキュア型歯科用レジンセメントは、これらが共存しないように分包され、患者の治療時(用事)に、口腔外において分包された各剤を混合してセメントを調製した後に、口腔内に施用して硬化させるように構成されている。このため、混合を開始してから施用するまでの間に治療の確実性を担保するための準備ができように、セメントが良好な施用操作性が維持できる時間(硬化により操作が困難となるまでの時間:操作余裕時間ともいわれる。)を十分に確保できるようにすることが望まれている。また、患者の負担(セメントが硬化するまでの間における動作の制限等)を低減する観点からは口腔内に施用した後は速やかに硬化することが好ましい。
【0007】
このように、デュアルキュア型歯科用レジンセメントに使用される化学重合開始剤においては、
(1)患者口腔外において用事調製後、十分な操作余裕時間が確保でき、
(2)患者口腔内に適用後には、余剰セメント除去操作に悪影響を与えず、且つ
(3)速やかに硬化して修復物を支台歯に合着させることができる
重合特性を有するものが好ましいと言える。
【0008】
しかしながら、このような重合開始剤を含むデュアルキュア型歯科用レジンセメントは、これまで知られていない。たとえば、前記特許文献1に開示されているデュアルキュア型レジンセメントにおいても上記(1)及び(3)の点で改善の余地があった。
【0009】
そこで本発明は、デュアルキュア型歯科用レジンセメントを用事調製して使用するに際し、口腔外において十分な操作余裕時間を確保することができると共に、口腔内において、(1)仮照射後における余剰セメントの除去性が良好な状態を比較的長時間確保でき、(2)余剰セメント除去性が良好で、更に(3)速やかに修復物を支台歯に合着させることができる、デュアルキュア型歯科用レジンセメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するものであり、本発明の第一の形態は、重合性単量体(A):100質量部及びフィラー(B):50~500質量部、並びに化学重合開始剤(C)及び光重合開始剤(D):0.1~1.5質量部を含む組成物からなるデュアルキュア型歯科用レジンセメントであって、
前記化学重合開始剤(C)は、パーオキシエステル化合物(c1):0.05~5質量部、二価の銅化合物(c2):0.001~0.05質量部、サッカリン化合物(c3):0.05~2.5質量部、及びチオール化合物(c4):0.05~2.5質量部を含む、
ことを特徴とするデュアルキュア型歯科用レジンセメントである。
(【0011】以降は省略されています)

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