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公開番号2024175260
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023092901
出願日2023-06-06
発明の名称回転負荷装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B62D 1/16 20060101AFI20241211BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】機械部品のみで回転反力を発生することが可能な回転負荷装置を提供する。
【解決手段】回転軸15の外周に軸方向にスライド可能に嵌合するスライド筒16と、スライド筒16を軸方向に付勢する弾性部材17とを有し、スライド筒16には、周方向に沿って軸方向位置が変化するカム溝30が形成され、回転軸15の外周には、回転軸15が回転したときにカム溝30内を摺動するカムピン31が設けられ、弾性部材17からスライド筒16とカムピン31とを介して回転軸15に伝達する弾性力によって回転反力を発生する回転負荷装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジング(14)と、
前記ハウジング(14)に対して回転可能に支持された回転軸(15)と、
前記ハウジング(14)に対して回り止めされ、前記回転軸(15)の外周に軸方向にスライド可能に嵌合するスライド筒(16)と、
前記スライド筒(16)を軸方向に付勢する弾性部材(17)と、を有し、
前記スライド筒(16)には、周方向に沿って軸方向位置が変化するカム溝(30)が形成され、
前記回転軸(15)の外周には、回転軸(15)が回転したときに前記カム溝(30)内を摺動することで前記スライド筒(16)を軸方向移動させるカムピン(31)が設けられ、
前記弾性部材(17)は、前記回転軸(15)が回転したときに前記スライド筒(16)の軸方向移動により弾性変形するように設けられ、その弾性部材(17)から前記スライド筒(16)と前記カムピン(31)とを介して前記回転軸(15)に伝達する弾性力によって回転反力を発生する回転負荷装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ハウジング(14)に対して回り止めされ、軸方向に延びる転走溝(28)を内周にもつ外輪(23)と、
前記スライド筒(16)を径方向に貫通して形成された玉保持穴(29)に保持され、前記転走溝(28)に転がり接触する玉(27)と、を更に有し、
前記玉(27)と前記転走溝(28)の係合により前記スライド筒(16)が前記ハウジング(14)に対して回り止めされている請求項1に記載の回転負荷装置。
【請求項3】
前記転走溝(28)が、前記外輪(23)の内周に周方向に間隔をおいて3箇所以上設けられ、
前記玉(27)および前記玉保持穴(29)も、前記スライド筒(16)に周方向に間隔をおいて3箇所以上設けられている請求項2に記載の回転負荷装置。
【請求項4】
前記玉(27)および前記玉保持穴(29)が、前記スライド筒(16)の同じ周方向位置に軸方向に間隔をおいて2箇所以上設けられている請求項2または3に記載の回転負荷装置。
【請求項5】
前記カム溝(30)は、カム溝(30)の周方向中央から周方向一方と周方向他方のいずれに向かってもカム溝(30)の軸方向位置が軸方向の一方側に変化するV字状に形成され、
前記弾性部材(17)は、前記スライド筒(16)を軸方向の前記一方側に付勢するように設けられている請求項1から3のいずれかに記載の回転負荷装置。
【請求項6】
前記回転軸(15)と前記ハウジング(14)のうちの一方の部材に、360°未満の角度範囲で周方向に延びるストッパ溝(33)が設けられ、他方の部材に、前記ストッパ溝(33)内に位置するストッパ突起(34)が設けられ、
前記回転軸(15)が回転したときに、前記カムピン(31)が前記カム溝(30)の周方向端部に当接するよりも前に、前記ストッパ突起(34)が前記ストッパ溝(33)の周方向端部に当接することで、前記回転軸(15)の回転可能範囲を規制する請求項1から3のいずれかに記載の回転負荷装置。
【請求項7】
前記回転軸(15)の回転角度を検知する回転角センサ(12)が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の回転負荷装置。
【請求項8】
外部から入力される回転を減速して前記回転軸(15)に伝達する減速機(51)を更に有し、
前記カム溝(30)が、前記スライド筒(16)に周方向に間隔をおいて3箇所以上設けられ、
前記カムピン(31)も、前記回転軸(15)の外周に周方向に間隔をおいて3箇所以上設けられている請求項1から3のいずれかに記載の回転負荷装置。
【請求項9】
前記減速機(51)は、外部から回転が入力される回転入力部(52)の回転中心と、前記回転入力部(52)の回転を減速して出力する回転出力部(55)の回転中心とが同一直線上に位置するように構成され、
前記回転入力部(52)は、外部から回転入力部(52)に回転が入力されたときに回転入力部(52)の回転中心まわりに回転入力部(52)と一体に回転移動する入力側凸部(60)を有し、前記回転出力部(55)は、外部から前記回転入力部(52)に回転が入力されたときに、前記入力側凸部(60)と同じ軸方向位置を、回転出力部(55)の回転中心まわりに回転出力部(55)と一体に回転移動する出力側凸部(61)を有し、
前記入力側凸部(60)と前記出力側凸部(61)は、外部から前記回転入力部(52)に回転が入力されたときに前記入力側凸部(60)が前記出力側凸部(61)に追いついて当接することで、前記回転入力部(52)の回転可能範囲を規制する請求項8に記載の回転負荷装置。
【請求項10】
前記回転入力部(52)の回転可能範囲が360°以上の大きさの角度範囲に設定されている請求項9に記載の回転負荷装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、回転反力を発生する回転負荷装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールに操舵反力を付与する用途に使用される回転負荷装置として、特許文献1のものが知られている。特許文献1の回転負荷装置は、ステアリングホイールに接続するステアリングシャフトと一体に回転する円筒状のドラムと、そのドラムの外周に摩擦接触する帯状部材と、その帯状部材の張力を調整するコイルばねとを有し、運転者がステアリングホイールを回転操作すると、ドラムと帯状部材の間の摩擦抵抗によって回転反力を発生するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4853412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、ドラムと帯状部材の間の摩擦抵抗によって回転反力を発生するようにしたのでは、常にステアリングホイールの回転方向と逆向きの一定の大きさの回転反力(回転抵抗)が発生するので、ステアリングホイールを中立位置(車両が直進するときのステアリングホイールの位置)から回転させる操作をするときも、その後、ステアリングホイールを中立位置に戻す操作をするときも、ステアリングホイールの回転方向とは逆向きの同じ大きさの回転反力が発生することとなる。
【0005】
しかしながら、ステアリングホイールを中立位置に戻す操作をするときに、ステアリングホイールを中立位置から回転させる操作をするときと同じ大きさの回転反力が発生するのでは、運転者によるステアリングホイールの操舵フィーリングが重たいものとなってしまう。
【0006】
ここで、本願の発明者らは、ステアリングホイールを中立位置に戻す力を回転負荷装置で発生させることができれば、運転者によるステアリングホイールの操舵フィーリングを向上させることが可能となると考えた。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、機械部品のみで回転反力を発生することが可能であり、ステアリングホイールに操舵反力を付与する用途に好適な回転負荷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の回転負荷装置を提供する。
[構成1]
ハウジングと、
前記ハウジングに対して回転可能に支持された回転軸と、
前記ハウジングに対して回り止めされ、前記回転軸の外周に軸方向にスライド可能に嵌合するスライド筒と、
前記スライド筒を軸方向に付勢する弾性部材と、を有し、
前記スライド筒には、周方向に沿って軸方向位置が変化するカム溝が形成され、
前記回転軸の外周には、回転軸が回転したときに前記カム溝内を摺動することで前記スライド筒を軸方向移動させるカムピンが設けられ、
前記弾性部材は、前記回転軸が回転したときに前記スライド筒の軸方向移動により弾性変形するように設けられ、その弾性部材から前記スライド筒と前記カムピンとを介して前記回転軸に伝達する弾性力によって回転反力を発生する回転負荷装置。
【0009】
この構成を採用すると、外部から回転軸に回転が入力され、回転軸が回転したときに、回転軸の外周のカムピンが、スライド筒のカム溝内を摺動しながら、回転軸と一体に回転移動する。ここで、スライド筒は、ハウジングに対して回り止めされ、スライド筒のカム溝は、周方向に沿って軸方向位置が変化するように形成されているので、カムピンがカム溝内を摺動しながら回転軸と一体に回転移動すると、そのカムピンの回転移動に応じてスライド筒が軸方向移動する。そして、そのスライド筒の軸方向移動によって弾性部材が弾性変形し、その弾性部材からスライド筒とカムピンとを介して回転軸に伝達する弾性力によって、回転軸の回転角度に応じた大きさの回転反力が発生する。このように、外部から回転が入力されたときに、機械部品のみで回転反力を発生することが可能である。また、回転軸の回転角度に応じた大きさの回転反力が発生するので、ステアリングホイールに操舵反力を付与する用途に好適である。
【0010】
[構成2]
前記ハウジングに対して回り止めされ、軸方向に延びる転走溝を内周にもつ外輪と、
前記スライド筒を径方向に貫通して形成された玉保持穴に保持され、前記転走溝に転がり接触する玉と、を更に有し、
前記玉と前記転走溝の係合により前記スライド筒が前記ハウジングに対して回り止めされている構成1に記載の回転負荷装置。
(【0011】以降は省略されています)

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