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公開番号2024137934
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2024047374
出願日2024-03-22
発明の名称シール材、圧縮機用シール部材、往復動圧縮機用カップシール、およびスクロール型圧縮機用チップシール
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09K 3/10 20060101AFI20240927BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】汎用的に使用でき、耐摩耗性および相手材への非攻撃性に優れるPTFE樹脂組成物からなるシール材、該シール材からなる圧縮機用シール部材、該シール材からなる往復動圧縮機用カップシール、該シール材からなるスクロール型圧縮機用チップシールを提供する。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物からなるシール材は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂をベース樹脂とし、亜鉛系粉末(金属亜鉛粉末または銅亜鉛合金粉末)を含み、ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物全量に対する亜鉛含有量が1.0質量%~10質量%であり、亜鉛系粉末の平均粒子径は5.0μm~80μmである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物からなるシール材であって、
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂をベース樹脂とし、亜鉛系粉末を含み、ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物全量に対する亜鉛含有量が1.0質量%~10質量%であり、前記亜鉛系粉末が、金属亜鉛粉末または銅亜鉛合金粉末であることを特徴とするシール材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記銅亜鉛合金粉末における亜鉛含有量が10質量%~50質量%であることを特徴とする請求項1記載のシール材。
【請求項3】
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物は、該ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物全量に対して、二硫化モリブデンを2.0質量%~10質量%含み、かつ、炭素繊維を2.0質量%~15質量%含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール材。
【請求項4】
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物における前記亜鉛系粉末の質量基準の含有量は、前記二硫化モリブデンおよび前記炭素繊維の各含有量よりも多いことを特徴とする請求項3記載のシール材。
【請求項5】
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物は、前記亜鉛系粉末、前記二硫化モリブデン、および前記炭素繊維以外の無機充填材を含まないことを特徴とする請求項3記載のシール材。
【請求項6】
前記亜鉛系粉末の平均粒子径は5.0μm~80μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール材。
【請求項7】
前記銅亜鉛合金粉末における亜鉛含有量が10質量%~50質量%であり、
前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物は、該ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物全量に対して、前記銅亜鉛合金粉末を10質量%~30質量%含み、二硫化モリブデンを2.0質量%~5.0質量%含み、かつ、炭素繊維を2.0質量%~8.0質量%含み、
前記銅亜鉛合金粉末の平均粒子径は25μm~80μmであることを特徴とする請求項1記載のシール材。
【請求項8】
請求項1または請求項2記載のシール材からなることを特徴とする圧縮機用シール部材。
【請求項9】
無潤滑シール部材であることを特徴とする請求項8記載の圧縮機用シール部材。
【請求項10】
ピストンとシリンダを有し、前記ピストンの往復動により気体を圧縮する往復動圧縮機に用いられ、前記ピストンに固定され、前記シリンダの内径に圧入されて前記ピストンと前記シリンダとの間を気密にシールする往復動圧縮機用カップシールであって、
請求項1または請求項2記載のシール材からなることを特徴とする往復動圧縮機用カップシール。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空気などの気体や冷媒などを圧縮・膨張させる圧縮機(コンプレッサ)などに用いられるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂組成物からなるシール材、圧縮機用シール部材、往復動圧縮機用カップシール、およびスクロール型圧縮機用チップシールに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば圧縮機では、圧縮室を、潤滑油のない無潤滑(ドライ)状態で密封するシール部材が用いられている。従来、このような無潤滑で使用されるシール部材の材料としては、自己潤滑性を有するPTFE樹脂をベース樹脂とし、これに耐摩耗性などを付与するべく各種充填材が配合されたPTFE樹脂組成物が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、無潤滑シール材料として、PTFE樹脂を含む合成樹脂材料に、青銅粉末(成分Cu:Sn=9:1)、カーボン繊維、二硫化モリブデンが同時に充填されたPTFE樹脂組成物が開示されている。このPTFE樹脂組成物を用いることで、無潤滑シール材において、自己摩耗性および相手材への攻撃性の抑制が図れるとしている。
【0004】
一方、特許文献2では、従来の青銅粉末を含むシール材は、圧縮室からの圧縮熱と摩擦熱により高温状態になり、強度の低下により摩耗が促進され、その結果、寿命が低下するという問題があるとして、熱伝導率が300W・m
-1
・K
-1
以上の粉末物質と、炭素繊維と、二硫化モリブデンと、PTFE樹脂とを含有してなるPTFE樹脂組成物が開示されている。また、熱伝導率が300W・m
-1
・K
-1
以上の粉末物質は、銅、金、銀の群から選択された1種であることが開示されている。
【0005】
また、従来の往復動圧縮機用カップシールの材料については、特許文献3や特許文献4などに記載の技術がある。特許文献3では、PTFE樹脂をベースとするフッ素樹脂材料に、CF(炭素繊維)、MoS

(二硫化モリブデン)を適宜に混合した複合材料より形成されることが記載されている。一方、特許文献4では、特許文献3のカップシールは、揺動ピストンがシリンダの内周面に沿って上、下に摺動しつつ左、右に揺動変位するときに、そのリップ部がシリンダの内面に強く押付けられながら、摺動変位を繰返すために、シールリップの耐久性、寿命を必ずしも十分には確保することができないという問題があるとして、石油ピッチ系の黒鉛化処理した炭素繊維と、銅または銅合金からなる粉末物質と、二硫化モリブデンと、PTFE樹脂とを含んだ複合材料により形成する構成としたことが記載されている。
【0006】
また、従来のスクロール型圧縮機用チップシールの材料については、特許文献5や特許文献6などに記載の技術がある。特許文献5には、PTFE樹脂または変性PTFE樹脂を主成分とし、少なくともブロンズ(青銅)を10~30重量%、炭素繊維または球状炭素を5~20重量%、および二硫化モリブデンを1~10重量%充填した材料が記載されている。特許文献6には、PTFE樹脂と、球状銅粉5~25重量%と、ピッチ系炭素繊維5~20重量%と、二硫化モリブデン1~10重量%を含有した材料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平6-109139号公報
特開2005-264049号公報
特開平10-148178号公報
特開2006-283643号公報
特開2001-165072号公報
特開2004-210885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、例えば圧縮機などに使用されるPTFE樹脂組成物からなるシール材には、特に耐摩耗性および相手材への非攻撃性が求められる。特許文献2では、熱伝導率が300W・m
-1
・K
-1
以上の粉末物質を用いることで、耐摩耗性の向上を図っているが、金や銀は、高価であり、シール材として汎用的に使用することは困難である。一方、銅は変色しやすく、圧縮成形時の焼成で黒色に変色し、成形体の外観に色ムラが生じることから、商品価値に不安定要素が含まれ、シール材として使用しづらいという懸念がある。また、特許文献4のカップシール材や特許文献5、特許文献6のチップシール材は、銅またはブロンズ(銅合金)からなる粉末物質が必須成分であり、外観上で同様の懸念がある。
【0009】
また近年、スクロール型圧縮機においては、省エネ化、高出力化、小型化の開発が進められており、スクロール型圧縮機のスクロール旋回部に使用されるチップシールに対しても、より高速、高荷重領域での耐摩耗性向上が求められている。また、無潤滑式の圧縮機の生産台数も増えている。特許文献5および特許文献6に記載のチップシール材は、高面圧条件または無潤滑条件では耐摩耗性および相手材への非攻撃性が十分でないおそれがある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、圧縮機等のシール部材などに汎用的に使用でき、無潤滑条件でも耐摩耗性および相手材への非攻撃性に優れるPTFE樹脂組成物からなるシール材、該シール材からなる圧縮機用シール部材、往復動圧縮機用カップシール、スクロール型圧縮機用チップシールを提供することを目的とする。なお、本発明において「シール部材」とはパーツを意味し、「シール材」とは材料を意味する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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