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公開番号
2024141057
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052496
出願日
2023-03-29
発明の名称
フレキシブルイオン吸着電極及びその作製方法、並びに汚染土壌浄化装置及び汚染土壌浄化方法
出願人
国立大学法人秋田大学
,
国立大学法人福島大学
,
三和テッキ株式会社
代理人
個人
主分類
B09C
1/00 20060101AFI20241003BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】従来のフレキシブルイオン吸着電極に比較して性能及び再現性に優れるフレキシブルイオン吸着電極及びその作製方法を提供する。
【解決手段】水、導電材、吸着材、バインダーを混合する混合工程、前記混合工程を経て得られる混合物を脱水し固形化させる固形化工程、固形化物を圧縮する圧縮工程、圧縮された固形化物を乾燥させる仕上げ工程を備えるフレキシブルイオン吸着電極の作製方法において、前記固形化工程と前記圧縮工程との間に、固形化物を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程を経て得られる乾燥した固形化物を水に浸漬し軟化させる軟化工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水、導電材、吸着材、バインダーを混合する混合工程、前記混合工程を経て得られる混合物を脱水し固形化させる固形化工程、固形化物を圧縮する圧縮工程、圧縮された固形化物を乾燥させる仕上げ工程を備えるフレキシブルイオン吸着電極の作製方法において、
前記固形化工程と前記圧縮工程との間に、
固形化物を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程を経て得られる乾燥した固形化物を水に浸漬し軟化させる軟化工程と、
を含むことを特徴とするフレキシブルイオン吸着電極の作製方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記フレキシブルイオン吸着電極は、水平電極式動電法において使用するマット状の電極であり、
前記導電材がくん炭、前記吸着材がゼオライト、前記バインダーがアバカ及びでんぷん粉であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルイオン吸着電極の作製方法。
【請求項3】
前記混合工程が、
熱湯、前記でんぷん粉、前記ゼオライト、前記アバカを撹拌混合する第1混合工程と、
前記第1混合工程で得られる混合物と前記くん炭とを撹拌混合する第2混合工程と、
を含み、
前記第2混合工程の撹拌速度が前記第1混合工程の撹拌速度に比較して低速であることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルイオン吸着電極の作製方法。
【請求項4】
前記混合工程前に前記導電材を乾燥させる前処理工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキシブルイオン吸着電極の作製方法。
【請求項5】
くん炭、ゼオライト、アバカ及びでんぷん粉が混合されマット状に成形されたフレキシブルイオン吸着電極であって、
濃度500ppbの非放射性セシウム溶液に浸漬し測定した該フレキシブルイオン吸着電極の単位重量当たりの吸着量が50~65mg/kgであり、
湿潤状態において10V直流電圧を印加し測定した該フレキシブルイオン吸着電極の導電率が5000~7000μS/mであり、
長辺97mm×短辺68mm×厚さ6mmの寸法の該フレキシブルイオン吸着電極の長辺の一端から他端に向け10mm幅で固定し、長辺の他端を70gの荷重で引き上げたときの持ち上がり高さが70~80mmであることを特徴とするフレキシブルイオン吸着電極。
【請求項6】
処理対象である汚染土壌の表面に載置される、請求項1から4のいずれか1項に記載のフレキシブルイオン吸着電極の作製方法により得られるフレキシブルイオン吸着電極又は請求項5に記載のフレキシブルイオン吸着電極を備え、
動電現象により前記フレキシブルイオン吸着電極に前記汚染土壌中の汚染物質を吸着させ、前記汚染土壌を浄化することを特徴とする汚染土壌浄化装置。
【請求項7】
前記フレキシブルイオン吸着電極と、
前記フレキシブルイオン吸着電極とは異なる電極と、
前記フレキシブルイオン吸着電極と前記電極との間に直流電圧を印加する直流電圧印加手段と、
を備え、
前記フレキシブルイオン吸着電極と前記電極との間に直流電圧が印加され前記動電現象が生じることを特徴とする請求項6に記載の汚染土壌浄化装置。
【請求項8】
前記電極が電極杭であり、
前記電極杭は、前記汚染土壌中に差し込まれることを特徴とする請求項7に記載の汚染土壌浄化装置。
【請求項9】
さらに前記汚染土壌及び/又は前記フレキシブルイオン吸着電極を湿潤させる給水手段を備えることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の汚染土壌浄化装置。
【請求項10】
前記汚染物質が、重金属類及び放射性セシウムのうち1種又は2種以上であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の汚染土壌浄化装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平電極式動電法において使用する電極及びその作製方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
原位置で汚染土壌を浄化する方法として、動電現象(界面動電現象)を利用した動電学的手法が知られている。動電学的手法は、湿潤状態の土壌に直流電圧を印加することで土壌中の重金属を電極近傍に集める手法である。従来の動電学的手法は、電極を一定間隔で土壌に挿入し、電極間に直流電圧を印加することで界面動電現象を誘起し、汚染物質を電界方向に移動させ土壌から除去する。
【0003】
従来の動電学的手法は、広範囲の原位置処理が困難であり、また排水による二次汚染の発生が懸念されるとし、従来の動電学的手法を改善した水平電極式動電法(FEM-EK法)が開発されている。水平電極式動電法の代表例を示せば、電極にマット状の電極と棒状電極とを用い、マット状の電極を陰極として土壌表面に密着させ、棒状電極を陽極として土壌中に挿入し垂直方向で動電処理を行う(例えば特許文献1,非特許文献1参照)。
【0004】
水平電極式動電法において使用するマット状の電極には、汚染物質の吸着性、導電性及びフレキシブル性を有することが必要条件となり、非特許文献1には当該電極の作製方法及び電極の評価結果が記載されている。以下、この電極をフレキシブルイオン吸着電極と記す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-136515号公報
【非特許文献】
【0006】
畠山喜考ら、「天然ゼオライトとくん炭を用いたフレキシブルイオン吸着電極の作製」、静電気学会誌、41,2(2017)111-116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおりフレキシブルイオン吸着電極には、優れた吸着性、導電性、フレキシブル性が要求されており、これまでにも各性能を高めるための取り組みもなされている。例えば、フレキシブルイオン吸着電極を作製する工程に圧縮工程を組み込むことでフレキシブル性が高まるとの報告もある。しかしながら従来のフレキシブルイオン吸着電極は、性能が十分とはいえず、またフレキシブルイオン吸着電極の性能の再現性が低いことも解決すべき課題となっている。
【0008】
本発明の目的は、従来のフレキシブルイオン吸着電極に比較して性能及び再現性に優れるフレキシブルイオン吸着電極及びその作製方法、さらに該フレキシブルイオン吸着電極を用いた汚染土壌浄化装置及び汚染土壌浄化方法、汚染水浄化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水、導電材、吸着材、バインダーを混合する混合工程、前記混合工程を経て得られる混合物を脱水し固形化させる固形化工程、固形化物を圧縮する圧縮工程、圧縮された固形化物を乾燥させる仕上げ工程を備えるフレキシブルイオン吸着電極の作製方法において、前記固形化工程と前記圧縮工程との間に、固形化物を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程を経て得られる乾燥した固形化物を水に浸漬し軟化させる軟化工程と、を含むことを特徴とするフレキシブルイオン吸着電極の作製方法である。
【0010】
本発明に係るフレキシブルイオン吸着電極の作製方法において、前記フレキシブルイオン吸着電極は、水平電極式動電法において使用するマット状の電極であり、前記導電材がくん炭、前記吸着材がゼオライト、前記バインダーがアバカ及びでんぷん粉であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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