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公開番号2024140612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051827
出願日2023-03-28
発明の名称水中油型乳化組成物
出願人東洋エアゾール工業株式会社,国立大学法人信州大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類A01N 25/10 20060101AFI20241003BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】実質的に界面活性剤を含有していなくとも、分散安定性に優れた、イカリジンを含有する水中油型乳化組成物。
【解決手段】水溶性高分子及び微細繊維状セルロースからなる群から選択される少なくとも一、水、イカリジン、並びにエステル油を含有する水中油型乳化組成物であって、該エステル油のけん化価が、150mgKOH/g~370mgKOH/gであり、該エステル油のIOB値が、0.15~0.60であり、該水中油型乳化組成物は、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする水中油型乳化組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性高分子及び微細繊維状セルロースからなる群から選択される少なくとも一、水、イカリジン、並びにエステル油を含有する水中油型乳化組成物であって、
該エステル油のけん化価が、150mgKOH/g~370mgKOH/gであり、
該エステル油のIOB値が、0.15~0.60であり、
該水中油型乳化組成物は、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする水中油型乳化組成物。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記水中油型乳化組成物中の前記エステル油の含有量が、0.05質量%~10.00質量%である請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
前記水中油型乳化組成物中の前記水溶性高分子及び微細繊維状セルロースからなる群から選択される少なくとも一の合計の含有量が、0.005質量%~10.00質量%である請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
前記水中油型乳化組成物中の前記イカリジンの含有量が、0.50質量%~30.00質量%である請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
前記エステル油が、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、クエン酸トリエチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、オリーブ果実油、アンズ核油、及びブドウ種子油からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール及びセルロース系高分子からなる群から選択される一以上を含む請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水中油型乳化組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
蚊をはじめとする害虫は、デング熱やジカ熱などの多くの感染症を媒介し、人体に多くの被害をもたらす。蚊などの害虫から人体を守るために、害虫に対する忌避成分(害虫忌避成分)が広く実用されている。
【0003】
害虫忌避成分として、ディート(DEET)、p-メンタン-3,8-ジオール、イカリジンなどが知られている。中でもイカリジンは、優れた忌避効果を発揮し、皮膚刺激性が低いことが知られている。しかしながら、イカリジンは水に対する溶解度が非常に小さい油性の化合物である。そこで、従来、適量のイカリジンを肌などの対象面へ均一に塗布できるようにするために、イカリジンを低級アルコールなどの水性溶媒や有機溶媒へ溶解させて使用する方法が用いられている。
【0004】
例えば、イカリジンを含有する耐水性忌避剤において、溶媒としてエタノールを用いる技術が提案されている(特許文献1)。また、水とエタノールに加えてスルホン化微細セルロース繊維を含有させることにより、イカリジンを水中で均一な状態にできるようにする技術が提案されている(特許文献2)。
【0005】
一方、近年、ナチュラル志向の高まりから、アルコールや界面活性剤の刺激による人体への負担を軽減するため、また、省資源化のため、アルコールや界面活性剤を含まない製品に対する要求が高まっている。
【0006】
ここで、適量の油性成分を対象面へ均一に塗布するための手法として、水を分散媒とする水中油型(O/W)エマルションが知られている。そして、上記の要求に応えるために、界面活性剤を含まない水中油型エマルションの開発が行われている。
例えば、界面活性剤を用いず、粉末状の固体粒子を界面に吸着させることによって調製するエマルションは、ピッカリングエマルションとして従来知られている(例えば非特許文献1や特許文献3)。また、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油などにより形成される閉鎖小胞体及び/又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子が、油-水の界面に介在して、ファンデルワールス力により油相に付着することで乳化させる方法は、三相乳化法として従来知られている(例えば非特許文献2や特許文献4)。さらに、水中油型エマルションの調製において、界面活性剤を用いずに、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンを用いてホモジナイザーなどの機械力により乳化させる方法が知られている(例えば特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-094319号公報
特開2022-075638号公報
特開2007-332037号公報
特開2020-037109号公報
特開2022-126615号公報
【非特許文献】
【0008】
Robert Aveyard et. al, Advances in Colloid and Interface Science 100-102, 503-546 (2003)
Yasutaka.Enomoto et. al, Journal of Oleo Science 66, (7) 689-697 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、界面活性剤を用いずにイカリジンを含む水中油型エマルションを調製する場合、水溶性高分子又は固体粒子を用いて機械力により乳化させる方法では、乳化粒子の粒子径が大きくなってしまい、良好な分散安定性が得られないという問題がある。
【0010】
このような課題に鑑み、本開示は、実質的に界面活性剤を含有していなくとも、分散安定性に優れた、イカリジンを含有する水中油型乳化組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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