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公開番号
2024139963
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023050924
出願日
2023-03-28
発明の名称
チェインコンベア及びその停止位置制御方法
出願人
新東工業株式会社
代理人
弁理士法人クスノキ特許事務所
主分類
B65G
43/04 20060101AFI20241003BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約
【課題】チェインに摩耗による伸びが発生した場合にも、ピッチ送りチェインコンベアの停止位置を正確に制御することができる技術を提供する。
【解決手段】搬入装置17と搬出装置19との間で搬送物7をピッチ送りするチェインコンベアであり、駆動側チェインホイール10の回転角度を検出するエンコーダ21と、緊張装置16による従動側チェインホイール14の移動量ΔLを検出するリニアスケール24とを備える。検出された従動側チェインホイールの移動量ΔLから、伸びた状態にあるチェイン1リンク当たりの長さLxを算出し、搬入装置と前記搬出装置との間の移動距離LTを移動させるに必要なリンク数を算出し、それに応じて駆動側チェインホイール10の回転角度θを制御する制御手段30とを備えることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動側チェインホイールと緊張装置を備えた従動側チェインホイールとの間に張設され、搬入装置と搬出装置との間で搬送物を間欠移動するチェインコンベアであって、
前記駆動側チェインホイールの回転角度θを検出するエンコーダと、
前記緊張装置により引かれた前記従動側チェインホイールの移動量ΔLを検出するリニアスケールと、
を備えることを特徴とするチェインコンベア。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記従動側チェインホイールの移動量ΔLから、伸びた状態にあるチェイン1リンク当たりの長さを算出し、前記搬入装置と前記搬出装置との間の移動距離LTを移動させるに必要なリンク数を算出し、それに応じて前記駆動側チェインホイールの回転角度θを算出して停止位置を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のチェインコンベア。
【請求項3】
前記制御手段は、前記移動距離LTとして任意の値を入力できる入力手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のチェインコンベア。
【請求項4】
前記制御手段は、チェインコンベアを運転し、前記搬入装置から前記搬出装置までの移動に対応するエンコーダのパルス数から移動距離LTの原物寸法を求めることを特徴とする請求項2に記載のチェインコンベア。
【請求項5】
前記制御手段は、前記移動距離LTを入力した時の前記従動側チェインホイールの位置を原位置とすることを特徴とする請求項2に記載のチェインコンベア。
【請求項6】
前記制御手段は、前記移動量ΔLと前記移動距離LTのうちいずれか一方又は両方の値を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のチェインコンベア。
【請求項7】
駆動側チェインホイールと緊張装置を備えた従動側チェインホイールとの間に張設され、搬入装置と搬出装置との間で搬送物を間欠移動するチェインコンベアの停止位置制御方法であって、
前記駆動側チェインホイールと前記従動側チェインホイールとの間の距離をLO、
前記搬入装置と前記搬出装置との間の移動距離をLT、
コンベアチェインの1リンクの長さをLr、
前記緊張装置により引かれた前記従動側チェインホイールの移動量をΔL、
前記駆動側チェインホイールと前記従動側チェインホイールとの間のリンク数をLO/Lr、
コンベアチェインの1リンク当たりの伸び量をΔL/(LO/Lr)、
前記移動距離LT間のリンク数をLT/Lr、
前記移動距離LT間のリンク全体の伸び量を(LT/Lr)×(ΔL/(LO/Lr))、
前記従動側チェインホイールの移動量がΔLであるときの前記搬入装置と前記搬出装置との間のリンク数をLT/(Lr+ΔL/(LO/Lr))、
1リンク当たりの前記駆動側チェインホイールの回転角度θrを、360°/チェインホイールの歯数tとし、
前記従動側チェインホイールの移動量がΔLであるときの前記搬入装置と前記搬出装置との間の前記駆動側チェインホイールの回転角度θを、
θ=LT/(Lr+(ΔL/(LO/Lr)))×θrの式により演算し、前記駆動側チェインホイールの回転角度θを制御する、
ことを特徴とするチェインコンベアの停止位置制御方法。
【請求項8】
駆動側チェインホイールと緊張装置を備えた従動側チェインホイールとの間に張設され、搬入装置と搬出装置との間で搬送物を間欠移動するチェインコンベアの停止位置制御方法であって、
前記緊張装置により引かれた前記従動側チェインホイールの移動量ΔLを検出するリニアスケールを設け、
前記駆動側チェインホイールと前記従動側チェインホイールとの間の距離をLO、
前記搬入装置と前記搬出装置との間の移動距離をLT、
コンベアチェインの1リンクの長さをLr、
前記緊張装置により引かれた前記従動側チェインホイールの移動量をΔL、
前記駆動側チェインホイールと前記従動側チェインホイールとの間のリンク数をLO/Lr、
コンベアチェインの1リンク当たりの伸び量をΔL/(LO/Lr)、
前記移動距離LT間のリンク数をLT/Lr、
前記移動距離LT間のリンク全体の伸び量を(LT/Lr)×(ΔL/(LO/Lr))、
前記従動側チェインホイールの移動量がΔLであるときの前記搬入装置と前記搬出装置との間のリンク数をLT/(Lr+ΔL/(LO/Lr))、
1リンク当たりの前記駆動側チェインホイールの回転角度θrを、360°/チェインホイールの歯数tとし、
前記従動側チェインホイールの移動量がΔLであるときの前記搬入装置と前記搬出装置との間の前記駆動側チェインホイールの回転角度を示すθ=LT/(Lr+(ΔL/(LO/Lr)))×θrの式と、事前に入力しておいた搬送速度vの値を使用して、搬送時間TをT=((θ/360°)×(t×Lr))/vの式により算出し、
この搬送時間Tをタイマーで制御する、
ことを特徴とするチェインコンベアの停止位置制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エプロンコンベア等の搬送物を間欠移動するチェインコンベア及びその停止位置制御方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば鋳造工場の連続鋳造ラインにおいては、高温の素材を冷却するために注湯済み鋳型をコンベアに搭載して冷却搬送している。このコンベアは間欠運転により搬送物をピッチ送りする必要があるため、タイマー制御による間欠運転でも移動距離が大きく変わらないベルトコンベア(特許文献1)が多用されてきた。しかし鋳型の移し替え時や搬送時に鋳型が割れ、高温の素材がベルト表面に接触すると、幅が広く長いために高価であるベルトを損傷するリスクがあった。
【0003】
そこでベルトコンベアの代わりに、鉄製のエプロンの上に鋳型を載せて搬送するエプロンコンベアも検討されている。エプロンコンベアは高温の素材が接触してもエプロンを損傷することがなく、上面に凹凸のないエプロンを用いることにより、鋳型の移し替え時や搬送時における鋳型の割れを削減できる利点もある。しかし、エプロンコンベア等のピッチ送りチェインコンベアは、長期間使用するとコンベアチェインを構成するリンク間に摩耗による不可避的な伸びが発生し、チェインホイールの回転数とチェインの移動距離が合致しなくなるという問題があった。そのためチェインコンベアの停止位置を精度よく制御することが必要な注湯済み鋳型の冷却搬送などには、使用困難であった。
【0004】
また、ベルトコンベアの場合、ベルトが伸びてもプーリの外径が一定であるため、プーリの回転数とベルトの移動距離の関係は変わらない。従ってベルトコンベアの場合には、上記した通りタイマー制御による間欠運転でも移動距離が大きく変わらない。これに対してエプロンコンベア等のピッチ送りチェインコンベアでは、リンク間に伸びが発生するとチェインホイールの回転数とチェインの移動距離が合致しなくなるため、エプロンコンベアの間欠運転には、タイマー制御も適用できないという問題があった。
【0005】
チェインコンベアに不可避的に発生する伸びの問題については、特許文献2から特許文献5にも記載がある。
特許文献2は、チェインの軌道を変更する2個のスプロケット間にロータリーエンコーダを備えたスプロケットを設け、その回転速度からチェインの送り量(移動量)を算出し、伸びのない正常なチェインの送り量と比較して、チェインの伸び量を検出することが開示されている。しかしこの発明は、チェインが全体的に延びた場合にも、一部が伸びた場合にもチェインの微小な伸びを検出することを目的としており、チェイン全長についての大きな伸び量の算出には適していない。また伸び量を検出する技術であって、ピッチ送りチェインコンベアの停止位置を制御する技術ではない。
【0006】
特許文献3には、従動スプロケットとチェインが噛み合っている部分に噛み合い高さ測定装置を設け、チェインが伸びると噛み合い位置がスプロケットの歯底から歯先に移動することを利用してチェインの伸び量を検出することが開示されている。しかしこの発明も特許文献2と同様、チェイン全長についての大きな伸び量の算出には適していない。また伸び量を検出する技術であって、ピッチ送りチェインコンベアの停止位置を制御する技術ではない。
【0007】
特許文献4には、エスカレータのような無限軌道において、チェインの単位長さ当たりに標識を設け、この標識を検出装置で検出してチェインの単位長さ当たりの伸び量を検出することが開示されている。また特許文献5には、エスカレータのハンドレールチェインの伸び量を検出する装置が開示されている。しかしこれらの発明も上記したものと同様、チェイン全長についての大きな伸び量の算出には適していない。また、伸び量を検出する技術であって、ピッチ送りチェインコンベアの停止位置を制御する技術を開示するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6098511号公報
特開2004-177196号公報
国際公開WO2018/096615号公報
特開平7-137976号公報
特開平11-199168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、チェインに摩耗による伸びが発生した場合にも、間欠移動される搬送物の停止位置を正確に制御することができるチェインコンベア及びその停止位置制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、駆動側チェインホイールと緊張装置を備えた従動側チェインホイールとの間に張設され、搬入装置と搬出装置との間で搬送物を間欠移動するチェインコンベアであって、前記駆動側チェインホイールの回転角度θを検出するエンコーダと、前記緊張装置により引かれた前記従動側チェインホイールの移動量ΔLを検出するリニアスケールと、を備えることを特徴とするものである。また本発明のチェインコンベアは、前記従動側チェインホイールの移動量ΔLから、伸びた状態にあるチェイン1リンク当たりの長さを算出し、前記搬入装置と前記搬出装置との間の移動距離LTを移動させるに必要なリンク数を算出し、それに応じて前記駆動側チェインホイールの回転角度θを算出して停止位置を制御する制御手段を備えることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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